2000-08-07[n年前へ]
■高いか、安いか、この価格
愛はお金で買えるのでしょうか?
私がよく使う日本国内向け情報検索サイトはinfoseekである。何かを探すときには、居酒屋の生ビールではないが、何はともあれinfoseekである。何故かは上手く説明できないが、他の検索サイトに比べて私にとって感覚的に「合う」のである。
ところで、こういった検索サイトはバナー広告などの広告収入で運営されている。しかし、私は「そんなバナー広告って、高いお金を出すほど効果があるのかなぁ?」とかねがね疑問に思っている。といっても、広告シロートの感覚なのできっとそれは間違っているのだろう。
そんな広告シロートの私でも、「あぁ、これは便利だなぁ。これはきっと効果があるよなぁ。」と思うバナー広告がある。それは、「検索のキーワードに応じて表示されるバナー広告」である。
例えばinfoseekで「センサ」というキーワードで検索をかけるとこんな結果表示の画面になる。
色々な「センサ」に関する情報を知りたいと思って、「センサ」に関するサイトをinfoseekで調べると、
センシング・計測技術の総合サイト = キーエンスというバナーがデッカク表示されるのである。なんとも、これは便利である。普通のバナー広告は邪魔なだぁと思うことも多いが、こんなバナー広告は全然邪魔だとは思わない。むしろ、便利だなぁと私は素直に思うのである。
私の気持ちに関わらず勝手に無条件で表示されるバナー広告は、私にとって単なるノイズにすぎない。「このバナー広告がなければ、もっと素早く情報が表示されるのになぁ」などと思い出すと、腹が立ってくるほどである。しかし、私の探している情報に関するバナー広告を表示してくれるとなると、それが180度変わるのである。それは単なるノイズではなくて価値あるシグナルに変わってしまうのだ。邪魔な存在から、とってもありがたい存在に変わるのである。
これは他の色々なキーワードでもそうで、例えばプリンターやコピー機の「トナー」に関する情報を探してみると、こんなバナー広告が表示される。「トナー」を探している人には
ウチでは安いトナーを売ってますよ!という広告を教えてくれるのである。なんともありがたいことである。これは決して邪魔ではない。むしろ、適切なアドバイスである(いや、もちろんここのトナーが本当に安いのかどうかは私は知らない)。
この「センサ」、「トナー」といった例はinfoseekの場合だが、これは別にinfoseekに限るものではない。他の検索サイトでもこんなバナー広告は同様に表示される。例えば、
- excite ( http://www.excite.co.jp/)
- LYCOS ( http://www.lycos.co.jp/ )
- infoseek ( http://www.infoseek.co.jp/)
- goo ( http://www.goo.ne.jp )
どこの検索サイトでも「デジカメに関する情報を探している人」には「デジカメの広告」を表示してくれるのである。いやはや便利な時代になったものである(ちょっと年寄り風)。
ところで、こんな検索をかけている内に、こうした広告を出すのに「いくら位お金がかかるのか」と疑問に思い
を見てみると、これが実は結構安い。- Search Word/サーチワード 検索する言葉に合わせて出現する、待ち伏せ広告 (サイズ:60×468)
- 4週間2,500PV以上のワード 4週間で¥12×PV
- 上記外のワード 4週間で¥30,000 (固定)
- Top Page Banner/トップページバナー
私にとっては「邪魔な存在なだけのバナー広告」が一週間で¥2,000,000であるのに、「ありがたい存在のバナー広告」が4週間で¥30,000なのである。もう、こんなに安くて良いのかしら、という位である。こんなに安いと個人で広告を出してみても良いと思うくらいである。私も小遣いがもう少しあれば、試しに広告を出してみるところだ。「できる?」で検索をかけると、自動的に「HIRAX.NET」のバナー広告を表示したい程である。それは四週間で3万円なら安いモノだ。
それどころか、このバナー広告を使ったシュールなプロポーズなんてのもオツなものだと思う。例えば、こんな感じだ。
ホラ、キミinfoseekでキミの「運命の人」を検索してごらん。なんて具合である。しかし、そんなことはもう実はされているかもしれない。
アラ、アナタのバナー広告が出てるわ! 何てこと!
