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1999-08-29[n年前へ]

「私と好みが似てる人」 その3 

ドメイン一覧とreferer log

 www.hirax.netはレンタルサーバー上で稼動している。1999/6月からレンタルサーバー業者を変えた。業者を変えた一番目の理由は、それまで依頼していた業者の規約で定められているデータ転送量を超えてしまう恐れがあったことである。もし、転送量を超えると割に高額な追加料金が発生してしまうのであった。安い居酒屋がある瞬間からボッタクリバーに早変わりしてしまうのである。

 今回、レンタルサーバー業者を変えた後の3ヶ月間のLog解析をしてみた。以前、

私と好みが似てる人 - analog Windows版用のサブドメイン解析ソフトを作る- (1999.01.24)

でドメイン名から機関名への変換ソフトを作成したが、何しろ32kBまでのドメインリストにしか対応していないのでほとんど役に立たない。むしろ役に立ってしまっては(WHOISサーバーの負荷上)困るのである。従って、前回と同様のドメイン名とその名称の解析をするためには、ドメイン名リストの一覧を手に入れる必要がある。今回ドメイン解析をするために、「日本ドメイン一覧」を手に入れることにした。

 かつてはJPNICの公開文書( ftp://ftp.nic.ad.jp/pub/jpnic/)から日本ドメイン一覧等の文書は自由に手に入れることができた。しかし、現在はフリーでは公開されていない。ftp://ftp.nic.ad.jp/pub/jpnic/domain-list.txtの中から引用すると、

 これまで JPNIC では、JP ドメイン名リストと IP アドレスリストを ftpサービスによって一般公開してきましたが、プライバシー保護およびセキュリティ保全のため、1999年5月11日(火) より原則的に一般非公開といたしました。 JPドメイン名リスト、IPアドレスリストの利用申請については以下のURL をご覧下さい。
http://www.nic.ad.jp/jp/db/application.html関連文書: 『JPドメインのDNSゾーン情報・逆引き情報転送停止および JPドメインリスト等の配布停止について』
http://www.nic.ad.jp/jp/topics/archive/19990401-01.html
というような状態である。

 しかし、FTPsearchで探してみると、その残骸らしきものがいくつかあった。例えば、

6.3M 1999 Feb 19 ftp.web.ad.jp /pub/Internet-Document/jpnic/domain/domain-list.txt

などだ。

 このファイルを見ると、将来(といってもこのファイルはすでに現在のものではないが)使用されるであろうドメイン名が予約されており、面白い。

    (hichiyahigashi-e     # *予約ドメイン名* 日知屋東小学校)(hida-sh              # *予約ドメイン名* 岐阜県立飛騨養護学校)(hida-sh-b            # *予約ドメイン名* 岐阜県立飛騨養護学校高山日赤分校)(hidaka-ao-e          # *予約ドメイン名* 阿尾小学校)(hidaka-chisaka-e     # *予約ドメイン名* 千栄小学校)(hidaka-fuchu-e       # *予約ドメイン名* 府中小学校)
といったように小学校などもずらずら羅列されている。

今回はこのファイルを加工して、Logファイル解析ソフトのanalogで使用することにした。そうすると、日本国内のドメインからのわかりやすいアクセス解析をすることができる。試しにCO.JPドメインとAC.JPドメインの解析サンプルを示してみる。

    %PAGE %Bytes
    1205: 1.51%: SONY.CO.JP (ソニー株式会社)
    794: 1.99%: NEC.CO.JP (日本電気株式会社)
    607: 0.12%: SQUARE.CO.JP (株式会社スクウェア)
    600: 1.09%: ADVANTEST.CO.JP(株式会社アドバンテスト)
    548: 0.75%: HITACHI.CO.JP(株式会社日立製作所)
    410: 0.66%: CANON.CO.JP (キヤノン株式会社)
    395: 0.42%: FUJITSU.CO.JP(富士通株式会社)
    313: 0.68%: FUJIXEROX.CO.JP(富士ゼロックス株式会社)
    279: 0.54%: TOSHIBA.CO.JP(株式会社東芝)
    267: 0.34%: SHARP.CO.JP (シャープ株式会社)
    234: 0.30%: RICOH.CO.JP (株式会社リコー)

