2004-07-03[n年前へ]
■青春18きっぷは定義式
今年の春の青春18切符のコピー
√a = 18旅路(ルート)の中では、人はいつも18(age)である。に対してのツッコミ
ちなみにこの公式には”落とし穴”があり、普通に解くと「a=324」と答えが出てしまいます。誰がどのような旅をしても心の中ではいつも18歳、と伝えたいのでしょうか。を見る。
それは、"="の定義次第に違いない。このコピーの作者は実は数式処理系に堪能で、"="は、いわゆる等号"=="ではなく、代入の"="かもしれない。つまり、「√aというものは全て18が代入される」という手順を意味しているというのも自然かもしれない。
そして、さらにこの式は"√"という演算子(もしくは関数)を定義する式であって、(例えばMathematicaなら)この式は
root(a_) := 18
なんていう内容を書いてある、とも自然に読むことができるだろう。すると、これは「ルートをとるとどんなaも全て18になる」という定義だ。もっと素直に言い換えれば、それはコピーそのままの「旅路(ルート)の中では、人は誰でも18(age)になる」である。そういう処理を行わせるものこそが「旅路(ルート)」というものなんだ、と高らかに定義・宣言する式である。
そして、(「女の子=悪」の証明風に言うのなら)「人のルート(root=根底にあるもの)はそんな18才の頃のようなものだ」とさらに想像してみるのはどうだろうか。青春18きっぷのポスターに書かれた小さな式は「旅は人を18歳の頃の気分にさせる。そして、それこそが人の根底にあるものなんだ」という言葉だと勝手に想像してみるのだって面白いはずだ。
青春18きっぷの公式から"a=324"なんてなんだか少しツマラナイ答えを導いてしまうのではなくて、もっと色んな想像をして色んな答えを導いてみるのも良いのじゃないかな、と思う。答えが(自分の知識の範疇で想像できる)一つだけなんていうのは「青春18きっぷ」には似合わない。もっと、色んな期待とともに線路の先を眺めた方が、きっと面白いことを見つけられるに違いない。
2004-12-11[n年前へ]
■今日書いたメイル 「博士の愛した数式」
今日書いたメイル 「博士の愛した数式」 | |
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2005-01-08[n年前へ]
■「整数と小数」と「言葉と感情や雰囲気」
「元々はそんなに意味がなかった」という、"point"と"residual"という名前を見て、一番最初に思い浮かべたのは「円周率は約3でいいか(2000/9/28 AM 11:05辺り)」でした。円周率πと(πの小数点"point"以下を切り捨てた、あるいは、円周率πを一番近い整数に整えた"adjust")3の間には、無限に続く少数で表される残差"residual"があるわけですが、この「円周率や誤差」辺りの話を読んで感じたこと(それをなかなか言葉で言い表せなかったりするのですが…)を思い出しました。
点"point"で指し示しされたものと本来の何かとの残差"residual"や、小数点"point"で切り捨てられがちな残り"residual"の何か、あるいは、「厳密な意味からもれてしまいがちなある種の感情や雰囲気」といったものを思い出したわけです。
むしろいとうせいこう氏のような(数式を言葉とみなせない)文科系作家は、言葉の厳密な意味からもれてしまいがちなある種の感情や雰囲気といったものを表現していくのが主たる仕事ではないんだろうか。
お笑いパソコン日誌 「円周率は約3でいいか」
2005-02-19[n年前へ]
■『○×的センス』と「素晴らしい科学」
ちゃろん日記(仮)文体で遊んだときには、寺田寅彦の文章などを比較例に使ってみました。寺田寅彦と言えば、椿の花が落下するようすを描いた「思い出草(やこの件に関する科学論文)」が理研の庭の椿の花を実験材料にしていることは有名かもしれません。その理研が発行している 理研ニュース'05/1の河合隼雄・野依良治特集対談がとても面白く楽しめます。対談の中から、気になる一節をメモし始めると…、全文になってしまいそうですね。
「科学」と「論理」と「情緒」と「言葉(数式と日常語)」
(野依)自然科学者として、文化には4つの大きな要素があると思っています。ひとつは“科学”、それから“論理”、3番目が“情緒”、最後に“言葉”だろう…(河合)言葉の中で、一番はっきりしているのが数式なんですよね。日常語は、あいまいさを持っていますから、サイエンス(科学)はそれをできるだけ排除しようとする。できたことを説明し、記述する場合は数式といったものが強いのですが、新しいものを見つけていくときには、あいまいさの中に入っていかないと駄目なんです。「理系」と「文系」
(野依)日本の教育では比較的若いときから理科系・文科系を分けますが、私は亡国への道だと思っているのです。(河合)私も絶対に反対です。高等学校くらいの年齢で理科系・文科系なんていうのは、本当におかしいと思います。「人を疲れさせない・駄目にしない」
(野依)研究所も大学もそうですけれども、研究を通して人を育てることが大事であって、人を疲弊させてはいけないと思うんです。しかし今の研究所では、評価とか資金調達とかいろいろなものが導入されて、人を疲れさせています。これは研究者だけではなくて、事務方にもいえるわけですが。そういった研究所の職員をエンカレッジ(激励)するには、研究所全体の文化度を上げなければならないと思っています。さもなければ人間が駄目になります。「素晴らしい科学というのは、わかりやすい」
(野依)社会に自分たちがやっていることの意義を分かりやすく話すということは、大変大きな意味があると思います。素晴らしい科学というのは、やはり分かりやすいんです。
2005-02-22[n年前へ]
■「電子写真材料にフォーカスしたという講習会」
先月、プレゼンテーション講習会を技術情報協会主催で行いましたが、その技術情報協会主催で4月25日に、「電子写真材料(プロセスでなく)にフォーカスしたという講習会」を行います。メカでもプロセスでもなく、材料にフォーカスさせてみるということです。
そういえば、日本テクノセンターだったり、画像学会だったり、機械学会だったり、「Excelで○×計算」なんていう講習会が多いです。ただ、画像出力分野がターゲットならExcelより、Photoshopの方が適してますよねぇ…?しかも、(VBAでなく)Excelの数式で他アプリケーションを駆動したりプログラミングする講習会なんて、楽しいと思いません?