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2003-11-19[n年前へ]

桜雷さんの特許申請の話 

 今日「サクライ・オプティカル・ラボの桜雷」さんからメールが届きました。題名が付けられていないメールは通常読まないのですが、幸か不幸か読みました。メールでももちろん別途書きますが、この話題に関して興味がある人もいるでしょうし、このメールに対してどう対応するかの判断材料を求める上でも、ここでも書いてみます。

(2003.11.22追記)
「私信として送ったメールなので、公開するのは止めて欲しい」と桜雷さんから要望を頂きました。とりあえず、文脈を保持しつつメールの元の文章は削除しておこうと思います。なお、削除作業前の以前の文章も記録として別途保存してあります。

メールの概略http://www.hirax.net/dekirukana5/bokeboke1/index.htmlhttp://www.hirax.net/dekirukana6/rin/index.htmlは当方の出願中の特許特願2000−100042(P2000−100042)application number09/77253201/28/01Publication NoUS-2001-0016082-A1に重なるものです。これらの特許に抵触しないと確信された上でソフトの公開をしているのか考えを聞かせて下さい。当方としましては、これにあたるものだと判断してるので、ソフトの公開を停止、回収されない場合には、ライセンス料の請求や法的な措置に出る考えでいる。また、これらの記事を見て私の出願を知らずにこのアルゴリズムでソフトを作っている人もでてきていますので、もしアルゴリズムに関する記事を公開される場合には、当方が特許を申請中であることを明記してください。
 以前、この桜雷さんからは
画像処理ソフトで、自然対数を使う数式を使ってピンボケを作り出すソフトまたはそのアルゴリズムが存在しただろうか
というような内容の問い合わせメールを頂いたことがあります。

 で、その後数通の返事のメールを書いたわけですが、そのメールで返答した内容をもう一度ここに書いておきます。
 さて、特開2001−216513をざっと眺めてみました。処理の流れは、画像データに対して、1.コンボリューションを行う(ただし限られたコンボリューションカーネルを用いる)2.その際特許内で示された非線形変換を行うという感じでしょうか。 以下、桜雷さんの参考になるかどうか判りませんが、私の感想をつらつらと書いてみます。 特許という観点で見ると、1、2ともに公知の技術であって、その組み合わせ自体もおそらく画像処理関連の学会誌・レポートなどを探れば、通常の写真・レンズの研究の一環で既に発表されていそうなので、公知資料があるのではないか、と思います。 ただし、公開された特許に対して、審査が通り、また、どこからか異議申し立てが無ければ、特許は通るかもしれません。 ただし、「画像処理ソフトで、自然対数を使う数式を使ってピンボケを作り出すソフトまたはそのアルゴリズムが存在しただろうか」という件は調べてみたり、じっくり記憶をたどらないとと判りません。 計算上は上記、1,2の組み合わせのソフトは結構ありそうですが、特許に書いてある式ずばりそのものを使ったものは無いかもしれません。 ただし、それは同時に特許の請求範囲が狭い(請求項に書かれている式に限定されているので)ということも意味します。この特許の式を使わなければ良いわけで、特許が成立しても特許から逃げやすいかもしれません。
 このメール、及び、そのあとの補足メールで書いたように、「非線形処理+畳み込み処理」の公知資料など、公知資料があるだろうと考えています。また、公開しているソフトはJPのクレーム(請求項)の計算式は使っておらず、そもそもクレームの範囲ではありません。

 また、「当方が特許を申請中であることを明記してください」という件については、桜雷さんがその後に自身で確認したように、記事を書いた最初の時点からそもそも記載してあります。

