hirax.net::Keywords::「検索」のブログ



2002-05-03[n年前へ]

**才のワタシが**才の頃のうた 

 最近のカラオケのリモコンはこんな指定で検索ができる。すると、どうしても楽しい懐メロ大集合になりがちだ。でもそれはそれで良いのだー。

2002-07-21[n年前へ]

あの頃流れた電波の行方 

夜空にきらめく「あの頃の番組」

 梅雨も明けて、本格的に夏が始まった。曇りがちだった夜空も、星空が見えるようになってくる。夜空を見上げれば、雲に遮られずに織姫星(こと座ベガ)、牽牛星(わし座アルタイル)などが形作る夏の大三角形が見えるようになる。

 そういえば、何日か前に、"hirax.net"の検索エンジン「ぐるぐる」宛に

 人類が作った最初の電波は、今、ドコを飛んでいますか?「欽ちゃんのドンといってみよう」の放送は、今、ドコ辺りを飛んでいますか?星の彼方のドコを飛んでいますか?
という検索依頼がSさんから送られてきた。アンテナ(例えば東京タワー)から発せられた電波は秒速30万kmで遙か彼方へと飛び続けるわけだけれど、「ずっと昔に東京タワーから旅だった電波は、今ドコにいるの?」「そんな昔聴いたり、観たりしたラジオやテレビの電波は、今ドコを旅しているの?」「あの頃観た世界は、夜空に見えるどの星の辺りに今いるの?」という検索依頼なのである。「昔の見た電波を探して下さい」なんてとても面白い検索依頼である。というわけで、「ぐるぐる」は夏の夜空を見上げて、目を皿のようにして、「あの頃に流れてた電波の行方」を探してみることにした。
 

 東京タワーからテレビやラジオの放送の電波が発射されると、その電波達はアンテナから一直線に離れていく。もちろんきっと指向性などもあるだろうけれど、そんなことはとりあえず無視して考えてみよう。東京タワーから旅立って数十μ秒後(ホントに一瞬だ)には、その電波達はもう「東京23区が見渡せるくらいの場所」にいるハズだ。そして、東京タワーから旅立った数十m秒後にはもう「日本も中国も区別の付かないくらいの地球が見える場所」にいる。そして、テレビ・ラジオが放送された10時間後には、それらの電波は冥王星の軌道を過ぎようとしているところだ。
 

東京タワーからテレビ・ラジオ放送の電波が旅立ってから
数十μ秒後
23区が見渡せる
数十m秒後
中国の片隅に日本がいる
10時間後
太陽系が見渡せる

 すると、 地球から4.3光年離れた恒星アルファケンタウリの辺りを飛んでいる電波は、4年と少し前に東京タワーから放送された電波だ。ということは、ちょうどワールドカップ'98が間もなく始まる、という頃だろうか?初めてのワールドカップ出場にアルファケンタウリは今頃燃えているに違いない。今の東京はワールドカップ'02が終わって惚けている頃だが、アルファケンタウリはまだまだワールドカップ'98を前にして、燃えているハズなのである。

 同様にして、日本でテレビ放送が開始されてから放送された番組が、今頃どの辺りの星を通過しているかを"nearspace"と「ザ・20世紀テレビ番組史」を参考にして少し調べてみた。
 

東京タワーからの
距離 (光年)
恒星その辺りを
通過している電波は
いつ頃の放送? (年)
その頃のテレビ番組
4.3
アルファケンタウリ
1998
ワールドカップ'98
6
へびつかいバーナード
1996
ふたりっ子
8.7
シリウス
1993
ひとつ屋根の下
10.8
エリダヌス座イプシロン
1991
101回目のプロポーズ
11.1
白鳥座61番星
1991
東京ラブストーリー
11.8
くじら座タウ
1990
渡る世間は鬼ばかり
16
アルタイル
1986
あぶない刑事
25
ベガ
1977
アメリカ横断
ウルトラクイズ
30
アークトゥルス
1972
太陽にほえろ
35
ポルックス
1967
チャコねぇちゃん
40
カペラ
1962
てなもんや三度笠
50
カストル
1952
テレビ番組開始

 例えば、ひときわ明るく輝くシリウスの近くを通過しようとしている電波(番組)は、江口洋介が熱演する「ひとつ屋根の下」である。だから、今頃シリウスはきっと「そこに愛はあるのかい?」と呟いているハズであるし、エリダヌス座イプシロンは今頃武田鉄也と共に「ぼくは死にましぇ~ん」と叫んでいるはずなのである。

