hirax.net::Keywords::「サンタ」のブログ



2001-12-27[n年前へ]

サンタ入れ替え 

 古い「サンタが街にやってくる」を新しいそれで差し替えました。古い方はindex1.htmlで参照できます。
 ワタシはWEB上では完成度より、とりあえず出し続けることを優先しています。が、よく「以前書いたものもしみじみ、あるいは、ツボを押さえたりして、書き直して本にしてみたーい」と思います。そんなことをさせてくれる人を強く強く大募集中です。

2002-01-08[n年前へ]

オッパイ星人の力学 禁断の最終兵器編 

ステレオ写真で巨乳ビジョン


   元旦を実家のこたつで迎えていると、母に「オマエも最近はやっとマトモな話を書くようになってくれたわね」と言われた。そう、最近確かにできるかな?では「私と二度めに出会う水」「サンタが街にやってくる」「あなたと見たい、流星群」と、書いてるワタシが自分で言うのも何だがきれいな話が続いていたように思う。

 しかし、それだけではマズイのである。砂糖だけでも塩だけでも料理はマズイのと同じように、何事も同じようなもの一つだけではマズイのである。そう考えるワタシはこれまでも、「ブランコを揺らす子供の動き」をメルヘンに考えてみる一方で、同じく「Gカップバストを揺らす女性の胸の動き」を考えてみたりしてきた。そして、結局のところ、その両方ともが純真でピュア〜で素晴らしいものなのだぁ、と主張してきたわけである。だから、いかにもきれいな話が続くのはマズイのである。それはいかにもマズイのである。

 というわけで、2002年新春第一号は最近の話からちょっとズラして、これまで封印していた「オッパイ星人との戦い秘話」を書いてみたいと思う。
 
 

 いつでも、正義の味方は人知れず戦い続ける。年末も年始も関係なく、地球を守るために日夜戦い続ける、それが正義の味方だ。…ワタシも周知の通り、日夜オッパイ星人と戦い続けている。これまでのワタシの戦記録は「オッパイ星人胸のヤング率編揺れる胸の動き編パラメータ励振編バスト曲線方程式編仏の手にも煩悩編あなたのオッパイ星人度編求む未来のヒロイン編」と橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」も真っ青の大河ドラマになりつつある。
 

 とはいえ、以前も嘆いたようにオッパイ星人と戦うワタシの戦術はもっぱら専守防衛ただひとつである。何とかの一つ覚えのように専守防衛のみだったのである。それどころか、最近では単なる対オッパイ星人バトルの「自主学習」という状況にすらなりつつある今日この頃なのだ。

 何しろ、オッパイ星人と地球人の見かけ上何の違いもなく、違いと言えばただ一つ「オッパイ星人達の目は女性のバスト(巨乳の場合多し)にロックインしている」ということだけなのである。となれば、オッパイ星人を見つけるためには、彼らが引き寄せられるような「巨乳トラップ」を用意して、「おとり捜査」を仕掛けるような戦術をとるしかないわけであるが、それも協力者の申し出が皆無であるため、孤独なワタシはそんな戦術は実行することができなかった。そのため、そんなワタシの戦術はもっぱら専守防衛(と自主学習)のみ、という日本が誇る自衛隊= セルフ・ディフェンス・フォースと完全に同じ状態だったのである。

 しかし、近年ではそんな自衛隊、ワタシと同じく長く専守防衛を謳ってきた自衛隊でさえも、専守防衛と言う割には色々なところへ出かけていったり、さまざまな強力なフォースを持つに至っている。先日も、イージス艦をどこぞに派遣するしないで、世間をにぎわせていたばかりである。オッパイ星人と孤独な戦いを続けるワタシとはエライ違いなのである。

 しかし、実はワタシも自衛隊のイージス艦ではないのだが、オッパイ星人の魔の手から地球を救うためにとある強力兵器を開発したことがある。それが、この「巨乳ビジョン」である。
 