 ところで、以前に質問を受けた際に私が逆に桜雷さんにお尋ねした
> それで、少し知りたいのですが、私は自分で作ったプラグインなども> いつもそうしているように何かの話のネタを作って、ソフト自体は> フリーで配布すると思います。で、私以外にも自分で画像処理や> プログラミングをしている人は多いので、そんなこともあるだろう、> と思いますが、そういうときに桜雷さんはどうされるつもりでしょうか?
という問い合わせに対して桜雷さんから頂いたメールの返答の内容「メーカーに採用してもらって広く使ってもらうことが目的」「もしAEなどに採用されることになったら、細かいことは気にしない」「個人で作っている物に文句をつけても仕方ない」からすると、今回は実に残念な対応を桜雷さんはされているように私は思います。以前にお返事を頂いた頃とはずいぶんと考え方がお変わりになられたのでしょうか。実に残念です。 さて、画像処理を業務とされている多くの方達、あるいは画像処理を趣味とされている方達、はたまた特許業務に一言言わせろというような方などの意見などを広く求めたいと思います。何かご意見などありましたら、jun@hirax.netまでよろしくお願いします。また、特許庁への情報提供などを行うことについての意見も強く募集させて頂きます。

 ちなみに関連情報としてはUnderconstruction by Taiyo@hatenaも非常に参考になると思います。また、おととひのだいありにも書かれていますね。少し、補足をしておくと、畳込みを周波数領域で行っているのは当たり前の話になってしまいますが、単に計算量がN^2からNlogNのオーダーに落とせるという理由が一般的だと思います。

2003-11-20[n年前へ]

続々・桜雷さんの特許申請の話 - 二通目のメール - 

 人に書くメールというものはやはり丁寧に書きたいので、桜雷さんへの返事は日曜日にでも書くつもりですが、先に今朝届いた二通目のメールで述べられていた内容の概略を紹介しておきます。

(2003.11.22追記)
「私信として送ったメールなので、公開するのは止めて欲しい」と桜雷さんからの要望を頂きました。とりあえず、できるだけ文脈を保持しつつメールの元の文章は削除しておこうと思います。なお、削除作業以前の以前の文章も記録として別途保存してあります。

二通目のメールの概略現在、該当する特許申請については申請中であるため、公開停止を求める通知を取り消す。もし特許の申請が通れば、申請日までさかのぼり問題となる。別のアルゴリズムによる同機能のソフトを開発する場合には問題はない。

 とりあえず、特許の仕組みに対する認識が前回のメールからは変わられたようで何よりです。ところで、以前に質問メールを頂いたときに、
> hirax.netに「ご理解いただけましたら、私が同じ原理で特許を出している旨を> 掲示していただけたらと思います」ということを目立つように書いた場合には、> 異議申し立てをする会社や人が現れる可能性が高くなると思います。> なので、それは必ずしも桜雷さんに対して良い方向に向かうとは限らない> です。これは桜雷さんの好きな選択を尊重したいと思います。
と書いて、桜雷さんにとって望ましい選択を尊重したいと考えました。そして、「面倒なことになるのは避けたい」「そのままにしておいて欲しい」という希望に添いたいと考えました。

 それに加えて、「広くソフトが人に渡って安価で標準的に使えるようにしたい」「個人で作っている物には文句をつけない」という言葉があったことで、「桜雷さんの好きな選択を尊重したい」とお返事を書きました。請求項が狭いので特にその特許が何かの妨げにはならない、と判断したこともあります。

 とはいえ、前回のメールのような対応はあまり歓迎できるものではないので、とりあえず今回は公知資料を集めて特許庁への資料提供を行うつもりでいます。そんなわけで、公知資料提供を引き続き募集しております。また、あまりこの手の話を書くのもつまらないことですから、この記事を書くのもこれで終了したいと思っています。もちろん経過の報告は逐次させて頂きますが、「IrisFilterの特許とは? 」なんていうスレッドもできているようですし、この場では何か他のもっと楽しい話題でも書いていきたいと思います。

