hirax.net::Keywords::「スキャナ」のブログ



2000-01-27[n年前へ]

「富士の樹海」を目指せ 

磁界を可視化しよう

 以前から探していた「面白いもの」を入手した。この写真がその「面白いもの」なのであるが、何だかわかるだろうか? ちなみに、大きさは「1cm×5cm」位のシートである。
 

謎の「面白いもの」

 これは「マグネビュアー」というものである。磁界を可視化してくれるシートだ。マイラーフィルムの間に磁性体を混入させたマイクロカプセルを入れることで、磁界に対する配向性を持たせたものだ。と、言葉でいってもなかなかわかりにくいので、磁界を可視化した写真を示してみる。何しろ、百聞は一見に如かずである。
 次の写真は某ピザ店のマグネットシート(よく冷蔵庫の扉に張り付ける奴)の上に「マグネビュアー」をのせたところである。ピザ屋は私の食生活を支えていると言っても良い。私が生きているのはピザ屋のおかげである。
 

某ピザ店のマグネットシートの上に「マグネビュアー」をのせたところ

 私の「命の恩人」でもある某ピザ店のマグネットシートがつくる磁界が見て取れるだろう。磁界が可視化されているのである。

 本WEBではこれまで様々な「可視化」で遊んできた。例えば、

などである。様々な現象を可視化してきた。そこで、今回は磁石がつくる様々な「磁界」を可視化して遊んでみたい。

 上に示した「某ピザ店のマグネットシートの表面」の磁界の様子も面白いが、もっと面白いのは「某ピザ店のマグネットシートの境界」の磁界を可視化したものである。

 それが下の写真である。磁界の様子が実感できるのではないだろうか?
 

「某ピザ店のマグネットシートの境界」の磁界を可視化したもの

 下に示す図はドーナツ型の磁石の周りの磁界をCUPSを用いてシミュレーション計算した結果である。この計算結果と同じようなものが「マグネビュアー」を使うと簡単に可視化できる。
 

ドーナツ型の磁石の周りの磁界をCUPSを用いてシミュレーション計算した結果

 普通、こういった磁界の可視化は磁気造影剤や砂鉄みたいな磁性体粒子を用いるのであるが、そういったものはどうにもハンドリング性にかける。液体や粉体などを家の中で実験に使うのはイヤである。いや、もちろん仕事で使うのもイヤであるが... そこで、この「マグネビュアー」が登場するわけだ。

 それでは、その他の面白そうな磁界を可視化してみたい。磁界と言えば、やはりアレの登場だろう。もちろん、アレと言えば磁気カードである。クレジットカードや銀行のキャッシュカードといった磁気カードだ。一例を次に示してみる。こんなヤツだ。
 

磁気カードの一例

 カードの下に黒い磁気データ記録部があるのがわかるだろう。

 それでは、その「磁気データ記録部」に「マグネビュアー」をのせてみよう。はたして、磁気データは可視化されるだろうか?
 

「磁気データ記録部」に「マグネビュアー」をのせる

 といっても、この写真ではわかりにくいので、「マグネビュアー」を拡大してみよう。すると、バーコードのような模様が見えるのがわかると思う。「磁気データ」が簡単に可視化されているわけである。この「マグネビュアー」と普通のスキャナーがあれば磁気データ読み取り機がなくても磁気データが読みとれるのである。
 

「磁気データ」が簡単に可視化されている

 しかし、このカードに関しては内容を解析するとマズイ事情があるので、次回に「ソフマップ」のカードを題材にして磁気カードの内容を可視化してみるつもりだ。題して、

  • ソフマップでお買い物 - 磁界の可視化とバーコード - (仮称)
である。

 さて、話は変わるが、私はこの「マグネビュアー」を手に「富士の樹海」を目指すつもりだ。「富士の樹海」では」方位磁針が変な方向を示すと伝えられている。そしてまた「富士の麓」ではとかく人は判断を誤りやすいとも聞く。船頭多くして船山に登ると言うが、「富士の樹海」には判断を誤った船が沈没しまくりである。

 私は「富士の樹海」の真実をこの「マグネビュアー」で明らかにするつもりだ。「富士の樹海」の謎を明らかにするのである。何故、方位がそして人が判断を誤るのか、その謎を明らかにするのだ。

 しかし、もしも、もしも、の話であるが、本WEBの更新が止まった際には、「富士の樹海」で私が眠っていると思って欲しい。「マグネビュアー」が役に立たないはずがないのだが、きっと何か判断を間違えたのであろう。そうそう、あくまで「富士の樹海」である。「富士の裾野」ではないので念のため...
 

