2001-09-25[n年前へ]
■純愛で世界を描ききれ
Study of the Regular Division of the Plane with Innocent Love
先日、出張先で話をしようとした途端、いきなりこんなコトを言われた。
「最近、更新頻度が下がってますねぇ、あとアッチ系のネタが多いですねぇ。」また別の人には、
「たかが風圧がオッパイに思えるものでしょうか?自分には、そこがなんとも不思議で納得できないのであります。」などと言われた。本来、私は真面目な話をしに行ったハズなのであるが、思わず弁解したくなって、
「一体、指の何処でその感触を感じると思われますか?」
「それに、モンローウォークの動画はまるで全裸みたいに見えて、思わず自分はウィンドーを閉じてしまったのであります。」
「いや、掌の広げ方次第で、空気が指に与える圧力が動的に変化するのだが、その指の動きに応じて動的に弾力が変化するさまがアノ感触に近いという想像は如何なものだろうか?たかが風圧、されど風圧、と謙虚に考えるべきではないだろうか?」とか
「空気流が指の側面を押す力が主たる個所だろう、それすなわち、指の周りからこぼれるおちるアレが指に与える感覚なのである。」とか、
「実はOLスーツ編の動画も作成したのだが、そっちの方が私的にはイヤラシク倫理的にNGだったのだ。」とか色々言ってしまったのである。しかし、実はその話をしている仕事場には他にも人が何人もいて、しかもその人達には私は面識は無い。ということは、私は他人の仕事場にイキナリ来たと思ったら、「アノ感触」とか「OLスーツ」とかそんなことを話し出すトンデモない奴にしか見えないのである。これはちょっといけない。いや、かなりマズイ。
そこで、そんなことを言われないために、今回は「できるかな?」のスタート地点である「画像」の話題を考えてみたい。しかも、ただ考えるだけではつまらないので、「できるかな?」風に「愛」を込めて「画像」について考えてみたい、と思う。というわけで、今回は題して「純愛で世界を描ききれ」である。
八月に台風が関東地方を直撃した日、私は東京タワーのすぐ横で「高画質化のための画像処理技術」という研究会を聴講していた。会場に辿り付くまでの間ひどい雨と風に襲われて、最初のうちは「こ・これは、風速25m/s位はあるな。ってことは25mx 3600 s /1000mで時速90kmか…ってことは、計算によればE〜Fカップが今まさに体中にぶつかってきているのかぁ!」なんて(自分を元気づけるために)考えていたのだけれど、風だけでなくて雨もひどかったので、ついには濡れねずみになってしまい、ただ「………」と何も考えずとぼとぼ歩くだけのゾンビ状態になってしまった。
何はともあれ、そんな感じでやっとのこと会場に辿り付いて、いくつかの話を聞いていたのだけれど、その中でもとても面白かったのが、大日本印刷の阿部淑人氏の「シミュレーテッド・アニーリングによるディザマトリックスの最適化」という話だった。色々な項目を適当に重み付けしながら、ハーフトーンパターンを自動で生成して、理想のハーフトーンパターンを作成しよう、というものである。その話の後半では、工芸的なスクリーンの話も俎上に上がり、M.C.Escherの"Sky& Water I"をグラデーションの例に挙げてみたり(残念ながら実際にそんなハーフトーニングをしたわけではないが)、菩薩像を般若心経でハーフトン処理してみせたり、となかなか「できるかな?」心をくすぐるものだった。そこで、私も似たようなことにチャレンジしてみて、さらにはM.C.Escherの版画を使ったハーフトーニングを行ってみたいと思うのである。
そもそも、ハーフトーニングとは多値階調を持つ画像などをニ値出力の(もしくは少ない階調しか持たない)機器で出力するために、多値の階調をニ値(もしくは少ない階調)の面積比率で置き換えることにより出力する方法のことである。例えば、下の例はグレイスケールのグラデーションパターンを円スクリーンによりハーフトーニングしたものである。
上を円スクリーンによりハーフトーニングしたもの |
Photoshopを使っている場合には、簡単に任意形状のハーフトーニングを行うことができる。例えば、こんなパターンをカスタムパターンとして登録すると、そのパターンとの明暗比較を行うことにより、