 個人的には、桜雷さんが今回のような対応をせずにこれからもただ良い製品を作っていかれることを期待しています。

(2003.11.21補足) 下記のメールを桜雷さんに返事として出させて頂いたことを報告しておきます。
(前記の理由により、なるべく文脈を保持しつつ桜雷さんからのメールの元文章は削除してあります)
 お久しぶりです。平林@hirax.netです。お問い合わせを頂いた件からまず先に回答させて頂きます。また、以前メールを頂いたときの記録が桜雷さんの手元に残っていないということなので、以前の返事と重なる部分はそのメールをなるべく引用しながらお答えさせて頂きます。> http://www.hirax.net/dekirukana5/bokeboke1/index.html> http://www.hirax.net/dekirukana6/rin/index.html> > は当方の出願中の特許に重なるもだと思います。> 日本とアメリカで申請中(アメリカは現在審査中)です。> アメリカの方は日本の申請のものを基本に、範囲を広げて申請しています。(中略)> これらの特許に抵触しないと確信された上でソフトの公開をされているのでし> ょうか、お考えをお聞かせください。 JP(日本特許)に関しては請求項に規定されているような対数変換の式は使っておらず、(仮に特許が成立したとしても)特許には抵触しないように配慮してあります。そのため、> 当方としましては、これにあたるものだと判断していますので、という判断の具体的な理由を参考までにお聞かせ頂ければ幸いです。> また、これらの記事を見て私の出願を知らずにこのアルゴリズムでソフトを作> っている人もでてきていますので、もしアルゴリズムに関する記事を公開され> る場合には、当方が特許を申請中であることを明記してください。 桜雷さんが特許を申請中であるということは、以前桜雷さんが「同じ原理で特許を出している旨を掲示して欲しい」という同様の要望を書かれてきた際に、その後「よくページを読むと特許の記述も書いてあった」とご自身でご確認されているようにこの記事を書いた時点から記載しておりますので、この点については再度よく確認頂きたいと思います。 さて、ここから先は以前メールでお知らせした事項と重なる部分も多いですが、桜雷さんの参考にもなると思いますので、若干書かせて頂きます。 最初に桜雷さんから頂いたメールは「画像処理ソフトで、自然対数を使う数式を使ってピンボケを作り出すソフトやアルゴリズムが存在したか教えて欲しい」というという内容のお問い合わせでした。それに対して、>  さて、特開2001−216513をざっと眺めてみました。> 処理の流れは、画像データに対して、>1.コンボリューションを行う(ただし限られたコンボリューションカーネルを用いる)> 2.その際特許内で示された非線形変換を行う> という感じでしょうか。>  特許という観点で見ると、> 1、2ともに公知の技術であって、その組み合わせ自体もおそらく画像処理関連の> 学会誌・レポートなどを探れば、通常の写真・レンズの研究の一環で既に発表されて> いそうなので、公知資料があるのではないか、と思います。> > ただし、公開された特許に対して、審査が通り、また、どこからか異議申し立て>が無ければ、特許は通るかもしれません。> > 計算上は上記、1,2の組み合わせのソフトは結構ありそうですが、特許に書いてある> 式ずばりそのものを使ったものは無いかもしれません。>  ただし、それは同時に特許の請求範囲が狭い(請求項に書かれている式に限定されて> いるので)ということも意味します。この特許の式を使わなければ良いわけで、特許が> 成立しても特許から逃げやすいかもしれません。と簡単に書きました。公知資料の方は例えば特開平8-241407 「画像処理システムの特許」SIGGRAPH97 Recovering High Dynamic Range Radience Maps from Photographなどの一例を挙げるに留めますが、このような画像をぼんやりさせる効果のために「非線形ガンマ変換→畳み込み→ガンマ逆変換」を行ったり、あるいは種々のボケ画像形成のために「フィルム特性を再現する変換カーブ→畳み込み→フィルム特性逆変換カーブ」を行う例を挙げている公知資料が見つかります。そのため、特許の新規性という点において、このような公知資料などと比較した上で、特許審査を通過するかどうかは若干の疑問があります。 また、上に書いたようにJPの請求項はそもそも規定範囲が非常に狭く特許回避は容易で、現実には他社技術の抑止力にはなりえないと思います。当然、請求項からすると「アルゴリズム」というような上位概念による抽象化は欠けており、そもそもアルゴリズムを規定する特許にはなりえていないように思えます。 この感想に対しては、前回桜雷さんも「請求項に式を書いてしまっているのは気になっている」「日本のは細かすぎたかもしれない」というような感想を書かれていましたから、同じご理解はされていたことと思います。