2000-01-30[n年前へ]

ソフマップでお買い物 

磁界の可視化とバーコード

 前回、

で「マグネビュアー」を使って磁界の可視化をして遊んでみた。今回はその続きである。ソフマップの磁気カードの中に書き込まれている磁気データを可視化して調べてみるのである。

 磁気カードには、

  • 銀行のキャッシュカード
  • クレジットカード
  • テレホンカード
  • オレンジカード
などなど色々と使われている。ここで例に挙げたようなカードの解析はすでに行われている(多分)。それに加えて、これらのカードの解析にはかなり危険な香りがする。もちろん、あまり解析が難しそうなものを題材に選ぶと後悔すること必至である。そこで、割に無意味で安全そうな磁気カードを選んでみたわけだ。それがこのソフマップカードである。

 まずは、ソフマップカードの写真を示してみよう。これがソフマップで買い物をするたびにお世話になるソフマップカードである。
 

ソフマップカード

 この写真からではどこにデータが書き込まれているのかわからない。そこで、「マグネビュアー」の登場と言いたいところであるが、残念ながら今回は「マグネビュアー」は登場しないのである。「マグネビュアー」はとても便利なのであるが、さすがに磁気カードの磁気データを読もうとすると分解能が不足する恐れがある。

 そこで、代打選手に登場願うことにした。代打選手はキヤノン製のLBPのトナーである。以前、

の時に「トナーはクーロン力で制御されて画像を作るのだ」という話があった。キヤノン製の白黒のLBPではクーロン力に加えて磁気力を使ってトナーを制御している。なので、キヤノン製の白黒トナーは磁性体粉末ということになる。

 テレホンカードが出た頃はキヤノン製のトナーを使ってデータを読み出していた人も多いはずである。みな、テレホンカードの表面を削りトナーを振り掛けていたのである。というのは、聞いた話であり、実体験に基づくものでは絶対にない。神に誓っても良い。その頃にキヤノン製のトナーを使い倒していたということは絶対にないのである。しかも、その数年後に(以下略)。

 それでは、磁性体の微少粉末であるトナーをソフマップカードに振り掛けてみよう。
 

トナーをソフマップカードに振り掛けてみる

 ソフマップカードの磁気データが可視化されたのがわかると思う。磁気によるバーコードが見えるだろう。これがソフマップカードに書き込まれている磁気データである。
 とはいえ、トナーの付着具合にムラがある。それは私が雑に実験を行ったからである。こんなにムラがあっても磁気コードが判別できるかどうか疑問を持たれる方も多いと思う。しかし、

の時にやったように、そこは1次元バーコードの特徴を使えば大丈夫である。ここで、もう一度挙げておくと、
  1. 読む方向に対して垂直な線が多い
  2. 読む方向に対して水平な線は少ない
という特徴である。磁気データのバー方向にはまったく同じデータが書き込まれているので、磁気データのバー方向に画像を平均化することでノイズを減少させることができる。
 そのようにして、ノイズを減らし、S/N比を上げた画像を示してみる。
 
S/N比を上げた磁気データ部分の画像

 どうだろうか、驚くほど綺麗になっているのがわかると思う。まさか、と思われるかもしれないが本当である。
 さて、これはソフマップカードの磁気データの全体像であるが、もう少し拡大したものを以下に示す。
 

S/N比を上げた磁気データ部分の画像の拡大図

 極めて明瞭に磁気データが可視化されているのがわかると思う。これはトナーを振りかけて、1万円ちょっとのスキャナ(CanonのUSB接続の安物スキャナ)で読み込んだものに対して先の処理をしただけである。これほど明瞭になるのも、全て1次元バーコードの特徴のおかげである。磁気ヘッドの制作などをしなくても良いのである。

 磁気カードの記録密度は銀行統一仕様(NTT)でもISO3554でも8.3bit/mm=211bit/inchであるから、最近の600dpi(dot/inch)程度のスキャナーであれば十分磁気データの画像読みとりが可能である。
 