 そしてまた、七夕のカップルの彼氏、彦星(アルタイル)は「あぶない刑事」が今まさに放送されている頃だ。きっとアルタイルではタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)モドキが溢れているハズに違いない。そして、アルタイルより九才年上(さらに東京タワーから九光年遠い)の彼女、織り姫(ベガ)はもう少し昔の番組を今頃眺めている。そう、始まったばかりの「アメリカ横断ウルトラクイズ」にはまっているのかもしれないし、あるいは「欽ドン、良い子、悪い子、普通の子」辺りを観ているかもしれない。

 ポルックスは「チャコねぇちゃん」を見始めた頃だ。その番組の弟役が主人公として「ケンちゃんシリーズ」が長く長く続き、ついには「洗濯やケンちゃん」なんてトンデモないものが登場することを、彼はまだ知らないのである。
 
 

太陽系近くにある恒星たち
沢武文氏作成のパワーズオブテンによる表示

 こんな風にして夜空を眺めてみれば、日本でテレビ放送が開始(1952年)されてから放送された電波を眺めてみることができる。例えば、カストル(ふたご座アルファ星)の辺りを眺めれば、日本で最初に放送された番組が飛んでいる様子が心に浮かぶことだろう。だから、考えてみれば、夜空のに輝く星はかつて聴いたり、観たりした番組がつまった「タイムカプセル」みたいなものかもしれない。
 

 というわけで、富士の麓で夏の夜空を見上げてきた「ぐるぐる」からSさんへの検索結果です。

 夏の夜空を見上げてみて下さい。三つの星が大きな三角形を夜空に描いているのが見えるでしょうか?その中で一番明るい星がこと座のベガ、七夕に逢い引きをする「織姫」です。
 かつて70年代に東京タワーから旅立っていた「欽ドン」の電波はあの星の辺りを走り続けているはずです。今頃、織姫がラジオやテレビのスイッチを入れれば、欽ちゃんの声が飛び込んでくるはずです。
 織姫が気に入っているのはラジオの「欽ドン」なのでしょうか?それとも、テレビの「欽ドン良い子、悪い子、普通の子」なのでしょうか?さてさて、一体どちらなのでしょうね?

 そして、夏の夜空と言えば、射手座も見えますよね?その中の一番明るい射手座のイプシロンが地球からちょうど120光年の彼方に位置しています。
 約120年前にヘルツの地球から発した最初の電波は間もなくあの射手座に辿り着きます。人類が放った最初の電波は、もしかしたら間もなく射手座のハートを貫こうとしている、のかもしれません。

 夏の夜空を見上げれば、あの頃流れてた電波の行方が、かつて眺めた番組が見えてくるような気がします。

 「ぐるぐる」

2002-09-08[n年前へ]

君の歌は僕の歌 

竹内まりやの「平方根」

 半年ほど前、TBSのテレビ番組「USO」で放映されていた「竹内まりやの歌の音程を下げると山下達郎の歌に聞こえる」という話を観た。なんでも、その話は「ネット上をにぎわしている情報」ということだったのだけれども、ワタシには全然知らない話題だった。だから、その放映されていた「音程を下げた竹内まりやの歌」を聴いて、とてもびっくりした。確かに「山下達郎の歌」に聞こえるのである。そして、それにビックリすると同時にとても新鮮に面白く感じたのだった。

 山下達郎はワタシも好きだったりするし、しかも山下達郎は決して多作というわけではないので、「山下達郎が他人の曲をカバーをする新たな音源」をワタシが勝手に増やせるというのはとても魅力的である。そこで、ワタシは再生スピードを変えずに音程だけを変えることができるWinAmp + Pacemakerを使って、竹内まりやの「元気を出して」の音程を下げて、ワタシも山下達郎版「元気を出して」を作ってみることにした。それが下の二つのファイル、「元気を出して」の最後の部分の「オリジナル」と「音程を下げたもの」である。

これを聴くと、確かに山下達郎が竹内まりやの「元気を出して」を歌っているかのように聞こえるから不思議だ。単にそう耳に聞こえるだけではなくて、山下達郎が歌っている様子、そして山下達郎が竹内まりやに「君の歌は僕の歌」だよ、という気持ちを込めて歌っている様子すらワタシの頭の中に浮かぶのである。
 

