2008-07-07[n年前へ]
■「25年前に宇宙人へ送信した画像添付メール」の原画
今日は7月7日、七夕の日だ。そういえば、一月と少し前に、「25年前に電波送信した宇宙人へのメッセージ画像の原画が見つかった」というニュースを読んだ。6年前、「七夕の夜に願うこと」で書いた 「スタンフォードの46mのパラボラ・アンテナからアルタイルに向けて送り出された、13枚の画像添付メール」の原画だ。
地球からアルタイルまでの距離は約16光年。メッセージを乗せた電波信号は99年に到着している。知的生命体が住む惑星が存在し、すぐに返事を送ったとすると、2015年に地球へ届くことになる。
この原画だったか、あるいは、そのためのラフスケッチだったか、そんな画像を見たことがある。「少年ジャンプの企画中で、電波に載せて宇宙人へメッセージを送信してみるんだ」と、父が描いたラクガキを見せながら、父は愉快げな顔で話をしてくれたように思う。
宇宙人から返事がくる可能性はほとんどない。宇宙人へのメッセージは、生物の進化を示す画像群は、なぜかエタノールの分子式で終わる。ビールか何かを飲みながらそんな「低解像度のエタノールの分子式」について語る送信者の話を聞いていた覚えがある。
「でも、それでいい」
西暦2000年に送られた、アルタイルへの電波メールが宇宙空間をこの瞬間も秒速30万kmで伝播し続けている途中かもしれないと夢想してみるのも、とてつもなく楽しいことだと思う。
これから続く夏の空を眺めつつ、ビールでも飲みながら、天の川とベガとアルタイルのことや、酔っぱらい二人が送ったそんなメールのことを思い浮かべてみるのも、きっと気持ちが良いと思う。星空が綺麗な高原で、あるいは、星も見えないビル屋上のビアガーデンで。
2008-07-10[n年前へ]
2008-07-13[n年前へ]
■「奥行きを持ち浮かび上がってくる名画」グッズ
以前、『カンバスから飛び出す「名画の世界」』『もう一つの目から眺めた世界』などで、名画を立体視画像に変えて遊んでみました。本来は、「一枚の平面画像」であるものを画像加工することで、奥行き情報を適当に付加した上で、立体視ができるような画像に変えて眺め楽しんでみたのです。
右上の画像は、以前ミュージアムショップで買った名画たちです。といっても、ポストカードのような「いわゆる平面的な画像」ではなく、(下に張り付けた動画を見ればわかるように)手で丸めるように立体にすると直方体状に形が変わり、直方体に開けられている穴を覗いてみると、美しい名画が奥行を持った立体的な世界として浮かび上がってくる、という仕組みです。
こういった名画が一体どんな立体画像として見えるのだろう?と興味を持つ人も多いでしょうから、この「名画を立体視ができるようにしたグッズ」を覗いた時に見える景色、たとえばフェルメールの"Milk"を覗いた時に見える小さいけれど立体的な世界を、右にアニメーションGIFとして貼り付けてみました。といっても、カメラ付きケータイで「名画を立体視ができるようにしたグッズ」に空いている穴を覗きつつシャッターを押して、左右の画像を撮影しただけです。そのため、ずいぶん画質は悪くなっていますが、それでも、少しは立体的なようすがわかることを願っています。
ちなみに、下に張り付けたのは、平行法の立体視画像です。左右立体視ができる方であれば、こちらの方がずっと綺麗に立体感を持った世界を体験することができるかもしれません。奥行きを持ち浮かび上がってくるたくさんの名画を、眺めてみたくなりませんか?
2008-07-19[n年前へ]
2008-07-29[n年前へ]
■「モカ茶の下着」は透けて見えることがない!?の実験
ブラジャーが透けない「モカ茶のヌードライナー」と「シャツの色」で書いたように、「ブラジャーはシャツの色と同系色でないと透けて見えてしまう」という話をよく聞きます。また、「カラフルな色のブラジャーを着けても、その上にモカ茶のヌードライナー(スリップ)を着れば表には透けない」という話も読んだことがあります。そしてまた、これらと似たような話として「モカ茶の下着は透けない」といった話もよく聞くのです。
これら3つの話は、似たようなキーワード「(肌色よりかなり濃い)モカ茶」と「透けない」が登場しますが、全く同じ話というわけでもありません。それはまるで、伝聞で広まっていく一種の都市伝説のようです。
そこで、とりあえず「モカ茶の下着は透けない」かどうかを試してみました。と、いっても、「あくまで簡単な机上計算と机上実験で済む範囲」がhirax.netの守備範囲です。そこで、「腕に4種の色のテープを張り付け(右上の画像)、半透明のシートをその上に載せ、どの程度テープが透けて見えるか(右中の画像)の確認」をしてみました。肌の上に張られた「明らかに肌より明るい色から、明らかに肌より濃い色まで濃さの違うシート」が、薄いピンク色の半透明シート上からどのように見えるかを確認してみたのです。
意外?なことに、肌色より少し濃いくらいの「パッチ」が全然透けて見えないという、俗説にかなり沿った結果になりました。しかも、「(肌色よりかなり濃い)モカ茶」でも、あまり透けて見えないのです。ちなみに、右の画像は一番最初の画像を、L*(=感覚に比較的素直な明度軸)で示した三次元グラフです。
普通に考えると「下着が透けて見えない=下着部分がそれ以外の部分と区別できない」のは、「下着が肌色に一番近い色」のときに思えます。そして、下着が肌の色より濃くても・薄くても、同じように「透けて見えてしまう」のではないか、というのが一番「ありそう」な話です。けれど、(精度なんか全然ありませんが)机上実験の結果は違うのです。肌色より明るい色の下着は「とても透けて見える」のに、肌色より暗い色の下着は「あまり透けては見えない」のです。
というわけで、今日は「モカ茶のインナーの不思議」 が気になって気になってしょうがない……のです。