hirax.net::Keywords::「宇宙」のブログ



2010-01-03[n年前へ]

「今」の先にある50億年先の地球 

 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター「宇宙(そら)のとびら 」の「第4章 太陽」から。

(今から50億年くらいすると)太陽の表面は温度が下がって赤っぽくなってくる。それで、だんだんに大きくなって地球の軌道ぐらいまでふくらんでくる。
 地球は溶けるか飲みこまれるかしてしまう。
 いいかい、何十億年も先の心配をするより、今この瞬間をしっかり生きることが大事だよ。そういう積み重ねで…
第1章 宇宙への飛翔
第2章 人工の星たち
第3章 惑星
第4章 太陽
第5章 星と銀河
第6章 宇宙といのち
第7章 宇宙でくらす

2010-02-05[n年前へ]

「はるか」のアンテナ 

 平林久・黒谷明美「星と生き物たちの宇宙―電波天文学/宇宙生物学の世界 (集英社新書) 」から。

 「はるか」の最も重要な大きなアンテナの展開はどうだったのでしょう?そもそも、アンテナはどういう仕組みで展開するようになっていたのですか?
 この方式を進めたのが、当時宇宙科学研究所で「はるか」アンテナ開発主任だった三浦公亮先生です。折り紙の権威で三浦折りの発明者です。
 「はるか」のアンテナは三浦折りだと勘違いされることが多いのですが、全く違う概念です。

 著者の片方(私の父)は、何十年来、hiraxという名前を使い・そう呼ばれている。それが、hirax.netの"hirax"の由来である。

2013-03-04[n年前へ]

「観測がひらく不思議な宇宙」 

 乳が…じゃなかった父が書いた本(ATOKのこの手の誤変換にはいつも困らせされます)「観測がひらく不思議な宇宙 」が手元に届きました。1960年代から2000年過ぎまでの三鷹(東大 三鷹天文台)や長野県 野辺山(太陽電波観測所/宇宙電波観測所)や淵野辺(宇宙科学研究所/JAXA)の話を読むと…登場する人たちの名前索引が欲しい!と心から願うほどに、登場する人たちが何ともエネルギッシュで面白い…と思わされたのです。

 (「はるか」の運用計画に関して)科学者というのは、良く言えば知識欲につき動かされてどこまでもがんばる人たちです。一方、功名心も人一倍です。下手をするとどうにもまとまりません。
 実験屋や観測屋は、自分の使う装置をよく理解していないと、間違った結果にひきずられてしまいます。大事な発見や観測は、装置のギリギリの性能の中から引き出してくる場合が多いのです。装置の性能振る舞いを理解し、癖を適正に補正してこそ始めて使い物になるのです。仮想の装置と言ったコンピュータ・シミュレーションでもまさに同じことが言えるはずです。基本方程式がわかっているなら、あとはコンピュータが計算してくれると簡単に考えたら間違いです。使われる方程式のセットはいいのか、手法・近似・初期(境界)条件はいいのか、空間・時間を適正に刻んでいるか、個々の粒子数は、結果は適正か?理解できるか?…結果に人がしっかり付いていかなければなりません。

「観測がひらく不思議な宇宙」






2013-12-01[n年前へ]

2035年9月2日に「日本列島を横断していく月の影」 

 今この瞬間から20年以上も先の未来、2035年9月2日の10時前後に、北関東の能登半島から鹿島灘を横断するように皆既日食が日本列島を横断していきます。時速数千キロメートルの速さで、太陽の光を地表面から遮る月影が地表を高速に移動していきます。そんな2035年9月2日に「日本列島を横断していく月の影」をMitaka(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)で眺めてみました。

 月影は、地表上を西から東へと時速数千キロメートルの速さで動いていきます。太陽の姿を全て隠すわずか直径200kmほどのピンポイントの本影領域と、それより遙かに大きく(地表に)拡がる半影領域が、太陽に照らされた地球表面を走り去っていきます(橙色の線で広く描かれた領域が半影で、限りなく狭く塗り潰されているのが本影領域です)。こんな映像を眺めると、皆既日食を見ることができる時間や場所が、本当に狭く限られているのだということに気づかされます。

 ずっと先の未来に起きる「月影の日本縦断飛行」を眺めることは難しいかもしれません。けれど、もしも可能なら、こんな限られた時間や場所に佇み・景色を眺めてみたいような気がします。もしも、そんな時空間を共有することができたなら…とても幸せかもしれませんね。



2013-12-03[n年前へ]

「起潮力」とか「遠心力」とか…説明でハマりがちな鬼門なキーワード 

 「こんなにわかってきた宇宙の姿」という本を読んでいると、起潮力の説明が出てきました。しかし、説明が間違っています。文単独だけであれば、必ずしも「間違ってる」わけではありませんが、図も合わせてしまうと完全に間違ったことが書かれています。地球上の各点で、月と地球の公転による遠心力が大きく異なっているような図は、(地球の各点は月と地球の共通重心から一定方向にシフトした円運動を描くだけなので、その遠心力は地球のどの点でも同じですから)何だかおかしいような気がします。

 つまりは、少なくともこの図に描かれていることだけであれば、「月の重力と遠心力の差」を計算すると「(単に)月の重力の差」となるので、わざわざ「遠心力」が登場する必要がないように思えてしまいます(この図に描かれていることだけであれば)。「起潮力」とか「遠心力」とかいったことは…説明文を書く際にハマりがちな鬼門なキーワードだなぁ、と思います。

「起潮力」とか「遠心力」とか…








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