2002-01-08[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 禁断の最終兵器編
ステレオ写真で巨乳ビジョン
元旦を実家のこたつで迎えていると、母に「オマエも最近はやっとマトモな話を書くようになってくれたわね」と言われた。そう、最近確かにできるかな?では「私と二度めに出会う水」「サンタが街にやってくる」「あなたと見たい、流星群」と、書いてるワタシが自分で言うのも何だがきれいな話が続いていたように思う。
しかし、それだけではマズイのである。砂糖だけでも塩だけでも料理はマズイのと同じように、何事も同じようなもの一つだけではマズイのである。そう考えるワタシはこれまでも、「ブランコを揺らす子供の動き」をメルヘンに考えてみる一方で、同じく「Gカップバストを揺らす女性の胸の動き」を考えてみたりしてきた。そして、結局のところ、その両方ともが純真でピュア〜で素晴らしいものなのだぁ、と主張してきたわけである。だから、いかにもきれいな話が続くのはマズイのである。それはいかにもマズイのである。
というわけで、2002年新春第一号は最近の話からちょっとズラして、これまで封印していた「オッパイ星人との戦い秘話」を書いてみたいと思う。
いつでも、正義の味方は人知れず戦い続ける。年末も年始も関係なく、地球を守るために日夜戦い続ける、それが正義の味方だ。…ワタシも周知の通り、日夜オッパイ星人と戦い続けている。これまでのワタシの戦記録は「オッパイ星人胸のヤング率編、揺れる胸の動き編、パラメータ励振編、バスト曲線方程式編、仏の手にも煩悩編、あなたのオッパイ星人度編、求む未来のヒロイン編」と橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」も真っ青の大河ドラマになりつつある。
とはいえ、以前も嘆いたようにオッパイ星人と戦うワタシの戦術はもっぱら専守防衛ただひとつである。何とかの一つ覚えのように専守防衛のみだったのである。それどころか、最近では単なる対オッパイ星人バトルの「自主学習」という状況にすらなりつつある今日この頃なのだ。
何しろ、オッパイ星人と地球人の見かけ上何の違いもなく、違いと言えばただ一つ「オッパイ星人達の目は女性のバスト(巨乳の場合多し)にロックインしている」ということだけなのである。となれば、オッパイ星人を見つけるためには、彼らが引き寄せられるような「巨乳トラップ」を用意して、「おとり捜査」を仕掛けるような戦術をとるしかないわけであるが、それも協力者の申し出が皆無であるため、孤独なワタシはそんな戦術は実行することができなかった。そのため、そんなワタシの戦術はもっぱら専守防衛(と自主学習)のみ、という日本が誇る自衛隊= セルフ・ディフェンス・フォースと完全に同じ状態だったのである。
しかし、近年ではそんな自衛隊、ワタシと同じく長く専守防衛を謳ってきた自衛隊でさえも、専守防衛と言う割には色々なところへ出かけていったり、さまざまな強力なフォースを持つに至っている。先日も、イージス艦をどこぞに派遣するしないで、世間をにぎわせていたばかりである。オッパイ星人と孤独な戦いを続けるワタシとはエライ違いなのである。
しかし、実はワタシも自衛隊のイージス艦ではないのだが、オッパイ星人の魔の手から地球を救うためにとある強力兵器を開発したことがある。それが、この「巨乳ビジョン」である。
(完成予想図) |
とはいえ、上の写真下部に(完成予想図)としてあることでも判るように、この強力兵器「巨乳ビジョン」はプロトタイプまでは作成したのであるが、量産するまでには至らなかった。いや、量産するどころではなくて、ワタシはこの「巨乳ビジョン」を実は封印してきたのである。今回はこの「巨乳ビジョン」がいかなる兵器であるかを説明すると共に、何故この強力兵器が封印されるに至ったかを書いていくことにしたい。