また、同様の機能を有するソフトの作者の方々もおそらく「請求項に規定されている式は使っていない」と答える方が多いだろう、と思います。それだけ、規定範囲が非常に狭い特許申請になってしまっています。 また、USPの方ももし仮に通過したにせよ、現在のClaimであれば特許回避は非常に容易で、具体的な話は省きますが、他の類似のソフトも現状ですらほとんどがそのClaimを回避しているだろう、と考えます。 そのように、以前お話を伺ったときには、特許審査通過の可能性およびその実抑止力には疑問を感じましたが、とりあえずの感想としては>  ところで、私自身は特許はあまり好きではないです。といっても、「個人としては」ですけど。> それに、特許を申請する桜雷さんの考えも良く理解できます。> >  で、例えば実はワタシの手元にはIrisFilterと同様の機能を持つ自作Photoshop用のプラグインが> あります。こちらは従来からあるアルゴリズム組み合わせたものですが、私がどうしても> 欲しかった16bitモード対応、距離チャンネル対応(最新のバージョンではIrisFilterでも> 対応されたようですが)、そしてAdobeの通常のプラグインインターフェース、という> ものを備えたものです。あくまで、趣味で作成しているものですが自分で好きなようにできるので> 自分用にはなかなか良いです。で、こうした個人作成のソフトはインターネットに満ちあふれています。> そんな個人で作成してインターネットにあふれているソフトがさまざまな特許などで、出しづらい> 雰囲気を近年ひしひしと感じます。そんな雰囲気がそれほど好きでないのもまた確かです。 > それで、少し知りたいのですが、私は自分で作ったプラグインなどもいつもそうしているように>何かの話のネタを作って、ソフト自体はフリーで配布すると思います。で、私以外にも>自分で画像処理やプログラミングをしている人は多いので、そんなこともあるだろう、と>思いますが、そういうときに桜雷さんはどうされるつもりでしょうか?>  とはいえ、繰り返し書きますが、IrisFilterを拝見して、非常に面白く要望の高そうな> ソフトだなぁ、うれしく思いました。これからも、楽しみにさせて頂きます。 とメールで書かせて頂きました。それに対して桜雷さんの「特許を出したのは自分の研究が報われる部分が欲しいから」「自分や一部企業が独占して人が使えないような状態は望まない」「広く人に渡って安価で標準的に使えるように活動していきたい」「個人で作っている物に文句をつけても仕方ない」というような内容のお答えを頂き、「自分や一部企業が独占して人が使えないような状態は望んでいない」というお言葉と「いちいち個人で作っている物に文句をつけても仕方ない」というご判断を聞かせて頂き、納得しておりました。ですから、hirax.netで桜雷さんの特許申請についてさらに詳しく言及するかなどについては> > 目立つように書いた場合には、異議申し立てをする会社や人が現れる可能性が> > 高くなると思います。なので、それは必ずしも桜雷さんに対して良い方向に向かう> > とは限らないです。これは桜雷さんの好きな選択を尊重したいと思います。と、桜雷さんの希望を尊重することにし、「ややこしくなるのは避けたいのでそのままにしておいてほしい」という桜雷さんの判断をもとに、それ以降申請特許件には触れず、またなんのアクションもとらずにいました。 そういう桜雷さんからのご相談に乗っていた経緯で私自身は納得していたため、前回のメールのような> ソフトの公開を停止、回収されない場合には、ライセンス料の請求や法的な措置に出る考え> でおります。という対応には実に困惑を感じざるをえません。このようなことをされる予定であるならば、そもそも指摘の請求項には抵触していないので無関係である特許申請だと考えてはおりますが、そのような行為が私自身に及ぶことを防ぐために、特許庁への第三者による資料提供の制度に基づいて、公知資料の特許庁へ情報提供を行わせて頂こうと考えています。本当に、以前の桜雷さんのメールで書かれていた内容と今回の対応の違いは誠に残念でなりません。 また、多くの技術者は自らの特許申請・他社技術調査及び特許回避・あるいは異議申し立てなどを日常的に行っており、特許にいやでも慣れ親しんでいることが多い、ということはここに書き加えておきたいと思います。ですから、おそらく技術者以外の方が想像するよりも一般的に技術者は他者の特許を意識・尊重していることが多い、ということはぜひ理解しておいて頂きたいと思います。 最後になりますが、桜雷さんの特許申請というものは、後から他社から訴えられることを防止し、自分の技術の使用を保証するために、単に公開目的で使用するには有効であると思いますので、そのように活用されることを望んでいます。また、個人的には桜雷さんが良い製品をこれからも提供されていくことを願っております。 それでは、長文になりましたが、失礼させて頂ます。jun hirabayashi jun@hirax.net

