2000-06-04[n年前へ]
■WEBページの迷路の中で
未来の地図を手に持って
WEBアドベンチャーというものがある。私が個人的に好きなのは、HyperTextのリンク構造を用いて、WEB上でアドベンチャーゲームをするものだ。例えば、
- Mirag(みらげ)->Adventure( http://www.ceres.dti.ne.jp/~mayo/entrance.html )
私は、HTMLのリンクを用いただけのWEBアドベンチャーは好きだが、JavaScriptやFlashを使ったものはそれほど好きではない(し、やらない)。せっかちな私は、場面切り替えの効果などの待ち時間を耐えられないのである。そういった効果は不必要だと思うのだ。
ところで、WEB上でアドベンチャーゲームなどをよくやる人は「地図書き(マッピング)」をするらしい。自分が辿った道筋や話の筋を書き留めておくのである。そうすれば、あまり迷わなくてすむし、あとで自分が辿った道筋を振り返ることができる。
ところが、私はそういうことは全くしない。どうも、面倒でできないのである。その結果、WEBページに張られたリンクの迷路の中でやたらに迷ってしまう。そして、一体自分がどういう道筋を辿ったのか思い出せないことも多い。困ったことである。
そこで、少し考えてみると、良い方法があるではないか。以前、
で書いたように、世の中には色々な「WEBサイトのHyperlink構造を可視化するソフトウェア」がある。それで「WEBアドベンチャー」の「WEBページのHyperlink構造を可視化」すれば良いのである。そうすれば、その「WEBアドベンチャー」の中の世界が浮かび上がってくるハズである。自分がさ迷い歩いた世界の姿が、きっと私の目にも見える形となるはずだ。というわけで、「WEBサイトのHyperlink構造を可視化するソフトウェア」を私も使ってみたかったので、
- Cleo Sofware Development Inc.( http://www.cleosoftware.com/ )
- Apple ( http://www.apple.com/)
AppleのサイトのWebリンクが「目に見える形」になっているのがわかる。もう少し、他のサイトも見てみることにする。例えば、次が科学技術省の英語のトップページからのWEBページの繋がりを眺めてみたものである。中心のトップページから、色々なトピックスや他サイトのWEBページのリンクが張られていることがよくわかる。よく眺めてみれば、NASDA,RIKEN,などのよく目にする文字があるのが判ると思う。
さて、Site Mapper2000を使ってみたわけであるが、WEBアドベンチャーにこういった解析をしてみたかというと、実はしていない。そんなことをしたら、何かつまらなくなってしまう、と思うのだ。「WEBアドベンチャー」の中の世界、WEBページの迷路の中で彷徨うのもそれはそれで楽しいものだ、と思ってしまうのだ。
と、終わらせるのも何なので、適当なサンプルだけは示してみることにした。それが次の図である。主人公の現在位置から、前後左右に世界が繋がっているのがわかると思う。このあとどっちにゴールがあるかは秘密である。
こんな簡単な例を作るのでも思うのだが、「WEBアドベンチャー」の世界を作っていく人達にはとても役に立つものなのかもしれない。そういう複雑に繋がった世界を作り上げる人達には、世界が頭の中に見えていないと、とても不便だろう。きっと、頭の中の未来の地図がなく、先が見えずにただ作り上げようとしてもなかなか完成しないのだろう、と私は想像したりするのである。
2000-06-09[n年前へ]
2000-08-02[n年前へ]
2000-09-02[n年前へ]
■もうすぐ二歳の「できるかな?」
初心に帰ってみましょうか?
