2000-09-10[n年前へ]
■「鳥のたたきが如何に素晴らしいか」
についての英語のレポートを書かなきゃいけないのだけれど、初めと真ん中とオチが上手くまとまりません。
2001-01-24[n年前へ]
■The right equation is not always right for left side.
一年間の英語研修も終わりに近づき、今は毎日レポートを宿題で一個書いて、それについての話を研修時間中にしている。といっても、レポートの内容はWEBに書いた記事を組み合わせ直して書いているだけだ。といっても、英語オンチな私には結構キツイ。しかし、話の展開によっては英語で書く方が楽だったりするのが面白いところである。ちなみに今日書いた話は、「Pandora's box + 掌の中の答え + Right Eye」。螺旋方程式はtwins equationということにして、その方程式の右辺と左辺の話にRightとLeftをからめた。 もし野田秀樹が英語で書いていたら、stageの左右も加わって素晴らしい世界を作るのだろうなぁ。
2001-01-25[n年前へ]
■Left Eye
カンバスから飛び出す「名画の世界」でホントのところ書いてみたかったのは、色んな見方が世の中にはあって、まずは同じ場所から眺めてみてからその後に他の場所から眺めてみるのも良いのかな、ということだった。でもって、次の日の英語のレポートの宿題は、片目で覗くカメラと視点の話なんかを書いてみた。
で、次の日は「Pandora's box + 掌の中の答え」で、世の中には二つの状態が常に存在していて(以下略)
じゃぁ、今日は何を書いたかはさておき、Right Eyeのリンクでもしておこう。
「この観劇の前日にある友人が亡くなったこともあって,人・右目の死が琴線に触れた.シャッターが落ちるように,一瞬でいなくなってしまった彼.正しい目(Right Eye)を亡くして,残された目(Left Eye)は何を見つづけよう.何が見えるのだろう.」from まほろの観劇記録1998年 (リンク)(リンク)
2001-02-19[n年前へ]
■ひとりで書いてるだけだから。
ヘッポコ文章を直したい
面白い情報を探しにと「お笑いパソコン日誌」を眺めていると、「ウエヤマの事件簿」の「他人の日記をオモチャにしよう!」が紹介されていた。「お笑いパソコン日誌」に〜『できるかな?』風ネタであります〜と紹介されてあった通り、実に私好みの話だった。ウエヤマ氏が「自分で書いてる日記の文章」を解析して、文字の出現頻度を調べてみたものである。
「できるかな?」は画像や科学の関連の話が多いように見える。しかし、実はそれだけではなくて文章や日記に関する話も多い。例えば、これまでに出てきた話を振り返ってみると、
に始まり、- 失楽園殺人事件の犯人を探せ- 文章構造可視化ソフトのバグを取れ - (1999.07.22)
- 「こころ」の中の「どうして?」-漱石の中の謎とその終焉 - (1999.09.10)
- 「星の王子さま」の秘密 - 水が意味するもの- (1999.11.15)
- 恋の力学 三角関係編 - 恋の三体問題- (1999.12.27)
- 恋の力学 恋の相関分析編- 「明暗」の登場人物達の行方 - (2000.04.01)
- 恋の力学 恋のグラフ配置編- 「明暗」の収束を見てみよう - (2000.04.02)
- WEBの世界の「力の法則」-「ReadMe!JAPAN」と「日記猿人」に見るWEBアクセス数分布 - (1999.12.04)
- WEBサイトの絆 - WEBの世界を可視化しよう- (2000.01.13)
そういったhirax.netの特長ならぬ特徴は私が書く文章が下手なせいなわけで、そんなヘッポコ文章から脱出するべく、私の書く文章の特徴を調べて反省してみることにした。もちろん、自分のヘッポコ文章だけを眺めてみてもしょうがない。他の素晴らしい文章を書く書き手と比較しなければならないだろう。そこで、今回はいくつかの文章を品詞解析し、その結果の特徴を調べることにする。そして、書き手による文章の特徴が眺めながら、私のヘッポコ文章の欠点を調べ、さらには誰もが思わず涙がこぼしてしまうような素晴らしい文章を書けるようになりたい、と思うのである。