 それでは、もっと拡大してみる。拡大する部分は上の画像の右の辺りである。すると、このようになる。
 

S/N比を上げた磁気データ部分の画像の拡大図の拡大図

 データ間隔がわかりやすいように、ここでは矢印や文字を書き入れている。この画像を見ると、磁気データは規則的な細かい周期性を持ち、その周期でいうと8つ単位でさらなる周期性があるように思われる。つまり、8bitをひとまとまりとしたデータが書き込まれているように見える。例えば、上の画像では

  • ( 白、白、白、白、白、白、黒、黒 ) x 2
というデータに見える。二進数で言うと
  • ( 00000011 ) x 2
であり、ケンシロウ進数で言うと、
  • ( ああああああたた ) x 2
である。ソフマップカードの磁気データのほとんどの部分はこの( 白、白、白、白、白、白、黒、黒)パターンでしめられている。これは当然データの空白部だろう。そして、見るからに意味あるデータが書き込まれているだろう部分が以下の色を着けた部分である。
 
S/N比を上げた磁気データ部分の画像の拡大図の拡大図

 複数枚のカードのこの部分を比較してみれば、比較的容易にデータ構造は解析することができるだろう。また、一枚のカードからでもカード番号などの数字と磁気データを比較することにより、解析することはやはり困難無しに解析できると思うのである。と、思うわけではあるが、あまりやりすぎるのはマズイと思われるので、今回はこれまでにしておく。
 

2000-06-19[n年前へ]

プリクラの中の物語 

プリクラもどきソフトを作ろう 第一回

 先日、旅先でこんなプリクラを撮影してみた。モザイクのかけすぎで、何がなんだかわからなくなっているが、とりあえず雑誌の表紙デザインのプリクラである。non-noやmonoマガジンの表紙に私が載ることは絶対にないであろうし、ましてやTIMEやNewsweekの表紙に載ることはありえないだろうから、これは記念品になるわけだ(私にとって)。
 

雑誌の表紙デザインのプリクラ

 ここで使われている雑誌は、英語のものと日本語のものが半々くらいである。しかし、機械自体にはハングル文字が書かれており(プリクラが置いてあった場所は韓国ではないが)、これが果たして正規品なのか、バッタもんなのかの区別は私には判らなかった。もっとも、日本語で書いてあったとしてもその区別は私にはできなかっただろう。

 元祖オリジナルの

なんかを見てみると、色々なフレームがあって面白い。オリジナルでも(上のものがオリジナルかどうかはさておき)、SWEET、FTTYE、地球紀行etc.といった雑誌デザインのものがラインナップされている。これらの雑誌?が果たして実在のものかどうか私は知らないが(知らないことばかりだ)、こういうデザインが結構あるところを見ると人気があるのだろう。

 さて、こういう「プリント倶楽部」みたいなことをパソコンで実現するプリクラもどきソフトというものは色々と出ているようである。単に画像を合成するだけだから、パソコンで簡単にできるのは当然だろう。しかし、である。そういったソフトを使うのは、どうも簡単でないような気がするのである。デジカメで撮った画像や、普通のカメラで撮影した写真をスキャナーで読み込んだ画像を、プリクラもどきソフトで画像合成するわけだが、これは果たして簡単なのだろうか?私はハッキリ言って、こんな作業はめんどくさいと思う。例えば、

  • 画像をPCに読み込む
  • 画像ファイルをプリクラもどきソフト上で読み込む
なんて作業は、めんどくさがりやの私には耐えられない。それに、いかにもコンピューターを使っているという感じがして、イヤになってしまう。

 しかし、考えてみるとこう文句ばかり言っていてもしょうがない。文句を言うからには、自分でも何か手を動かさなければならないだろう。そして、何より「必要は発明の母」である。というわけで、簡単なプリクラもどきソフトを私も作ってみることにした。今日は足が痛くて外に出れない。ということは、ソフトを作る時間もたっぷりある。というわけで、「必要は発明の母」で「父は私」だ(って、前にも使ったような...)。