という風にニ値化ハーフトーニングを行うことができる。ところが、じゃぁこれと同じようにEscherの版画を使ってハーフトーニングしようと思っても、そう簡単にできるわけではない。なぜなら、このハーフトーニングが明暗比較によって行う以上、ハーフトーニングに使うパターンは多値の画像でなければならないのである。
Escherの版画も版画という(例えば白か黒かといった)ニ値の出力機器を用いているため、やはりニ値の画像に過ぎない。例えば、下の版画はEscherの”Studyof the Regular Division of the Plane with Horsemen”である。
上の版画の一部を(ちょっとだけ細工をしつつ)抜き出してみたのが下の画像だが、白黒半分づつのニ値画像であることがわかるだろう。また、きれいな繰り返しパターンになっていて、平面にこのパターンできれいに埋め尽くすことができるのがわかるだろう。
この画像をPhotoshopのカスタムパターンを用いて、グレイスケールをニ値化ハーフトーニングすると、この画像がニ値画像であるため、下のように階調をきれいに出力することができず、結局のところ「黒か白か」といった階調飛びの画像になってしまうのである。
そこで、まずはニ値の画像を元に多値のハーフトーン用パターンを作成するプログラムを作成してみた。作成するやり方としては、初期値を元にして暗い方。明るい方それぞれの方向にローパスフィルターで演算をしつつ、256階調分のハーフトーンを作成し、さらにそれをPhotoshopで処理できるように多値画像として出力することができるようにしてみた。先の発表のやり方で言えば、「高周波を減らす」という項目に重みをおいて、ハーフトーンパターンを自動生成するアプリケーションを作成してみたわけだ(バグ満載状態で)。説明は一切無し、しかもボタンを押す順番を間違えると上手く動かないという状態ではあるが、一応ここにおいておく。名前はhiraxtone.exeでバージョンは0.0…01という感じである。(白黒ニ値だけど24bitモードの)Bitmapファイルを読み込んで、多値のスクリーンを生成するようにしてある。
それでは、このhiraxtoneを用いて、ニ値画像を元に作成した多値階調ハーフトーンパターンの一例を次に示してみる。これは、先の"Studyof the Regular Division of the Plane with Horsemen"の一部分を縮小したニ値画像をもとにして処理してみたものである。 でもって、上で作成した多値階調ハーフトーンパターンを用いて、グラデーションパターンをハーフトーニングしてみた例が下の画像である。「単純にパターンニ値化した場合」と違って、「hiraxtone1で作成したパターンを使用した場合」はグラデーションが保持されているのがわかると思う。また、階調が保持されているというだけではなくて、まるでEscherのオリジナルの"Studyof the Regular Division of the Plane with Horsemen"のようなパターンにできあがっていることも判ると思う。
さて、ニ値画像パターンを利用してハーフトーニングすることができる、となると他にも色々と遊ぶことができる。例えば、自分だけのハーフトーンパターンを作ってみたくなることだろう。そして、さらにはその素晴らしいスクリーンに自分の名前を付けて広めてやりたい、と思うのは至極当然の話である。古くはBayerなどがそうしたように、自分が作ったスクリーンに自分の名前をつけてみるわけだ。
とはいえ、私が仮にスクリーンを作成してみたところで、そのスクリーンを私の名前で呼んでくれる保証はどこにもないのである。そこで、卑怯な手ではあるが、自分の名前を元画像にしてスクリーンを作成してみることにした。こうすれば、否でも応でもこのスクリーン形状を呼ぶために人は私の名前を使うことになるわけだ。
というわけで、私の名前「純」という漢字を元データにして、ハーフトーンスクリーン「純」を作成してみた。また、「純」とくれば当然もうひとつ「愛スクリーン」もさらに作ってみた。いや、別に「純愛」を目指そう、と気負っているわけではなくて、単にうちの兄弟は長男が「純」で長女が「愛」なのである。いや、少し気恥ずかしいけど、ホントの話そうなのだからしょうがない。