2004-02-02[n年前へ]

Google Adsenceでコンテンツ診断 

 実は、ふと思い立って、少し前にGoogle AdSenseの申請をしてみたのです。そして、それだけではなくて、気の早い私はGoogle AdSenseシミュレーターを使って、もしGoogle AdSenseを使った場合にどんな広告がhirax.netに貼られるかどうかも調べてみたのです。

hirax.net
 まずは、hirax.netのトップページに広告を貼ってみることにしましょう。なるほど、「写真ライブラリシステム」やら「フォトアルバムを作ろう」やら「ソフト製作・開発致します」やら画像や写真に関わるソフトやシステムの広告が貼られるようです。ヘッポコ・プログラムしかおいていないhirax.netですが、それでも個人の趣味から勝手に言わせてもらうと、そんなに的を外していない広告のように思えます。なかなか、良い感じですねぇ、Google Adsence。

 それでは、次に「ミニスカートの幾何学」に広告を貼ってみることにしましょうか。おやおや、「女の子の下着もブリーフ」なんていう広告が貼られています。チラっと見えたミニスカートの内側にあるのがブリーフだったら…、普通の男であれば暴れたくなるかもしれません。ブリーフはやはり「男の子の下着」であるべきで、決して「女の子の下着」であってはいけない、と思うのです。あっ、もちろん「男の下着」はトランクスであるべきです。ブリーフをはくのは「男の子」だけ、なわけです。男はやっぱりトランクス、ですから。白いブリーフだなんて、最悪ですから。ハイ。ブリーフをはくのはやっぱり「男の子」ですよね。

ミニスカートの幾何学
 いや、話がズレました。とにかく、女性のミニスカートの内側は「セクシーランジェリーなら」 …いいですねぇ。ブリーフではとんだガッカリ…ですけれど、「セクシーランジェリーなら」少しは良いかもしれません。セクシーランジェリーよりは清楚な下着の方が個人的には好きですけれど、ブリーフよりはマシかもしれません。とりあえず、なかなかちゃんとコンテンツに合った広告が貼られるわけですね。良い感じですねぇ、Google Adsence。

 おやぁ?、と思ったら「成功者の脳内チューニング」とか「認知療法をEラーニングで」なんていう広告も「ミニスカートの幾何学」には貼られています。一体、ミニスカートの幾何学、ミニスカートの内側を覗く話からいったいどんな「脳内チューニング」や「認知療法」をしようというのでしょうか?そんな「チューニング」や「認知療法」は想像するだけで恐ろしいです。そんな訓練をした人達が決して「成功者」になるとは思えません。どんな世界の「成功者」なんでしょうか。恐るべしGoogle adsenceです。