ところで、このinfoseekの広告についての情報を読んでいると、infoseekにアクセスするユーザーに関する
なんて面白い情報がある。 これを見ると、infoseekにアクセスするユーザーは男性がほぼ70%で、女性がほぼ32%であるから、これを標準の割合と考えて、チャンネル別男女構成比で「男の方が割合が高いジャンルと、女の方が割合が高いジャンル」を示すと次の図のようになる。
「カルチャー&ホビー」が男女半々のジャンルで、それを境にして「男の興味ある世界」と「女の興味ある世界」が分かれているのが判ると思う。「学び」に関しては女性の方が興味を持っていることが判るし、「インターネット」に関しては男性の方が興味を持っていることも判る。比較的、男性が「コンピュータ・ビジネス・経営・政治・法律・社会・マネー...」なんて無機的なものに興味を持っているのに対して、女性は「グルメ&クッキング・ショッピング・キャリア・トラベル・くらしの情報...」なんて血の通ったものに興味を持っている。うーん、面白い。男性の比率が一番多い(いや、女性の比率が少ないと言うべきか)のは「クルマ」で、女性は「ヘルス&ビューティー」だというのも何かとても面白く、笑ってしまう。
これを見ると、「住まい」なんかもうほとんど女性の支配する世界であることなども判るだろう。なるほど、「男の隠れ家」なんて雑誌が売れるわけだ。ここまで「住まい」が女性の世界であれば、それも当然だろう。
さて、話を検索キーワードに関するバナー広告に話を戻そう。試しにinfoseekで「結婚」で検索をかけるとこんな結婚情報サイトの広告が表示される。ありがたくて、涙が出そうになるくらいである。
そこで、調子にのって私はexciteで「愛」で検索をかけてみた。
もちろん、これは単なる偶然だろう。「愛」を探しているのに、消費者金融のバナー広告が表示されるわけはない。「愛」を探しているのに、「お金」の広告が出るわけがない。「愛がお金で買える」わけがない。単なる偶然とはわかっているけど、何ともイヤな偶然である。もちろん、単なる偶然の筈だ。
神様、愛はお金で買えるのでしょうか?
2000-08-24[n年前へ]
■スクール水着の秘密
腹の部分のデカイ穴 流体力学入門編2
先日、「とあること」を知って、とてもビックリした。とてもびっくりしたあまり、「男と女の人の間には知らないことがいっぱいあって、そこには深くて暗〜い河が流れているんだなぁ。」とシミジミと考え込んでしまったくらいである。いや、誇張でなくて本当にそう思ったのである。
今回出てくる話を私のように知らない人がいたならば、もしそれが男性であれば私のようにビックリして哲学的なことを考えてしまうだろう。そして、それがもしも女性であれば「自分が常識だと思っていたささいなこと」を知った男性が「どれほど驚愕するか」を知れば、やはり同じようにビックリするに違いない。私はこの「とあることから始まる真夏の哲学をぜひ多数の人に知って頂きたい」と思い、筆をとることにした次第である。
一体、その「とあること」が何かと言うと、それは「女の子のスクール水着のお腹部分は実はセパレートになっていて、大きな穴が開いている」ということである。一応、簡単な絵を示しておこう。
といっても、私が詳しく知っているわけはないので、もっと詳しいことは、
- スクール水着の謎 ( http://tako.2ch.net/test/read.cgi?bbs=entrance&key=964275735 )
- 一般的なスクール水着のしくみについてのご説明 (http://kanna.piko.ne.jp/page-L/picture.LLL.htm )
何故、そこに「スクール水着の謎」の中で、
あそこの部分は”前垂れ(まえだれ)”って言うんだよ 。あのね、あの前垂れはね、泳いでいる時に胸の谷間から入った水を泳いでいる方向から観て後方に 排出する為に有るの、あれが無いと胸の谷間から入った水が水着の中に溜まっちゃうのよ。 だから簡単に言うと前垂れは、排水口みたいな物なの。という風に簡潔に説明されている。そう言われてみれば、そういうものなのかもしれない。しかし、ビックリである。ちょっと本当に驚いて、そして少し感動までしてしまった私は「スクール水着の前垂れ部分の水流の様子」を今回解析してみることにしたのである。
まずは、こんな感じで泳いでいる女性がいたとしよう。
この画像では水着が見えないかもしれないが、この女性は当然水着を着ている。「心の清らかな人」にはちゃんと水着が見えるハズである。「邪な心の人」には水着が見えないかもしれないが、それは心に煩悩を抱えているせいである。ぜひ、悔い改めて欲しいと思う。まして、「コイツPoserの使い方が判らないんだろう?」などという言うような輩(ヤカラ)はもってのほかだ。
