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2009-05-21[n年前へ]

高学歴ワーキングプア 

 GRAPHICATION(グラフィケーション) 2009. No.162「特集:働き方を変えよう

 過去の時代に比べれば、自分の意志で道を選べる選択肢の多い社会が実現したかのように見えますが、しかしその実態は一方通行の専業型で、やり直しの効かないシステムがまだまだ支配的です。
 人の働き方は、どんな仕事につくかというだけでなく、人の生き方、さらにはどんな社会を望むかという社会参加を含む選択の問題にもつながっています。資本主義社会の根幹をなす“賃労働”という、時間で労働力を売る働き方を変えられるかどうかなども大きな課題といえるでしょう。
 真に多様な働き方が認められ、誰もが安心して暮らせる平穏な社会とはどのようなシステムが望ましいのか、今回の特集を通じて考察しました。

 その中の連載記事、池内了「現代科学の見方・読み方 56」の「高学歴ワーキングプア」より。

 市場原理を徹底させ、自由競争こそが活力のある社会を生むとの「新自由主義」経済は、未曽有の経済危機を招き、ますます格差が拡大して社会を披露させてしまった。
 その中で高等教育を受け、博士号を取りながら、使い捨てられ、その日暮らしをしなければならない高学歴ワーキングプアが数多く存在することも忘れてはならない。

2009-09-23[n年前へ]

日本列島地価変動マップ 

 地殻変動ならぬ、日本の各地域(全域)の時系列的な地価分布・変動を眺めることができる「日本列島地価変動マップ」 本家MANDARAのサイトにも同様なデータがあるが、各地域を眺めることができるので、こちらにリンク。

日本全域、および各地方における地価変動をマップでみることができます。

2009-10-04[n年前へ]

IronRubyとMathematica Playerで経済データも自由自在 

 本当に、「(.NETで動くRubyである)IronRubyと(無料配布されている)Mathematica Player」を組み合わせたツールの可能性は無限大だ、と思います。しかも、その組み合わせが無料だというところがまた素晴らしいです。素晴らしすぎて、「そういう実装でウルフラム・リサーチは良いと考えているのだろうか?」と疑問に思ってしまうくらいです。

 今日の例題は、MathematicaのCountryData関数を使って、日本の最近40年間くらのGDP(国内総生産)を習得してみることにします。書くコードはこんな感じです。

include System
require 'Wolfram.NETLink'
include Wolfram::NETLink
kernelLink=
  MathLinkFactory.CreateKernelLink()
kernelLink.WaitAndDiscardAnswer()
gdp=kernelLink.EvaluateToInputForm(
  'CountryData["Japan", {{"GDP"}, {1970, 2008}}]', 0)
puts gdp
kernelLink.close
これで、1970年から2008年までの日本の国内総生産(GDPデータ)が時系列的に手に入ります。ちなみに、結果はこういう形式で返ってきます。
{{{1970, 1, 1, 0, 0, 0}, 2.0295777757538376*^11}, {{1971, 1, 1, 0, 0, 0}, 2.2925 011052164844*^11}, {{1972, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.0359415844215283*^11}, {{1973, 1, 1 , 0, 0, 0}, 4.124671054658262*^11}, {{1974, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.578535174149201*^1 1}, {{1975, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.978680032023408*^11}, {{1976, 1, 1, 0, 0, 0}, 5.59 553536053367*^11}, {{1977, 1, 1, 0, 0, 0}, 6.886633644946532*^11}, {{1978, 1, 1, 0, 0, 0}, 9.675983051549285*^11}, {{1979, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.0071187368835983*^1 2}, {{1980, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.0552047308073224*^12}, {{1981, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.1 662277105414326*^12}, {{1982, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.0838309489751625*^12}, {{1983, 1 , 1, 0, 0, 0}, 1.182236662061611*^12}, {{1984, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.258002926042118 4*^12}, {{1985, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.3467326711952527*^12}, {{1986, 1, 1, 0, 0, 0}, 1.9954327828900427*^12}, {{1987, 1, 1, 0, 0, 0}, 2.4200293838043384*^12}, {{198 8, 1, 1, 0, 0, 0}, 2.9383777035023525*^12}, {{1989, 1, 1, 0, 0, 0}, 2.9401349260 95067*^12}, {{1990, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.018112125973376*^12}, {{1991, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.4512768484608447*^12}, {{1992, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.766884938703116*^12}, {{1 993, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.3237911294441895*^12}, {{1994, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.76016480 3785754*^12}, {{1995, 1, 1, 0, 0, 0}, 5.24425055236488*^12}, {{1996, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.620457424448448*^12}, {{1997, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.2337825304782827*^12}, {{ 1998, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.8422661071666924*^12}, {{1999, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.3476506 956717817*^12}, {{2000, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.649614280538379*^12}, {{2001, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.0877256836277627*^12}, {{2002, 1, 1, 0, 0, 0}, 3.904822831192468*^12}, {{2003, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.231254569386364*^12}, {{2004, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.58488 9737074735*^12}, {{2005, 1, 1, 0, 0, 0}, 4.559019715540946*^12}, {{2006, 1, 1, 0 , 0, 0}, 4.434993203595208*^12}}
 つまり、時間と国内総生産を並べたリスト形式で返ってきます。