さて、作成した「純・愛スクリーン」さえあれば、「純愛」で世界を描ききることができるわけで、早速描いてみたのが、下の仲間由紀恵である。オマエの世界イコール仲間由紀恵か?とか、ソレってホントに「純愛」か?とか、つまらないツッコミを入れられそうな気もするが、そんなことはどうでも良いのだ。私はTRICK以来仲間由紀恵のファンになってしまったのだから、しょうがないのである。そしてまた、「純愛」を馬鹿にしてはイケナイ、と私は少しばかり思うわけなのである。(私の名前だから)
上の二枚をじっくり眺めてみると、結構キレイに仲間由紀恵が描かれていることが判ると思う。しかも、他でもないこの二枚の画像において、私は「純愛」で仲間由紀恵を描ききっているのである。これより、「純」で「愛」な仲間由紀恵はそうそういないハズなのだ。きっと、本物の仲間由紀恵が見たら「何てピュア〜でラブリーな私かしら。きっと、これを描いた人は心のキレイな人なのね!」と感激すること間違いなし、なのだ。
ちなみに、「純愛スクリーン」でハーフトーニングした仲間由紀恵の左眼の部分を拡大してみたのが下の二枚の画像である。瞳の奥にも、「純」と「愛」が溢れていることが判るハズである。それは言い換えれば、この仲間由紀恵の瞳は「純」イコール「私」で満ち溢れ、さらにはその瞳は「愛」で満ち溢れているのである。
(目の部分の拡大図) | (目の部分の拡大図) |
う〜ん、正直ちょっとムナシイけれど、だけどちょっと気持ちが良いのもまた事実なのである。やはり、「純・愛スクリーン」で描かれる世界はとても素晴らしい世界なのである。そうなのである。
さて、今回作成したhiraxtoneは、実際のところ自分でも言うのもなんだが、本当のところ今ひとつキレイな出力ができないし、大体思ったように動いてくれないのである。低周波優先として重み付けをしたハズなのに、どうもそんな風に動いていないし、計算にも時間がかかりすぎる。全てはビールを飲みながら行き当たりばったりにプログラミングするところがいけないのかもしれないが、どうも今ひとつなのである。また、本来であればもう少し元データの形状を残すことを優先(それは高周波優先にならざるをえないだろう)にするようなオプションもつけてみたいのである。
が、とはいえ今回はいい加減思いページになってきたこともあるし、ちょっと疲れてきたこともあるし、とりあえず「純愛」で世界を描ききったところまでで今回は終りにして、続きは次回以降に遊んでみたいのである。
2001-10-27[n年前へ]
■思えば遠くへ来たもんだ…
故郷を離れて三年目
「できるかな?」を某所で唐突に書き始めたのが、三年前の10月のことだった。今でもそうなのだけれど、「画像形成技術に関するエトセトラ」といういたって小難しい真面目な話がメインテーマで書いていた。そして、書く内容はそのままに、hirax.netを立ち上げたのが、その12月である。しばらくは、同時進行的に「最初に書き始めた場所」と「hirax.net」に落書きを続けていたのだけれど、今では「最初に書き始めた場所」の方はほとんど更新していない。それでも、書き始めた場所も今でもちゃんと残ってはいる。言わば、故郷はそのままに、外の世界へ飛び出したわけである。そんな風に、「故郷」を離れてもうすぐ三年目になるわけではあるが、とりあえずよちよち歩きを続けている。
何はともあれ、「できるかな?」も三歳の誕生日を過ぎたわけで、「ハッピーバースデー> ワタシ、ありがとー > ワタシ …」何て、ムナシク誕生日(ワタシでなく「できるかな?」の)を心の中で祝いつつ、そんな三年を振り返えってみると、その三年の間に周りでは色々な変化がおきた。
例えば、三年前であればワタシにとって検索サイト = infoseekだった。「検索サイトイコール infoseek」であって、「infoseek イコール 検索サイト」であったのである。しかし、今では検索サイトというとGoogle以外にはもう考えられない。私のインターネットエクスプローラには、当然GoogleToolbarがインストールされているので、何か検索したいものがあれば、そのToolbarにキーワードを入れるだけである。