さて、この下の画像のように女性の胸の辺りの水流を解析してみることにしよう。注目する領域はすなわち赤い線で囲んだ部分である。
上の画像で胸を消してあることが判るだろう。それは今回の解析は胸の谷間から水着の中に入っていく水流の解析をする、つまり胴体の中央部での水流の解析をするからである。胴体の中央部にバストがついている女性はそうそういないだろう。
さて、その部分の拡大図を次に示そう。スクール水着に前垂れがなくて、水着の中に入った水の逃げ場がない場合、次の図のような感じで胸と水着の間にスペースができてしまう。
一方、スクール水着に前垂れがあって、水着の中に入った水の逃げ場がある場合、次の図のようになる。胸と水着の間にスペースができることは同じであるが、そのスペースから水が排出されていく経路があるわけである。
さて、今回の流体解析も
の時と同じく、Nast2Dを適当に改造して簡単に解析を行ってみた。今回はReynolds数は100で計算してみたが、次に計算するときにはReynolds数の妥当な値を考慮してやってみたいと思う。残念ながら、今回は本当に適当に計算をしてみただけである。まぁ、最初の試しだからそんなものだ。 まずは「前垂れがなくて、水着の中に入った水の逃げ場がない場合」の水流の速度分布の計算結果を下に示してみよう。
胸の谷間に水がたまったスペースの後ろ部分の水流がずいぶんと速くなっていることがわかるだろう。当然のごとく、胸の谷間に水がたまった部分では水は滞留してしまっている。
一方、「前垂れがあって、水着の中に入った水の逃げ場がある場合」が次の図である。
胸の谷間を水がジェット気流のように速く抜けていくことがわかる。割にどの領域でも、水流の速度分布は割に等しくなっている。
次に圧力分布と水流の速度分布を重ねてみたものを示してみよう。まずは、「前垂れがなくて、水着の中に入った水の逃げ場がない場合」である。
胸の谷間に水がたまっている部分は圧力が高いが、その外側の部分は圧力が低くなっていることがわかるだろう。
この圧力差により、次の図のような力が働いてしまう。
こんな力が働いてしまうと、速く泳ぐ邪魔にもなってしまう。また、この力が大きくなると水着の締め付ける力を上回ってしまうだろうから、ますます水がたまるスペースが大きくなったり(つまり胸のスペースが広がってしまったり)、さらには水着を脱がす方向に働いてしまうことだろう(それはそれで良いぞ、という声も聞こえてきそうであるが)。
一方、「前垂れがあって、水着の中に入った水の逃げ場がある場合」は次の図のような感じである。
圧力の不均衡もそんなに発生していないことが判るだろう。これなら速く泳ぐ邪魔にもならないし、水着もちゃんと体にフィットしたままである。
このように、スクール水着に隠された「前垂れ」は実に役に立っていることが流体解析からも判るわけだ。いやぁ、本当にビックリだ。
さて、私の周りの男性はやはりみな「スクール水着の秘密=前垂れ」を知らなかった。
「腹の部分にデカイ穴〜!? はぁ? スクール水着にそんなものあるわけないじゃないの。」とみな口を揃えて言うのである。もう、誰一人として素直に信じる人はいないのである。しかもこともあろうに、私をヘンタイ扱いまでするのである。いつの時代も真実を伝える者は受難の運命が待っているのである。実に嘆かわしいことである。
「オマエ、変な妄想でも見たんじゃないの〜」
しかし、それが「スクール水着の真実」を知ってしまった後は、どの人も
「えぇ〜!! 昔の俺達にそれを教えてやりたい〜!!」と驚きのあまり興奮してしまうのである。しかも、みんな
「誰一人としてそんなこと教えてくれなかったぞぉ〜」
「俺達の青春を返せ!って気分になるなぁ〜」
「もっと早く教えてくれよぉ〜」というニュアンスがアリアリと感じられるのである。さっきまで人をヘンタイ扱いしていたくせに、コロッと変わりすぎである。
しかし、女性陣はと言えば、
「あぁ〜そう言えば、そんな風になってたような〜。」と実に淡々としたものなのである。男心を全然判っていないのだ。その証拠に、
「あそこの穴から空気を入れて遊んだ〜。」
「えぇ〜、知らないのぉ〜」
「それにしても、何でそんなに驚くのか全然判りませ〜ん。」と言う人までいるのである。「そりゃ、驚くぞ」と男なら判るはずなのだが、それが女性にはどうも伝わらないのだ。
そういうわけで、「スクール水着の秘密」を通して私は「男と女の間の常識・意識のギャップ」を本当に真剣に考えさせられたのである。そのショックの余韻は今もまだ醒めやらぬままだが、とりあえず今回はここまでで終わりにしたい。
2000-10-29[n年前へ]
■「しょんべん小僧」の物理学
あともう一歩、前に出ろ
以前、- スクール水着の秘密 - 腹の部分のデカイ穴 流体力学入門編2 - (2000.08.24)