 企業の人数の割にSONY,SQUARE,ADVANTESTといった企業はアクセス数が多いように思う。「私と好みが似ている人」が多いようである。また、namcoもこのすぐ下に位置しているので、SQUARE,Namco,Sonyというゲーム関係の企業が「私と好みが似ている」のかもしれない。

 下は、AC.JPドメイン。

    %PAGE %Bytes
    761: 1.16%: U-TOKYO.AC.JP(東京大学)
    672: 1.92%: KYUSHU-U.AC.JP(九州大学)
    425: 1.09%: CHITOSE.AC.JP(千歳科学技術大学)
    330: 0.45%: KYOTO-U.AC.JP(京都大学)
    329: 0.32%: WASEDA.AC.JP (早稲田大学)
    265: 0.39%: OSAKA-U.AC.JP(大阪大学)
    230: 0.30%: HOKUDAI.AC.JP(北海道大学)
    205: 0.39%: CHIBA-U.AC.JP(千葉大学)
    168: 0.23%: HIROSHIMA-U.AC.JP(広島大学)
    164: 0.80%: TSUKUBA.AC.JP(筑波大学)
    163: 0.53%: TITECH.AC.JP (東京工業大学)

 WEBのLog解析をして何が一番面白いかというと、知らなかった面白いことが載っているWEBを知ることができることである。どこかのWEBページからwww.hirax.netへのリンクがされて、それによりwww.hirax.netへ辿りつく様子はrefererlogを見ればわかるのである。試しにreferer logを解析した結果のサンプルを示してみる。

    #reqs: URL
    ----- ---
    1132: http://www.maqmakmac.com/
    355: http://www.cds.co.jp/ff/bbs/minibbs.cgi
    155: http://freebee.saccess.co.jp/~gridman/gfx/99summer.html
    147: http://www.cds-co.com/ff/main.html
    138: http://www.cds.co.jp/ff/main.html
    114: http://www.jin.gr.jp/~nahi/link-misc.html
    114: http://www2s.biglobe.ne.jp/~chic/pilot.html
    82: http://www.puppenhaus.co.jp/mirror-site/fukatsu-eri.htm
    63: http://www.cds-co.com/ff/zakki.htm
    57: http://www.t3.rim.or.jp/~munemasa/links.html
    57: http://www2.saccess.co.jp/~gridman/gfx/99summer.html

そして、そのrefer元の持つ情報は私にとってとても面白いのである。www.hirax.netにリンクを貼っているページの作者というのは大抵「私と好みが似てる人」であるし、なおかつ、私ではない。ということは、そこには

  • 私の好みに合っていて、
  • 私がちっとも知らないこと
が載っているのである。
 そういったWEBを探そうと思っても、それはとても困難である。何しろ、キーワード検索ができないのである。キーワードで調べるにも「私がちっとも知らないこと」であるから、そのキーワードを私が思いつくはずがないのである。というわけで、「好みに合っていて、(私のちっとも知らないことが多い)新鮮なページを見つけるのは難しい」のであった。
 しかし、それも今では違う。www.hirax.netのreferer logを見るとそういったWEBを見つけることができるのである。これがとても嬉しいのである。

2000-03-09[n年前へ]

飲み屋の音と1/fノイズ 

くつろぎの音響解析編

 私は典型的なプロレタリアート(死語)である。そのせいか、高級(行ったことがないからわからないのだが)そうなバーは苦手である。しかし、安〜い居酒屋は大好きだ。むしろ、「愛している」と言っても良いくらいである。新宿西口の思い出横町なんかその最たるものだ。

 ところで、飲み屋の喧噪の音を聞いていると、何故か心安らぐような気さえしてしまう。「飲み屋の喧噪の音」というのはノイズとしか言いようのない音であるが、そのノイズが何故か心安らぐのである。しかし、高級そうなバーでは心安らぐどころではないのである。

 一体、この違いはどこにあるのだろうか?いや、もちろん私がビンボーであるせいと言ってしまえば、話は簡単である。しかし、それはあまりにも哀しすぎる(私にとって)。きっと、何か他の理由があるに違いない、と思うのである。そこで、「科学の力」で何か他の理由を探してみることにした。私がバーが苦手で、居酒屋が大好きな理由を探してみることにしたのである。