最近ではよく知ってるサイトに飛ぶのにも、わざわざURLを入れるのがメンドくさいので、GoogleToolbarにキーワードやサイト名を入れて、そのサイトに飛ぶことも多くなってしまった。そして、ついには、検索先のページを見に行かずに、Googleのキャッシュを読んで済ますことさえ、実に多いのである。そう、Gooleはエライのである。「Googleは最も的確な検索結果を瞬時に表示します。」とGoole自ら誇るのも、実にもっともなのである。Googleは正しく、Googleは間違えないのである。物覚えが悪く、めんどくさがりやのワタシを救ってくれるのはいつもGoogleだったのである。
しかし、そんなGoogleの検索結果が私にショックを与えた。ある日、私は”オッパイ”というキーワードで検索をかけた、いや、知人がそのエロ検索をかけたということにしておこう。で、”オッパイ”で検索をかけた結果のサムネール画面が下の一覧である。左から検索結果の1位、2位、…、5位というように並べてある。また、同じサイト内のページは一つにまとめて表示してある。
で、これを眺めてみると、なんとhirax.netから「オッパイ星人の力学 第四回」が四位にランクインしているのである。世の中にオッパイページが沢山ある中で、「ワタシがオッパイ第四位?」ととてもビックリしてしまったのである。周りの桃色ページに囲まれて、唯一ワタシのテキストページがじっと所在無げにたたずんでいるのだ。ワタシの左は「オッパイねえちゃん」、ワタシの右は「アイドルのぷるるん…」、エッチな向こう三軒両隣、ワタシは一体何処にいるの?どうして、ワタシは此処にいるの…?と思わず考えてしまうのである。
Googleは正しく、Googleは間違えず、Googleは最も的確な検索結果を表示するハズなのだが、それなら何故ワタシのページがエッチな向こう三軒両隣状態になってしまうのだろうか。これはマズイ。Googleは「できるかな?」をエロページとでも思っているのだろうか?
これはイカン、「冷静になって今の自分の状態を把握せねば!」と、ちょっとエッチ系のキーワードで検索を続けざまにかけてみた。まずは、”オッパイ”という少しばかり曖昧な言葉ではなくて、もう少し具体的にエッチなキーワードにしてみるとどうなるのだ?ということで、オッパイ伝説のキーワードともいえる”松坂季美子”の検索結果が下である。
嗚呼、すると何とここでも「松坂季美子と言えば、世界中で四番目にはこのワタシ」なのである。そしてまた、向こう三軒両隣を眺めてみると、左は「アダルトビデオの販売店」、右も「アダルトビデオの販売ページ」、やっぱりエッチな両隣、ワタシは一体何処にいるの?なのである。
こんなものをワタシの母親にでも見られたら、ワタシは既にいい年であるにも関わらず、「こらっ!何ばしようとかいなこの子は!」(by武田鉄矢の母@「母に捧げるバラード」)と怒鳴られること間違い無しなのである。「今も聞こえる〜、あのお袋の〜声〜」なのである。
「何の何の、これはちょっとした間違い、間違い。ヘンな偶然がちょっと続いただけさっ」と気を取り直して、次は”スクール水着”で検索をかけてみた。
す・すると、何とスクール水着の第一位はワタシなのである。ワタシはスクール水着の世界チャンピオンなのである。思わず「スクール水着と言えばワタシですかぁ?このワタシが…」と絶句してしまったくらいなのである。「スクール水着と言えばワタシ、ワタシと言えばスクール水着」という必要十分条件でないのが不幸中の幸いではあるが、何ともビックリなのである。そして、今回もまたワタシ以外のページははもう何とも色使いまでよく似ていて、ワタシのテキスト主体のページは肩身が狭そうに薄汚れているのである。いや、薄汚れているまではいかないかもしれないが、少なくとも華やかな装いはしていないのである。
「できるかな?」が三年前、「故郷」を離れて「外の世界」へ飛び出した時には、「画像形成技術に関するエトセトラ」だったハズが、故郷を離れてはや三年経って、何時の間にかスクール水着の世界チャンプになってしまっていたのである。そして、知らないエロエロ向こう三軒両隣の中で、ワタシは肩身が狭そうにじっと佇んでいるのである。