 デジカメや普通のカメラで撮った画像は「画像をPCに読み込む作業」がどうしても必要になる。そこで、それがめんどくさいならば、「デジカメや普通のカメラ以外で画像を読み込めば良い」というわけで、ビデオカメラで取り込んでいる画像をプリクラ風にするソフトを作ってみることにしたのである。ビデオカメラであれば、ポーズをとればその様子がリアルタイムで確認できる。デジカメや普通のカメラで撮った画像を用いる場合には、静止画の加工作業がどうしても必要になる。例えば、画像の位置をずらしたり、ロゴの配置を考えたりしなければならない。しかし、リアルタイムで画面の確認ができるビデオカメラからの取り込みを用いる場合には、自分でちょっとポーズの取り方を変えれば良いだけである。そして、何よりめんどくさい画像読み込みの作業がいらない。

 まずは、第一回目バージョンはここにおいておく。アルファ版どころか、まだまだ簡単なテスト用のバージョンである。動作させるためには、同梱のVCL40.BPLをシステムディレクトリに入れる必要がある。

 このpurikura.exeの動作画面はこんな感じだ。ビデオ画像が白黒なのは、白黒のCCDカメラを使用したからで、カラーのビデオカメラを使えば、むろんカラーで写るはずである。
 
purikura.exeの動作画面

 この動作画面で、

  1. 一番左がビデオの入力画面で、
  2. 真中の画面がプリクラ風フレームをリアルタイム合成した画面で、
  3. 一番右が気に入ったポーズで静止画記録した画面
である。色々ボタンがあるが、どれも文字通り機能のボタンだ。

 これを使って、適当に色々なポーズで撮ってみたのが次である。何か、フレームがおどろおどろしい、色使いとデザインになっているが、そこはそれ私のセンスの無さということで気にしないで欲しい。
 

purikura.exeで撮影した画像達

 今回は、適当に作ってみただけなので、フレームは一種類しかなかったり、ビデオ入力のドライバーが複数あると(きっと)上手く動かなかったり、と情けない出来ではあるが、この続編で機能アップをして行く予定である。まずは、

  • あなたの髪がフサフサに! ハゲの物理学 画像シミュレーション編(仮称)
で、色々な髪型フレームバージョンを登場させる予定である。

 ところで、こういうプリクラの写真を眺めていると何か楽しい記念写真のようで、見ているだけで何やら物語性を感じてしまう。いきなり、物語性というとわかりにくいかもしれないが、写っている人やものの息吹を感じる写真と言った方がわかりやすいだろうか?とにかく、私はそういう物語を感じる写真というのがとても好きなのである。だから、街角のスナップ写真なんて大好きだし、例えば荒木経惟の写真なんていうのも結構好きだ。
 

荒木経惟が撮っていた青春18きっぷの写真

 私が青春18切符を使っていた時は、大垣夜行(別名、人民列車)に乗る時がメインで、物語性を感じている余裕はあまりなかった。しかし、青春18切符でカタコトカタコト鈍行の旅をしているのも結構気持ちが良いものだっと思う(安いし)。

 さて、最近「小さな一眼レフが欲しい病」に罹っているのだが、なかなかいいものが見つからない。今のところ有力候補はPentaxMZ-50かCanon EOS kissIIIなのだが、どうも踏ん切りがつかない。どなたか、これはオススメというものがあったら教えて頂けるとありがたい。

2000-09-06[n年前へ]

色読み上げ機 

レンテックの「TEN−16」。六万二千円。十色に「濃い」「薄い」の修飾語も加わる。(リンク)(リンク)北計工業の「カラートーク」。九万八千円。十三色に「鮮やかな」「濃い」「赤みの」等の修飾語を組み合わせて二百二十種類の表現。石川県工業試験場の協力。(リンク)フラットスキャナータイプ・ソフトウェアタイプはその他多数有り。

2001-08-02[n年前へ]

今更ながらのFun Loveウィルス 

 Fun LoveウィルスでNさんのPCがダウン。三ヶ月分のソースコードがパ〜。おそろしや〜。感染経路だけは知りたいところ。
 それにしても、NTサーバー版非対応のソフト・ドライバーが多いのが結構困る。Macサービスとか4CPU使いたいからサーバー版使ってるだけで、ほとんど使い方はワークステーションなのに…。いきなり、どこでも売ってるソフトウェア・パッケージじゃなくて、「ソリューション」になっちゃうんだもんなぁ。スキャナもろくに使えないし…。



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