そもそも、この「巨乳ビジョン」の開発の目的は「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」をいち早く見つけだし、助け出すことにあった。実に不思議なことに、オッパイ星人達は何故か人目バストに目を走らせたならば、その大きさ・形状を把握するといううらやましいおぞましい能力を持っている。しかし、残念ながら幸運なことにオッパイ星人でないワタシはそのような能力を持ち合わせていないのである。だから、どうしても街中を歩く女性達の中から、オッパイ星人に狙われそうなバストを見分けることができなかったのだ。そこで、こんな状況を打ち破るために、ある日ワタシは考えた。ワタシも「見たバストの大きさ・形状を把握するような武器」を使えば、強力なオッパイ星人達と互角に戦うことができて、この哀しき専守防衛アンド自主学習状態から脱出できるのではないだろうか、と。
であれば、一体「見たバストの大きさ・形状を把握する」ためにはどのようにすれば良いのだろうか? もちろん、触ってみるなんてのは問題外だ。シャイなジェントルマンのワタシとしてはそんな不埒なまねはできないのである。 やはり、ここはhirax.netが得意とする画像処理技術を悪用有効活用すべきではなかろうか、とワタシは考えたのである。というわけで、ワタシは両眼視差を利用して、バストの立体情報を計算・再構成し、「一目見ただけでバストの大きさ・形状を把握する巨乳ビジョン」を作成してみることにしたのである。
そもそも、人間は両目で見ている画像の差を利用して、奥行き情報を知るわけであるが、このような処理を画像処理で行う技術は通常ステレオマッチング技術などと呼ばれる。であれば、二つのカメラを角度を変えて配置し、そのカメラで撮影した二つの画像からステレオマッチング法を用いて奥行き情報を再構成してやれば、平面画像中の大きさ・高さなどを画像処理技術により知ることができるのである。というわけで、二つの画像からバストの高さ・形状を計算・再構成してやって、「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」を見つけだそうという武器がこの「巨乳ビジョン」なのである。
その「巨乳ビジョン」の効果をまずは例をとりながら説明してみたい。まずは、以前「もう一つの目から眺めた世界/a>vでは、hirax.net式「平面画像立体化法」を使って、平面画像を立体化してみた。その立体画像から、奥行き情報を知ることができるだろうか? 何より最初に、平行法でこの二つの図形を眺めてみよう。青い四角が視点に近くせり上がってきて、緑の円はほんの少しだけ背景から浮かび上がっているのが見えるだろうか? それでは、この二つの画像を巨乳ビジョンを使って解析してみよう。ステレオマッチングにより画像の奥行き・高さ情報を計算するソフトウェアは色々とあるが、ZitnickkKanade氏らによるCooperative Stereo VisionアルゴリズムによるZK Stereoというアプリケーションもその一つである。わが「巨乳ビジョン」では、このZKStereoを使って上の二枚の画像から奥行き情報を計算している。その計算結果が例えば次のグラフである。このグラフ中では視点に近いほど高く描かれ(色は濃く)、視点から遠いほど低く(色は薄く)描かれている。 このグラフを眺めてみれば、青い四角が背景よりずいぶんとせり上がっていて、私たちの視点にとても近いようすがよく判ると思う。また、緑の円も若干だけ背景から浮かび上がっているようすも明瞭にはっきりと浮かび上がっている。 というわけで、「巨乳ビジョン」は平面画像から奥行き情報を再構成できることを確認した上で、問題のバスト画像で確認してみたい。サンプル画像として、"3DFeminine Photo Gallery"というページ中にあった画像を縮小したものを用い、先程と同じようにCooperativeStereo Visionアルゴリズムによりにより、奥行き情報を再構成してみたものが次のグラフになる。 見事に「二つの胸のふくらみ」(C.魔女っ子メグちゃん)が浮かび上がるのだ。思わず、シャランラシャランラヘイヘヘイと歌いたくなるほどである。このように、二枚の角度が異なる画像さえあれば、この「巨乳ビジョンは」バストの大きさが判るのである。 しかも、このバストの高さグラフにオリジナルの写真をマッピングしてみたりなんかすると、もう大変である。リアリティ満点で色んな角度からグリグリ眺めたりすることすらできるのである。カップのサイズも寄せて上げているようすもぜ〜んぶ知ることができるのである。 …し・しかし、である。これはあまりに強力すぎるのである。