hirax.net::Keywords::「コダクローム」のブログ



1998-11-17[n年前へ]

スクリーンセーバーを作ろう。 

FilmStrip

(1998.11.17)

 今回はスクリーンセーバーを作りたい。 指定ディレクトリに画像ファイルを入れておけば、それらの画像ファイルを自動再生するスクリーンセーバーである。ただ再生するだけではつまらないので、35mmのポジフィルム風に再生するものにした。フィルムはコダック コダクロームである。独特の濁った色会いが、好きなのだ。

 プログラムの土台にはC++BuilderのCDに付属のスクリーンセーバーのサンプルを使用している。

 今回のテスト版は192x128のランドスケープのKodak PhotoCDの小サイズを基本としている。つまり、35mmフィルムのランドスケープの縦横比である。その他のサイズの画像でも自動的にフィッティングするようにはしてあるが、縦横比が合っていないと、変な風になってしまうから注意が必要である。また、今回はwindowsBitmapファイルにしか対応していないが、いずれ、任意の画像ファイルに対応させる予定である。

 まずは、以下をダウンロードし、filmstrip.lzhを解凍したFilmStrip.scrをシステムディレクトリ(通常、Windows95,98であればWindowsディレクトリの下)に入れ、「サンプル画像ファイル(Image.lzh)」を解凍したものを、C:\のすぐ下に置く。あとは、これでスクリーンセーバーが使えるようになる。とはいっても、WindowsNT4.0でしか動作確認はしていない。

左が実行中の画面、右がその拡大図。実行時にはフィルムが次々と進んでいく。

 設定画面はこのようになる。現在は「撮影間隔」のスピード調整しかできないが、いずれ「モノクロ変換」、「セピア変換」、「ソフトフォーカス」などの画像処理もかけてみたい。モノクロにする時にはフィルムはもちろんネオパンプレストだ。

左が画面のプロパティでFilStripを選択したところ、右がFilmStripの設定画面

 フィルムストリップ形式にすると、映画を連想する人も多いかもしれない。今日は、淀川長治の映画解説の最後の日である。

1999-06-30[n年前へ]

デジカメ画像をスクリーンセーバーにしたい 

記念写真を飾ろう

 最近は、飲み会での撮影はデジカメを使うことも多い。しかし、デジカメで撮った画像というのはそれっきりになってしまうことも多い。特に宴会で撮った画像なんかはどう使ったらいいか困ってしまう。とはいっても、送別会で撮った写真などはなんとかして有効利用したいものである。
 というわけで、デジカメ画像を使えるスクリーンセーバーを作ってみたい。そうすれば、スクラップブック代わりにも使える。しかもとびきりかっこいい奴を作りたい(私の主観を基準として)。

 というわけで、写真アルバム風のスクリーンセーバーを作りたい。つまりは、「スクリーンセーバーを作ろう。- FilmStrip - (1998.11.17) 」の回で作ったスクリーンセーバーを蘇らせてみたのである。まずは、設定ダイアログを見て欲しい。

設定画面

  これを見れば大体わかると思うが、主な変更点はSusieプラグインに対応することにより、さまざまな画像ファイルに対応することができるようになったのと、「テーマ」を複数用意したことである。
 Susie「kanaさんのWEB中のSusie関係のlinkページ」から辿って、対応するSusieプラグインを手に入れてくれば、大抵のデジカメの画像を表示することができるだろう。大抵のデジカメはJPEGファイルなので、JPEG用のプラグインがあれば使えるものも多いと思う。Susieプラグインはシステムディレクトリに入れれば使えるようになる。あるいは、Susieをインストールした所でも良い。
 もし、全くSusieプラグインを入れないと、BMPファイルしか開くことができないので注意が必要である。

 また、画像ファイルの入っているディレクトリは「@マークボタン」を押せば変更することができる。

 それでは、テーマを紹介してみる。まずは、デフォルトの「カラーリバーサルフィルム」テーマである。リバーサルフィルムがモチーフである。これのテーマソングは(別に曲が流れるわけでも何でもないが)「僕のコダクローム」だ。

カラーリバーサルフィルム

 次は、「白黒フィルム(コンタクトプリント)」テーマである。白黒フィルムを現像した後に必ず行うコンタクトプリント(ベタ焼き)がモチーフだ。グレイ化処理を行いながら表示を行う。これのテーマソングは「カメラ!カメラ!カメラ!」だ。

白黒フィルム(コンタクトプリント)

 次は、パーティーションなどにポラロイドを貼っているような「ポラロイドのピンナップ」テーマである。テーマソングは「君は天然色」だ。

ポラロイドのピンナップ

 そして、最後はコルクボードにセピア色になった写真を貼りつける「白黒のピンナップ」テーマだ。セピア処理をしながら表示してくれる。テーマソングは「卒業写真」だ。

白黒のピンナップ

テーマソングを見ると作者の年齢が想像されるが、そうそう年寄りではないつもりだ。と、一応書いておこう。

ダウンロードはこちらだ。ちなみにWindowsNTには未だ対応していない。それは対応させるとデバッグが面倒だからだ。また、

スクリーンセーバー FilmStrip99 (filmstrip99.lzh) 537kB

著作権表示 (必要ない人はパスだ。)

