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2000-08-26[n年前へ]

恋の力学 

そう言えば以前referer_logを解析したときに、「恋の力学 -恋の無限摂動 - (1999.12.21)」をほとんどそのまま流用して大学に提出するレポートに仕立てたものを見かけたなぁ。

2000-09-02[n年前へ]

もうすぐ二歳の「できるかな?」 

初心に帰ってみましょうか?


  「できるかな?」が始まったのは二年近く前の秋のことだった。

でも触れたが、当初(実は今も続いているが)は某社内の某サーバー内でこっそりと始めてみたのだった。それから二年あまりでずいぶんと色々な話が増えた。某社サーバー内でしかアップしていない
  • プリンタドライバーは仮免
  • 続 電子写真プロセスを分数階微分で解いてみよう
  • 続々 電子写真プロセスを分数階微分で解いてみよう
等の外部未公開の話も含めれば、もうすぐ200回近くになる。そして、公開場所の変化もあってずいぶんと話の傾向も変わってきた。最近では「ここのところの話題は何か変じゃないですか?hirabayashiさんどうかしたんですか?」とか、「大丈夫?hirabayashiくん?」などと言われる始末である。

 そして話が増えてきたせいか、自分自身でも「アレッ、あの話はどこにあったけ?」というように迷ってしまうことが多々ある。迷うどころか、最後まで見つからないこともしばしばあるのだ。そして、それは私でもない他の人であればましてやそうだろう。というわけで、

では簡単にそれまでの話の紹介をしたし、ではhirax.net内の全文検索機能を付けてみた。

 今回は、これまでの話題をもう一度自分で読み直して、その中から「自分のお気に入り」を調べてみたいと思う。そして、最近少し話題が変になってしまっている反省をして、もう一度初心に帰ってみようと思うのだ。

 まずは、1998年の話題からいくと

というあたりが、良い感じだ。京都の風物詩である「鴨川カップル」達が人目を気にしながら寄り添う合う姿を考えてみたものだ。後の「恋の力学」シリーズなどはここらへんから始まっていた、といっても良いだろう。そしてこの頃の[Scraps]系の話題としては、がある。少し前に、この「さなえちゃん」を描いた漫画の作者からメールを頂いたのがとても私には印象深かった。

 そして、1999年の上半期から選んでみると、まずは

というところだろう。ハードディスクの情報を可視化することで情報圧縮・エントロピーを考えてみた一話である。そして、同じような「可視化シリーズ」の一つであるはこの後「感温液晶はどこで売っていますか?」という質問メールを多々頂くことになった。そして、[Scraps]系のが私の「お気に入り」でもある。ここら辺から「できるかな?」の中に全然技術的な話題でない物が登場し初めたような気がする。

 そして、1999年の下半期はもう自分で言うのも何だが傑作揃いである。大体、書いているペースが自分でも驚くくらいのハイペースだ。月当たりの話の数を数えてみると、

  •  7月 9話
  •  8月 9話
  •  9月 8話
  • 10月 8話
  • 11月 11話
  • 12月 9話
という感じでいやもうビックリしてしまう。平均すると三日に一話である。どうも、本業が忙しいとそれに比例して制作ペースが増加するという、「恐怖の睡眠時間減少の法則」が成り立つようだ。

 この頃の「お薦めの話」はいっぱいある。例えば、

に始まった「文章可視化シリーズ」や、で始まった「ASCIIアートシリーズ」だろう。から始まる「江戸五色不動シリーズ」は江戸にロケまで行ったので、とても思い出深い話の一つである。しかも、妙な偶然のせいでまるで小説の中に迷い込んだような気持ちになったものだ。

