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2008-01-11[n年前へ]

「仮装大賞版」人間ラトルバック 

 チューインガムで、回転させた方向と逆方向に回り始める「ラトルバック」を作ったが、これを人間でやったら、どうなるだろうか?つまり、欽ちゃんの「仮装大賞版」人間ラトルバックである。腹筋の力で、足を上げ・頭を上げて、足とねじり・腕と首を逆方向に捻るポーズをとるのである。そして、誰かに(そのポーズをとり続けているあなたの体を)「力いっぱい回してもらう」のだ。

 上手くいけば、回りだしたあなたの体が、揺れ始めた次の瞬間、逆方向に回りだすはずだ。きっと、その瞬間、ラトルバックの動作原理を自らの体で体感できるはずだ。「なるほど、こういう風に動きが変わっていくのか」と、イヤでも理解することができるはずだ。

 しかも、腹筋も鍛えることができるし、ダイエットにもきっと役に立つに違いない。もしかしたら、ブレイクダンス業界にも超科学を応用した「新たな回転技」を登場させることだってできるかもしれない。藤崎マーケットあたりがやってくれたらうれしい。

2008-03-05[n年前へ]

「広重」と「ゴッホ」について書いたこと 

 いくつかのものを並べて眺めてみたり、あるいは、まとめて平均して眺めてみた時、ようやく浮かび上がり見えてくるものがある。たとえば、安藤広重の「名所江戸百景 大はし阿たけの夕立」とゴッホが描いた"Bridge in the Rain (after Hiroshige)"をを眺めてみれば、江戸とパリで時間と距離を隔てて描かれた、けれど不思議なくらい線が重なる景色が見えてくる。そう思う。

 広重とゴッホが描いた景色をモーフィングさせた時、その景色を眺めたとき、そのモーフィング画像の中に一体何が見えるだろうか。色の違いだろうか。それとも橋の設計の違いだろうか、それとも、歩く人の気配だろうか。顔料を通して見えてくる静謐感や躍動感だろうか。

 並べて眺めることで、初めて見えてくるものの一つが「立体感」だ。ゴッホ(など)の絵画などの絵画を並べて眺めることで、立体的にゴッホが眺めた景色を私たちも見ることができたり、する。不思議なくらい、立体的に見えてきたりする。

 広重「名所江戸百景」を3Dで再現しようという、"CG"名所江戸百景を眺めてみたり、114年前にゴッホが眺めた満月を眺めみるたび、とても不思議な気持ちになる。何しろ、空間や時間を、まるで透明人間のように、自由に行き来できるように(自分が眺めることができない、けれど、他の誰かが眺めている)景色を眺めることができるのだから。

 「左下」の画像は広重の東海道五十三次の中の「由井」で、「右下」が「由比」でいつの日かに見た景色だ。長い年月を隔ててはいるけれど、多分、ほとんど同じような場所で眺めた同じような景色だ。たぶん、コンピュータで相対的な色ヒストグラムで解析でもすれば、きっと同じような景色に見える。けれど、人が眺めたら、全然違う時代の景色に見える。地形は同じだけれど、自体は全然違う景色に見える、きっと、そんな写真だと思う。
東海道五十三次今日

 静岡県 由比にある「東海道広重美術館」の入り口には「版画体験コーナー」がある。「広重の東海道五十三次の「由比」を青・赤・黒の三色の版画で再現し、三色重ね刷りすることで、浮世絵の版画(世界初のカラー印刷技術)を体験しよう」というものだ。
 色毎の位置合わせは、手でやるにせよ、機械がやるにせよ、とても難しいことだから、(色あわせに祖失敗した)「見当違い」の版画になってしうことも多い。少なくとも、私はそんな見当違いの版画を作ってしまった。けれど、そんな風に版画を作る体験はとても楽しかった。

 カラープリンタが割に一般的になった現在、プリントゴッコで浮世絵を作ったりするのも新鮮で良いと思う。消しゴム版画で浮世絵を作ったりするのも、とても面白いと思う。
一色刷二色刷完成






2008-04-29[n年前へ]