呆然とするワタシの頭の中で武田鉄矢が歌う
思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて三年目という歌声が流れ出すのも、いたって当然の哀しい現実なのである。「オレは腐ったミカンなんかじゃねぇ〜」と「かとうまさる(加藤優@金八先生パート2)」のように叫びたくなったりもするのである。
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら
しかし、こんな状態は”スクール水着”に限った話ではなくて、 ”ミニスカート”でも同じだったのである。
またしても、ワタシはポールポジションを奪ってしまったのである。「超ミニスカートやセクシーキャミソール」やら「美脚NO.1の西端さおり」を後に従え、トップ・オブ・ミニスカートになってしまったのだ。えーい、もうワタシはミニスカ・チャンプでも、スクール水着・チャンプでもどうでも良いぞー。セクシーキャミソールでも、西端さおりでも何でも持ってこーい。いいから、早く持って来ーい。と、やけになってグレていたワタシを救ってくれたのは、やはりGoogleであった。ワタシを奈落の底に突き落としたのもGoogleであったが、救い出してくれたのもやはりGoogleであったのである。良いヤツなのか悪いヤツなのかよく判らないが、とにかくGoogleだったのである。
何故なら、WEBページを分類しているGoogleWeb Directoryを眺めてみると、わがhirax.netはちゃんと「World> Japanese > コンピュータ > グラフィックス > 画像処理・開発」 に分類されているのである。そもそも「エロ」という分類がGoogleWeb Directoryには見当たらないような気もするのではあるが、そんなことはどうでも良いのだ。やはりGoogleは「できるかな?」を「画像形成技術に関するエトセトラ」だと判ってくれていたのである。
とはいえ、何だかアンニュイな気持ちになるのもまた事実なので、武田鉄矢(海援隊)の「思えば遠くへ来たもんだ」の元歌詞でもあるだろう中原中也が歌った「在りし日の歌」中の「頑是ない歌」の替え歌でも口ずさみながら、一人寂しく誕生日を祝うのである。
ハッピーバースデー……、 しくしく…、 シクシク…(涙)。
あれから三年経つただけ
検索結果を茫然と
眼で追ひ 哀しくなつてみた
あの頃の俺は今いづこ?これでは まるでエロサイト
思へば遠く来たもんだ
此の先 まだまだ何時までか
続けてゆくのであらうけど…
2002-01-08[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 禁断の最終兵器編
ステレオ写真で巨乳ビジョン
元旦を実家のこたつで迎えていると、母に「オマエも最近はやっとマトモな話を書くようになってくれたわね」と言われた。そう、最近確かにできるかな?では「私と二度めに出会う水」「サンタが街にやってくる」「あなたと見たい、流星群」と、書いてるワタシが自分で言うのも何だがきれいな話が続いていたように思う。
しかし、それだけではマズイのである。砂糖だけでも塩だけでも料理はマズイのと同じように、何事も同じようなもの一つだけではマズイのである。そう考えるワタシはこれまでも、「ブランコを揺らす子供の動き」をメルヘンに考えてみる一方で、同じく「Gカップバストを揺らす女性の胸の動き」を考えてみたりしてきた。そして、結局のところ、その両方ともが純真でピュア〜で素晴らしいものなのだぁ、と主張してきたわけである。だから、いかにもきれいな話が続くのはマズイのである。それはいかにもマズイのである。
というわけで、2002年新春第一号は最近の話からちょっとズラして、これまで封印していた「オッパイ星人との戦い秘話」を書いてみたいと思う。
いつでも、正義の味方は人知れず戦い続ける。年末も年始も関係なく、地球を守るために日夜戦い続ける、それが正義の味方だ。…ワタシも周知の通り、日夜オッパイ星人と戦い続けている。これまでのワタシの戦記録は「オッパイ星人胸のヤング率編、揺れる胸の動き編、パラメータ励振編、バスト曲線方程式編、仏の手にも煩悩編、あなたのオッパイ星人度編、求む未来のヒロイン編」と橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」も真っ青の大河ドラマになりつつある。