「男性にはよくある風景だけれど、女性にとっては未知のミステリアスゾーン」といってもたくさんあると思うが「男子トイレ」というものだって、女性にとっては未知のミステリアスゾーンだろう。
次の絵はよくある男子トイレの一風景だ。便器前のポジションに立つとどうしても目に入る位置にこんな内容を書いたチラシが張ってあることが多い。
「ちょっと待て、あともう一歩前に出ろ。」
もし、その張り紙がなかった場合にはどうなるだろうか?その場合には、下の絵のような事故が発生してしまうのである。実際のところ、ほとんどの公衆便所で見かける風景だ。
そう、便器にロックオンして放水をしたハズなのに、何故かターゲットである便器まで「小便」が届かずに便器下を汚してしまうのである。実にマズイ事態ではあるがよく見かける風景でもある。便器内を狙ったハズの小便が残念ながら目標地点まで辿り着かなかった場合に起きる悲劇である。
もちろん、どんなに飛距離が小さくても、すなわち小便が放水銃の先から真下に垂れてしまった場合でも、便器の顎の上から放水作業を行っていれば何の問題もないわけだ。しかし、世の中の男性達は何故か遠くから狙いたがるのである。先程の、「ちょっと待て、あともう一歩前に出ろ。」という張り紙ではないが、もう一歩前に出て便器の顎の上から放水作業を行いさえすれば良いのではあるが、何故か漢(ここではあえて、漢と書いてオトコと読むことにしよう)達はそれができないのである。
さて、この現象には別に公衆便所でなくても発生するわけで、どこのトイレでも便器の下を汚してしまうことになる。そのため、家庭によっては妻から
はるか古の昔から「男らしさ」のひとつが「立ち小便」でなかったか?、そして「立ち小便」は「男らしさ」の最後の砦ではないのか?という気も私は少しだけしたりするのだが、便器周りを汚しまくる現実の前ではそんな「男らしさ」は2000円札よりも価値がないのである。2000円札ならば喜んで受け取ってくれる人もいるだろうが、便器の下に落ちようとする「小便」は誰も受け取ってくれない。いや、実際のところ小便を喜んで受け取ってくれる人もいるのかもしれないが、少なくともそんな人の数は2000円札を喜んで受け取る人の数よりはきっと少ないだろうと思うのである。
そしてさらに、「男らしさ」が「立ち小便」なら、そんなものイラナイと言われてしまいそうな気もするし、「立ち小便」が「男らしさ」の最後の砦か!?と言われてしまいそうな気も強くするので、ここらへんについての社会学的な考察は追求しないでおこう。
それでも、私は世の中の虐げられている「しょんべん小僧」達のため、そして「男らしさ」の最後の砦を守るために、男子トイレの「しょんべん小僧」達がどうしたら、放水ミスをしないかを物理的に考えてみることにしたい、と思うのである。
さて、便器まで小便が届かないという「放水ミス」はどのようにすれば防ぐことができるだろうか?小便の飛距離を小さくしないためにはどのようにしたら良いだろうか?そのためには、まず小便の飛距離がどのようにして決まるのかを考えなければならないだろう。
下のちょっとリアルな「しょんべん小僧」の放水作業ではないが、小便の軌跡はきれいな放物線を描く。
すなわち、空気抵抗などは無視した場合のピストルの弾と同じく
- 銃筒の先端を出るときの初速度
- 銃筒の角度
銃筒の先端を出るときの初速度 = V0と表すと、小便の飛距離は
銃筒の角度 =θ
a V0^2 Sin[2θ] (aは定数)と表される。この式を見ればθ = 1/2 rad.の時にSin[2θ]が1になるので一目瞭然であるし、また感覚的にも自然であるが、銃筒の角度の方は上向き45度の角度に向けるときに小便の飛距離は最大になる。一方、初速度V0の方は速ければ速いほど、小便の飛距離は伸びる。
それを示したのが、次の図である。「小便の銃筒の先端を出るときの初速度と銃筒の角度を変えた時の小便の飛距離」を示したものだ。
すると、便器まで小便が届かないという「放水ミス」すなわち、小便の飛距離を小さくしないためには、銃筒の角度を大きくしすぎたり、小さくしすぎたりしないという知見が得られるわけであるが、そんなことは当たり前だ。誰もトイレで銃筒を真上に向けたり、真下に向けたりはしないのである。先のちょっとリアルな「しょんべん小僧」ではないが、手で放水銃を支持している限り何の問題も無いのである。
つまり、便器まで小便が届かないという「放水ミス」はほとんどの場合「放水銃の角度」のせいではないのである。つまり、「銃筒の先端を出るときの初速度」が問題だったと考えるのが自然である。
それでは、「銃筒の先端を出るときの初速度」はどのようにして決まっているのだろうか?それを大雑把に考えてみたのが次の図である。腹筋で膀胱に圧力Pをかけて、銃筒の先端から小便を初速度V0で放水作業を行うのである。