 そして、WEBページを作る上では

などもどうしても外せない。そして、この後結構続くことになるという「恋の力学」シリーズもこの時期に始まっている。そして、この頃の一番人気が何と言ってもだろう。この「ミニスカート」系の話の流れは以降も続くことになるのが自分では意外でもあり、残念でもある。それはさておき、ナンセンス系ではなんてのも面白い話だと思う。そして、1999年の終わりはやはりこれが「お気に入り」の話である。また、[Scraps]系の話がこの時期にはやたらいっぱいあるのが面白いところだ。その内からいくつかピックアップするとこんな感じだろうか? さて、2000年上半期にもなると、すいぶんとペースも内容も落ち着いてしまう。その中でも、「恋の力学」シリーズに夏目漱石をトッピングしてみたという辺りは「文学と科学が合体」した話で、自分の中では書いてて結構面白かった話である。そして、ナンセンス系のもクダラナイところところが外せないと思う。そして、この辺りで始まり未だ継続中のは最近の変な流れを予感させるのが哀しいところである。

 さて、今回は2000年上半期までの話の中から「私の好きな話」を振り返ってみた。とはいえ、私の好きな話=他の人の好きな話ではないようだし、他の話も適当に眺めて頂いたら良いかなぁ(私が)、と思うのだった。
 

2000-11-07[n年前へ]

SEXYタレント売り出し術 

または恋のフライバイ

 
 

 朝のテレビと言えばテレビ朝日の「やじうまワイド」である。私はニヒルな吉澤アナウンサーが大好きなので、毎朝TVのチャンネルを「やじうまワイド」に合わせておくのが日課なのである。

 吉澤アナの素晴らしさを少し語らせてもらえば、コメンテーターが変なコメントを言った場合、吉澤アナは即座に「本当にそうですかねぇ?」といとも簡単に否定する。しかも、深夜番組ではなく、早朝のさわやかな時間帯にである。コメンテーターの威厳などあったものでない。しかし、コメンテーターの威厳というモノがそんな言葉で否定されるようなならば、そんなものは実は「張りぼて」のような威厳であるわけで、その張りぼてを日の下にさらしてしまうそのイケズな感じが私は実に大好きなのだ(そしてそんな斜に構えた吉澤アナがホントーにたまに真剣な目になる感じが私は同時に大好きだ)。

 とりあえず、そんな感じで毎朝「やじうまワイド」を流していると、梨本勝とか福岡翼などの芸能レポーター達が芸能スキャンダルをしゃべりまくり、いやでもそれらが耳に入ってくるのである。朝のTVはと言えば、何はなくともまずは芸能スキャンダルなのだ。といっても、私の耳は興味のないことにはかなりの難聴気味になるらしく、それらの芸能スキャンダルは耳には入ってくるのだが残念ながら頭には入ってこない。

 そんな私でも、芸能オンチの私でもスキャンダルを利用した「SEXYタレントの売名行為」が多いことには驚いてしまう。古くは(そんなに古くない?)「古屋一行のAVギャルスキャンダル」から、「羽賀研二と桜庭あつこ」「岡村隆史と美人巨乳釘師」まで、そんな話は腐るほどある。

 確かにそんな話は腐るほどあるのだが、SEXYタレント売り出し術を科学的に考察したという話は今だ聞いたことがない。私が不勉強なせいかもしれないが、少なくとも私は聞いたことがない。

 一体、それはナゼだろうか?ミョーに科学的な芸能プロダクションあたりが、そんな研究をしないものなのだろうか?もうすぐ21世紀になるというのに、そんな科学的な芸能プロダクションは存在しないものなのだろうか?

 いやもちろん、そんな芸能プロダクションはないだろうし、そんなクダラナイことも誰もあえてするわけもないだろう。しかし、クダラナくて誰もそんなことをしないというのであれば、それはもう本サイトの大好きなジャンルである。というわけで、今回は「SEXYタレントの売り出し術」を考察してみることにした。
 
 