 居酒屋の環境ノイズを聞いていると、私は何故か心が安らぐわけであるが、「心安らぐノイズ」と言えば、「/fノイズ」というものがある。1/fノイズは心地良さ・気持ちよさを感じる、とよく言われる。今回はこれに着目してみたい。私が居酒屋の音を聴くと心が安らぎ、バーの音を聴くと何故か緊張する理由が「お金」ではなくて、環境音の特性にあると考えてみるのである。私のプライドのためにもそうであって欲しいわけだ。

 そこで、今回は典型的な飲み屋の環境音を音響解析をしてみたいと思う。そして、それが果たして1/fノイズになっているかどうか調べてみたいと思うのである。特に、同じ飲み屋でも居酒屋とバーの間に違いがあるかどうか調べてみるのである。

 それでは、飲み屋の代表的なものとして

  • 居酒屋
  • バー
  • キャバレー
を選んでみる。それらの環境音を実際に録音するのも面倒なので、
  • 効果音大全集 45 屋内ノイズII キングレコード
に収録されている効果音を使用させて頂いた。なかなかこれが雰囲気のある音なので、これで良いのである。参考までに一部を紹介する。 それではそれらのパワースペクトラムを示してみよう。今回は道具として、を使った。ただし、表示色は見やすさのために色変換を行っている。
 
飲み屋の環境音のパワースペクトラム
居酒屋の環境音のパワースペクトラム
キャバレーの環境音のパワースペクトラム
バーの環境音のパワースペクトラム

 これを見てみると、居酒屋とキャバレーはほぼ同じであり、300Hzより高い音に関しては周波数=fが高くなるに従い環境音のパワー密度が低下していることがわかる。しかもその低下の仕方は滑らかである。ここで、表示軸は共に対数軸であるので、居酒屋とキャバレーの環境音は1/fノイズに近いといっても良いだろう。
 私が居酒屋の環境音を聞くと落ち着くのはこれが理由だったのである。安いから落ち着くのではなくて、環境音が1/fノイズであるから落ち着くのである。私がビンボーなせいではなくて、ちゃんとした科学的な理由があったのである。

 それに対して、一番下のバーの環境音では少し様子が異なる。パワースペクトラムは滑らかでもないし、傾きも異なる。すでに、環境音は1/fノイズではなくなっている。これである。このせいで、私はバーでは落ち着かなかったのだ。そう、私がバーで落ち着かないのは私がビンボーなせいではなくて、バーの環境音が1/fノイズでないせいだったのである。

 この三つの環境音の間の違いが判り易いように、この三つを重ねて表示してみる。表示色は

  • 緑:居酒屋
  • 青:キャバレー
  • 紫:バー
という具合になっている。
 
飲み屋の環境音のパワースペクトラム
( 緑:居酒屋 青:キャバレー 紫:バー )

 緑の居酒屋と青のキャバレーがほぼ同じパワースペクトラムであるのがわかると思う。それに対して、バーでは様子が異なり、明らかに環境音が1/fノイズではなくなっている。ずいぶんと不自然なパワースペクトラムであることが判ると思う。

 この不自然さが故に私はバーの環境音を聴いていると、落ち着かないのである。そういうわけで、今回の結論は、

  1. 私は居酒屋の音を聞いていると心が安らぐが、バーの音を聴いていると緊張する
  2. その理由は私がビンボーなせいではなく、居酒屋とバーの環境音の違いによるものである
  3. その違いは居酒屋の環境音が1/fノイズであるのに対して、バーの環境音は1/fノイズではない
ということだ。いい結論である。

 あれっ、そう言えば、キャバレーの環境音も1/fノイズってことは、私はキャバレーの環境音を聞いても心が安らぐのだろうか?うーん、行ったことがないからわからないや。
 

2000-08-07[n年前へ]

高いか、安いか、この価格 

愛はお金で買えるのでしょうか?

 私がよく使う日本国内向け情報検索サイトはinfoseekである。何かを探すときには、居酒屋の生ビールではないが、何はともあれinfoseekである。何故かは上手く説明できないが、他の検索サイトに比べて私にとって感覚的に「合う」のである。

 ところで、こういった検索サイトはバナー広告などの広告収入で運営されている。しかし、私は「そんなバナー広告って、高いお金を出すほど効果があるのかなぁ?」とかねがね疑問に思っている。といっても、広告シロートの感覚なのできっとそれは間違っているのだろう。

 そんな広告シロートの私でも、「あぁ、これは便利だなぁ。これはきっと効果があるよなぁ。」と思うバナー広告がある。それは、「検索のキーワードに応じて表示されるバナー広告」である。

 例えばinfoseekで「センサ」というキーワードで検索をかけるとこんな結果表示の画面になる。
 

infoseekで「センサ」で検索をかけると...