 そこで、次に調子に乗って今度は鬼束ちひろの「流星群」の音程を下げてみた。今度は山下達郎が歌う「流星群」が手に入れよう、と思ったわけだ。ワタシの手持ちの音源全曲に対して山下達郎化計画を発動しようとしたのである。科学、いや単に"WinAmp+ Pacemaker"の力で山下達郎多作化計画を発動しようとしたわけだ。
  ところが、である。なんと「流星群」を歌っている歌手は今回は山下達郎には聞こえなかったのである。、そこには「流星群」をしみじみと歌いあげている平井堅がいたのだった。切々と「流星群」を歌い上げる平井堅の実に濃い顔がワタシの頭の中に確かに浮かんでしまうのだった。

何故、竹内まりやの歌の音程を下げると山下達郎になって、鬼束ちひろの歌の音程を下げると平井堅になるのだろう?竹内まりやと山下達郎が夫婦だからだろうか。…いやいや、そんな説明はあまりに精神論的すぎる。そんな説明をしたら、絶対バカにされるに決まってる。それになにより、鬼束ちひろと平井堅は夫婦ではない。きっと、何か他の確かな理由がきっとどこかに隠れているハズである。
 

 そこで、「竹内まりや、山下達郎、鬼束ちひろ、山下達郎」の歌を周波数を時系列的に眺めるスペクトログラムで比較・分析してみることにした。といっても、竹内まりやと山下達郎が「同じ言葉で歌っていて、なおかつ(本人の声以外の)バックミュージックが無いような音源」を手に入れるのが少し面倒だったので、今回は「声質」などを考察することはあきらめ、とりあえずはそれぞれの歌手の「歌い方」に注目してみることにした。
 

 まずは、竹内まりやの「元気を出して」と山下達郎の"So Much In Love"をスペクトログラムで眺めてみる。縦軸が周波数軸で、上に行くほど高い周波数の声である。当然、下に行くほど低い声である。そして、横軸は時間軸で、左の方が時間的に先で、右の方が時間的に後になっている。結局、このスペクトログラムの中にはさまざまな倍音が白い線となって描かれているのである。
 

「竹内まりや」と「山下達郎」の歌い方のスペクトログラムでの比較
竹内まりや 「元気を出して」
 山下達郎 "So Much In Love"

 まず、このスペクトログラムを眺めていると、竹内まりやも山下達郎も「ほんの少しだけ不規則なビブラート」がとても多いことがわかる。歌のかなりの部分にビブラートがかかっていて、竹内まりやの歌のやわらかさを支えている(少なくともワタシにはそう聞こえる)。そして、それは山下達郎とも共通している特徴である。

 また、それぞれのスペクトログラムの音の出し始め部をよく眺めてみるとちょうど「√」の形をした部分が数多く見られることに気づく。上に示した、竹内まりやの「元気を出して」のスペクトログラム中で青い矩形で囲った部分を見れば、そんな「√」形の部分があることが判るだろう。この「√(ルート)」形状は、「音の高さが連続的に変化している(一種のポルタメントのように)」ことを示しているわけだけれど、そんな√形状が竹内まりやと山下達郎の局の中に多いことが特に判りやすい部分を示したのが下のスペクトログラムだ。二人の歌の中にとてもよく似た√(root)マークがある(そして実はそれがとても数多くある)ことが判ると思う。
 

竹内まりやと山下達郎に共通する√ (root)
竹内まりや 「元気を出して」
 山下達郎 「君の瞳に恋してる」

 こうしてスペクトログラムを眺めてみると、竹内まりやと山下達郎の二人ともに、「ある音程の音を出すために、

  1. まず目的の音程よりも低いところから声を出し始め、
  2. しかも最初の一瞬は逆にほんのちょっとだけ下げて、
  3. と思ったら目的の音まで一直線に音程を上げて、
  4. そして、一定の音程をキープする
という歌い方」が共通していることが判ると思う。竹内まりやの歌にあふれるルーツ(√)は山下達郎の歌の中にあるルーツ(√)に繋がっていたのである。文字通り、竹内まりやのルーツは山下達郎のルーツだったのである。その歌の源は二人ともに同じものだったわけなのである。と、書いてる内に、とても非科学的になってしまったような気がしてきたので、ここで超強引に科学的に書いてしまえば、ここに
という方程式が実は成り立っていて、この「竹内まりや・山下達郎」方程式を解くことで、当然のごとく
竹内まりや=山下達郎
という答えが得られるわけなのである。つまり、竹内まりやの歌の音程を下げると山下達郎になると、この方程式から証明されるわけなのである。実に科学的な説明ではないだろうか……。
 
