hirax.net::Keywords::「新書」のブログ



2010-01-29[n年前へ]

伸びない人は「銀の弾丸」を捜し求める。 

荒井玲子「ソフトウェア開発 で伸びる人、伸びない人 (技評SE新書002) 」から。

伸びない人は「銀の弾丸」を捜し求める。

2010-01-31[n年前へ]

自分で考えない力 

 小笠原喜康「新版 大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書)」から。

 日本は明治以来、近代教育と言う国民皆教育の時代に入った。(中略) この目的のために重要な学力は、「時間を守る道徳」と「自分で考えない力」の二つである。
 戦後は、近代教育が社会に合わなくなってきた。学校は、70年代以降は急速にその力を失ってしまった。つまり時代に合わなくなっていった。「オイッチニー、オイッチニー」が通用するのは、古いタイプの大量生産工場に過ぎない。
 本書は、こんな日本の教育を受けてきた若者たちへのささやかなエールである。

2010-02-02[n年前へ]

「深い後悔」や「苦い失敗」 

 本当に引用したい一文は、自分の手帳に書き写すだけ、ということが多いものです。

 小山薫堂は、映画「おくりびと 」の脚本を書いた人です(それ以外のことも数えきれないくらいしている方ですが)。その「おくりびと」に関する一節を、小山薫堂の「もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! (幻冬舎新書) 」から、1番ではないけれど、気になった言葉をここに書き写しておくことにします。

 ある映画評論家の人からはこう言われました。「あの脚本は誰が撮っても面白くなったに違いないけれど、監督が滝田洋二朗だからこそ、さらに輝きを増した」
 滝田監督はピンク映画の出身です。だから、職業差別を受けた経験がある。そのコンプレックスが、この映画に反映されているのではないか。(中略)差別される側の痛みを、滝田監督は実感としてよく理解していたのかもしれません。
 最初に僕が石文というものの存在を知ったのは、向田邦子さんの「無口な手紙」というエッセイを読んだときでした。

2010-02-13[n年前へ]

フィギアスケートの「芸術点」と「プレゼンテーション」と「定量化」 

 昔、フィギアスケート競技を観ていると、「技術点」と「芸術点」というふたつの言葉を解説者が語るのをよく聞いた気がする。どの程度の難易度の技を、どのように行っていったかを評価する技術点というのは、まだわかりやすいような気がしたけれども、「芸術点」というものは何だか少しわかりづらく感じて苦手だった。

 その「芸術点」=Artistic Impression はいつの間にか、プレゼンテーション・スコア=Ppresentation Score と名前を変え、さらには構成点=Program Component Scoreというように名称が変わっていた。「芸術点」が「プレゼンテーション・スコア」そして「構成点」と名前を変えれば、かつて感じた「わかりづらさ」「基準のなさ」が消えるかと思いきや、むしろ、「技術点」とどのように違うのかがわかりづらいものに思え、何だかつまらなくなってしまったような気がする。

 「芸術点」という基準のわかりづらい曖昧模糊とした点数が、どのように、どれだけ、聴衆に何かを伝えるかという「点数」を体現する言葉に変わり、そして、「構成」="Components"というさらに具体的で基準がはっきりとしているように見える「点数」で争われるようになっている。

 しかし、曖昧で、あやふやな Artistic Impression という言葉の方が、Program Component Score という言葉よりも、心を動かされる度合いを的確に現わしている言葉のような気がする。

 一見すると確かなものに感じられる数値の方が実はとても曖昧であやふやなもので、曖昧に見えるものの方が本当はとても確実なものだということは、よくあることではないかと思う。

"I want to be with you the rest of my life. Will you marry me?"
"Yes."
Announcement: "Obviously, she said, yes."
下に張り付けた動画の中では、"Score"とか"Presentation"とか、さまざまな言葉が出てくる。その言葉、ひとつひとつを聞きつつ、その言葉を発した解説者と同じように心動かされる。

2010-03-15[n年前へ]

「政治は一瞬、方程式は永遠」 

「痛みは一瞬。映画は永遠」で、体を張ったスタントばかりだった"バック・トゥ・ザ・フューチャー"を作る時に、主演マイケル.J.フォックスが監督ロバート・ゼメキスと繰り返し交わした言葉を書きました。

痛みは一瞬。映画は永遠。

 "バック・トゥ・ザ・フューチャー"では、主人公は、1985年の世界から1955年にタイムスリップします。今日、引用する言葉は、そのさらに3年前の1952年、まさに時空間を表現する相対性理論で有名な、アルバート・アインシュタインの言葉です。

 1948年にイスラエルが建国されたあと、1952年にはイスラエル初代首相ベン・グリオンから大統領になってほしいと要請されましたが、「政治は一瞬、方程式は永遠」と言って断りました。

米沢富美子「人物で語る物理入門〈下〉 (岩波新書)

 この2つのフレーズは、似ているようで、文の流れは結構違います。前者は、永遠のために一瞬を受け入れることを厭わず、後者は、永遠のために一瞬には目を向けません。

 色々な一瞬と永遠があることでしょう。あなたなら、この形の一文に、どんな言葉を入れたいと思いますか?



■Powered by yagm.net