2006-07-19[n年前へ]
■「コピー」と「自分」と「河内のオッサン」
from n年前へ.
現代の私たちの日常生活には多種多様な「コピー」が満ち溢れています。 「コピーの時代」
宿泊の際に修士論文もしくは博士論文をお持ちください。一冊のみ2000円で購入いたします」という高学歴者プラン(優越意識プラン) 鬼怒川温泉「佳祥坊 福松」
おー、よう来たのぅワレまあ上がって行かんかいワレビールでも飲んで行かんかいワレ久しぶりやんけーワレ何しとったんどーワレ「河内のオッサンの唄」
「自信が必要十二分以上に満ちあふれている人」でも「自信を無くしている人」でも、どちらであるにしても、自分自身に「(他)人は(他)人、自分は自分」という「心の強さ」があれば、きっと人生は楽しいものなんだろう、と想像してみたりするわけです。 そして、どうしたら「自分がどういうスタンスであるかという自己認識」をしっかり強く持てるだろうか、と考えたりするのです。
他の人の自信を支えるやり方を聞くと元気をもらえます。真似をしたいと思います。
元気な時に自分のやり方をメモしておいて、不安になった時にはそのメモを読んで自分のやり方を思い出しています。
2008-03-13[n年前へ]
■武藤鉦製薬「610ハップ」で温泉気分
温泉気分に浸ることができる「温泉の素」というものはたくさんある。けれど、「温泉気分」に浸ることはできても、「温泉泉質」に浸ることができるものは実はほとんどない。たとえば、温泉の成分の代表格である「硫黄」が入っている「温泉の素」はあまりない。いや、実際には、ほとんどない。
しかし、数少ない本当の「温泉泉質」を楽しむことができるのが、武藤鉦製薬株式会社の「610ハップ」だ。主成分はほぼ硫黄と消石灰……という、まさに自然の温泉成分そのまま、である。売れ筋商品ではないと思うけれど、薬局に行けば、きっと棚の片隅においてあると思う。
この「温泉の素」がどれだけ本当の「温泉の素」かというと、数年前の「白骨温泉の温泉(白濁)偽装問題」で使われた「温泉の素」がこの武藤鉦製薬株式会社の「610ハップ」であった、ということを聞けばわかると思う。白骨温泉のお湯が白濁しなくなってしまったとき、困った温泉旅館が使ったのが、この「610ハップ」だからである。つまり、老舗の白骨温泉の温泉旅館も認めた「温泉の素」が「610ハップ」だった、ということである。
「610ハップ」はボトルに入っているときは赤褐色の液体だが、これをお湯に少し(大サジ2杯程度)たらすとお湯はどんどん白濁していく。そして、回り一体は硫黄の匂いに包まれる。……一言でいってしまえば、近所迷惑の「温泉の素」でもある。しかし、その温泉効果は抜群だ。ニキビも消えるし、お肌は間違いなくスベスベになる。何しろ温泉気分のイメージだけでなく、硫黄大量投入の本物温泉泉質なのだから。
ちなみに、本物温泉・硫黄大投入の薬品だから、浴槽や周辺金属はあっという間に黒ずみ、劣化していく。……というわけで、使うにはある程度の覚悟が必要な「温泉の素」である。しかし、500円でお釣りがくる安上がりな「本当の温泉の素」でもある。もしも、知らない人がいたら、お勧めしたい(けれど、匂いや金属の腐食など覚悟もいる)のが武藤鉦製薬株式会社の「610ハップ」だ。
2008-03-14[n年前へ]
■10万円札を浴槽に浮かべる「バブリーバブルバス」
『武藤鉦製薬「610ハップ」で温泉気分』のような自然の温泉を素朴に再現した昔ながらの入浴剤もあれば、それとは全く逆に現代の欲望を現代の技術で結晶化したような入浴剤もある。そんな「現代の欲望を現代の技術で結晶化したような入浴剤」が、バンダイが最近発売し始めた「バブリーバブルバス」だ。一万円札(額面は何と10万円だ)をイメージした紙状の泡入浴剤である。浴槽に(1回分として適当な)10枚程度浮かべると、1分間程度でその10万円札が溶けていくという。