とはいえ、以前も嘆いたようにオッパイ星人と戦うワタシの戦術はもっぱら専守防衛ただひとつである。何とかの一つ覚えのように専守防衛のみだったのである。それどころか、最近では単なる対オッパイ星人バトルの「自主学習」という状況にすらなりつつある今日この頃なのだ。
何しろ、オッパイ星人と地球人の見かけ上何の違いもなく、違いと言えばただ一つ「オッパイ星人達の目は女性のバスト(巨乳の場合多し)にロックインしている」ということだけなのである。となれば、オッパイ星人を見つけるためには、彼らが引き寄せられるような「巨乳トラップ」を用意して、「おとり捜査」を仕掛けるような戦術をとるしかないわけであるが、それも協力者の申し出が皆無であるため、孤独なワタシはそんな戦術は実行することができなかった。そのため、そんなワタシの戦術はもっぱら専守防衛(と自主学習)のみ、という日本が誇る自衛隊= セルフ・ディフェンス・フォースと完全に同じ状態だったのである。
しかし、近年ではそんな自衛隊、ワタシと同じく長く専守防衛を謳ってきた自衛隊でさえも、専守防衛と言う割には色々なところへ出かけていったり、さまざまな強力なフォースを持つに至っている。先日も、イージス艦をどこぞに派遣するしないで、世間をにぎわせていたばかりである。オッパイ星人と孤独な戦いを続けるワタシとはエライ違いなのである。
しかし、実はワタシも自衛隊のイージス艦ではないのだが、オッパイ星人の魔の手から地球を救うためにとある強力兵器を開発したことがある。それが、この「巨乳ビジョン」である。
(完成予想図) |
とはいえ、上の写真下部に(完成予想図)としてあることでも判るように、この強力兵器「巨乳ビジョン」はプロトタイプまでは作成したのであるが、量産するまでには至らなかった。いや、量産するどころではなくて、ワタシはこの「巨乳ビジョン」を実は封印してきたのである。今回はこの「巨乳ビジョン」がいかなる兵器であるかを説明すると共に、何故この強力兵器が封印されるに至ったかを書いていくことにしたい。
そもそも、この「巨乳ビジョン」の開発の目的は「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」をいち早く見つけだし、助け出すことにあった。実に不思議なことに、オッパイ星人達は何故か人目バストに目を走らせたならば、その大きさ・形状を把握するといううらやましいおぞましい能力を持っている。しかし、残念ながら幸運なことにオッパイ星人でないワタシはそのような能力を持ち合わせていないのである。だから、どうしても街中を歩く女性達の中から、オッパイ星人に狙われそうなバストを見分けることができなかったのだ。そこで、こんな状況を打ち破るために、ある日ワタシは考えた。ワタシも「見たバストの大きさ・形状を把握するような武器」を使えば、強力なオッパイ星人達と互角に戦うことができて、この哀しき専守防衛アンド自主学習状態から脱出できるのではないだろうか、と。
であれば、一体「見たバストの大きさ・形状を把握する」ためにはどのようにすれば良いのだろうか? もちろん、触ってみるなんてのは問題外だ。シャイなジェントルマンのワタシとしてはそんな不埒なまねはできないのである。 やはり、ここはhirax.netが得意とする画像処理技術を悪用有効活用すべきではなかろうか、とワタシは考えたのである。というわけで、ワタシは両眼視差を利用して、バストの立体情報を計算・再構成し、「一目見ただけでバストの大きさ・形状を把握する巨乳ビジョン」を作成してみることにしたのである。
そもそも、人間は両目で見ている画像の差を利用して、奥行き情報を知るわけであるが、このような処理を画像処理で行う技術は通常ステレオマッチング技術などと呼ばれる。であれば、二つのカメラを角度を変えて配置し、そのカメラで撮影した二つの画像からステレオマッチング法を用いて奥行き情報を再構成してやれば、平面画像中の大きさ・高さなどを画像処理技術により知ることができるのである。というわけで、二つの画像からバストの高さ・形状を計算・再構成してやって、「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」を見つけだそうという武器がこの「巨乳ビジョン」なのである。