 もちろん、日本のGDPだけでなく、任意の国のGDPでも、どこかの企業の株価でも、それがどこのマーケットでもいつの時代でも、(基本的には)関数一つで手に入るようになります。もちろん、入手したデータの処理をすることだって、至極簡単です。経済問題をコメンテーターのように評論している文章を見ると、「データを自分で扱い、自分で咀嚼・消化してから話して欲しいものだ」と思ったりしますが、そういった作業を簡単に自分の手で行うことができます。競馬や競輪、はたまた、競艇予想のごとく、経済や株価の行方を実証・予想してみるのにも、IronRuby+Mathematica Playerの組み合わせなら簡単至極にデータ九取得・処理を行うことができます。

これが、最近のMathematicaの便利さでもあり、無料のMathematica Playerを使うことでそのMathematicaの機能を自由にシームレスに使うことができる「(.NETで動くRubyである)IronRubyと(無料配布されている)Mathematica Player」の組み合わせの凄さでもあります。

 「データの見せ方」「ビジュアライズ」はとても大切です。けれど「データそのものを手に入れること」「データを加工・処理すること」の重要性は、決して「ビジュアライズ」に劣るものではありません。基本的には、それらすべてが優れていることが理想的であり、現実的には、それらの中で一番弱い部分が相和の効果・力を決めると思っています。

 無料で使うことができる Mathematica Playerの一番の便利さ・凄さは、「データ取得」「データ処理機能・言語機能」に関して、本家本元のMathematicaに比べて決して劣っているわけでなく。基本的にはほぼそのままの機能を使うことができるようにしている、というところにあるように思えます。

 Rubyから透過的に、Mathematicanを使って入手・計算可能なデータをそのまま自由自在に使うことができる、というのは意外なほどに凄まじい機能拡張だとは思いませんか…?

2009-11-19[n年前へ]

「こころを喜ばす科学」 

 平林久・黒谷明美「星と生き物たちの宇宙―電波天文学/宇宙生物学の世界 (集英社新書) 」の「おわりに」から。

平林:最後のメッセージです。僕は、科学、技術と、一般の人々との遊離を憂います。一般の人々に、科学を率直にみて好きになって欲しいと思います。
 産業、経済、医療等々は僕等の生活を安全で豊かなものにしてくれますが、芸術、スポーツ等がこころを楽しませてくれます。科学は応用を通じて実生活に関わり、知的追求というこころの喜びにも関わる二面を持っています。科学、芸術を愛し、ちゃんと理解する社会は、いい社会だと思います。

黒谷:多くの人に、こころを喜ばす科学を楽しんでもらいたいですね。

2009-11-21[n年前へ]

消費者物価指数とポジティブ・フィードバック 

 景気の変化をわかりやすく眺めてみたくなったので、 日本の消費者物価指数(CPI)のグラフを張り付けてみた。このグラフは、右下部にある小さなボタンを押すことで、表示する内容を切り換えることができるものである。

 このグラフには、1ページ目に「主な消費者物価指数(前年同期比)の推移」が、2ページ目に「主な消費者物価指数の推移」が、3ページ目に「消費者物価指数と前年比の推移」が収録されています。

 2ページ目や、3ページ目を眺めると、ここ2,3年は、実に単調に消費者物価指数が低下し続けていることがわかる。この消費者物価指数低下が続くことの要因は、一体どんなものがあるのだろうか。新聞記事をしっかり読んでいれば、その要因分析結果などが解析・解説されているのだろうか。

 ・・・それにしても、と思う。経済社会はどう考えても、制御工学的にはポジティブ・フィードバックの不安定極まりない世界に思えてならない。少しの外乱が、大きな変動を生み、その変動がさらに激しい波を生むようにみえる。もしかしたら、そこには結構長いムダ時間があったりして、意外にセンシティブではないのかもしれないが、やはりポジティブ・フィードバックの不安定な状態に見える。かといって、安定を実現するネガティブ・フィードバックでは、永遠に一定で変わらない世界になってしまう。おそらく、それでは何の発展もなく進化さえしない世界になってしまうかもしれない。

 ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるかで、結局は「発散」してしまうことになる。

 次に平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックである。「ポジティブ」という名前が付けられた、しかし、それは同時に不況への案内図なのかもしれない。

 以前は途中で挫折したが、もう一度、経済学の教科書に書いてあることをMatlab/Simulinkで実装しつつ、学んでみよう。



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