2008-01-28[n年前へ]
■「(いかにも)微分方程式」から「カルマンフィルタ」までのラクガキ
本屋で理工系の棚を眺めてみると、制御工学の書籍がたくさん出版されている。その半分くらいは「Matlabによる○×制御工学」というような感じだ。手にとってみると、数式が滝のように流れていて、難しくて話の流れを終えない。最後は結局Matlabコマンド一発で済ませるなら、数式追いかけたくないような…流し読みしたいような…と考えて、ふとわれに返りカナシイ気分になりながら、「(いかにも)微分方程式」から「カルマンフィルタ」までのラクガキを下敷きに描く。
2008-01-31[n年前へ]
■微分方程式とラプラス変換のラクガキ
「(いかにも)微分方程式」から「カルマンフィルタ」までのラクガキでは、微分方程式→状態空間制御の方しか描かなかった。だから、微分方程式→ラプラス変換→伝達関数の方もラクガキしてみることにした(描きかけ)。
2008-02-11[n年前へ]
■「ギャラリーフェイク」と「コピー」
美術の歴史を知ると面白く感じる。そして、ミステリー=謎解きも好きだ、と感じる人がきっと好きになるマンガが「ギャラリーフェイク」だ。時には、「カルマン渦」や経済学者でもあったマンデルブローの"株価変動予測"フラクタルを考える「連立不当方程式」といった理系心をくすぐる話も詰まっている(13巻目第2話)、そんなマンガだ。
「フェイク」つまり、「偽造した絵画」を題材にしたマンガ「ギャラリーフェイク」を読むとき、いつも思い出すのが「コピーの時代」という美術展だ。『現代の私たちの日常生活には多種多様な「コピー」が満ち溢れています』という言葉で幕が開く美術展を見たとき、感じたのは「コピー」が持つ劣化性だ。そして、「コピー」が持つ「進化能力」言い換えれば「可能性」だ。
時に、自分が何かの「コピー」になってしまいそうに感じる瞬間がある。影響を受けたものをただなぞるだけ、になってしまいそうになる。しかも、幸か不幸か「テキストをなぞるのが不得手」なせいか、劣化コピーになってしまうことが多い。
…これは困ったものだと感じながら、そんな時は、小器用なコピーでは、無限縮小コピーになってしまいそうだから、「とても質の悪いコピー」は「一種の進化だ」と眺めなおそう、と思ったりもする。小器用な縮小コピーを続けていたら、原始生物も人類も生まれなかったかもしれないし。
2008-06-10[n年前へ]
■「他人の気分推定機」と「カルマンフィルタ」
よくある制御工学の教科書がわかりにくい大きな理由は2つあると思う。まずひとつ目の理由は、読者としての私の理解力が低く、頭が悪いという根本的な問題である。そして、もうひとつの理由は、すでに綺麗に証明された問題を、その綺麗な数式の記述・順番で説明していく、という本が多いことにあると思う。その綺麗な証明にいたるまでの試行錯誤の説明がないと、「そういった数式をなぜ導出するに至ったか」といったことや、「その数式を使って、本来(さらにその先)何がしたいのか」ということがわかりにくくなってしまうと思う。ひとことで言うと、エレガントな証明とわかりやすい説明は違う。少なくとも、私のようなおばかな人間にとっては、そう思う。
制御理論の教科書で、何だか読み飛ばしたくなる「状態量オブザーバ」「カルマンフィルタ」なども、それを例えるなら、単に「他人の気分推定機」に過ぎない。一見難しそうな言葉を使って書いてある数式も、そこに書かれている内容を例えていくなら「"直接知ることができない"他人の気分をいかに正しく安定して推定するか、というフィードバック機構」に過ぎない
「他人の気分・他人の心の中」というものは、(少なくとも現在の技術では)外からは計り知ることができない。そこで、「この人はこんなことを考えているのかな?」と想像(推定)しながら話をしてみる。ところが、「その人の顔色や話す言葉からは、何だか”その人の気分”が私たちの想像とは違う」という感じがする。……それなら、「この人は”もう少し気分が悪い”と考えておいた方が良さそうだ」とか、その逆に「この人は想像していたより”少し気分が良い”らしい」と想像上の「他人の気分・他人の心の中」をちょっと訂正するのが「オブザーバ」である。
そして、その人が結構ウソをつきがちだったりした場合の「他人の気分・他人の心の中推定機」が、カルマン・フィルタだ。「この人はこんなことを言っているけれど、(こういったジャンルの話では)この人は言うことと・心の中とこの人は違うことが多いから、ちょっと言葉を聞き流し気味に捉えておいた方が良さそうだ」といったことを考えつつ、「他人の気分・他人の心の中の推定量」を(より正しそうな)フィードバック補正をするのがカルマン・フィルタである。
それだけのことなのだけれど、教科書の数式の羅列を追いかけている最中には、そういう景色が見えてこないことが多いように思う。そんな不満足の解決をするためには、「歴史の教科書のように試行錯誤の過程に満ち溢れた、決して”エレンガントな証明本”でないような教科書」をどこかで手に入れて読んでみるしかないのだろうか。……それとも、根本的な一番目の原因「読者としての私の理解力が低く、頭が悪い」ということを直すことしか解決策はないのだろうか。
2009-12-29[n年前へ]
■「カルマンフィルタ」と「エクセルで解く2次元非定常熱伝導問題」
正月に、(自分用の)汎用「カルマンフィルタ」ライブラリをRubyとCとExcelで書いてみることにした。たとえば、さまざまなデータ、たとえば、信頼性が低く、誤差の大きなセンサデータや、安定性に欠ける実験データから、現実に近い状態量を推定するツールを作ってみることにした。そして、何か(解析式による)モデル計算や各種シミュレーション計算と比較をしてみたり、それらの計算改善へのフィードバック例を作ってみよう、と考えた。
そこで、扱う題材を考えつつ、実際に上記のようなことを行っている例を探してみた。すると、たとえば、
といったものがある。これらの記事が(下に張り付けた動画でその一端がわかると思うが)実にわかりやすく・面白くて楽しく・役に立ちそうに見える。何というか、つまるところ、魅力を持つに必要な三拍子がすべて備わっている。先日、「2次元非定常熱伝導問題を解く」エクセル・シート、しかも、そのシートに、センサ機能/フィードバック機能なども付けてみた。そんな素材・材料が揃ってきたこともあるので、まずは、PID制御で(疑似三次元空間における)温度制御を行う例をいくつか作り、その後は、上記記事を参考にしつつ「(誤差を付加した)センサ→カルマンフィルタ→制御量最適化」という例でも作ってみることにしよう。