 色々な「センサ」に関する情報を知りたいと思って、「センサ」に関するサイトをinfoseekで調べると、

センシング・計測技術の総合サイト = キーエンス
というバナーがデッカク表示されるのである。なんとも、これは便利である。普通のバナー広告は邪魔なだぁと思うことも多いが、こんなバナー広告は全然邪魔だとは思わない。むしろ、便利だなぁと私は素直に思うのである。

 私の気持ちに関わらず勝手に無条件で表示されるバナー広告は、私にとって単なるノイズにすぎない。「このバナー広告がなければ、もっと素早く情報が表示されるのになぁ」などと思い出すと、腹が立ってくるほどである。しかし、私の探している情報に関するバナー広告を表示してくれるとなると、それが180度変わるのである。それは単なるノイズではなくて価値あるシグナルに変わってしまうのだ。邪魔な存在から、とってもありがたい存在に変わるのである。

 これは他の色々なキーワードでもそうで、例えばプリンターやコピー機の「トナー」に関する情報を探してみると、こんなバナー広告が表示される。「トナー」を探している人には

ウチでは安いトナーを売ってますよ!
という広告を教えてくれるのである。なんともありがたいことである。これは決して邪魔ではない。むしろ、適切なアドバイスである(いや、もちろんここのトナーが本当に安いのかどうかは私は知らない)。
 
infoseekで「トナー」で検索をかけると...

 この「センサ」、「トナー」といった例はinfoseekの場合だが、これは別にinfoseekに限るものではない。他の検索サイトでもこんなバナー広告は同様に表示される。例えば、

  • excite ( http://www.excite.co.jp/)
  • LYCOS ( http://www.lycos.co.jp/ )
  • infoseek ( http://www.infoseek.co.jp/)
  • goo ( http://www.goo.ne.jp )
の各検索サイトで「デジカメ」で検索をかけてみた結果が次の表である。
 
excite,LYCOS,infoseek,gooで「デジカメ」で検索をかけてみた結果
excite SANYOの広告
LYCOS Canonの広告
infoseek SANYOの広告
goo OLYMPUSの広告

 どこの検索サイトでも「デジカメに関する情報を探している人」には「デジカメの広告」を表示してくれるのである。いやはや便利な時代になったものである(ちょっと年寄り風)。

 ところで、こんな検索をかけている内に、こうした広告を出すのに「いくら位お金がかかるのか」と疑問に思い

を見てみると、これが実は結構安い。
  • Search Word/サーチワード 検索する言葉に合わせて出現する、待ち伏せ広告 (サイズ:60×468)
の価格は
  • 4週間2,500PV以上のワード 4週間で¥12×PV
  • 上記外のワード 4週間で¥30,000 (固定)
となっている。infoseekの
  • Top Page Banner/トップページバナー
の定価が一週間で¥2,000,000であるのを考えれば、もう格安と言っても良いと思う。方や一週間で200万円、つまり4週間で800万円(定価)なのに、待ち伏せ広告の方は4週間で3万円ぽっちなのである。

 私にとっては「邪魔な存在なだけのバナー広告」が一週間で¥2,000,000であるのに、「ありがたい存在のバナー広告」が4週間で¥30,000なのである。もう、こんなに安くて良いのかしら、という位である。こんなに安いと個人で広告を出してみても良いと思うくらいである。私も小遣いがもう少しあれば、試しに広告を出してみるところだ。「できる?」で検索をかけると、自動的に「HIRAX.NET」のバナー広告を表示したい程である。それは四週間で3万円なら安いモノだ。

  それどころか、このバナー広告を使ったシュールなプロポーズなんてのもオツなものだと思う。例えば、こんな感じだ。

ホラ、キミinfoseekでキミの「運命の人」を検索してごらん。
アラ、アナタのバナー広告が出てるわ! 何てこと!
なんて具合である。しかし、そんなことはもう実はされているかもしれない。