巨乳ビジョン

(完成予想図)

 とはいえ、上の写真下部に(完成予想図)としてあることでも判るように、この強力兵器「巨乳ビジョン」はプロトタイプまでは作成したのであるが、量産するまでには至らなかった。いや、量産するどころではなくて、ワタシはこの「巨乳ビジョン」を実は封印してきたのである。今回はこの「巨乳ビジョン」がいかなる兵器であるかを説明すると共に、何故この強力兵器が封印されるに至ったかを書いていくことにしたい。
 

 そもそも、この「巨乳ビジョン」の開発の目的は「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」をいち早く見つけだし、助け出すことにあった。実に不思議なことに、オッパイ星人達は何故か人目バストに目を走らせたならば、その大きさ・形状を把握するといううらやましいおぞましい能力を持っている。しかし、残念ながら幸運なことにオッパイ星人でないワタシはそのような能力を持ち合わせていないのである。だから、どうしても街中を歩く女性達の中から、オッパイ星人に狙われそうなバストを見分けることができなかったのだ。そこで、こんな状況を打ち破るために、ある日ワタシは考えた。ワタシも「見たバストの大きさ・形状を把握するような武器」を使えば、強力なオッパイ星人達と互角に戦うことができて、この哀しき専守防衛アンド自主学習状態から脱出できるのではないだろうか、と。

 であれば、一体「見たバストの大きさ・形状を把握する」ためにはどのようにすれば良いのだろうか? もちろん、触ってみるなんてのは問題外だ。シャイなジェントルマンのワタシとしてはそんな不埒なまねはできないのである。 やはり、ここはhirax.netが得意とする画像処理技術悪用有効活用すべきではなかろうか、とワタシは考えたのである。というわけで、ワタシは両眼視差を利用して、バストの立体情報を計算・再構成し、「一目見ただけでバストの大きさ・形状を把握する巨乳ビジョン」を作成してみることにしたのである。

 そもそも、人間は両目で見ている画像の差を利用して、奥行き情報を知るわけであるが、このような処理を画像処理で行う技術は通常ステレオマッチング技術などと呼ばれる。であれば、二つのカメラを角度を変えて配置し、そのカメラで撮影した二つの画像からステレオマッチング法を用いて奥行き情報を再構成してやれば、平面画像中の大きさ・高さなどを画像処理技術により知ることができるのである。というわけで、二つの画像からバストの高さ・形状を計算・再構成してやって、「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」を見つけだそうという武器がこの「巨乳ビジョン」なのである。

 その「巨乳ビジョン」の効果をまずは例をとりながら説明してみたい。まずは、以前「もう一つの目から眺めた世界/a>vでは、hirax.net式「平面画像立体化法」を使って、平面画像を立体化してみた。その立体画像から、奥行き情報を知ることができるだろうか?

 何より最初に、平行法でこの二つの図形を眺めてみよう。青い四角が視点に近くせり上がってきて、緑の円はほんの少しだけ背景から浮かび上がっているのが見えるだろうか?
 

例えば、こんな立体配置は?
(平行法)

 それでは、この二つの画像を巨乳ビジョンを使って解析してみよう。ステレオマッチングにより画像の奥行き・高さ情報を計算するソフトウェアは色々とあるが、ZitnickkKanade氏らによるCooperative Stereo VisionアルゴリズムによるZK Stereoというアプリケーションもその一つである。わが「巨乳ビジョン」では、このZKStereoを使って上の二枚の画像から奥行き情報を計算している。その計算結果が例えば次のグラフである。このグラフ中では視点に近いほど高く描かれ(色は濃く)、視点から遠いほど低く(色は薄く)描かれている。
 

Cooperative Stereo Visionアルゴリズムを用いて
奥行き情報を計算してみたもの
このグラフでは
近い = 高い(色 = 濃い)
遠い = 低い(色 = 薄い)