さて、まずは目標を決めよう。私がヘッポコ文章を脱出してどんな文章を目指すかを、何より先に決めなくてはならない。となれば、あまりにも大それた目標ではあるのだが、やはり日本の文豪、夏目漱石は外せないだろう。そして、その教え子でもある寺田寅彦もやはり外すわけにはいかない。一応私も理系のはしくれ、日本の理系文章の流れを作ったこの二人を目標にしなくてなんとしよう。ヘッポコ文章を脱出していきなり、夏目漱石と寺田寅彦というところに無理があるが、そんなことを考えていては駄目なのである。「少年よ大志を抱け」とクラーク博士も言ったのである。もう少年と言うにはどう考えても年齢的に無理があるのだが、気持ちはまだまだ少年で目標は大きく持ってみたいと思うのである。
そして、もう一人の目標は「ちゃろん日記(仮)」をマイペースに書き続ける「ななゑ」さんである。私は彼女の書く文章を読むたびにとても素晴らしい理系的センスが感じ続けているのである。しかも、理系的でありつつも笑いと涙のペーソスたっぷりの「ちゃろん文体」という独自の確固とした文体を築いているところも尊敬していたりするのである。
というわけで、今回の文章の比較は
- 夏目漱石
- 寺田寅彦
- ちゃろん日記(仮) ななゑ
- 「できるかな?」 jun hirabayashi
- 夏目漱石
- 我が輩は猫である
- 坊ちゃん
- 寺田寅彦
- 科学について
- 自然と生物
- ちゃろん日記(仮)
- 1998(仮)11月上旬
- 1999(仮)6月上旬
- 「できるかな?」
ところで、形態素解析とはどのようなものだろうか。まずは、例を挙げよう。例えば、
私が好きな書き手達は、夏目漱石、寺田寅彦、ななゑさんです。という文章を茶筌で分解すると、
- 私 名詞-代名詞-一般
- が 助詞-格助詞-一般
- 好き 名詞-形容動詞語幹
- な 助動詞
- 書き手 名詞-一般
- 達 名詞-接尾-一般
- は 助詞-係助詞
- 、 記号-読点
- 夏目 名詞-固有名詞-人名-姓
- 漱石 名詞-固有名詞-人名-名
- 、 記号-読点
- 寺田 名詞-固有名詞-人名-姓
- 寅彦 名詞-固有名詞-人名-名
- 、 記号-読点
- ななゑ 名詞-固有名詞-人名-名
- さん 名詞-接尾-人名
- です 助動詞
- 。 記号-句点
- 読点
- 形容詞
- フィラー
- 感動詞
結構、同じ書き手による文章が同じような位置に配置されることがわかると思う。ちゃろん日記(仮)などは、二つの独立した文章がほとんど同じ位置に配置されている。もう、ちゃろん文体は安定しまくっていて完成されているのである。そしてまた、「文豪」夏目漱石の場合も、「我が輩は猫である」と「坊っちゃん」がかなり近い位置に配置されていることがわかる。
なるほど、結構書き手による特徴はこんないかにも雑な解析でも評価できるものなのかもしれない(あくまで「遊び」だけどね)。そして、形容詞の出現頻度などは、「雪だるまがいる景色」と「自然と生物」以外は大体同じようなものである。寺田寅彦の「自然と生物」は妙に形容詞の出現頻度が高いところが面白いところである。私の「雪だるまがいる景色」はあまり技術的な話ではなくて、確かに形容詞が多そうな話ではあるのだが、一体「自然と生物」はどうだっただろうか?
ちなみに、「できるかな?」からの二つの文章は共にフィラーが一個も出てこない。その他の6つの文章にはフィラーが出てくるのであるが、何故か「できるかな?」の二つの文章にはフィラーが含まれていないのである。この差がなければ、寺田寅彦の二編と「できるかな?」はかなり似た場所に位置するのであるが、このフィラーは特に違うのである。
さて、上の図ではフィラーと形容詞の出現頻度だけを眺めてみたが、読点、感動詞の出現頻度も加えて、クラスター分析を行ってみた。つまり、「読点・形容詞・フィラー・感動詞」の出現分布が似ているものを分類してみたわけである。クラスター分析にはExcelアドイン工房「早狩」の統計解析アドインを使用させて頂いた。ちなみに、クラスターの結合はウォード法を用い、非類似度計算法には標準化ユークリッド平方距離を使用した。その結果が下の図である。
このクラスター分析の結果を示す図は近い文章をまとめていったものを示している。つまり、文章の「近さ」あるいは「似ている度」を示しているのである。ちゃろん日記(仮)の二編は本当によく似ていて、また夏目漱石の書いた二編も互いに似ている。そして、それより「近い度」は低いが「新宿駅は電気羊の夢を見るか?」は「科学について」に近くて、「雪だるまがいる景色」は「自然と生物」に近い。おして、さらに似ているものを探せば、ちゃろんの二編と「新宿駅は電気羊の夢を見るか?」・「科学について」は似ているといえなくもない、さらに言えばその四編と夏目漱石の二編が似ている。
ここでは、四人の書き手がいるということが私には判っているので、あえて四つのクラスターに分解してみると、
1.
