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2003-01-04[n年前へ]

シンプルなリフ 

 なんだか、シンプルなリフが繰り返される曲が最近は流行っているのかな。A Thousand Miles Vanessa Carltonみたいに。あるいは、そんな曲ばかりが耳に染み入ってくるのかな。とにかく、今はシンプルなリフってなんだか気持ち良いな。またシンセをいじってみることにしようかな。懐かしのKORG M1の記憶を取り戻すために、まずは昔のマックを立ち上げなきゃ。

キャッチボール その2 

「(菊池寛の)真珠婦人は読みました」
「今時、千人に聞いても(真珠婦人なんて)読んでいないわよ」
 こんな会話が交わされているのは、北村薫の『六の宮の姫君』の中だ。ここで語られている菊池寛の「真珠婦人」は今では文庫本となって本屋で平積みになっている。北村薫も驚いているに違いない。時代の流れなんてそうそう予想はできないものだ。とはいえ、その後に
「テレビの原作にぴったりの本だと思いました。波瀾万丈ドラマが流行っていますけれど、新しく作らなくても『真珠婦人』をやればいい筈です」
と語られているのだから、決して北村薫の書いたことが的外れというわけではない。むしろ、的確だったと言うべきかもしれない

 この『六の宮の姫君』は芥川龍之介の「六の宮の姫君、あれはキャッチボォルだ」という(仮想の)言葉から、芥川龍之介と菊池寛の「キャッチボール」を描いていく文学・人生ミステリだ。鎌倉時代に生まれた「沙石集」を起点として、投げ返されていったボールの軌跡を遡っていくミステリだ。

 時に強い反発であったり、時に強い共感であったり、とにかく色んな理由で私達(少なくとも私は)は色んなボールを投げ返すわけだけれど、好きで曖昧でそのくせ直接的に投げ返すことができるぶん、掲示板よりはこんな「いろいろ」風のひとりごとが好きかも。

2003-03-31[n年前へ]

「全てを選ぶ」と見えないものが見えてくる 

魔法のショートカットは"Ctrl + A"


強大な国の頂点にいる…

 この写真は「強大な国の頂点にいる人物」である。知らない人はほとんどいないに違いないアメリカのブッシュ大統領だ。大統領のそっくりさんでもなければ、独裁国家で大流行中の大統領の影武者でもなく、正真正銘のブッシュ大統領だ。目を皿のようにして眺めてみても、やっぱりブッシュ大統領以外の誰でもないのである。さて、インターネットエクスプローラーを使っているユーザーは、ここでおもむろに、"Ctrl(コントロール・キー)+ A"を押して"全てを選択"してみることにしよう。さて、あなたが眺めているこのWEBページはどういう風に姿が変わっただろうか?先ほどじっくり見たはずの「強大な国の頂点にいる人物」の写真はどうなっただろうか?
 

 もしもあなたが(少なくとも)WindowsのInternetExplorerを使っていれば、上の写真の中には「強大な国の頂点にいるサルが写し出されているハズである。「アメリカ合衆国を指揮する二世ボスザル」が写し出されているハズなのである。人によっては、「最初の写真だってどう見てもサルだった」と言うかも知れない。「強大な国を指揮しているボスザル以外には見えなかった」というかもしれない。そうであるなら、あなたが実に素晴らしい眼力を持っているか、単にひねくれ者であるかのどちらかに違いないのである。この画像は「通常はブッシュ大統領に見える」のに、「画像が選択された状態になると何故かブッシュ大統領ではなくてサルの画像が浮かび上がってくる」のである。
 

 種明かしをすれば、この画像は、実は"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像に、それと互い違いに"市松模様状に描かれた"サルの画像が合成されているのである。そして、サルの画像の方はコントラストが低くて見にくい画像なので、通常の状態では"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像の方しか見えないのである。いや、もっと正確に言うならば、サルの画像はちゃんと目には見えてはいるのだけれど、そのサルの画像は「あまりにおぼろげで」「他の鮮やかではっきりとしたブッシュ大統領の顔に目を奪われてしまうので」、その目に見えているハズのサルの画像に私たちは気づくことができないのである。

 ところが、インターネットエクスプローラーで「画像を選択」すると、インターネットエクスプローラーは画像を市松模様状に塗りつぶして表示し、「画像が今選択されていますよ」と示すのである。その時、普通の画像で有れば私たちの目には画像が少し灰色っぽく見え、「ナルホド、今は画像を選択中なんだな」と判るわけである。