 それに加えて、「潜在能力を発揮」とか「ストレス解消」なんていうフレイズも書いてありますけれど、一体どんな潜在能力を発揮して、どんな風にストレスを解消しようっていうんでしょうか?ミニスカートの内側で。ミニスカートの幾何学で…どんなストレス、潜在能力、脳内チューニング…。どんな…?知りたいような、知りたくないような…。いや、やっぱり知りたい。教えて下さい > Google Adsenceさま。

 さてさて、次は…と思ったらちょっとあまりに長くなりそうなので、全然技術ネタではないですけれど、「できるかな?」にでも書いてみることにしましょうか。それとも、あまりに技術ネタではないですから、この日記スペースで書き続けてみることにしましょうか。というわけで、とりあえず明日へ続く…、です。

2004-02-14[n年前へ]

アダルトビデオの科学 今日のトリビア 編 

横揺れ縦揺れ 2.5ヘルツ

 「アダルトなモノ」が新しいテクノロジーを牽引することは多い。アダルトビデオにより牽引されたVHS規格のビデオや、エロサイトにより牽引されたインターネットの拡大を筆頭にして、そんな例は数多くあることだろう。もしかしたら、ブロードバンドの恩恵を多く受けているのだってアダルトビデオの配信だったりするのかもしれない。現に、「-ソフトオンデマンド-なんて検索」をかけると、検索結果はほとんど全てがアダルトビデオの配信サービスだったりする。
 

 そんな風に、アダルトビデオが、VHSビデオやブロードバンドといった新しいテクノロジーに与えている影響はとても大きい。しかし、そんなアダルトビデオに対し、科学の目が向けられることは滅多にない。科学の世界ではアダルトビデオはほとんど取り扱われない。アダルトビデオは学問の世界では無視されているのである。科学の世界ではアダルトビデオは裏(ウラ)モノ扱いされているのである。

 
 しかし、どんなものにも表の側面もあれば、裏の側面もある。表の側面しかないのは映画のセットくらいなもので、それではあまりにも嘘くさい。確かに、アダルトビデオは裏ものであるかもしれないが、表の側面にのみ光をあてて裏の側面は写さないというのであれば、そこに写る世界はとても平面的な嘘の世界でしかないに違いない。科学の世界で、アダルトビデオを取り扱わないというのは何だか少し面白くない。そこで、今回はアダルトビデオに科学の光をあてて、「アダルトビデオの科学」を考えてみることにした。
 
 

 まずは、何はともあれ材料が必要だというわけで、15秒程のアダルトビデオのサンプルビデオを(アダルトビデオメーカーのWEBサイトから)手に入れた。タイトルは「○@△!@の$%*!」と「*@%!な△×%$!」というもので、それらのビデオの「ジャンル」は「ハード」と「巨乳」というように分類にされていたものである。とりあえず、その二つを選んだのにはもちろん理由がある。私の趣味で選んだというわけでは、「残念ながら」ない。次に行う解析には「ハード」というジャンルのビデオがおそらく向いているだろう、と私が(自分の好みは別として)判断したことが一つ、そして、「巨乳」というジャンルは間違いなく「オッパイ星人の科学」にも役立つだろう、と(これも自分の好みは別として)判断したからである。
 

 材料が揃ったところで、さっそくアダルトビデオの画面の中のモノたち(つまりは俳優達だ)がどんな風に動いているかを解析するソフトウェアを作ってみた。いや、もちろんアダルトビデオでなくても構わないし、もちろん男優と女優達でなくても構わないわけであるが、今日のお題は「アダルトビデオの科学」であるわけだから、アダルトビデオの中の俳優達が画面がどんな風に動いているのかを解析するソフトを作ってみたのである。そして、とりあえず各15秒のアダルトビデオ二本における横揺れ縦揺れ速度の変化を解析してみた結果がしたのグラフである。青い線が横方向の揺れの速度で、紫色の線が縦方向の速度になる。
 