 ところで、このinfoseekの広告についての情報を読んでいると、infoseekにアクセスするユーザーに関する

なんて面白い情報がある。
 
infoseekにアクセスするユーザーに関する情報
左:男女比
右:チャンネル別男女構成比

 これを見ると、infoseekにアクセスするユーザーは男性がほぼ70%で、女性がほぼ32%であるから、これを標準の割合と考えて、チャンネル別男女構成比で「男の方が割合が高いジャンルと、女の方が割合が高いジャンル」を示すと次の図のようになる。
 

「男の方が割合が高いジャンルと、女の方が割合が高いジャンル」

 「カルチャー&ホビー」が男女半々のジャンルで、それを境にして「男の興味ある世界」と「女の興味ある世界」が分かれているのが判ると思う。「学び」に関しては女性の方が興味を持っていることが判るし、「インターネット」に関しては男性の方が興味を持っていることも判る。比較的、男性が「コンピュータ・ビジネス・経営・政治・法律・社会・マネー...」なんて無機的なものに興味を持っているのに対して、女性は「グルメ&クッキング・ショッピング・キャリア・トラベル・くらしの情報...」なんて血の通ったものに興味を持っている。うーん、面白い。男性の比率が一番多い(いや、女性の比率が少ないと言うべきか)のは「クルマ」で、女性は「ヘルス&ビューティー」だというのも何かとても面白く、笑ってしまう。

 これを見ると、「住まい」なんかもうほとんど女性の支配する世界であることなども判るだろう。なるほど、「男の隠れ家」なんて雑誌が売れるわけだ。ここまで「住まい」が女性の世界であれば、それも当然だろう。

 さて、話を検索キーワードに関するバナー広告に話を戻そう。試しにinfoseekで「結婚」で検索をかけるとこんな結婚情報サイトの広告が表示される。ありがたくて、涙が出そうになるくらいである。
 

infoseekで「結婚」で検索をかけると...

 そこで、調子にのって私はexciteで「愛」で検索をかけてみた。
 

exciteで「愛」で検索をかけてみた...

 もちろん、これは単なる偶然だろう。「愛」を探しているのに、消費者金融のバナー広告が表示されるわけはない。「愛」を探しているのに、「お金」の広告が出るわけがない。「愛がお金で買える」わけがない。単なる偶然とはわかっているけど、何ともイヤな偶然である。もちろん、単なる偶然の筈だ。

 神様、愛はお金で買えるのでしょうか? 
 

2002-02-24[n年前へ]

サクラ・サクラ 

 ブッシュ・小泉が居酒屋に行った時に、居酒屋の前には「午後五時から十時まで貸し切りパーティーのため、営業は十一時から」との張り紙が、とのニュース。ちなみにブッシュ・小泉が居酒屋に行った時間は七時頃。というわけで、あの客はみんなサクラだった、というニュース。

2002-05-19[n年前へ]

風上に向かう「しょんべん小僧」 

「しょんべん小僧」の物理学 逆風編


 近所の海辺で、不思議なお堂を見つけた。迷路のような曲がりくねった裏小路を抜けて行くと、小高く鋭い丘があって、その上に小さな八幡宮が建っている。そして、その丘(というより小高い岩)の中腹には小さな不動堂が建っている。かつては不動堂がその丘のヌシであったらしく、その丘は不動岩と名付けられている。とにかく、本当に小さいけれど、とても不思議な空間なのである。そして、その不動岩のてっぺんで潮風に吹かれて体が冷えたワタシは、バチ当たりにも立ちションをしてしまったのだ。

 恥ずかしい話ではあるが、ワタシはトイレが近い。長〜い重要な会議中、カリカリと鉛筆の音が響く試験中、ビアグラスがぶつかる音が溢れる居酒屋で、あらゆる時、あらゆる場所でソレをもよおすワタシは、あらゆる場所でソレをする。もうそれは散歩中の犬並といっても良い位にソレをしまくるのである。

 思い起こせば、観光バスで首都高速を走っているときに、いつものようにソレをもよおしたワタシは、観光バスに満載された同級生達(もちろん共に満載である)の視線を背中に浴びまくりつつ、首都高速の道路沿いで立ちションにいそしんだことすらあるくらいだ。そして、さらに真相を書いてしまえば、その時にはあまりの背中に降り注ぐ視線のイタさに(膀胱に押し寄せる強風波浪に関わらず)ろくに放水活動ができなかったことも、今となっては懐かしくも哀しい思い出なのである。