 
 

 …それはさておき、鬼束ちひろと平井堅の場合は一体どうなのだろうか。歌の中で声にかけられるビブラートは「竹内まりやと山下達郎」とどう違うのだろうか、そしてまた声(ある音程の声)の出し始めの様子はどのようになっているだろうか?というわけで、次に鬼束ちひろの「流星群」と平井堅の「大きな古時計」のスペクトログラムを眺めてみる。
 

「鬼束ちひろ」と「平井堅」の歌い方のスペクトログラムでの比較
鬼束ちひろ 「流星群」
平井堅 「大きな古時計」

 
 こうしてみると、もちろん鬼束ちひろや平井堅だって歌にビブラートをかけてはいる。しかし、先ほどの竹内まりやと山下達郎の場合と比べると、まるで人工的と言っても良いほどに規則正しいビブラートがかかっていることが判ると思う。また、ビブラートをかけていない部分では、実に一定な音程をキープしていることが判る。しかも、それぞれの音程で声を出し始める最初の部分では、その音程にいきなり「すっと入っている」のである。竹内まりやと山下達郎が「√」形状の声の出し方であるならば、鬼束ちひろと平井堅の場合は「電気回路の抵抗記号」のような声の出し方をするのである。そんな共通点がこの二人の間にはあったのである。鬼束ちひろの歌い方と平井堅の歌い方は実によく似ていたのである。だから、鬼束ちひろの歌の音程を下げると平井堅に聞こえたのかもしれない。誰でもカラオケに行って色んな歌手の歌を歌う機会があるだろうけれど、こんな風にスペクトログラム上のそれぞれの歌手の歌い方の特徴を意識しながら歌えば、もしかしたら面白いことだろう。誰もが平井堅や竹内まりやになりきれるかもしれない。
 

 ところで、最近のカラオケはとっても賢いリモコンがついていて、「**年に流れていた曲」というような検索ができる。すると、同年代の人とカラオケに行くとその年代に共通する「あの頃の曲」をかけまくって、歌いまくることになる。自分たちだけに判る懐メロ、だけどそこにいる人達にとっては「懐メロ」ではなくて今でも生き生きとしている曲、が次々とかけられることになる。中学時代、高校時代、ずっと昔のあの頃に流れていたヒットソング、そこにいる人に共通するルーツの曲のオンパレードになる。そんな時には、誰かが入れた歌全てがいつの間にか全員の合唱に変わっていたりする。

 同年代の人とカラオケは(特にそんなリモコンを使うときには)、まさに「他の人が歌う歌全てが自分の歌」、つまりは「君の歌は僕の歌」になる。、「元気を出して(オリジナル)」の最後の部分、竹内まりやの声を中央に、右から山下達郎の声が、左から薬師丸ひろ子の声が流れ溶け合っているのを聴きながら、そんな景色をを思い浮かべてみるのもきっと面白いんじゃないかと思う。

2002-09-26[n年前へ]

オッパイ星人の力学 「胸の谷間」編 

新兵器「巨乳ビジョンLight」

 一見平和に見える島国でも色々な敵が潜入してくる。時には高速艇で日本海へ、そしてまた時には飛行機に乗ってディズニーランドへ、そして時には未確認飛行物体UFOに乗って色んな異星人達が日本へ潜入してくる。ワタシは、そんな異星人達の一派、オッパイ星人達と日夜戦っているのである。「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達をワタシはいち早く見つけだし、オッパイ星人達から可愛そうな子羊達を守るために、ワタシは日夜巨乳(あるいは微乳の)子羊達を見守っている。「オッパイ星人に狙われそうな巨乳はいないか~、揺れる胸はいないか~」と東北地方に住むナマハゲのように、人知れずパトロールを続けているのだ。

 そんな毎日の戦いの中で、かつてワタシは「見るバスト全ての形を明らかにしてしまう恐るべき最終兵器- 巨乳ビジョン -」を開発したのだった。しかし、左右のステレオビジョンでターゲットにロックインして激写し、撮影された複数画像からステレオマッチング法でバストの形状を明らかにする巨乳ビジョンには大きな問題があったのである。二つのレンズが左右に並ぶ「巨乳ビジョン」の勇姿はどうみても異様なのであった。巨乳ビジョンを装着しfoたワタシの姿は明らかにヘンでアブナイやつなのである。恐るべき異星人-オッパイ星人-と日夜戦い続け、地球を守る正義の味方には決して見えないのであった。どうしたって「スケベな盗撮野郎」に間違えられてしまうのである。