「手作り三次元グラフ」と"Life Work" 

 少し前に、「仕事」と「趣味」を、「本人(自分)の欲求」と「他人の満足」という2軸で表される実軸・虚軸で表現される複素平面に描いてみました。注釈を付けるまでもなく、この「仕事」も「趣味」にもカッコ(「」)が付いています。

 カッコは、時に「いわゆるひとつの」という程度の意味を表したり、あるいは、時に「私の感じる言葉とは違うけれども、その人の使う言葉の定義に沿って使って・考えてみれば」というような意味合いで使われることがあります。だから、カッコ(「」)付の言葉が出てきた時には、あるいは、カッコ付の言葉とカッコが付かない言葉が同時に出てくる文章を読むときは、このカッコは何を意味しているんだろう?と考えると、その文章から何だか不思議な立体感を感じたりすることがあります。もしかしたら、それが文章の書き手の中の意識、書き手が眺めるものの距離感なのかもしれない、と感じます。

 さて、「"複雑極まりない"複素平面」上に「仕事」と「趣味」を描くを書いた次の日、"Life Work"という言葉を使ったら、どのようなことを思い、どのようなものを描き・書くだろうか、と考えました。「仕事」という言葉から、"Work"という言葉を経て、"Life Work"ということを考えたらどう思うだろう?と感じました。

 そして、もう一つ、「"自分(本人)の欲求・満足"と"他人の満足"という2軸で表される複素平面に、少なくとも"時間軸という軸を一つ増やしたい」とも強く思いました。私たちを大きく支配する軸でもあり、私たちにとって希少なものでもある"時間"という軸を増やしてみたいと、思ったのです。

 そこで、そんな三次元空間を「ホワイトボード」と「色粘土」と「焼き鳥用の串」で作ってみました。下の写真が、その手作り”三次元空間(複素空間)”です。


 黒色で示した横軸は"他人の満足"という軸(あるいは、その"他人の満足"が形を変えた”お金”といったもの)です。青色で示した縦軸は"自分(本人)の欲求・満足"を示す軸になります。そして、赤色で示した鉛直に真上に向かっている軸(色塗りした"焼き鳥用の串"と"色粘土"にしか見えないかもしれません)が"時間軸"です。

 誰かが行う何かの作業を考えたとき、この空間はその誰かの作業に対する"ある3つの軸による評価値"を示したに過ぎません。他にも数限りない色々な軸があり、色々な眺め方・受け止め方があるように思います。

 また、同じような作業であったとしても、その作業をする人によって、この空間での「座標」は異なってくることでしょう。それは、たとえば「梅宮辰夫の"釣り"」と「釣キチの"釣り"」が、その作業内容が同じようなのに、商品価値(黒い横軸)としては大きく違ってしまうようなことです。

 試しに、今の時点での「梅宮辰夫の"釣り"」を緑色の球で、「釣キチの"釣り"」を黄色の点で手作りプロットしてみました。もちろん、材料は色粘土と焼き鳥用の串です。


 そしてまた、時間軸に沿って、誰かが行う同じ作業でも、その位置・取り扱われ方が異なってくることもあるでしょう。10年後にも「梅宮辰夫の"釣り"」が今と同じ商品価値を持っているとは限りませんし、逆に、「あなたの知り合いの釣キチの"釣り"」の方が他人に満足を与えているかもしれません。あるいは、ゴッホが生きている時点では、ゴッホの"Art Work"は収入源とはとても言えなかったわけですが、現在では、ゴッホの絵画を見るために人が集まり、その絵画を手に入れるためにたくさんのお金が集まります。

 つまり、"誰かが行う何か"を示すこれらの点は、時間を経て動いていくのが普通だと思います。時代の変化にしたがって、何一つ違わない同じ"誰かが行う何か"なのに空間中を移動していって、商品価値を失ったりすることは、よくありそうに思われます。

 また、その人の技術の向上といったさまざまなことを理由にして、これらの焼き鳥の串に刺さった色粘土、・・・じゃなかった、その人の作業自体が変わり、この空間における位置づけを変えていくこともよくあることだと思います。

