2000-03-26[n年前へ]
■透け透け水着の物理学 入門編
透過率の波長依存を探れ
少し前のことだった。舞台は妙高高原の露天風呂である。同じ職場の人とある話をしていた。話題は仕事に関する話で、主な話題は色々な物質の光の透過率や吸収の話だった。ずいぶん長いこと、そういった話題をしていた。
しかし、ふと気づくとなにかがおかしい。会話中に出てくる言葉が変なのである。さっきまで話していた「吸収波長」とか、「感度」とかいう言葉は依然として出てくるのだが、それに加えて変な言葉がどうも出ている。「透け透け水着」とか「丸見え」とか「ナイトショット」といった類の言葉である。これは一体どうしたことだ?これは非常にマズイ。
私たちがいるのは露天風呂である。私たちの数m横の壁の向こうは女性用の露天風呂だ。そこで、私たちは「透け透け水着」と「丸見え撮影」の話題をしているのである。非常に危険なシチュエーションである。逆に、隣の女性用露天風呂に入浴している人がいたならば、とてもイヤなシチュエーションである。隣が「変態さんいらっしゃい」状態だと思ってしまうだろう。
もちろん、心ある人が聞けば、私達が極めて誠実に「透け透け水着」と「丸見え撮影」の「科学」について論じているのはわかるはずだ。ましてや、私という人間を知っていたならば、なおさらである。
しかし、周りはもちろん私達の知り合いではないわけで、誤解されても何らおかしくない。いや、誤解されないのが不自然な位である。
もちろん、私は見えないものを可視化するのが大好きであるし、「32cmの攻防戦」について論じたこともあるが、誤解はしないで欲しい、とあの時周りにいた人達にひとこと言っておきたい。
さて、その時に話していたのは、ビデオカメラで水着が透けて見える話についてであった。あの有名なSONYの「ナイトショット」機能付きのHandyCamのことである。そのカメラでどうして水着が透けて見えるのかについて論じていたのである。その見える理由を聞かれた私は「透け透け水着は赤外線の透過率が高いから、と言われていますね。」と答えた。
例えば、「水着、透ける、ビデオ」で検索すれば、そういう解説が数多くある。それに、私は赤外線フィルムを使って風景撮影をするのが好きだったので、いくらか知識もある。しかし、それはあくまでも知識である。実際に水着の赤外線の透過率を調べたことがあるわけでもないし、可視光との差を比較したことがあるわけでもない。それはあくまで知識だけ、である。実証の伴わない知識というのは今ひとつ好きではない(いや、盗撮を実証するわけじゃないけど)。
そこで、今回は「水着が透ける理由」を実証してみたい、と思うのである。 透ける理由として、よく言われている
- 水着の色や生地によって波長毎の光の透過率が異なる
- 水着によっては、赤外光は屈折・散乱しにくく、透過率も可視光に比べて高いものがある
- 簡単に言えば、その水着は赤外光は透過しやすい、ということである
- ということは、赤外光で撮影をする限りにおいて、その水着は半透明であるようなものである
- また、可視光の影響を防ぐため、可視光をカットするフィルターを用いて、赤外光のみで撮影をする
- すると、なんと水着が透けて見える
さて、先ほどの「透け透け水着は赤外線の透過率が高いから、と言われていますね。」という言葉を実証するためには、色々な生地の透過率を波長毎に調べなければならない。そのためには、光を波長毎に分解する分光器が必要である。そこで、私は