 世間で平和に暮らす愛すべき日本の人々がオッパイ星人の地球への襲来をちゃんと知っていて、日本全土に「オッパイ星人襲来」非常事態宣言でも流されていたとしたなら別なのであるけれど、一見平和に見える(実はそうでないのだが)この日本では「双眼レンズの異様なカメラ-巨乳ビジョン -」はなかなか使うことができないのであった。日夜地球を守る、人知れず人々の平和な生活を守るためには、つまりは人知れず「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達を見つけだすためには、異様な姿ではない巨乳ビジョンの新開発が欠かせなかったのである。決してヘンでアブナイやつ、ましてや「スケベな盗撮野郎」になんか間違えられたりしない「一見、普通のカメラ風の巨乳ビジョン」が必要なのであった。

 そこで、ワタシが開発した「巨乳ビジョンの簡易バージョン、一見普通のデジタルカメラ風の巨乳ビジョン」が今回の話の主人公- 巨乳ビジョンLight - だ。画像処理ソフトPhotoshopに簡易バージョンPhotoshopLEがあるように、そしてモーニング娘。にプッチモニがあるように、最終兵器「巨乳ビジョン」の簡易バージョンが「巨乳ビジョンLight」なのである。双眼の異様な姿では決してなく、単なる普通のデジカメを使うことができる画像処理システム、それが「巨乳ビジョンLight」なのだ。
 

 そもそも、初代「巨乳ビジョン」は左右の両眼視差を利用してバストの立体計測を行うメカニズムになっていた。「人間は両目で見ている画像の差を利用して、奥行き情報を知るわけであるが…」と前回の巨乳ビジョンの開発記で書いたように、角度を変えて配置した二つのカメラで撮影した二つの画像から、ステレオマッチング法を用いて奥行き情報(つまりはオッパイの高さ)を再構成していたのである。そのために「巨乳ビジョン」は双眼の異様な姿になってしまっていたのである。

 しかし、考えてみれば人間が立体感を得る手がかりは両眼視差だけではないのである。立体感を得るためには、他にもいくつもの手がかりがある。そのいくつもある手がかりの一つが「陰影」である。女性の化粧が(男性の化粧においても)多くの場合鼻を高く見せたりするために、鼻周りの「陰影」を強調したりするように、「陰影」は立体情報を得るための大きな手段なのである。例えば、下の二つの図形、「陰影」がある場合と「陰影」がない場合を比べてみれば、どちらがハッキリと立体感を得られるかは明らかだろう。そう、左側の「陰影」がある場合は見事なまでの半円状のたわわな巨乳形状を感じとることができるのに対し、右側の「陰影」が無い場合ではそんな官能的な形状を感じ取ることはできず、むしろ真っ平らに見えるに違いないのである。実は全く同じ形状であるにもかかわらず、陰影の有り無しの違いだけで「巨乳」と「クレーター」の差になってしまうのである。
 

どちらが「立体」に見える?
「陰影」がある場合
「陰影」が無い場合

 こんな風に、「陰影」がある場合のたわわな巨乳形状を見れば一目瞭然なように、「陰影」による立体感が「オッパイの形状認識」に及ぼす影響はとても大きいのである。その代表的な例が「胸の陰影が描き出す胸の谷間」である。試しに「胸の谷間」でGoogle検索(おこちゃまは禁止)をして入手した典型的な「胸の谷間」画像を眺めてみれば、そんな「陰影」によるオッパイ形状認識に及ぼす影響の偉大さを感じ取ることができるハズだ。
 

典型的な「胸の谷間」
光が描き出す「陰影」は実に何とも官能的な立体感を(以下省略)

 実は、今回の主役「巨乳ビジョンLight」はこの「陰影」を手がかりにオッパイの形状認識を行うのである。「光」が描き出す胸の谷間の陰影、その「光=Light」による微妙な陰影を手がかりに「巨乳ビジョンLight」は見るバスト全ての形、特に胸の谷間の立体形状を明らかにするのである。そう、「巨乳ビジョンLight」はLightの力を利用するが故に、「巨乳ビジョンLight」であって、単なる廉価版「巨乳ビジョン」ではないのである。「巨乳ビジョンLight」の名は体を表してるのである。光があるところに陰がある。山があるところに、谷がある。もしそこに巨山があるならばやはり巨大な谷ができ、巨大な陰ができる。それすなわち「胸の谷間」なのである。だから、その陰影を「巨乳ビジョンLight」で解析してやるならば、山谷の立体形状を知ることができるのだ。
 