 ところが、この「ブッシュ大統領+サル」の画像のように「市松模様状の二枚の画像が組み合わさった画像」の場合には、市松模様状に画像が隠され(つまり例えばブッシュ大統領の画像が隠される)てしまうと、残された「隠されていない市松模様状の部分」というのは「サルの画像」であるので、サルの画像だけが見えるようになるのである。そして、私たちはそれまでは見えていたのに気づかなかったサルの画像にやっと気づくのである。
 

市松模様状に描かれたブッシュ大統領と、それと互い違いの市松模様状に描かれたサル大統領
通常は、鮮やかでくっきりとしたブッシュ大統領の目しか見えない(見えてはいるけど気づかない)。

画像が選択され、市松模様状に画像が隠される(つまりブッシュ大統領の画像が隠される)とサルの画像が見えてくる。

 そういうわけで、こんな市松模様状の二枚の画像を組み合わせた画像を作ると、「インターネットエクスプローラーで全てを選択すると、違う画像が目に浮かび上がってくる」という不思議な画像を作ることができる。例えば、マイケル・ジャクソンの顔が大きく変わってしまう画像であったり、綺麗な服を着た女性の内面(ハッキリ言えば単なるヌードだ)が見えてしまったりする画像であったり、ひまわり畑には女性のヌードが横たわっていたりする画像を作り出すことができるのである。もちろん、こんな画像はPhotoshopでも持っていれば簡単に作ることができるのだけれど、標準添付の「ペイント」だけでせっせとお絵かきをして、WEBページを作ったりしている人だって中にはたくさんいるに違いない。 というわけで、簡単にこの"Ctrl+A"の魔法の画像を作ることができるソフトを作ってみたので、興味を持った人はこんな「早変わり画像」をぜひ作ってみて欲しい、と思う。
 

 さて、今回の一連の画像のように、「いくつかのモノが重なり合っているのに、鮮やかではっきりとしたその中の一つだけに目を奪われてしまい、目に見えているはずの他のモノに気づかない」なんてことは世の中にたくさんあるような気がする。たった一つの見やすいモノだけが見えて、他の全てのものが見えなかったりするなんてことはきっと多いに違いない。そんな時、魔法のショートカット"Ctrl+ A"があれば、「全てを選択」して隠された色んなものを眺めてみることができるのに、と思う。魔法の呪文、「全てを選択」で、「気づきにくくて」「周りに埋もれがちなもの」を眺めてみるのも面白いに違いない、と思う。

 そうすれば、ブッシュ大統領の着ぐるみの中にはサルがいるとか、女性の綺麗な服の内側にはヌードがあるとか(当たり前)、実はひまわり畑には女性のヌードが隠れてるとか(そんなわけない)、色んなモノが見えてくるのに違いないのである。

2003-06-17[n年前へ]

アルキメデスのパンチラの式 

「スカート円錐」の明るさを探れ

「スカート円錐」の明るさを探れ

 以前、「ミニスカートの幾何学」として、女子高生の間などで流行っていたミニスカートの丈の短さの限界について考えてみたことがある。階段を上ろうとしているミニスカートを履いた女性(別に男性でも構わないが…)の下着が見えてしまうかあるいは見えないのかを、女性達が履くミニスカートの丈の長さから考察をしてみたのであった。

 その「ミニスカートの幾何学」の考察をした結果、ミニスカートの丈がちょうど32cmの時に、ミニスカートで下着が隠されはじめる境界線がちょうど階段と平行になる、ということが判ったのである。そして「下着が隠されはじめる境界線がちょうど階段と平行になる」結果、ミニスカートの丈が32cmより短いと下着が階段下を上る人達から見えてしまうようになり、逆にミニスカートが32cm以上の丈であればスカートの中の下着はなんと幸か不幸か見えることはないのだ、ということが判ったのである。ミニスカートをはいた女子高生が急な駅の階段なんかを上るときでも、ミニスカートの丈が32cm以上であれば、パンチラの恐怖に怯える必要はないということが判ったのであった。


 ところで、ミニスカートの中が見えてしまいそうになる場所というのは、必ずしも急な階段だけではないらしい。最近の東京の有名スポットなどでは、「吹き抜け構造の建物内で階下から階上を見上げられる場所」や「建物内外の渡り廊下を見上げられる場所」なんかがたくさんあったりするというのである。そして、そんな場所では、真上にいる「スカートを履いた女性」を急角度で仰ぎ見ることができて、スカートの中の下着がチラリと見えてしまうことがあるというのである。