その「巨乳ビジョン」の効果をまずは例をとりながら説明してみたい。まずは、以前「もう一つの目から眺めた世界/a>vでは、hirax.net式「平面画像立体化法」を使って、平面画像を立体化してみた。その立体画像から、奥行き情報を知ることができるだろうか? 何より最初に、平行法でこの二つの図形を眺めてみよう。青い四角が視点に近くせり上がってきて、緑の円はほんの少しだけ背景から浮かび上がっているのが見えるだろうか? それでは、この二つの画像を巨乳ビジョンを使って解析してみよう。ステレオマッチングにより画像の奥行き・高さ情報を計算するソフトウェアは色々とあるが、ZitnickkKanade氏らによるCooperative Stereo VisionアルゴリズムによるZK Stereoというアプリケーションもその一つである。わが「巨乳ビジョン」では、このZKStereoを使って上の二枚の画像から奥行き情報を計算している。その計算結果が例えば次のグラフである。このグラフ中では視点に近いほど高く描かれ(色は濃く)、視点から遠いほど低く(色は薄く)描かれている。 このグラフを眺めてみれば、青い四角が背景よりずいぶんとせり上がっていて、私たちの視点にとても近いようすがよく判ると思う。また、緑の円も若干だけ背景から浮かび上がっているようすも明瞭にはっきりと浮かび上がっている。 というわけで、「巨乳ビジョン」は平面画像から奥行き情報を再構成できることを確認した上で、問題のバスト画像で確認してみたい。サンプル画像として、"3DFeminine Photo Gallery"というページ中にあった画像を縮小したものを用い、先程と同じようにCooperativeStereo Visionアルゴリズムによりにより、奥行き情報を再構成してみたものが次のグラフになる。 見事に「二つの胸のふくらみ」(C.魔女っ子メグちゃん)が浮かび上がるのだ。思わず、シャランラシャランラヘイヘヘイと歌いたくなるほどである。このように、二枚の角度が異なる画像さえあれば、この「巨乳ビジョンは」バストの大きさが判るのである。 しかも、このバストの高さグラフにオリジナルの写真をマッピングしてみたりなんかすると、もう大変である。リアリティ満点で色んな角度からグリグリ眺めたりすることすらできるのである。カップのサイズも寄せて上げているようすもぜ〜んぶ知ることができるのである。 …し・しかし、である。これはあまりに強力すぎるのである。あまりにこの「巨乳ビジョン」はスゴすぎてシャレにならないのだ。この「巨乳ビジョン」が量産された日には、邪な心を持つヤカラによって悪用されかねないし、善良な心を持つものであっても、全てオッパイ星人扱いされかねないのである。 例えば、こんな風に巨乳ビジョンを装着した地球人でさえ、何かちょっとスケベなオッパイ星人にしか思えなかったりするに違いないのだ。恐るべし、巨乳ビジョンなのである。と・とはいえ、やはりこれでは正義の味方の武器としては使いものにはならない。これでは、絶対に悪用されて正義の武器どころか悪の象徴となってしまうかもしれないのだ…。 ワタシと同じく、専守防衛仲間だったハズの自衛隊のイージス艦の名前の由来は、ギリシャ神話の最高神ゼウスの娘が持つ「全ての邪悪を払う盾」イージスである。そのイージスの盾には、見るもの全てを石に変えるメデューサの首がはめ込まれている。 というわけで、ワタシはこのあまりに危険な最終兵器「巨乳ビジョン」を封印することにし、武器を捨てて街へ出て、改めてワタシの素手で「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達を見つけだし救おうと誓ったのであった。
(平行法)
奥行き情報を計算してみたもの
近い = 高い(色 = 濃い)
遠い = 低い(色 = 薄い)
Cooperative Stereo Visionアルゴリズムにより
奥行き情報を再構成してみたもの
そして、彼の手つきが意味するものは!?