 このグラフを眺めてみれば、青い四角が背景よりずいぶんとせり上がっていて、私たちの視点にとても近いようすがよく判ると思う。また、緑の円も若干だけ背景から浮かび上がっているようすも明瞭にはっきりと浮かび上がっている。

 というわけで、「巨乳ビジョン」は平面画像から奥行き情報を再構成できることを確認した上で、問題のバスト画像で確認してみたい。サンプル画像として、"3DFeminine Photo Gallery"というページ中にあった画像を縮小したものを用い、先程と同じようにCooperativeStereo Visionアルゴリズムによりにより、奥行き情報を再構成してみたものが次のグラフになる。
 

女性のバスト写真二枚から
Cooperative Stereo Visionアルゴリズムにより
奥行き情報を再構成してみたもの

 見事に「二つの胸のふくらみ」(C.魔女っ子メグちゃん)が浮かび上がるのだ。思わず、シャランラシャランラヘイヘヘイと歌いたくなるほどである。このように、二枚の角度が異なる画像さえあれば、この「巨乳ビジョンは」バストの大きさが判るのである。

 しかも、このバストの高さグラフにオリジナルの写真をマッピングしてみたりなんかすると、もう大変である。リアリティ満点で色んな角度からグリグリ眺めたりすることすらできるのである。カップのサイズ寄せて上げているようすもぜ〜んぶ知ることができるのである。
 

 

 …し・しかし、である。これはあまりに強力すぎるのである。あまりにこの「巨乳ビジョン」はスゴすぎてシャレにならないのだ。この「巨乳ビジョン」が量産された日には、邪な心を持つヤカラによって悪用されかねないし、善良な心を持つものであっても、全てオッパイ星人扱いされかねないのである。

 例えば、こんな風に巨乳ビジョンを装着した地球人でさえ、何かちょっとスケベなオッパイ星人にしか思えなかったりするに違いないのだ。恐るべし、巨乳ビジョンなのである。と・とはいえ、やはりこれでは正義の味方の武器としては使いものにはならない。これでは、絶対に悪用されて正義の武器どころか悪の象徴となってしまうかもしれないのだ…。
 

巨乳ビジョンを装着した地球人
彼は今何を考えているのだろうか?
そして、彼の手つきが意味するものは!?

 ワタシと同じく、専守防衛仲間だったハズの自衛隊のイージス艦の名前の由来は、ギリシャ神話の最高神ゼウスの娘が持つ「全ての邪悪を払う盾」イージスである。そのイージスの盾には、見るもの全てを石に変えるメデューサの首がはめ込まれている。
 イージスの楯はメデューサの首により見るもの全てを石に変えるが、この「巨乳ビジョン」は見るバスト全ての形を明らかにしてしまい、そして、見るもの全てをオッパイ星人に変えてしまうのである。あぁ、恐ろしきかな「巨乳ビジョン」…。哀しきかな、「巨乳ビジョン」…。

 というわけで、ワタシはこのあまりに危険な最終兵器「巨乳ビジョン」を封印することにし、武器を捨てて街へ出て、改めてワタシの素手で「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達を見つけだし救おうと誓ったのであった。

2004-12-23[n年前へ]

化学の本だな / サンタが街にやってくる 

 明後日はクリスマス。だから、明日はクリスマスイヴ。「化学の本だな のインタビュー記事」にも書かれた通り、「できるかな?」の話の中で一番好きで、一番意外な結果だったのが「サンタが街にやってくる- 複数サンタクロースの巡回問題 -」です。だから、この話が二冊目の本の中に選ばれなかったのは(私にとっては)少し意外に思った覚えがあります。  from 思い出したきっかけは YAMDAS現更新履歴
サンタが街にやってくる/misc/5905j.pdfはてなダイアリー - YAMDAS現更新履歴

2008-10-11[n年前へ]

自分で作る「問題」と「答え」 

 以前、月刊化学5月号の【化学の本だな】でこんな内容のことを答えました。これ以外の場でも、同じようなことを数度聞かれますが、いつも同じようなことと答えたように思います。