 海辺の不動岩の上で潮風に吹かれながら、そんな「立ちしょんべん」にまつわるエトセトラを思い出したワタシは、久々に「しょんべん小僧」の物理学パートツー- 風に向かって「立ちしょんべん」をするにはどうしたら良いか -を考えてみたい、と思うのである。逆風に負けずに立ちションを遂行するためにはどうすれば良いかを考えることにより、時と場所を選ばず立ちションを遂行したいと思うのである。

 そこで、まずは、「立ちションベン」のパラメーターを決めてみよう。もちろん、立ちションには色々なパラメータがある。もちろん、人によっても違うだろうし、状況(観光バスの視線を集めたワタシのソレは明らかに「普通の立ちション」ではなかった…)によっても違うことだろう。しかし、ここはひとまず「しょんべん」の初速と放水を行う「銃筒」の角度を適当に決めてみる。つまり、立ちションがどの向きにどれだけの速さで放出されているかを決めてみるのである。
 

ちょっとリアルな「しょんべん小僧」
「銃筒」を構え、水平撃ち中の「しょんべん小僧」

「しょんべん小僧」の物理学- あともう一歩、前に出ろ - (2000.10.29)

 下左のグラフは「銃筒」を水平撃ちする歳の「しょんべん」の初速と、その場合の「しょんべん」の軌跡である。「銃筒」から「しょんべん」が秒速2,3,4mで飛び出すときの「しょんべん」の軌跡を計算してみたモノだ。縦軸が鉛直軸、横軸は立っている場所を0とした時の水平距離を示している。単位はいずれもメートルである。ショーという感じで放水中の立ちションの様子がよく判ると思う。「しょんべん」を放つ「銃筒」の高さは70cmとちょっと低めにしてしまったが、普通もう少し高い場所にあるのが自然だろう。
 飛翔中のしょんべんが受けるの空気抵抗も、この計算中では考慮してあるが、この段階では未だ特に風が吹いているわけではないので、しょんべんの軌跡は大体放物線と似通っているものになっている。このグラフを眺める限りでは、しょんべんの初速は秒速3m位に設定するのが自然に思われる。場合によっては(どんな場合だ!?)、もう少し違うような感じもするのだが、とりあえず平均値としては「しょんべん」の初速は3m/s位で良いように思われる。
 

「しょんべんの初速」と「銃筒の角度」が違う場合の軌跡の違い
青 : 2m/s
黒 : 3m/s
赤 : 4m/s
青 : 下向き30度
黒 : 水平撃ち         
赤 : 上向き30度

 そして上右は試しに、「しょんべん」を放つ「銃筒」の放出角度を変えた場合の「しょんべん」の軌跡を計算してみた場合の「しょんべん」の軌跡である。ここでは下向き30度、水平撃ち、上向き30度の三種類をやってみた。この三つの場合の結果、そして色々な「しょんべん小僧」を見る限りでは、「しょんべん」の狙い方としては水平撃ちが普通だろう。自らの経験と重ね合わせてみても、「しょんべん」は水平撃ちが「安定度・飛距離」共に優れており、それ故にそのやり方が一般的ではないかと思うのである。
 

 さて、こんな感じで大雑把に初速度を決めてみたところで、本題の風が吹いている場合の「しょんべんの軌跡」を計算してみた。下のグラフが、潮風に吹かれながら風上に向かって放水作業を行う場合の「しょんべんの軌跡」である。つまりは逆風に晒されたしょんべん小僧のしょんべんの軌跡である。

 左は吹いている風の風速を0〜28m/sまで変えてみた場合のしょんべんの軌跡を計算してみたものだ。しょんべんはもちろん風上に正確に狙いを付けている。このグラフを見ると、風が強くなるに従い、しょんべんの軌跡が風に吹かれて自分の足元に吹きながされているのが判ると思う。風速3m/s位では、「しょんべんの飛びが何だかちょっとなんか違うかな?」という程度であるが、風速28m/sにもなると、自分の足元に押し戻される程度では済まず、何と自分の足先に「しょんべん爆弾」が見事に誤爆してしまっている。何とも恐ろしい事態である。秒速28m/sの風= 時速50kmの風圧と言えば、それはすなわちCカップバストの感触(擬似オッパイに関するhiraxの関係式)であるわけであるが、その「天使のCカップバスト」を装う魔の風に銃筒を向けて「しょんべん」を撃った瞬間に、何と自分の足先に天罰が下ってしまうのである。恐るべき、逆風なのだ。
 