 先のことは、誰にもわかりません。「確か」でないことは、世の中に満ち溢れています。「この努力が報われる日が来るのだろうか?」「この釣り番組はいつまで続くのだろうか?」「(定年がある人であれば)定年の先には何があるんだろう」といったことをふと考えて、不安が沸いてくる人も多いことでしょう。

 そんなことを考えているうちに、"小説家になりたい"という言葉に強く頷く人もいれば、"それじゃ意味がわからないよ。どんな小説を書きたいのさ?"という風に感じる人もいるだろうな、というようなことが何故か頭の中に浮かんできました。そして、さらに「"Life Work"って何だろう?」「"Life"って何だろう?」と、今更ながらに思ったのでした。

 若き二ツ目が、さまざまな努力と工夫を重ねて暗中模索する姿を、私は美しいと見る。陽の当たらない場所で悪戦苦闘する二ツ目の中で、誰が将来の名手になるか。こればっかりは絶対にわからない。若くして天才ともてはやされた麒麟児が老いて駄馬になったり、ヘタクソの見本みたいだった人が五十代になって突然名人の域に飛躍したりする例が、落語家には少なくないからである。
   江國滋 「落語無学」

 そうそう、とりあえず一つだけ確実なことを見つけました。それは、「粘土遊びは楽しい」ということです。色鮮やかな粘土で、色んなものを作って遊ぶのは、とてもワクワクする、ということは「確か」なようです。

三次元記入例手作り三次元グラフ






2008-05-30[n年前へ]

(加速度センサ対応)体感・実感バストシミュレータを作る 

 体感・実感バストシミュレータを作ってみました。アプリケーションのウィンドーを揺らしたり、(もしThinkpadユーザなら)PCを揺らしたりすると、その振動に応じた変形を計算・表示するというシミュレータです。下の動画はその(Windows上で動作する)アプリケーションを動かしている例になります。マウスでウィンドーを動かすと、その力(加速度)に応じた複雑な変形が生じたりすることが見て取れると思います。
 また、Thinkpadを持ち上げ、傾けてみたり・揺らしてみたりすると、その動きに対応する変形が生じるので、まるでバーチャルリアリティのようにその変形の因果関係を体感できるかもしれません。端的に言ってしまえば、このアプリケーションを動かしつつ胸の前でThinkpadを持って体を動かすと、その動きに応じた変形シミュレーション計算結果を刻々表示(レンダリング)する、なんていう遊びもできるわけです。

 不可思議に見える動きでも、案外こんな実験をしているうちに、その因果関係を実感・納得できるかもれいません。それが、「体感バストシミュレータ」だったりすると、ナニな感じは漂いますが、そんなクダらなさがこのサイトの一つの特徴でもあるので、(色々な視点から眺めた下の動画でも)適当に流し見しつつ・楽しんで頂けたら幸いです。

 このアプリケーション(バイナリ実行ファイル)はここに置いてあります。計算部はC++で適当・速攻で作り、(皮膚からの表面張力を働く)弾性・塑性的な性質を持つPartcleクラスを多数保持するBodyクラスにより、変形状態が計算される、という具合です。書き飛ばした部分を整理し、C++ Bodyクラスのソースも近々置いてくことにしようと思っています。

2008-06-01[n年前へ]

(加速度センサ対応)体感・実感バストシミュレータのC++クラスソース 

(加速度センサ対応)体感・実感バストシミュレータを作る」のC++クラス・ソース(及びバイナリ)を置いておきました。本当に行き当たりばったりに書いたので、とても乱雑で汚く・遅い代物です。なお、使い方はこんな具合になります。

 Body body;
 body.move();
 float *mesh=body.fMesh;
 for(int y=-40;y<=40;y++)
  for(int x=-40;x<=40;x++,mesh++)
   //SurfacePlot(x, *mesh, y);
   // この*meshに高さが入っている
 中身は、粒子郡を拘束力で適当に包むと同時に外力を与えているというようになっていて、金子さんの水粒子プログラムの単純版です。

スクリーンショットスクリーンショットスクリーンショット








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