で分光器を作ったわけである。 前回は、分光器の出力をデジカメで撮影した。しかし、これでは赤外光の計測もしづらい。そこで、秋月で可視・赤外対応のCCDボードを買ってきた。これを前回作成したHIRAX一型分光器に取り付けて、計測を行った。名付けて、「HIRAX一型分光器CCD+」である。
まずは、その分校計測出力例を示してみたい。下の写真は「CCDカメラで計測したスペクトルに、可視光の色対応を示すカラーバーを上に示したもの」である。これは前回と同じく、太陽光のスペクトルだ。水平軸が波長を示している。左が波長が短い領域であり、右が波長が長い領域である。可視光領域は左の1/3くらいの領域である。
鮮鋭化処理をかけたもの |
今回は、縦線状に見えるフラウンホーファー線が明らかに数多く見えるのがわかると思う。HIRAX一型分光器自体もスリット幅の改良などで性能がアップしてるのである。
それでは、まずはいくつかの材料の波長毎の透過率を計測してみたい。まず、使う材料は下に示すような色フィルターである。もちろん、こんな透け透けの材料で作った水着を着ている人なんているわけはない。これは、あくまで例である。
それでは、次に「HIRAX一型分光器CCD+」で計測した波長毎の透過性を示してみよう。まずは、赤色フィルタである。赤色フィルタを使用している部分は、使用していない部分に比べて、赤色(そして赤外領域)以外の波長がカットされているのがわかる。
例えば、赤色が見えづらい人であれば、このフィルターは透過性が非常に低く、「透け透け度」が低いフィルターである、ということになる。また、赤外光は透過しているが、すごく長波長側では透過率がかなり低いことがわかる。
また、次が黄色であり、赤色フィルタよりも短波長側まで透過性が高くなっていることがわかる。そして、赤外光の透過性は赤色フィルタよりも高い。
次に示す緑色のフィルタの場合は、緑の辺りの波長と赤外領域辺りの透過性が高いことがわかる。よく、ビデオカメラで赤外リモコンなどの赤外光を撮影すると、緑色に写ることがあるが、あれはこういった緑色のフィルタを使用しているのだろうか?
次が青色フィルタである。赤外光の透過性は結構低い、こともわかる。
CCDカメラで計測したスペクトルに、色対応を示すカラーバーを上に示したもの |
色々、面白いこともある。例えば、赤色フィルタの透過特性と緑色フィルタの透過特性を比べると、重なり合う(透過性が高い)領域(波長)がほとんどないことがわかる。
だから、赤色フィルタと緑色フィルタを重ねると、全然透けないわけだ。透過可能な波長領域がないワケである。こういうのを見ると、暗記用の赤色ペンと緑色下敷きの組み合わせを思い出してしまう。
さて、こういう風に材料毎の透過性を計測できるようになったわけである。さらに、赤外線フィルタの透過性を見てみたい。赤外線の波長領域をまずは実感してみたい、ということである。赤外フィルタは赤外リモコンの発光部のカバーを使用してみた。下に示すのが、「赤外フィルタ= 赤外リモコンの発光部のカバー」であり、
次が、赤外フィルタの透過性を示したものである。可視光はほとんど通さず、波長の長い赤外光のみ通過させているのがわかる。
さて、あまりにも画像が増えてページが重くなってきた。今回は分光計測を行い、赤外線フィルターの分光感度を計測したところまでで終わりにしたい。次回は、色々な生地の透過分光計測を行う予定である。「色々な生地が可視光では透過率が低くても、赤外光では透けて見えることがあるのか」調べてみたい、と思う。
2000-10-04[n年前へ]
■パンチラ盗撮・田代まさし、追放へ!