風が吹いている時の「しょんべんの軌跡」の違い
左 : 風速の違い
右 : 銃筒の角度 (風速28m/s下)
黒 : 0m/s (時速0km)   
赤 : 3m/s  (時速10km)  
青 : 8.5m/s  (時速30km)
緑 : 28m/s  (時速55km)
 
青 : 水平撃ち          
黒 : 下向き30度
風速 = 秒速28m, 時速55km

 そこで、もちろん、そんな強風の中での立ちしょんべんをする場合に誤爆しないようにするためには、いくつかの対策がある。もちろん、誰でも思いつく一番判りやすい方法が「しょんべん」が銃筒を飛び出す初速や構える銃筒の角度を変えるというものである。風に負けない強さでしょんべんを放水したり、飛距離が出なくても良いから、風に流されにくいような銃筒の角度に狙いを変えるというものだ。右のグラフは、例えば銃筒の角度を水平撃ちを止めて、「しょんべん爆弾」が風に流されて誤爆しないように、下向き30度の速射タイプに変更してみたものである。自分の足に見事に命中していたしょんべん爆弾が、なんとか誤爆せずに地面に吸い込まれていることが判ると思う。
 

  ところで、実は立ちションベンにはたくさんのパラメーターがある。ションベンの初速度と銃筒の角度だけではないのである。実は地味だが、大きなパラメータが数多くある。その内の一つが、しょんべんを撃つの銃筒の口径なのである。風が吹いていないような場合にはあまり関係ないが、風が強くて空気抵抗がとてもとても無視できないような場合には、この銃筒の口径は大きく効いてくるのである。空気抵抗の大きさ自体が口径の二乗で効いて、ションベンの質量は口径の三乗に比例するから、結果として口径に比例して空気抵抗の影響が小さくなる。すなわち、口径が小さいと風の影響を強く受け、口径が大きいと風の影響を受けにくいのである。つまりは、細くショワァーと放水するか、太くジョワァーと放水するかどうかはとても重要なのである。

 というわけで、下のグラフが風速28mの逆風下で「しょんべんを水平に撃つの銃筒の口径」を変えてみた場合の計算結果である。口径を大きくすることで、風の影響を受けやすい水平撃ちをしているにも関わらず、しょんべん爆弾の誤爆を楽々と防ぐことができているのが判るだろう。風吹く中で立ちションを力強く安定してするためには、何より放水口の口径を大きくすることが大切なのである。
 

しょんべんを撃つの銃筒の口径を変えてみた場合
青 : 半径 4mm 
黒 : 半径 3mm
赤 : 半径 2mm
(風速28/s = 55km/h下における水平撃ちの場合)

 というわけで、「逆風に負けずに立ちションを遂行するためにはどうすれば良いか」「時と場所を選ばず立ちションを遂行するためにはどうしたら良いか」を考えてきたワタシは、「しょんべんを撃つの銃筒の口径を太くするべし」という結論を得たわけである。と、書きつつ「そんなことできるかぁー」と叫びたくもなるが、日々鍛錬をすることで、いつ日かそんなワザを拾得し、あらゆる時と場所で、雨ニモ風ニモ負ケズ、そして「天使のCカップバスト」を装う魔の風にも負けないワタシになりたい、と思うのである。

 ところで、そんな「しょんべんを撃つの銃筒の口径を太くしたりする」ことが既にできるヤツラもいるのである。それはもちろん、ションベン小僧達である。だから、街中に立っているションベン小僧達、強い逆風に晒されりすることの多いションベン小僧達は、「銃筒の口径」がきっと太いのではないか、とワタシは想像するのである。なかなか、彼らのソレの口径を計ったりする機会には恵まれないのではあるが、きっと彼らは太くジョワァーと放水をすることで、風に負けない立ちション生活を貫いているのではないか、とワタシは想像したりするのである。ワタシもいつの日か、力をつけて彼ら逆風に負けないションベン小僧のようになりたいと思うのである。  …どう特訓するのか判らないけど…。
 



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