 というわけで、実際のところ「巨乳ビジョンLight」は基本的に普通のデジカメで撮影された画像に対して立体解析を行う単なる画像処理システムである。ワタシはそのシステムのために、まずはPhotoshopとExcelのような表計算ソフトを連携させるプラグインCSVf(制作日記)を作成した。
 

画像解析プラグインCSVfの動作中のスクリーンショット
画像の値を表計算方式のセルで表示させ、Excelでグラフを描いたりすることができる。

 これは画像の値を表計算方式のセルで表示させ、その表示されたデータをExcelでグラフにしたりすることができる。つまりは、画像データを解析して、色々な表示方式で立体化することが素晴らしくも簡単にできるようになるのだ。もちろん、フリーのソフトウェアでもScionImagePCやImage Toolなどで似たようなことはできるが、表計算方式のセルで表示という点において、このCSVfは使い勝手の点で勝っているハズである。

 そして、先ほど入手した「胸の谷間」画像に対して、試しに画像解析を行ってみることにしよう。何はともあれ、単に「胸の谷間」画像を立体化してみた場合の結果を眺めてみることにしよう。まずは、単純に画像の明るさを「バストの高さ」に直して、等高面グラフにしてみるのである。ちなみに、右肩上方から胸の谷間を覗くような方向に視線を設定して、三次元グラフに表示してみることにする。三次元グラフは色々な方向から眺めることができるが、やはり「胸の谷間」を覗く視線ベクトルは「右肩上方から斜め下60度」であるべきなのだ。
 

典型的な「胸の谷間」
右肩上方から胸の谷間を覗くような方向で三次元化する

 とはいえ、この「胸の谷間(点線で囲った矩形領域)」を単純にCSVfで立体グラフに直しても、下のグラフのようなわけの判らないグラフになってしまう。それはもちろん当たり前である。単純に「画像の明るさ」=「バストの高さ」になるわけがないのである。ほんの少しだけ、実写真の「胸の谷間」の高さ分布と似たような形状になってはいるが、これでは全くの別物であることは間違いない。よほどの想像力豊かな人であれば別だと思うが、少なくともワタシはこのグラフからでは「胸の谷間」を想像することはできないのである。
 

「胸の谷間」画像の輝度をプロットしたもの

 実は、「胸の谷間」画像の陰影からその立体形状を再構成するためには、この「胸の谷間」画像中の各ピクセルの「明るさ=輝度」を積分してやらなければならないのだ。詳しくは、次回以降のオッパイ星人の力学 「胸の谷間」の法線ベクトル編でそのベクトル解析理論と解法アルゴリズムを述べることとして、今回はまずはそんな作業を実際にしてみた例を次に示してみることにしたい。

 下のグラフが、「胸の谷間」画像の輝度をXY方向に積分し、胸の谷間を再構成してみた結果である。つまりは、先ほどの「胸の谷間」画像から新兵器「巨乳ビジョンLight」を使うことで得られる胸の谷間の立体形状なのである。先ほどの実写真と比べてみれば、驚くほどにその立体形状・胸の谷間の形状を再現・解析することができていることが判るだろう。しかもExcel上ではこのグラフをぐりぐりぐりぐり・ぐるぐるぐると色んな方向から眺めることだってできるのである。これが、「巨乳ビジョンLight」システムの恐るべき能力なのだ。
 

「胸の谷間」画像の輝度をXY方向に積分し、胸の谷間を再構成してみたもの

 このグラフを色々な角度から眺めれば眺めるほど、素晴らしく官能的な「胸の谷間」の立体形状を認識できていることがわかると思う。寄せて上げて胸の谷間がプレートテクトニクスのように作り出されているようす手に取るように実感できるハズだ。これが科学の力なのである。正義の武器廉価版「巨乳ビジョンLight」なのである。PyramidパワーダウンジングGPS捜査「思い込み」エネルギー、など他にも超科学の力で日夜戦いを続けている数多くの正義の味方達がいるが、ワタシもこの「巨乳ビジョンLight」を武器にオッパイ星人達との戦いを優位に進めたい、と思ったりするのである。