- 「雪だるま」がいる景色
- 自然と生物
- 新宿駅は電気羊の夢を見るか?
- 科学について
- ちゃろん日記1998(仮)11月上旬
- ちゃろん日記1999(仮)6月上旬
- 我が輩は猫である
- 坊ちゃん
しかし、その一方で考えてみれば寺田寅彦の名随筆と「できるかな?」のヘッポコ文章が「文体が近い」と解析されてしまっているわけなので、実はこの解析の信頼性はかなり低いと言わざるを得ないところもあるのである。いや、もしかしたら「文体は同じやけど、内容が全然違いますがな」というような冷たいアドバイスを解析結果は言わんとしているのかもしれないが、もうそれは哀しすぎる事実なので考えたくないのである。
さて、そう言えば一番最初の図で「できるかな?」と寺田寅彦の差はフィラーの出現分布だったわけであるが、「大学の講義における文科系の日本語と理科系の日本語-- 「フィラー」に注目して --」では、「聞き手への働きかけのあるフィラーが多いということは聞き手への配慮が大きいということにつながる」と書いてあった。ということは、フィラーの出現分布は聞き手への配慮に比例するというわけで、「できるかな?」の文章にフィラーが出てこない、ということは読み手に対する配慮がない、なんてことなのかなと思ってしまったりするのである。
そんなことを考え出すと、ホラどうせひとりで書いてるだけだから読み手のことなんか考えていないのさと、思わず涙がこぼれてしまうような哀しい気持ち、になったのである。う〜む、最初は誰もが思わず涙がこぼしてしまうような素晴らしい文章を書けるようになりたいと思ったったのに、何でこんな結論になるんだろう?
答え: それは文才がないからです。ハイ。
2001-06-21[n年前へ]
■二十一世紀の「ミニスカートの幾何学」
可愛いAIBOはちょっぴりエッチ
「面白い記事がありましたが、読みましたか?ふふっ(笑)。」というメールが先日私に届いた。さてさて、一体どんな記事だろう?うむむ…?と見に行ってみると、それはZDNNのこんな記事だった。
- 「しつけ」られたAIBO——無線遠隔操作ソフトに,盗撮防止機能
- ( http://www.zdnet.co.jp/news/0106/08/aibo.html?0b06012410 )
しかし、しかし、である。これだけでは、先のメールの書き主が私にわざわざこのニュースを知らせてくれる理由がわけ判らないではないか。私はお茶ノ水博士のようなロボット博士でもなければ、TVチャンピオン常連のおもちゃオタクでもないのである。ましてや、先のメールの「ふふっ(笑)」は奇奇怪怪としか言いようが無い。もしかしたら、これは新手のAIBOの売り込みだろうか?あのSONYもついにSPAMを出すようになったか、あのSONYがなぁ、と思いつつ記事を読み進んでいくと、記事の終わり近くになってやっと疑問は氷解したのである。その部分を少し引用してみると、
今回,遠隔撮影を可能にするAIBO Navigator開発にあたって,ソニー社内でも盗撮問題が再浮上。AIBOを担当するエンターテインメントロボットカンパニー内に「倫理委員会」を設置するなど,盗撮問題に対して真面目に取り組んだという。ということだそうだ。なるほど、これはまさにである。理系学生の憧れナンバー1といえばソニーであるが、そのソニーの「真心」とも言うべきソニーの「倫理委員会」と私は同じような「研究」をしていたわけである。「女性のためのミニスカート理論の構築を目指していた」ミニスカートの幾何学はまさに「真心・倫理」を具現化した研究と言っても良いくらいであるが、やはり判る人には判るのである。先のメールの主は私に「あなたのレポートはまさに日本の倫理のために役立っているのですよ」と教えて下さっているに違いないのである。もっとも、残念なことに私はソニーの倫理委員会と違って「短いといわれているミニスカートの丈の長さを実際に定規で測って調べたり」する機会には恵まれなかったのである。
「AIBOのアタマが,ある角度以上に上を向くと,見てはいけないものが見えてしまう」(ソニー)ということで、倫理委員会では、まず盗撮される側のデータを収集。女性の平均身長の調査から始まり、短いといわれているミニスカートの丈の長さを実際に定規で測って調べ、AIBOの頭部カメラがどの角度までなら大丈夫かをさまざまな角度から調査。その結果、可動角度を最大20度とし、首の位置が20度以上動くようなモーションをしなくてはいけないときは、動画が止まる機構までも装備した