ところで、上の絵でポンプとして表した膀胱に圧力Pをかけた場合には、膀胱からb P (bは比例定数)と表せる量の小便が銃筒に送り込まれるものとしよう。その場合、その量の小便が銃筒の先端から単位時間に出るわけであるから、銃筒の先端の口径をAとすれば、
V0 = b P /Aと表すことができる。すなわち、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pに比例し、銃筒の先端の口径Aに反比例するのである。
さて、いくら腹筋が強い人であっても腹筋をいきなり締め付けることはできない。つまり、腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pというものは徐々に大きくなるのである。
すると一見、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」も0から徐々に大きくなる、すなわち、放水作業を開始した最初の瞬間は「銃筒の先端を出るときの初速度V0」= 0であって、小便の飛距離も0である、つまり、便器まで小便が届かないという「放水ミス」が必ず起きるかというと、実はそういうわけではない。
ポンプである膀胱から銃筒の先端までは、ある程度の長さがある。もちろん、その長さは一定ではないのだが、とにかくある程度の長さがある。そのため、小便が銃筒の先端から出る瞬間には、ポンプである膀胱にかかっている圧力Pは0ではないのである。すなわち、膀胱から銃筒の先端まである程度の長さがありさえすれば、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は結構大きくすることができるのだ。もちろん、腹筋を鍛えて、腹筋に急激に力を掛けることができれば、その効果はさらに上がることは言うまでもない。
だとしたら、一般的に便器まで小便が届かないという「放水ミス」は一体何時起きるのであろうか?それは、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」を決める膀胱にかかる圧力Pが低下し、なおかつ最初の瞬間と違い「膀胱から銃筒の先端までの長さ」を有効に活用できない、放水作業を終える瞬間である。飛行機でも着陸が一番難しいというが、この放水作業もやはり放水作業を終える瞬間が一番難しいのである。そのため、多くの場合小便達は便器内への着陸に失敗し、便器の下を汚してしまうのである。
しかし、私は「男らしさ」の記念物でもある「立ちしょうべん」を守るために、一つの解決策を考えついたのである。「男らしさ」の最後の砦を守る技術を提唱したいのである。すなわち、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pに比例し、銃筒の先端の口径Aに反比例するのであるから、放水作業のラストに膀胱を締め付ける圧力Pが小さくなった、あるいは、膀胱を締め付ける圧力Pを有効に膀胱からの排水に変換できない排水作業のラストにおいて、銃筒の先端の口径Aを小さくしてやればよいのである。そうすれば、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は「銃筒の先端の口径A」に反比例するのであるから、膀胱から出てくる小便の量が低下しても、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」を0にならないように維持することができるのである。これにより、放水ミスを防ぐことができるハズなのである。
さて、私は「男らしさ」の最後の砦である「立ちしょうべん」を守るために、このような技術を考えてみたわけであるが、この技術の実証作業は行っていない。果たして、「銃筒の先端の口径A」を自分の意識で小さくすることができるか!?というところに大きな問題点があるような気もするのであるが、それは「男の意地」で克服できると私は信じている。外部から制御するって手もあるのだし。って何の手の話だ、全く。
2001-08-07[n年前へ]
■恋愛小説
北村薫の恋愛がかった小説はどうしても読みづらくて読んでいなかった。のだけれど、今日新幹線の中で読んだ「水に眠る」の中の第一話「恋愛小説」は好き。この小説は「電話、運命、響き」の三題話でしょうか。 from 文春文庫 北村薫 「水に眠る」
2001-08-20[n年前へ]
■運命と偶然の境 その1
まず最初の疑問は、「運命のXXX」と「偶然のXXX」は近いのかそれとも遠いか、ということだ。もちろん、ここでのXXXは何であっても良いわけだ。サスペンス的に「事件」であっても、ちょっとロマンティックに「出会い」であっても良いのである。