 しかし、である。角度的にスカートの中の下着が見えるからといって、果たして本当に下着が見えるものなのだろうか?角度的には見えるはずでも、実際には人間の目には見えないことだってあるのではないだろうか。なぜなら、スカートが「私たちの視線から下着が見えるのを遮っている」のと同じように、スカートは「照明の光が下着にあたるのをも遮っている」のである。スカートの中というのはスカートに光が遮られて(たぶん)かなり暗いハズなのである。いや、実際に覗いてみた経験があるわけでは決してないので自信を持って「ハズ」と断言することはできないのだけれど、スカートの中が明るいわけはないと思うのである。もし、スカートの中が明るくなければ、仮にその中身を覗くことはできても結局暗くて何も見えないわけで、「スカートの中が(見えるくらいに)十分に明るいかどうか」が肝心だと思うのである。そこで、今回は「下着が角度的に見通せる条件」ではなくて、「スカートの中の下着が十分明るく見える条件」を考えてみたい。


 まずは、スカートをはいた女性を下の図のように簡単に示してみよう。スカートを下向きに開いた円錐として考えてみる。もちろん、スカートの中の下着はこの円錐の頂点に位置するわけだ。そして、スカートが広がる角度をΘとでもしてみることにしよう。その時、円錐の頂点にはどれだけの光が当たるものだろうか?

Diagram

 もちろん、円錐状のスカートが上からの光は遮っているわけだから、スカートの中の下着を照らす光というのは、下の床からの反射光だけである。つまりは、上の図で、「色を付けた部分の床」からの反射光のみが下着にまでたどり着き、それ以外の床からの反射光はスカートに遮られて、スカートの中を照らすことはない。ということは、「スカートの中はどれくらい明るいか?」という疑問を考えることは、それは「色を付けた部分の床からスカートの中の下着にまでたどり着く光がどれだけあるか?」ということを考えることと同じなのである。

 そしてまた、床上での光の反射に方向性が無く、光が完全に等方的に周囲に拡散するとするならば、円錐の中心(つまりはスカートの中の下着部分だ)にあたる光の量は、下の左図の色を付けた部分球の面積に比例する。つまり、「スカートの中の明るさ」は「スカートの広がり角」で決められる「部分球」の面積に比例するのである。


Diagram2

 つまり、角度Θで広がるスカートの中が「どれくらい明るいか?」という疑問は、「下図で色を付けた部分球の面積はどのくらいか?」という問題に変わるわけである。「半球全体の面積に対して、スカートの広がりで決められる部分球の面積はどのくらいの割合か?」ということの答えが、それすなわち「スカートの中の明るさ」を決めているのである。

 ところで、アルキメデスが発見したように、球(もしくはその一部)の面積はその球に外接する円筒の面積に等しい。つまり、上の図の左で色を付けた部分の面積というのは、右に示したような(色を付けた)円筒の面積に等しいわけだ。ということは、右の円筒部分の面積は
円筒の面積 = 2 π (1-cosΘ)
であって、左の半球の面積が(直径=1とすると)2πだから、円錐状のスカートの中の明るさは、スカートの広がる角度をΘとするならば、「スカートの中の明るさ」は
Equation
という実に簡単な式で表されることになる。アルキメデスも、まさか自分の球と円筒の表面積に関する発見が「スカートの中の明るさを示す式(ここでは仮に『パンチラの式』とでも呼ぶことにする)」を導くために使われるとは想像だにしなかっただろうと思うが、とにかくアルキメデスのおかげで私たちはスカートの中の明るさを知ることができるのである。

 試しに、このくアルキメデスの『パンチラの式』を使って、スカートの広がり角度Θに対して、スカートの中の明るさがどのように変化するかを計算してみると、その結果は下のグラフのようになる。このグラフは、横軸が「スカートの広がる角度」で、縦軸が「スカートの中の明るさ」を示している。周囲の「照明に照らされている床」の明るさを1とした時の「スカートの中の明るさ」を示しているのである。

Grap0

 基本的にはスカートが広がるにつれて「スカートの中の明るさ」は明るくなるわけであるが、このグラフを眺めてみると、スカートの広がる角度が20°を超えるあたりから次第にスカートの中が明るくなることが判るだろう。例えば、スカートの広がる角度が30°の時には、スカートの中は「床の明るさの10%程度の明るさ」しかないが、スカートの広がる角度が60°にまで広がれば、スカートの中は「床の明るさの半分程度の明るさ」になる、ということが判るわけだ。


 ところで、人間の目というものは「見るものの明るさ」に合わせて順応する。例えば、暗いものを見るときには目の感度は自動的に上がる。だから、スカートの中がほのかでも明るかったならば(例えば床の明るさの5%程度にでも明るければ)、自動的にその明るさに目が順応してスカートの中が見えてしまうかと思いきやそうはいかない(ハズだ)。なぜなら、人間の目は明るいものを見る時には、目の感度が逆に自動的に低下してしまうからである。スカートの中以外の明るい場所(例えば照明や、照明に照らされた明るい壁)だって、自動的に視界の中に入ってくるわけで、目の感度はそういう明るい部分に自動的に合ってしまうハズなのである。