ミニスカートを撮ろうとしたら、結果的に映っていた。 by 田代まさし。いやはや。
2001-06-21[n年前へ]
■二十一世紀の「ミニスカートの幾何学」
可愛いAIBOはちょっぴりエッチ
「面白い記事がありましたが、読みましたか?ふふっ(笑)。」というメールが先日私に届いた。さてさて、一体どんな記事だろう?うむむ…?と見に行ってみると、それはZDNNのこんな記事だった。
- 「しつけ」られたAIBO——無線遠隔操作ソフトに,盗撮防止機能
- ( http://www.zdnet.co.jp/news/0106/08/aibo.html?0b06012410 )
しかし、しかし、である。これだけでは、先のメールの書き主が私にわざわざこのニュースを知らせてくれる理由がわけ判らないではないか。私はお茶ノ水博士のようなロボット博士でもなければ、TVチャンピオン常連のおもちゃオタクでもないのである。ましてや、先のメールの「ふふっ(笑)」は奇奇怪怪としか言いようが無い。もしかしたら、これは新手のAIBOの売り込みだろうか?あのSONYもついにSPAMを出すようになったか、あのSONYがなぁ、と思いつつ記事を読み進んでいくと、記事の終わり近くになってやっと疑問は氷解したのである。その部分を少し引用してみると、
今回,遠隔撮影を可能にするAIBO Navigator開発にあたって,ソニー社内でも盗撮問題が再浮上。AIBOを担当するエンターテインメントロボットカンパニー内に「倫理委員会」を設置するなど,盗撮問題に対して真面目に取り組んだという。ということだそうだ。なるほど、これはまさにである。理系学生の憧れナンバー1といえばソニーであるが、そのソニーの「真心」とも言うべきソニーの「倫理委員会」と私は同じような「研究」をしていたわけである。「女性のためのミニスカート理論の構築を目指していた」ミニスカートの幾何学はまさに「真心・倫理」を具現化した研究と言っても良いくらいであるが、やはり判る人には判るのである。先のメールの主は私に「あなたのレポートはまさに日本の倫理のために役立っているのですよ」と教えて下さっているに違いないのである。もっとも、残念なことに私はソニーの倫理委員会と違って「短いといわれているミニスカートの丈の長さを実際に定規で測って調べたり」する機会には恵まれなかったのである。
「AIBOのアタマが,ある角度以上に上を向くと,見てはいけないものが見えてしまう」(ソニー)ということで、倫理委員会では、まず盗撮される側のデータを収集。女性の平均身長の調査から始まり、短いといわれているミニスカートの丈の長さを実際に定規で測って調べ、AIBOの頭部カメラがどの角度までなら大丈夫かをさまざまな角度から調査。その結果、可動角度を最大20度とし、首の位置が20度以上動くようなモーションをしなくてはいけないときは、動画が止まる機構までも装備した
が、そんなことはさておき、「角度で20度までなら、見てはいけないものが見えない」というのは本当だろうか?それは、ミニスカートの幾何学で調べるとどういうことになるのだろうか?というわけで、このナゾについて少し考えてみたい、と思うのである。
というわけで、まずは「ミニスカートの幾何学」の復習をしよう。ミニスカートの内側の下着が見えるか、見えないかを考えるには次のような図を考えると判りやすい。ここでは女性の真下の地点を原点にとり、水平方向にX軸をとり、鉛直上向きにY軸をとっている。
スカートの内側の「見てはいけないもの」が見えてしまうのは、上の図で緑の線よりも下側に入って、その緑の線より上を見上げた場合である。そして、ここでその緑の線は
- 女性の下着の一番下の部分の位置
- ミニスカートの一番端の下の位置
それでは、その「限界角度」を調べるために、とっても簡単「ミニスカートの幾何学」を活用しよう。まずは、例えば女性のヒップ周りが88cmとしてみた場合に、スカート中央から端までの長さ(rcm)は、女性のヒップを円と近似すると、
2πr = 88cmであるから、スカート中央から端までの長さ(r cm)は
r = 14cmとなる。すると、図を見ればわかるように、緑の線 -> 「下着防衛ライン」はスカートの丈を未知数として、
y = - ((スカートの丈 - 25)/14) x + 股下長さという式で表すことができるわけだ。ここで、「AIBOがそれ以上上を向くと見てはいけないものが見えてしまう」という緑の線の角度は
ArcTan[ (スカートの丈 - 25)/14 ] / (2 π)*360で表されるから、それを計算してみて、「スカートの丈」に対する「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度を計算してみると、その結果は次のグラフのようになる。