(デザインは1万円札だが)10万円札10枚入り250円だから、100万円のお札を浮かべた浴槽に入ってみるのも面白い……かもしれない。そんな浴槽に浸かりながら、「豊かさ」と「貧しさ」、そのどちらを実感するかは、その人次第なのだろう。
「お客様は神様です」という言葉とともに、「消費者が望むだろう」と誰かが考えたものを誰かが作る。需要あるところには、必ず供給が生まれる。あるいは、今では、その逆にして、供給のあるところに需要が生まれていく。お客さまという神様たちの欲望に応えようと・欲望を生み出そうと、供給者が色んなものを作り出していく。
2008-03-19[n年前へ]
■「10万円バブル入浴剤」と「ムトーハップ」
武藤鉦製薬「610ハップ」と10万円札をお湯に浮かべる「バブリーバブルバス」を、それぞれお湯に溶いたり浮かべてみた。ムトーハップはお湯に溶き、バブリーバブルバスの10万円札は、一枚だけお湯に浮かべてみた。
硫黄と石灰が混じった「610ハップ」は赤褐色の液体だ。その、赤黄色の液体をほんの少しお湯に混ぜると、温泉そのままの「卵が腐ったような匂い」とともに、お湯が白く濁っていく(そんな過程を、下に動画で貼り付けてみた)。
その実際の(人に対する)効果はよくわからないけれど、金属や浴槽が黒くなっていく効果はいやでも実感させられる(何しろ、ムトーハップを使った後の清掃はとても大変だ)。けれど、そんなムトーハップの白い湯に浸かっていると、心がどこか僻地の温泉の中にあるような気がしてくる。
その一方で、「10万円バブル入浴剤」の方は、木の皮を剥いだような感じの触り心地・見た心地の「10万円」だ。たとえて言うなら、「(なぜか檜の匂いがする)白樺の皮を剥いで茶色の水彩絵の具で一万円札を描いた」ような入浴剤だ。この「例え」に賛同する人は皆無だと思うけれど、そんな実に”微妙”な感じだ。その入浴剤をかき混ぜていると、洗剤のような泡がたくさん出てくる。それは、まさに「バブル」な感じだ。そんなバブルなさまも、やはり、ケータイを使って動画で撮影してみた。
「みんなの悩み事をさっぱり忘れさせてくれる空色のせんたく機を発明したタンネさん。だけど、タンネさんは、せんたく機の製造に追い詰められて、空色のせんたく機の中で悲しいロボットになってしまった」
「すなの中に消えたタンネさん」
心が汚れていると感じるとき、心が疲れていると感じるとき、その汚れや疲れは表面張力に満ちたバブリーな洗剤で落とすことができるのだろうか。それとも、そんなものは、昔ながらの入浴剤に浸かった方が落としやすいものだろうか。人それぞれ、"It's depends."で、たった一つの答えは、きっとどこにもないのだろう。
「ロボットになったらラクなこともあるのかな」
もしも、もしも一つ確かなことがあるとしたら、色んなものが世の中にはある、ということかもしれない。
2008-07-27[n年前へ]
■懐かしい景色と懐かしい音
港で運動した帰りに銭湯に行った。
大正浪漫を感じさせるようなレトロな建物だけれど、明治12年創業と聞けば、そんな佇まいも至極当然に見えてくる。
引き戸の入口をから中に入れば、そこは何十年も違う時代に見える。体重計には数字の横に「貫」という文字も刻まれていて、あぁ、1貫は4kgで、百貫デブは400kgのことだったんだということに気づかされる。
さらに浴室の中に進むと、その中はまるで古い教会のようだ。狭いけれど三角屋根の高い天井に、音が響く。声を出せば、パイプオルガンが教会に響くように声が残り、丸い浴槽の中に漬かっていると、外から聞こえる排気音が、ダイハツ・ミゼットの音にしか聞こえなくなってくる。
ここに入ってくる新しいものは、ガラスビンから缶に変わったコーヒー牛乳と、ほんの少しづつ、微かに入れ替わっていく「人」自身だけかもしれない。
コダクロームで撮影したような、不思議に濁った色合いの日暮れを見た後に、港に流れる川沿いを歩き、道沿いに座る。すると、人々のざわめきと花火の爆音が響いている。音が、街の「通り」の四方八方から違う周波数とタイミングで響きわたり、空気を震わせ続けてる。
懐かしい景色と懐かしい音が、目の前に心地良く広がっている。