あまりにこの「巨乳ビジョン」はスゴすぎてシャレにならないのだ。この「巨乳ビジョン」が量産された日には、邪な心を持つヤカラによって悪用されかねないし、善良な心を持つものであっても、全てオッパイ星人扱いされかねないのである。 例えば、こんな風に巨乳ビジョンを装着した地球人でさえ、何かちょっとスケベなオッパイ星人にしか思えなかったりするに違いないのだ。恐るべし、巨乳ビジョンなのである。と・とはいえ、やはりこれでは正義の味方の武器としては使いものにはならない。これでは、絶対に悪用されて正義の武器どころか悪の象徴となってしまうかもしれないのだ…。 ワタシと同じく、専守防衛仲間だったハズの自衛隊のイージス艦の名前の由来は、ギリシャ神話の最高神ゼウスの娘が持つ「全ての邪悪を払う盾」イージスである。そのイージスの盾には、見るもの全てを石に変えるメデューサの首がはめ込まれている。 というわけで、ワタシはこのあまりに危険な最終兵器「巨乳ビジョン」を封印することにし、武器を捨てて街へ出て、改めてワタシの素手で「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達を見つけだし救おうと誓ったのであった。
(平行法)
奥行き情報を計算してみたもの
近い = 高い(色 = 濃い)
遠い = 低い(色 = 薄い)
Cooperative Stereo Visionアルゴリズムにより
奥行き情報を再構成してみたもの
そして、彼の手つきが意味するものは!?
イージスの楯はメデューサの首により見るもの全てを石に変えるが、この「巨乳ビジョン」は見るバスト全ての形を明らかにしてしまい、そして、見るもの全てをオッパイ星人に変えてしまうのである。あぁ、恐ろしきかな「巨乳ビジョン」…。哀しきかな、「巨乳ビジョン」…。
2009-07-22[n年前へ]
■立体写真は「真を写す」か!?
富士フィルムから3DデジタルカメラFinePix REAL F FX-3D W1 が発表された。ボディの左右に、それぞれ撮像システムを搭載することにより、視差画像・動画を撮影することができるコンパクト・デジカメだ。背面の液晶はレンチキュラー方式(カマボコ型レンズ)で、撮影した立体画像や動画を立体的に眺めることができるようになっている。また、立体画像の出力媒体としては、ここ数年にわたり富士フィルムが製品技術展示し続けていたレンチキュラー方式の「3Dプリント」サービスが開始される、という。私のような(立体写真撮影アダプターを持ち歩いているくらいだ)、立体大好き人間にはとても興味深い製品だと思う。
しかし、「立体」画像・動画というのは、昔からあるけれど、昔も今もニッチなジャンルである。
ニッチであり続ける理由のひとつは、立体画像にしろ、立体動画にしろ、表示媒体が「自然でない」ということがあると思う。レンチキュラー方式に限らず、現在ある立体表示システムはいずれも「自然」とは言い難い。少なくとも、家庭におけるようなシステムでは、まだまだ気持ちよく眺めることができて・自然な立体感を得られるシステムはない、と思っている。
そして、もう一つの理由は、「立体」であることにあまり「価値」が見いだせない、ということがあると思う。特に、動画でなく静止画像の場合には、立体画像には「価値」が生まれづらい、と思っている。
もちろん、広告や服飾といったジャンルでは、立体画像・動画であること=「価値」という方程式は容易に成り立つ。しかし、こと個人が撮影する「写真」に関しては、その方程式は成立しないことが多いと思う。あまり多くの付加価値を感じられないのである。
「真を写す」と書いて、写真と読む。景色の中の「部分」を上手く切り取り・描き出した写真は、本当に「真」を写していると感じられることがある。景色の一部を切り取っているのだけれど、けして情報が減っているのではなく、むしろ感じられる情報は豊かになっているのである。
では、立体写真は「立体を真に写しているか」というと、残念ながらそうではない、と私は思っている。ミニチュアおもちゃのような立体感は得られるのだけれど、それは自分の目の前に広がる立体的な景色を真に写しているものとは感じられないのである。
これら2つの理由が、立体写真・動画が今一つメジャーなものにならない原因だと私は思う。