Q: 調べていて,意外な結論が導きだされたりすることはあるのですか?
A: いいえ、結論(オチ)まで考えてから実際の計算や 実験に取りかかるので,意外な答えに至ることはありません。ただ、一回だけ、「意外な答え」に気づき驚いたことがあります。それは、「サンタが街にやってくる」という話です.数字上の答えは当初の設定そのものでしたが,そこから導きだされた本当の「サンタの正体」は,とても意外なほどに素敵なものでした。
 サンタというものの正体、あるいは、サンタに変身する人を突き動かすものの正体、そんなものに気づかされたように思ったときには、自分が考えもしなかった「答え」を見つけたような気がしました。

 いつか、科学童話本を書いてみたい、と思っています。 私と二度めに出会う「水」 / サンタが街にやってくる / あなたと見たい、流星群 / 遠い空のはて? / 七夕の夜に願うこと / 「雪だるま」がいる景色 / あの頃流れた電波の行方 / 街の灯 (City Light) / 14ミリグラムの「いろんな気持ち」 / 「夕焼けこやけ」の茜蜻蛉(あかとんぼ) / 「海面に写る太陽」の不思議 .... そんな小文や日記の中で少し真面目に書いたことを集めて、科学童話本をつくることができたらいいなぁ、と思うのです。

2009-12-18[n年前へ]

論理の先にある非論理的なサンタの正体 

 時間をかけ、目に見えて役立つように見えるわけでもない文章をただ書き続ける、ということがなかなかできません。以前は、「できるかな?」と題して、そういうことができていたような気がしますが、最近は「技術の話、けれど、技術だけでもない話」というものを書くことができていないように思います。けれど、そういうことを、また再開していこう、と考えています。

 「できるかな?」では、(特に初期以外の時期は)「技術的な計算をしていくと、その計算結果を通して(何らかの)「オチ」にたどり着き、話が終わる」ということを意識して書いていました。それはなぜかというと、「○×が良ければ良いほど、△□は良い」といったような、何かの特異点や境目がないような話、つまりオチ(境目)のないは、何だかつまらない当たり前の技術問題に過ぎないように思えたからです。

 逆に言うと、その「技術が解き明かすオチ」を思いついてから(ある程度そうなるだろうと確信してから)、初めて計算を始め・文章にまとめていました。それは、少し研究・論文書き、といったことと似ているのかもしれせん。

 だから、時に、(たとえば月刊化学でされたような)こんな質問をされても、

Q: 調べていて,意外な結論が導きだされたりすることはあるのですか?
 いつも、こんな感じの答えをしていました。
A: いいえ、結論(オチ)まで考えてから実際の計算や 実験に取りかかるので,意外な答えに至ることはありません。ただ、一回だけ、「意外な答え」に気づき驚いたことがあります。それは、「サンタが街にやってくる」という話です.

 クリスマスシーズンが近づいてきました。だから、もう一度この「サンタが街にやってくる」という話を、ここに挙げておこうと思います。「できるかな?」の内容は3度ほど書籍化されていますが、この話は、一番最初に出版された幻の本「できるかな?―うれしはずかし無敵の科学 (ホームページ・ブックス) 」にしか収録されていません。けれど、すべての「できるかな?」の中でも、私の一番のお気に入りの話です。

 「サンタはいないのだろうか」と自問自答しながら文章を書いている中で、ふとサンタというものの正体に気づかされたとき、自分が考えもしなかった「本当の答え」を見つけたような気がしました。

 最初は少し数学的な話から入りますが、その論理的な計算から導き出される答えは、実に非論理的な「答え」です。けれど、それが私が一番心で納得できた「答え」です。だから、数学部分を乗り越えて、最後まで読んで欲しいと願います。

 ちなみに、、「サンタが街にやってくる」では珍しくBGMをつけてあります。静かに読みたい方は、消音ボタンを押してから、リンクをクリックして頂ければ、幸いです。



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