 まず、芸能に疎い私が考えてみるに、なぜかだか知らないが「SEXYタレントの売り出し術」は「愛」を装うのが普通である。「古屋一行のAVギャル」でも、「羽賀研二と桜庭あつこ」でも、「岡村隆史と美人巨乳釘師」でもいずれも「始まりはいつも愛」なのである。こう書くと「ちょっといい話」に聞こえるが、実は全然「いい話」ではないのが不思議と言えば不思議であるが、とりあえず「SEXYタレントの売り出し術」は「愛」の一応用例として考えることができるかもしれないわけだ。
 

 本WEBサイト「できるかな?」でも「愛」ならぬ「恋」の力学は常日頃から考えているわけで、「恋の力学」が解けるなら、「愛の力学」も解けるかもしれないし、だとしたら、「SEXYタレントの売り出し術」も解けると言っても必ずしもウソとは言えないだろう(典型的な詭弁)。そこで、今回はこれまで考えてきた「恋の力学」を応用することで、「SEXYタレントの売り出し術」を考えてみることにした。
 

 とりあえず、登場人物として次のような三人を考えてみよう。

  • 登場人物 男性タレントA : 名実共にA級のタレント。
  • 登場人物 男性タレントB : B級タレント。沖縄に店を経営していたりする。女性に「誠意」を見せるのが得意中の得意。
  • 登場人物 女性タレントC : C級タレント。少なくとも私には「誰だそれ」状態の無名人。だけど、大抵の場合SEXY度だけはバツグン。
この中の女性タレントCが、他のタレント - 男性タレントA,B - にモーションをかけて、「SEXYタレントの売り出し術」を実行する場合を考えてみる。まずは、女性タレントCが、名実共にA級である男性タレントAに接近する場合である。

 つまり、

  1. 女性タレントCがはるか遠くから男性タレントAに近づいていく
  2. 女性タレントCと男性タレントAが最接近する
  3. 女性タレントCが男性タレントAから離れ、ずっと離れた方に行ってしまう
という過程を考えてみよう。このような過程は
  • 女性タレントC
  • 男性タレントA
だけが登場して、その二人の間の運動を考えるわけであるから、の場合と同じく「二体問題」として解くことができるだろう。

 しかも、男性タレントAの存在感と女性タレントCの存在感はあまりに差がある。そのため、女性タレントCが近づいてきても男性タレントAはビクともしない。もちろん、もともと男性タレントA自身は芸能界の中をどっしりと動いているわけであるが、女性タレントCが近づいてきても我関せずである。それに対して、女性タレントCは男性タレントAに近づくことで影響を受ける。

 このような場合は単純なケプラー運動の一例であり、細かい導出はメンドくさい(私が)のでしないが、女性タレントCは男性タレントAの近くでは、彼を基準とした座標系で双曲線軌道を描く。普通であれば「双曲線軌道」という言葉には何の色っぽさもないが、コトが「SEXYタレントの売り出し術」であるだけに、双曲線軌道という言葉でさえ何か色っぽさを感じてしまうのは私だけだろうか?

 そんなことはおいておいて、女性タレントCは男性タレントAに近づいて、そして離れていくのである。その時、彼女は彼を基準とした座標系で双曲線軌道を描くわけだ。
 

ある女性タレントCの双曲線軌道

 この場合、女性タレントCの「イキオイ」(ここでは速度とでもしておこう)は男性タレントAを基準とした座標系では「一番最初に近づいてくる時」と「一最後に離れて行く時」では変わらない。もちろん、方向は違うのだが、大きさは同じである。それを描いてみたのが次の図である。女性タレントCのイキオイは最初と最後では、方向が違うだけで大きさは同じコトがわかるだろう。
 

この場合、女性タレントCの「イキオイ」は変わらない。

 この場合、「SEXYタレントの売り出し術」としては単に女性タレントCの方向転換を図っただけ、である。図に書くとこんな感じだ。
 

「美人釘師」から「AVギャル」への方向転換。

 ちょっと具体的すぎたような気もするが、この例はフィクションにすぎない。別に男性タレントAがナイナイ岡村だと言っているわけではない、と一言だけフォロ〜しておくことにしよう。
 

