2008-05-06[n年前へ]
2008-05-25[n年前へ]
■続々・『理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! 』
『理系サラリーマン 専門家11人に「経済学」を聞く! 』を出す際に、200人の人たちに「あなたが豊か・幸せになるために必要なものは何ですか?」と尋ねてみました。右に走り書きしたような「自由」「お金」「食べもの」「時間」といった選択肢を並べ見せながら、その人が豊か・幸せになるために必要なもの、を尋ねてみたのです。
そして、amazonで表示される「お勧め本」やはてなダイアリの「お勧めページ」を算出するのと同じように、つまりはその選択肢を選んだ人の重複度合いなどを計算し、クラスタ分析をした結果の樹形図が右のようになります。右の図ではA,B,C……などのように記号で書いたありますが、もちろん、本の中でもアルファベットが書いてあるわけではなく、「お金」「睡眠」「時間」といったものがクラスタ分析・表示されているわけです。つまりは、「クイズの答え」を知りたくなったら、本書を手にとりそのページを眺めてみて下さいね、ということになります。
「貨幣とは鋳造された自由である」というのはドストエフスキーの言葉ですが、クラスタ分析の結果は、見事なまでに「お金」と「自由」の距離や、「愛」や「希望」の距離を算出しています。右の図のA,B,C,D,……といった記号が「一体どんな言葉」なのか予想をしてみて、そして回答編を書店で眺め・楽しんで頂けたら幸いです。
2009-09-14[n年前へ]
■「作る」と「時間」と「葛藤」と
橋本治の「人はなぜ「美しい」がわかるのか (ちくま新書) 」の「産業は、人にどのような間違いをもたらすようになったか」から。
「作る」という行為は、葛藤の中を進むことなのです。「ものを作る」という作業は葛藤を不可避として、葛藤とはまた、「時間」の別名でもあります。
簡単な真理とは、「いいものは簡単に作れない」で、「時間をかけて作られたものは、それなりに”いいもの”になる」です。
2009-11-22[n年前へ]
■「時間」は「辛い思い出も」「美しい思い出」も公平に消し去る
自転車に乗り小一時間ばかり走ると、古い家屋に囲まれた公園を見つけた。そこで、リュックから「硝子戸の中 (新潮文庫) 」を取り出して読みふける。
彼女は、その美くしいものを宝石のごとく大事に永久彼女の胸の奥に抱きしめていたがった。不幸にして、その美くしいものは、とりも直さず彼女を死以上に苦しめる手傷そのものであった。二つのものは紙の裏表のごとく、とうてい引き離せないのである。「時間」は「辛い思い出も」「美しい思い出」も公平に消し去っていく、という文章を読んだ後に、頁を閉じる。そして、多分、じきに忘れるだろう景色の中を自転車で走る。
私は彼女に向って、すべてを癒す「時」の流れにしたがってみなさい、と言った。彼女は、もしそうしたらこの大切な記憶がしだいに剥げていくだろう、と嘆いた。
公平な「時」、大事な宝物を彼女の手から奪う代わりに、その傷口も次第に癒してくれるのである。
「硝子戸の中」 夏目漱石