 例えば、下の画像は周りの明るさに対して、
  1. 5%の明るさ
  2. 10%の明るさ
  3. 20%の明るさ
を持つ三種類のロゴである。この三つの画像を眺めてみれば、明るさが5%のものはなかなか判別しにくいが、20%以上の明るさのものであれば比較的容易に判別できることが判るだろう。明るいものが視野に入っている限りは、人間の目は「一番明るいものの10%以下程度の明るさのモノ」はなかなか識別することはできないのである。

5 %
5 percent
10 %
10 percent
20 %
20 percent

 ということは、先のグラフで「スカートの中の明るさ」が10%を超えていないと、つまりは周囲にある明るい床(や照明や壁)などの明るさの10%を超えているくらいでないと、スカートの中が仮に幾何学配置的に見える条件であったとしても、実際には目の感度的にその中のようすを判別することができないに違いないのである。その場合、おそらく明るい床や壁の明るさに目の感度が合ってしまい、ほの暗いはずのスカートの中は真っ暗にしか見えず、幸か不幸かスカートの中身は識別することができないハズなのだ。

 というわけで、先ほどのグラフに「識別できる明るさか否か」を書き入れてみると、次のグラフのようになる。

Graph

 つまり、スカートの広がる角度が25-30°を超えていないと、スカートの中身は周囲の床や壁の明るさに比べて相対的に暗すぎて人間の目ではおそらく見ることができないのだ。


 例えば、スカートの広がる角度が30°以下に制限されるようなタイトスカートを穿いて、明るい壁や照明などが視界にどうしても入ってしまうような場所にたたずんでいる限りは、もし仮にスカートの中を覗かれたとしてもスカートの中は(人間の目からすると)真っ暗で何も見えないわけで、スカートの中身を見られたりするような被害にあうことはまずないだろう、ということが先のアルキメデスの『パンチラの式』から判るわけなのである。「吹き抜け構造の建物内で階下から階上を見上げられる場所」や「建物内外の渡り廊下を見上げられる場所」なんかであったとしても、背後に明るく輝くものがある限りには、見る人の目を眩ませることができて、スカートの中身は安全なわけである。

 ところが逆に、床が白かったりして明るいクセ(つまり下からの照明が強いクセ)に、周りに明るい壁や照明が何故かあまりないような場所がもしあったとして、もしそんな場所で(下から)スカートの中を覗かれたりしてしまうと、(下から覗く人の視界に入る)周囲の明るさに比べてスカートの中が十分明るく見えるせいで、しっかりとパンツの模様をチェックされてしまうということになるだろう、ということも予想することができてしまうのである。だから、そんな場所をもしも短いスカートをはいて歩かなければならないような場合には、例えば何かの「ピッカピッカ輝く光りモノ」でも身につけて、その光りモノの明るさを「スカートの中身をのぞこうとするスナイパー」の視界に入れて、彼らの目を眩ませてしまえば良いだろう、というアルキメデスの知恵さえ授けてくれるのだ。

 
 ところで、今回は「スカートの中の明るさを示す=パンチラの式」を考えてみたわけであるが、この式は考えるまでもなく実にアブナイ式である。パンチラの被害防止に役に立ちそうな気もするし(全然役に立たないような気もするが)、逆に単なる「パンチラの科学」になってしまっているような気もしてしまう。「スカートの中身をのぞこうとするスナイパー」の魔の手から逃げるためのバイブルになるような気もするし、「スナイパー」のための手引き書になってしまいそうな気もする。ギリシャ神話で、あらゆる災厄が入っていたという箱がパンドラの箱だったけれど、このパンチラの式だって案外そんなパンドラの箱のような、色んな災厄の元になってしまうものかもしれないのである。しかも、パンドラの箱の場合には最後に箱の中に『希望』が残っていたわけでまだ良い(?)のである。しかし、アルキメデスの『パンチラの式』の場合には「スカートの中にだっては『希望』が入っているのだぁ」などと口に出したりしたら単に変態扱いされてしまうだけなわけで、そこはパンドラの箱よりもずっとたちが悪いのである。つまりは、科学もアルキメデスの『パンチラの式』も使う人次第なのである。

2003-08-31[n年前へ]

平安京エイリアン 

 ルービック・キューブが大流行した1980年頃に、「平安京エイリアン」というゲームがあった。そして、そのバッタもん(ニセもの)の一つに「長岡京エイリアン」というものがあった。というわぇで、リンク先は懐かしのWindows版平安京エイリアン



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