今ある3Dシステムというのは、「2.1Dシステム」くらいなものなのかもしれない。たとえば、今回のデジカメも、静止画像、つまり、2次元画像に0.1次元くらいプラスされた、2.1次元の世界を撮影できると思えば良いのである。逆にそう思った方が、素直に欲しい気持ちになったりするのではないかとも思う。
2009-08-23[n年前へ]
■富士フィルムの3DデジタルカメラFinePix REAL F FX-3D W1は凄かった
少し前、立体写真は「真を写す」か!?で、富士フィルムから3DデジタルカメラFinePix REAL F FX-3D W1のことを書いた。
では、立体写真は「立体を真に写しているか」というと、残念ながらそうではない、と私は思っている。ミニチュアおもちゃのような立体感は得られるのだけれど、それは自分の目の前に広がる立体的な景色を真に写しているものとは感じられないのである。
その時に書いたことは、少し間違っていた、と今日感じた。スケートの練習に行くと、知人がFinePix REAL F FX-3D W1を買っていた。そして、撮影された立体写真や、立体動画を眺めた。これが、とても良かった。
青春18切符で旅する途中や、田舎街の風景や、都会の公園で撮影された風景を眺めてみると、視差立体画像として撮影した立体静止画像・立体動画を眺めてみると、これが意外なほどに「景色を真に写している」と感じられたのである。それは、過剰でなく・ほどよい程度に誇張された立体感と、液晶ビューアがとても自然に立体画像を見ることができるせいかもしれない。
技術的な理由が何にせよ、デジカメの液晶の中に映し出された景色は、大きさはミニチュアだけれども、決してミニチュアの箱庭ではなくて、何だか切なくなるくらい「新鮮にリアルな風景」に感じられたのだ。ナイアガラ花火は、闇を背景に立体的に浮かび上がっていたし、駅弁の中の具には思わず箸を伸ばしたくなる。そして、公園に佇む人たちは、本当に目の前で佇んでいるように見える。
もうすぐ、夏が終わり、秋が来る。いつも見慣れた街も、旅先の見知らぬ風景も、綺麗に映える季節だ。富士フィルムの3DデジタルカメラFinePix REAL F FX-3D W1は、いつも持ち歩いて「写真を撮る=真を写す」には、とても良い道具だったようだ。
2010-06-23[n年前へ]
■富士フイルム、撮影した3D画像から被写体のサイズが計測できるシステムを開発
「富士フイルム、撮影した3D画像から被写体のサイズが計測できるシステムを開発」 なお、参考記事としては、「オッパイ星人の力学 禁断の最終兵器編 ステレオ写真で巨乳ビジョン」や「オッパイ星人の力学 「胸の谷間」編 新兵器「巨乳ビジョン Light」」など。
富士フイルムは22日、同社製の3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」で撮影した3D画像から被写体の寸法・面積・立体形状を計測する業務用「FUJIFILM 3D計測システム」を開発したと発表。年内の市場導入を予定する。
建物の外壁など手の届かない場所の対象物や、彫像など複雑な形状をした対象物といった、従来のレーザータイプの計測器では手間がかかり、困難であった測定が容易に進められると期待される。…たとえば、カメラから3~5m離れた範囲を指定した場合、被写体のなかからその範囲内の対象物を測定できるなど、さまざまな分野のニーズに合わせた使いやすい機能を備えるという。測定精度は同社の評価方法で、被写体までの距離が2m、寸法が1mの被写体に対して±5mm(0.5%)以内。
2010-07-28[n年前へ]
■パナソニック、デジタル一眼カメラ「LUMIX Gシリーズ」で3D撮影可能な交換レンズを発表
パナソニック、デジタル一眼カメラ「LUMIX Gシリーズ」で3D撮影可能な交換レンズを発表
パナソニック(株)は、デジタル一眼カメラ「LUMIX Gシリーズ」で3D撮影ができる交換レンズを発表。年内を目処に商品化を進めていることを明らかにした。
本レンズは、レンズマウント径内に2つの光学系を搭載。左右のレンズでステレオ画面を構成し、3D用に画像処理することで立体写真や立体映像の撮影が可能になるというものだ。同社の光学技術や画像処理・鏡筒設計技術を採用し、非常にコンパクトなサイズを実現しているとのこと。