イージスの楯はメデューサの首により見るもの全てを石に変えるが、この「巨乳ビジョン」は見るバスト全ての形を明らかにしてしまい、そして、見るもの全てをオッパイ星人に変えてしまうのである。あぁ、恐ろしきかな「巨乳ビジョン」…。哀しきかな、「巨乳ビジョン」…。
2002-02-18[n年前へ]
■「非線形処理+畳み込み処理」の公知資料
特開2001-216513を出願した方からメールをもらった。「自然対数を使う数式自体は昔からあるとは思いますが、画像処理ソフトで、この計算を使ってピンボケを作り出すソフトまたはそのアルゴリズムが存在したのかご存じないでしょうか。」ということだった。
「非線形処理+畳み込み処理」はおそらく公知資料があるのではないか、ただし、非線形処理と畳み込み処理のいずれもが実装されたソフトは昔から多々あるが、それをワンアクションで実装したソフトは無いかもしれない、と返事を出した。また、「ところで、私自身は特許はあまり好きではないです。といっても、個人としてはですけど。それに、特許を申請するXXさんの考えも良く理解できます。」と書いた。で、メールの最後に
「それで、少し知りたいのですが、私は自分で作ったプラグインなどもいつもそうしているように何かの話のネタを作って、ソフト自体はフリーで配布すると思います。で、私以外にも自分で画像処理やプログラミングをしている人は多いので、そんなこともあるだろう、と思いますが、そういうときにXXさんはどうされるつもりでしょうか?」
と書いた。それへの返事は来ていないが、もう少し調べてみた。構成としては、特開平08-241407や特開平09-130609が近いか。で、昔に遡れば公知資料もあるかしらん。しかし、特許調査で公知資料探しなんてまるで仕事みたいでイヤだな。
SUB 画像ボケが「非線形変換→畳み込み→非線形」で表されるとの記述は昔の教科書に載ってた。SUB 特開平09-181966畳み込みでボケ味を出す、複数画像を撮影することで任意の距離のボケを実現。 by オリンパスSUB 特開平09-130609等LUT→ローパスフィルター→LUTで画像ボケ信号を作成 by 富士写真フィルムSUB 特開平07-200817フィルタリングによりボケ画像を作成する ダイキン工業SUB 特願平09-542474対数変換をした上で畳み込みを行う画像変換 サイエンスアンドテクノロジーSUB 特開平08-285726畳込みによるカメラなどの光学系シミュレーション ホーヤSUB 特開平08-241407非線形変換→畳み込み→非線形変換の画像変換 IBMSUB 特開2000-20691非線形変換+デコンボリューションによるぼけ復元、背景の説明中に、非線形変換+畳み込みによるボケ計算を説明 キヤノン
2002-05-23[n年前へ]
■ImageTool Final
去年の新人君(金の卵)に計測画像処理の話を聞かれたので、とりあえずいつものようにImageToolとScion Image PC辺りを簡単に説明。で、つい前に3.0Finalバージョンになってた。粒子解析のまずは超入門編としては超おすすめです。
あともちろんNIH ImageのPC版のScion Image PCはStack機能を使いまくるのがコツ、と。もちろんどちらもフリー。(リンク)(リンク)