 とはいえ、初代「巨乳ビジョン」が「バスト全ての形を明らかにしてしまう」というその恐るべき能力と、その異様な(ヘンな)姿を理由にワタシが人知れず封印してしまったように、実際のところこの「巨乳ビジョンLight」だって、見てくれは「単なるデジカメ+解析ソフトウェア」であるにしても、やってることは「スケベな盗撮野郎」と違うとは言い切れないのだ。いや、初代「巨乳ビジョン」の方はまだ少しは計測っぽい感じが残っていたけれど、単なるデジカメ画像で十分使用することができる今回の「巨乳ビジョンLight」ではもう全く持って盗撮野郎と同じなのである。いくら何でも、普通のデジカメで街行く女性のバストを(人知れず)撮影し、そのバストの形全てを(勝手に)明らかにしてしまうなんてことは、いかにワタシがオッパイ星人と戦う正義の味方といえども決して許されるわけはないのである。

 というわけで、結局のところ「巨乳ビジョンLight」は実際に街中で使用できるわけもなく、オッパイ星人と日夜戦うhirax.netオッパイ戦隊の兵器庫にまたひとつ封印された禁断の武器が増えてしまったのである。今回のオッパイ星人対戦記はこんなふうにほろ哀しく終えるわけであるが、これに懲りずにこれからもワタシは強力兵器の開発を続けていくのである。それが、孤独な正義の戦いというものなのである。

2002-10-14[n年前へ]

金正日(キムジョンイル) ナゾの9% 

ベールの内側を垣間見るのだ


  新幹線の中で週刊文春のページをパラパラとめくっていると、数々のスクープ写真で知られる不肖・宮嶋茂樹らの「面白い金正日のグラビア特集」が載っていた。新聞によく載っているような「一見真面目だけど、当たり障りのない記事」ではなく、一風変わった視点から(も)金正日を眺めたグラビア写真集だった。それは、例えば金正日の「頭頂部の増毛の日々」を追いかけてみたり、例えば金正日ご自慢の「シークレットブーツ」も俎上に上げてみたり、というような記事だったのである。つまりは、金正日の頭のてっぺんから足先までその秘密をある意味深~く覗いた記事だったのである。

 その頃、日本にも同じように「シークレットブーツ疑惑」に襲われていた似たような「家元」世襲二代目のお坊ちゃまがいたが、金正日のそれはそれとは比べものにならないほどにワタシの興味を惹いたのだった。そして、ついにはその興味に惹かれるままにこの「シークレットブーツ疑惑」をワタシも研究してみることにしたのである。

 そもそも、不肖・宮嶋茂樹らの記事は「金正日のズボンの謎の折り目、ありゃ一体なんなんだ?」という指摘だった。確かに、その指摘通りに金正日のズボンの裾にはいつも謎の折り目がついているのである。いつも同じような服とズボンであるのだけれど、それに加えて金正日のズボンの裾には確かにいつも同じ「不可解な」折り目がついているのであった。ズボンの裾の10cmくらい上に見るからにヘ~ンな折り目がついているのである。
 

何ですか?その変な折り目は?

 先入観なしにその写真を眺めてみても、その折り目はどーにも「この高さまで妙にハイカットのブーツがありますよー、つまりはここまでがシークレットブーツの高さなんざんすよー」と主張しているようにしか見えないのである。そして、先の記事中ではその折り目の高さ辺りにホントの踵が隠されていて、その位置をズボンの裾の角度を頼りに計算してみると金正日のウソッコ身長、つまりはシークレットブーツの高さはおよそ15cmナリと算出しているのであった。

 しかし、もしかしたら、もしかしたら、その折り目は単なるズボンの作りがためについてしまっているだけかもしれない。あるいは、金正日の脚があまりに短くて、そのズボンが15cmほどズボンの内側に裾上げされているのかもしれない。その裾上げの縫い目かなにかで、いつも謎の折り目がついてしまっているのかもしれない。はたまた、金正日の王国では「裾上15cmの折り目」がカコイイとされているのかもしれないし、普通のブーツではなくてハイカットのブーツを履くべし、とされているのかもしれない。だから、ズボンのベールの外側に見える「ナゾの折り目」だけを頼りに、金正日はシークレットブーツ着用マニアだー、と騒ぎ立ててみても、万が一に間違っている可能性だって無いとはいえないのである。
 