「できるかな?」が始まったのは二年近く前の秋のことだった。
でも触れたが、当初(実は今も続いているが)は某社内の某サーバー内でこっそりと始めてみたのだった。それから二年あまりでずいぶんと色々な話が増えた。某社サーバー内でしかアップしていない- プリンタドライバーは仮免
- 続 電子写真プロセスを分数階微分で解いてみよう
- 続々 電子写真プロセスを分数階微分で解いてみよう
そして話が増えてきたせいか、自分自身でも「アレッ、あの話はどこにあったけ?」というように迷ってしまうことが多々ある。迷うどころか、最後まで見つからないこともしばしばあるのだ。そして、それは私でもない他の人であればましてやそうだろう。というわけで、
では簡単にそれまでの話の紹介をしたし、ではhirax.net内の全文検索機能を付けてみた。今回は、これまでの話題をもう一度自分で読み直して、その中から「自分のお気に入り」を調べてみたいと思う。そして、最近少し話題が変になってしまっている反省をして、もう一度初心に帰ってみようと思うのだ。
まずは、1998年の話題からいくと
というあたりが、良い感じだ。京都の風物詩である「鴨川カップル」達が人目を気にしながら寄り添う合う姿を考えてみたものだ。後の「恋の力学」シリーズなどはここらへんから始まっていた、といっても良いだろう。そしてこの頃の[Scraps]系の話題としては、がある。少し前に、この「さなえちゃん」を描いた漫画の作者からメールを頂いたのがとても私には印象深かった。そして、1999年の上半期から選んでみると、まずは
というところだろう。ハードディスクの情報を可視化することで情報圧縮・エントロピーを考えてみた一話である。そして、同じような「可視化シリーズ」の一つである- 感温液晶でNotePCの発熱分布を可視化する- 熱いところで感じてみたい St.Valentine 記念 - (1999.02.14)
- NotePCの発熱分布を比べてみたい- お熱いのがお好き SOME LIKE IT HOT - (1999.02.15)
そして、1999年の下半期はもう自分で言うのも何だが傑作揃いである。大体、書いているペースが自分でも驚くくらいのハイペースだ。月当たりの話の数を数えてみると、
- 7月 9話
- 8月 9話
- 9月 8話
- 10月 8話
- 11月 11話
- 12月 9話
この頃の「お薦めの話」はいっぱいある。例えば、
に始まった「文章可視化シリーズ」や、で始まった「ASCIIアートシリーズ」だろう。から始まる「江戸五色不動シリーズ」は江戸にロケまで行ったので、とても思い出深い話の一つである。しかも、妙な偶然のせいでまるで小説の中に迷い込んだような気持ちになったものだ。そして、WEBページを作る上では
などもどうしても外せない。そして、この後結構続くことになるという「恋の力学」シリーズもこの時期に始まっている。そして、この頃の一番人気が何と言ってもだろう。この「ミニスカート」系の話の流れは以降も続くことになるのが自分では意外でもあり、残念でもある。それはさておき、ナンセンス系ではなんてのも面白い話だと思う。そして、1999年の終わりはやはりこれが「お気に入り」の話である。また、[Scraps]系の話がこの時期にはやたらいっぱいあるのが面白いところだ。その内からいくつかピックアップするとこんな感じだろうか?- [Scraps]絵馬 - どこにもいないよ- (1999.07.09)
- 新宿駅は電気羊の夢を見るか- 意識とは何か - (1999.07.10)
- [Scraps]合掌 - キレイはキタナイ、キタナイはキレイ- (1999.08.01)
- [Scraps]いつかきっと -掌の中の答え - (99.11.03)
- 「文学論」と光学系 - 漱石の面白さ-(2000.02.27)
- 恋の力学 恋の相関分析編- 「明暗」の登場人物達の行方 - (2000.04.01)
- 恋の力学 恋のグラフ配置編- 「明暗」の収束を見てみよう - (2000.04.02)
- 恋する心を見てみたい - 恋のきっかけはどの出来事?- (2000.05.14)
- 恋の形を見た人は - 恋の相対性理論- (2000.05.17)
さて、今回は2000年上半期までの話の中から「私の好きな話」を振り返ってみた。とはいえ、私の好きな話=他の人の好きな話ではないようだし、他の話も適当に眺めて頂いたら良いかなぁ(私が)、と思うのだった。