各15秒のアダルトビデオ二本における横揺れ縦揺れ速度の変化
(青線:横方向の速度、紫線:縦方向の速度)

ジャンル:ハード

ジャンル:巨乳

 このグラフを見ると、おぼろげながらそれぞれのビデオの特徴が見えてくる。例えば、ジャンル「ハード」のビデオではなんだか青い線の方が大きい動きを示している、つまり、横方向の動きが縦の動きに比べるとずいぶんと大きそうだ、なんていうことがわかる。もちろん、それはあくまで平均的な速度の話である。だから、その「動き」というものが、男優の動きなのがあるいは女優の動きなのか、あるいは、他の何かなのかは判らない。しかし、とにかくジャンル「ハード」なビデオ「○@△!@の$%*!」では横方向の振動が大きそうだなんていうことが判る。

 また、ジャンル「巨乳」のビデオの方を眺めてみると、こちらの方は紫の線の方が大きそうだということが見えてくる。つまり、ジャンル「巨乳」のビデオ「*@%!な△×%$!」では、縦方向の動き(振動、揺れ)の方が横方向の動きよりも大きいようだ、ということが見えてくる。もちろん、その縦方向の動きというものが、男優によるものか女優によるものかは判らないが、あくまで画面内に写っている対象物は「巨乳」のビデオにおいては縦方向に大きく揺れている、ということが判るわけである。
 

 そんな縦と横の動きの関係がもう少し判りやすいように、サンプルビデオの画面平均速度をX-Y平面(「横方向速度-縦方向速度」平面)に描いたグラフを描いてみることにした。そうすると、縦の動きがあればX-Y平面内では縦に動くし、横の動きがやはりX-Y平面内で横にプロットが動くことになり、見て判りやすいグラフになる。まずは、15秒の間に各アダルトビデオの画面が一体どんな風に動いているか(揺れているか)をプロットしてみよう。
 

15秒間に渡る画面の平均的な動きをX-Y平面に描いたグラフ
ジャンル:ハード
ジャンル:巨乳

 このグラフは明らかに各ビデオの特徴を表している。まず、ジャンル「ハード」なアダルトビデオでは、ほとんど横揺れ(振動)だけ発生?していないことがわかる。そして、ジャンル「巨乳」なアダルトビデオでは縦揺れ(振動)の方が若干大きく、もう少し複雑な揺れ方を示していることも見てとれるのである。
 

 といっても、このビデオは販売促進用の15秒間のプロモーションビデオであり、何回か場面も変わってしまっている。つまり、複数のシチュエーションが混ざってしまっている。そこで、単一のシチュエーションのみ、各ビデオにおけるクライマックス(?)部分の五秒間のみで、画面の平均速度をX-Y平面に描いてみたのが次のグラフになる。
 

5秒間の画面の平均的な動きをX-Y平面に描いたグラフ
ジャンル:ハード
ジャンル:巨乳

 こうなると、各ビデオの特徴が明らかになる。「ハード」なビデオ「○@△!@の$%*!」では画面内で横方向に実に単調な往復運動(ピストン運動)が繰り返されており、ジャンル「巨乳」なビデオ「*@%!な△×%$!」では基本的には縦揺れ、だけどグルングルンとなんとも微妙なリサージュ図形が画面内で描かれていることがわかる。「オッパイ星人の力学」で数多く計算した結果、例えば、Gカップバストの揺れる動きを思い浮かべてしまうような。リサージュ図形が描かれていることが手に取るように(残念ながら手に取れないけど)見えるのである。
 

 こんなグラフを眺めていると、アダルトビデオの中の「ハード」な単調振動とは一体どんな振動なんだろう?とか、「巨乳」ビデオのなんとも微妙なリサージュ運動って一体どんな揺れなんだろう?という疑問が当然湧いてくるハズである。どのくらいの速さで揺れているのだろう、とかその揺れの振動の周波数はどうなっているのだろう、なんていう素朴な疑問が湧いてくるはずである。科学の興味(エロの興味だけでなく)が湧いてくるハズである。