 さて、この場合の「SEXYタレントの売り出し術」はかなり低レベルなテクニックである。これは単に女性タレントCの方向転換ができただけである。それ以外のさしたる効果は何もない。

 しかし、これまで考えてきた「恋の力学」を応用して考えるに、さらなる高度な「SEXYタレントの売り出し術」が考えられる。それはどのようなテクニックかと言えば、相手すなわち男性タレントAのイキオイを利用するのである。日本のお家芸の柔道のように、相手の力を利用してそれを自分のモノとするのである。

 こちらは、結構ハイテクニックなので判りにくいが、それをなんとか絵にしてみたのが次の図である。この場合、「男性タレント自身にもともとイキオイがある」ことが重要である。すなわち一般視聴者を基準とした座標系に対して、男性タレントA基準系は動いているのである。
 

男性タレントのイキオイを利用した「SEXYタレントの売り出し術」

 すると、一般視聴者を基準とした座標系では、面白いことに女性タレントのイキオイ自体も男性タレントに接近する前と後で変わるのである。もちろん、上の図を見てもらうと判るように、男性タレントA基準系では女性タレントのイキオイは方向が違うだけで、大きさはなんら変わっていない。しかし、それは男性タレントA自身がイキオイがあるためで、一般視聴者を基準とした座標系では女性タレントCのイキオイは増しているのである。赤い線で描いた「一般視聴者を基準とした座標系での女性タレントCのイキオイ」が最初と最後で違っているのが判るだろう。つまり、女性タレントCはこの接近戦でイキオイが増しているわけだ。これが比較的高度な「SEXYタレントの売り出し術」である。このテクニックを使えば、男性タレントの背後から近づけば女性タレントCのイキオイは必ず増すということになる。

 さて、それでは女性タレントCの接近相手

  • 男性タレントB : B級タレント。沖縄に店を経営していたりする。女性に「誠意」を見せるのが得意中の得意。
の場合はどうだろうか?この場合、まず男性タレントB自身にイキオイがない。ということは、男性タレントのイキオイを利用した「SEXYタレントの売り出し術」は使うことができないのである。せいぜい、「SEXYタレントの方向転換」くらいしかできないのだ。

 そして男性タレントB相手の場合には、もうひとつ問題がある。相手が名実共にA級のタレントAであると、タレントAは女性タレントCが近づいたくらいではビクともしない。しかし、それがタレントBの場合だと、あまりに重みがないために女性タレントCがタレントBに近づくと揺れ動いてしまうのである。そんな状態では「SEXYタレントの方向転換」すら上手く行くかどうか判ったものではない。誠意大将軍の彼を頭に浮かべて頂ければ、おそらく納得して頂けると思う。
 

 さて、今回は相手の力を利用して自分のイキオイを増す「SEXYタレントの売り出し術」方法を考えてみた。もちろん知っている人も多いだろうが、これはフライバイ(flyby)とかスイングバイ(swingby)と呼ばれるテクニックで、ロケットの軌道制御などに使われるテクニックだ。それを「SEXYタレントの売り出し術」に応用してみたわけだ。

 最初の方に書いたとおり、今回は「SEXYタレントの売り出し術」は「愛」の一応用例として考えてみたのだから、このフライバイを「恋・愛」に適用してみるのも面白いのではないだろうか?例えば、あなたが誰かに恋をして、その恋をすることで自分自身も輝いたりイキオイが生まれることがあるはずだ。このフライバイを行う限りは、相手とはすれ違うだけで、いずれ遠くへ離れてかざるをえないわけであるが、少なくともその「恋・愛」であなたが成長することもあるだろう。相手の後ろから追いかけて、そして少し方向を変えてまた離れていくときに、イキオイは必ず増すだろう。それは一つのフライバイ、「恋・愛」のフライバイと言っても良いのではないだろうか、と思ったりするのである。もちろん「SEXYタレントの売り出し術」と同じで、それは結局相手次第だと思うけどね。
 



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