 そこで、あえて「ズボンに残るナゾの折り目」は無視して、素直に「金正日の足の長さ」を計ってみることにした。とりあえずは、Googleのイメージ検索で集めた金正日の写真から、身長に対する股下長を計ってみることにしたのである。また、歩いているときの画像など明らかに膝の位置が分かるものについては、股下長を「膝上・膝下」に分けて画像計測してみた。
 

金正日の脚の長さを測ってみるのだ
股下長 : 43 %

膝下長 / 股下長 = 70%
股下長 : 41 %

膝下長 / 股下長 = 68%
股下長 : 40%

 上の三枚の画像で計測してみた結果では、金正日の股下長はおおよそ身長の42%弱という結果が得られる。三枚の画像から得られた結果がとても良く一致するところから、この値はまぁ信頼できると考えて良いと思う。ところで、実は短足胴長で世間にその名を知られる日本人の平均股下長でさえ44%強なのである(「日本人の人体計測データ」)。すると、金正日の股下42%弱という値よりよっぽど日本人の平均値の方が高いということになるのである。つまりは、胴長短足の日本人よりも金正日はさらに胴長短足なのである。もちろん、とてつもなく短足というわけではないが、とても金正日がシークレットブーツを履いているとはとても思えない脚の短さなのである。

 ということは、裾下15cm上でその存在を主張する「ズボンの奇妙キテレツなシワ」は金正日の脚の短さ故にズボン内部に大幅に折りたたまれている裾上げのせいなのだろうか?「シークレットブーツ疑惑」は冤罪であって、それは単に哀しき短足の証拠なのだろうか?どんなズボンも全てが全て長すぎて必ず裾上げが必要で、その裾上げの証拠が必ずズボンに現れてしまっているのだろうか?金正日の「シークレットブーツ疑惑」は事実無根であったのだろうか?

 いいや、違うのである。上の左二枚の写真をじっくり眺めるまでもなく、股下長の割に膝下長がやたらめったら長いのである。異常と言っても良いほどに膝下が長いのだ。日本人の場合、(膝下長/ 股下長)の平均は約60%である。金正日は別に日本人ではないが、この金正日の約69%という値はあまりに異常なのである。もし、日本人の場合と同じように(膝下長/ 股下長)が60%であるとしたら、ホントの膝下長を x ( % ) とすれば

x / ( x+ 13) == 0.6
x = 19.5
であるから、金正日の膝下長は約29%ではなく約20%でなければならないのである。じゃぁ、その29%から20%に減った9%は一体何だろうか?あまりに不可解な「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない、それは何かと問われてしまう」ナゾの9%の高さが一体何かというと、それはもちろんシークレットブーツの高さに決まっているのである。金正日の身長を仮に165cm位とすれば、人間形状の平均値をもとに言えば、そのおおよそ9%= 15cmがシークレットブーツの高さである、ということになるのだ。

 そう、何と不肖・宮嶋茂樹らが「ズボンの裾の角度を頼りに計算されたシークレットブーツの高さ= 15cm」という結果とピッタリ一致するのである。方や、ズボンの裾に浮かび上がる「ズボンの奇妙キテレツなシワ」から推定したシークレットブーツの高さと、胴長短足の日本人の平均値から推定された「股下にあるけど膝下じゃない、靴の上にあるけど人体じゃない」ナゾの9%の高さが見事なまでに一致するのである。金正日のシークレットブーツの高さは15cm程度であると、複数の別の手法から確認されてしまったわけなのである。

 というわけで、今回の研究から「金正日はムチャクチャ短足で、15cmもの高さのシークレットブーツを履いてみても、なおまだ胴長短足の平均的日本人よりもまだまだ股下長が短いのだ…」という哀しい真実が、金正日のズボンの裾のベールの内側から浮かび上がってくるのである。
 
 

あまりにアブナイ、15cm高のシークレットブーツを履いた状態での階段降り。
まるで膝と踵の間にもう一つ関節があるような…。
そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような…?

 ところで、上の写真は「あまりにアブナイ15cm高のシークレットブーツを履いた状態での金正日の階段降りのシーン」である。まるで、金正日には膝と踵の間にもう一つ関節があるような不自然で奇妙な脚の形に見えてしまうのだ。そして、後ろに控える人たちの「心配そうな視線」が金正日の足下に集中しているような気がしてしまうのである。
 こんな奇妙な歩き方を眺めていると、ベールの内側の不自然でウソッコな足下に気をつけて欲しいな、と強く強く思うのである。



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