 そこで、それを調べるために時系列周波数解析をしてみたのが、次に示すグラフである。それぞれのアダルトビデオの支配的な振動、つまりジャンルが「ハード」のビデオの方では横方向の振動、ジャンルが「巨乳」のビデオでは縦方向の振動に対して、モルレーのウェーブレットを用いて連続ウェーブレット変換をかけて、どんな振動が刻々生じていたかを調べてみたのである。

 元々は石油探査のために振動波の解析のために、つまりは「地面の中に隠れている石油」を明らかにするために考えられたモルレーのウェーブレット解析なのではあるが、使い方を少し変えてやればアダルトビデオの画面中に見え隠れ(モザイクもあるし)する男優や女優」の解析を行うことだってできるのである。そんな使われ方を見るとモルレーは嘆き悲しむかもしれないが、アダルトビデオの(モザイクもある)画面中に見え隠れする男優&女優」の動きだって明らかにすることができるのである。
 

 というわけで、下に示すグラフは横軸が約15秒間の時間を示している。そして、縦軸は生じている振動の周波数を示し、色はその周波数の信号の強度を示している。つまり、時間をおってどんな周期の振動が生じているかを示したグラフなのである。
 

各ビデオ内の平均速度を時系列周波数解析したグラフ
ジャンル:ハード
ジャンル:巨乳

 すると、例えばジャンルが「ハード」なビデオでは、前半は約2.5ヘルツ(一秒間に2.5回の往復)の規則的な横揺れ運動が生じていることがわかる。そして、後半は(疲れがでたのか)少しばかりペースが少し落ちて、約1ヘルツ(一秒間に一往復)の横揺れに変わっていることが判るのだ。もちろん、別にそれは男優が疲れたわけでも何でもなく「ただ単に場面転換したから」という可能性もあるわけではあるが、ここでは疲れのせいと勝手に決めつけておくことにしよう。

 次に、「巨乳」ビデオではどんな周波数の動きが生じているかを見てみよう。すると、前半は5ヘルツ(一秒間に5往復)くらいの縦揺れ振動が生じ、中盤から後半にかけてはやはり2.5ヘルツくらいの縦振動が続いていることが判る。一秒間に5往復というとずいぶんと速いし、解析結果のグラフを見るとそれほどその振動のパワーは強くない。すると、おそらく俳優の体の全体でなく一部(それがドコかとは言わないが)の振動が生じているのだろう、と推測されるのである。つまりは、体の一部が共振して揺れているのであろう、と推察されたりもするのである。
 

 というわけで、今日の「アダルトビデオの科学」が贈る「アダルトビデオのトリビア」はこうなる。

 アダルトビデオのジャンルが「ハード」の場合には、男優と女優の動きは単調な横揺れで、縦の揺れはほとんどない。そして、その「横揺れ」はおよそ一秒間に2.5往復くらいであるが、俳優達もやはり人間、疲れのせいか後半はスピードは落ちて一秒間に一往復程度になる。

 一方、ジャンルが「巨乳なビデオ」の場合には縦揺れが大きく、グルングルンとリサージュ回転運動も頻繁に見られる。そして、その速さは速いときには一秒間に5往復ほどであるが、やはり後半は一秒に2往復ほどのスピードまでクールダウンする。

「アダルトビデオの振動方向はジャンルによって違うが、一秒間に2.5往復ほどである」

2004-03-30[n年前へ]

Google Personalized BETA 

Google Personalized BETA 個人の趣味が反映された検索結果が得られるGoogle Personalized BETA。検索をしたら、あとはPersonalizeレベルをスライダーで変えよう。すると、リアルタイムで検索結果が変わる。

 あまりに個人の趣味が反映された検索結果は新鮮みがなくてツマラナイ気もちょこっとだけする。けれど、そのインターフェースはなかなかに面白い。



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