 (デフォルトで画像ディレクトリに指定されている)C:\image\bmpに入れるためのファイルはこちら。先にこちらの画像ファイル群をC:\image\bmpというディレクトリの下に入れてから動かして欲しい。しつこいようだが、C:\image\bmpの下に画像ファイルがいっぱいという状態にするのである。

サンプル画像ファイル(Copyright Jun Hirabayashi)(お気に入りのおすすめ。) image.lzh 805kB222kB

そうでないと、一番最初の起動時にエラーが出るだろう。もし、自分で表示させたいものがあるなら設定ダイアログから変更してしまえば良い。もちろん、完成度は未だ高くないのはいつものことである。それでも悪さはしないはずだ。

 「こんなテーマがあれば良いのに」という意見があればぜひぜひメールを送って頂きたい。あと、動作不良に関しては、(必ずやわらかい口調で)メールして欲しい。どんどん直していくつもりだ(つもり)。
 また、リアルタイムに高機能な画像処理を行うCPU使い放題バージョンも開発中である。こちらもご意見募集中である。

2005-02-20[n年前へ]

「コダクロームが残した色」 

ロバート・キャパ写真展|日本橋店 「コダクロームが残した色」 書き手の山田祥平氏の文章はとても好きなのだが、その名前が少女マンガ家の山田南平に見えてしまうことがあり、(妙な印象が頭の中に先に生まれてしまい)困ることがある。
 それにしても、「Capa in Color」は観に行ってみたかった。

2008-07-27[n年前へ]

懐かしい景色と懐かしい音 

 港で運動した帰りに銭湯に行った。

 大正浪漫を感じさせるようなレトロな建物だけれど、明治12年創業と聞けば、そんな佇まいも至極当然に見えてくる。

 引き戸の入口をから中に入れば、そこは何十年も違う時代に見える。体重計には数字の横に「貫」という文字も刻まれていて、あぁ、1貫は4kgで、百貫デブは400kgのことだったんだということに気づかされる。

 さらに浴室の中に進むと、その中はまるで古い教会のようだ。狭いけれど三角屋根の高い天井に、音が響く。声を出せば、パイプオルガンが教会に響くように声が残り、丸い浴槽の中に漬かっていると、外から聞こえる排気音が、ダイハツ・ミゼットの音にしか聞こえなくなってくる。

 ここに入ってくる新しいものは、ガラスビンから缶に変わったコーヒー牛乳と、ほんの少しづつ、微かに入れ替わっていく「人」自身だけかもしれない。

 コダクロームで撮影したような、不思議に濁った色合いの日暮れを見た後に、港に流れる川沿いを歩き、道沿いに座る。すると、人々のざわめきと花火の爆音が響いている。音が、街の「通り」の四方八方から違う周波数とタイミングで響きわたり、空気を震わせ続けてる。

 懐かしい景色と懐かしい音が、目の前に心地良く広がっている。

銭湯銭湯






2009-06-23[n年前へ]

さよなら、「僕のコダクローム」 

 大学に入学した夏、友人の部屋で何日か過ごした。何日か目の朝、徹夜明けの朝、二人で散歩していると、古いカメラが捨てられているのを見つけた。そこで拾ったカメラは、CANON FTbというものだった。金属の重さを感じさせ、いかにも「道具」という雰囲気を持つそのカメラに惹かれ、いつしかぼくは写真を撮ることを趣味にするようになった。

 白黒写真は、ネオパンフィルムを使い、大学の研究室にあった暗室でいつも現像・焼き付けをしていた。カラー写真は、ポジフィルムのコダクロームを使うことが多かった(ベルビアも使うこともあったけれど)。独特の濁った色が、景色を眺める複雑な色合いの気持ちを写しだすように思われて、それが好きでぼくはいつも使ってた。好きな街を、好きな空を、好きな人たちを、いつでもぼくはコダクロームとネオパンで撮った。

 「米Kodak、コダクロームフィルムの販売を終了」という記事を読んだ。僕はコダクロームが好きだった。けれど、もう20年近く使っていない。だから、販売終了というニュースを聞いても、ただ頷(うなづく)くしかない。けれど、ぼくはコダクロームが好きだった。

 ぼくのiPodには、Paul Simonの「僕のコダクローム」が入っている。彼が「鮮やかな色を、夏の緑を写しだすコダクロームを僕からとりあげないで」と歌う声を、今でも、ぼくは電車の中で聞いている。コダクロームで撮った夏の景色、夕暮れの空の下を歩く誰か、夜に花火を持つ君、国分寺のライブハウスで歌う人、コダクロームで撮った色々な景色を思い出す。

Kodachrome
They give us those nice bright colors
They give us the greens of summers
Makes you think all the world's a sunny day,
I got a Nikon camera
I love to take a photograph
So mama don't take my Kodachrome away

 また一つ、ぼくの好きだったものが消えていく。思わず、ぼくも、ポール・サイモンのように、"So mama don't take my Kodachrome away"と呟いてしまう。



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