が、そんなことはさておき、「角度で20度までなら、見てはいけないものが見えない」というのは本当だろうか?それは、ミニスカートの幾何学で調べるとどういうことになるのだろうか?というわけで、このナゾについて少し考えてみたい、と思うのである。
というわけで、まずは「ミニスカートの幾何学」の復習をしよう。ミニスカートの内側の下着が見えるか、見えないかを考えるには次のような図を考えると判りやすい。ここでは女性の真下の地点を原点にとり、水平方向にX軸をとり、鉛直上向きにY軸をとっている。
スカートの内側の「見てはいけないもの」が見えてしまうのは、上の図で緑の線よりも下側に入って、その緑の線より上を見上げた場合である。そして、ここでその緑の線は
- 女性の下着の一番下の部分の位置
- ミニスカートの一番端の下の位置
それでは、その「限界角度」を調べるために、とっても簡単「ミニスカートの幾何学」を活用しよう。まずは、例えば女性のヒップ周りが88cmとしてみた場合に、スカート中央から端までの長さ(rcm)は、女性のヒップを円と近似すると、
2πr = 88cmであるから、スカート中央から端までの長さ(r cm)は
r = 14cmとなる。すると、図を見ればわかるように、緑の線 -> 「下着防衛ライン」はスカートの丈を未知数として、
y = - ((スカートの丈 - 25)/14) x + 股下長さという式で表すことができるわけだ。ここで、「AIBOがそれ以上上を向くと見てはいけないものが見えてしまう」という緑の線の角度は
ArcTan[ (スカートの丈 - 25)/14 ] / (2 π)*360で表されるから、それを計算してみて、「スカートの丈」に対する「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度を計算してみると、その結果は次のグラフのようになる。
このグラフを見れば判るように、女性のスカートが長くなれば長くなるほど、「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度は大きくなる。当り前である。長いスカートの中を覗こうとしたら、AIBOはそのスカートの中へ入り込んで、かなりの上を見上げなければならない。もちろん、スカートの丈が短くなればなるほど、スカートの中身は覗きやすくなる。そうすると、AIBOがそれほど上を見上げなくても、「見えてはいけないもの」が見えるようになってしまうのである。
さて、前回の「ミニスカートの幾何学」では女性達が履くスカートは短くても32cmまでであって、その長さであれば角度が30°ほどにもなる急な階段でも女性のスカートの中の「見えてはいけないもの」は見えることが無い、ということを明らかにした。というわけで、それを知ってか知らずか女性達の履くスカートは短くても32cmまでなのである。だとすれば、その32cmに対応する限界角度は「見てはいけないものが見えるための必要角度」ということになるわけである。
すると、このグラフを見れば一目瞭然、スカートの下限「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度は20数度よりも大きいことが判るのだ。ということは、先の記事の通りに、AIBOの首の上限角度を20度にしておけば、もうどうやってもAIBOはスカートの中身を覗くことができなくて、AIBOが盗撮者の手先となってしまう危険は防ぐことができるのである。それより上を眺めれば、見たことのない映像が見ることができるハズなのではあるが、ロボット三原則に基づいて(大ウソ)、AIBOの首はそれより上には上がらないように設計されているわけである。
というわけで、こんな風にソニーの「倫理委員会」がうらやましいばかりの数々の実験を重ねて調べたことも、このミニスカートの幾何学から導き出すことができるのだ。あぁ、なんて社会の役に立つ研究なのだろう。こんな女性のため、社会正義のための幾何学がこの他にあるのだろうか…。しかし、そんな社会正義のための研究だったハズなのに、この「ミニスカートの幾何学」をきっかけにしてhirax.netが色モノサイト扱いされ、さらには有害サイト扱いされるようになるとは… 思いもしなかったなぁ… ふっ… (涙)…。