このグラフを見れば判るように、女性のスカートが長くなれば長くなるほど、「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度は大きくなる。当り前である。長いスカートの中を覗こうとしたら、AIBOはそのスカートの中へ入り込んで、かなりの上を見上げなければならない。もちろん、スカートの丈が短くなればなるほど、スカートの中身は覗きやすくなる。そうすると、AIBOがそれほど上を見上げなくても、「見えてはいけないもの」が見えるようになってしまうのである。
さて、前回の「ミニスカートの幾何学」では女性達が履くスカートは短くても32cmまでであって、その長さであれば角度が30°ほどにもなる急な階段でも女性のスカートの中の「見えてはいけないもの」は見えることが無い、ということを明らかにした。というわけで、それを知ってか知らずか女性達の履くスカートは短くても32cmまでなのである。だとすれば、その32cmに対応する限界角度は「見てはいけないものが見えるための必要角度」ということになるわけである。
すると、このグラフを見れば一目瞭然、スカートの下限「見てはいけないものが見えてしまう」限界角度は20数度よりも大きいことが判るのだ。ということは、先の記事の通りに、AIBOの首の上限角度を20度にしておけば、もうどうやってもAIBOはスカートの中身を覗くことができなくて、AIBOが盗撮者の手先となってしまう危険は防ぐことができるのである。それより上を眺めれば、見たことのない映像が見ることができるハズなのではあるが、ロボット三原則に基づいて(大ウソ)、AIBOの首はそれより上には上がらないように設計されているわけである。
というわけで、こんな風にソニーの「倫理委員会」がうらやましいばかりの数々の実験を重ねて調べたことも、このミニスカートの幾何学から導き出すことができるのだ。あぁ、なんて社会の役に立つ研究なのだろう。こんな女性のため、社会正義のための幾何学がこの他にあるのだろうか…。しかし、そんな社会正義のための研究だったハズなのに、この「ミニスカートの幾何学」をきっかけにしてhirax.netが色モノサイト扱いされ、さらには有害サイト扱いされるようになるとは… 思いもしなかったなぁ… ふっ… (涙)…。
2002-09-26[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 「胸の谷間」編
新兵器「巨乳ビジョンLight」
一見平和に見える島国でも色々な敵が潜入してくる。時には高速艇で日本海へ、そしてまた時には飛行機に乗ってディズニーランドへ、そして時には未確認飛行物体UFOに乗って色んな異星人達が日本へ潜入してくる。ワタシは、そんな異星人達の一派、オッパイ星人達と日夜戦っているのである。「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達をワタシはいち早く見つけだし、オッパイ星人達から可愛そうな子羊達を守るために、ワタシは日夜巨乳(あるいは微乳の)子羊達を見守っている。「オッパイ星人に狙われそうな巨乳はいないか~、揺れる胸はいないか~」と東北地方に住むナマハゲのように、人知れずパトロールを続けているのだ。
そんな毎日の戦いの中で、かつてワタシは「見るバスト全ての形を明らかにしてしまう恐るべき最終兵器- 巨乳ビジョン -」を開発したのだった。しかし、左右のステレオビジョンでターゲットにロックインして激写し、撮影された複数画像からステレオマッチング法でバストの形状を明らかにする巨乳ビジョンには大きな問題があったのである。二つのレンズが左右に並ぶ「巨乳ビジョン」の勇姿はどうみても異様なのであった。巨乳ビジョンを装着しfoたワタシの姿は明らかにヘンでアブナイやつなのである。恐るべき異星人-オッパイ星人-と日夜戦い続け、地球を守る正義の味方には決して見えないのであった。どうしたって「スケベな盗撮野郎」に間違えられてしまうのである。
世間で平和に暮らす愛すべき日本の人々がオッパイ星人の地球への襲来をちゃんと知っていて、日本全土に「オッパイ星人襲来」非常事態宣言でも流されていたとしたなら別なのであるけれど、一見平和に見える(実はそうでないのだが)この日本では「双眼レンズの異様なカメラ-巨乳ビジョン -」はなかなか使うことができないのであった。日夜地球を守る、人知れず人々の平和な生活を守るためには、つまりは人知れず「オッパイ星人に狙われそうな可哀相な子羊(巨乳)」達を見つけだすためには、異様な姿ではない巨乳ビジョンの新開発が欠かせなかったのである。決してヘンでアブナイやつ、ましてや「スケベな盗撮野郎」になんか間違えられたりしない「一見、普通のカメラ風の巨乳ビジョン」が必要なのであった。
そこで、ワタシが開発した「巨乳ビジョンの簡易バージョン、一見普通のデジタルカメラ風の巨乳ビジョン」が今回の話の主人公- 巨乳ビジョンLight - だ。画像処理ソフトPhotoshopに簡易バージョンPhotoshopLEがあるように、そしてモーニング娘。にプッチモニがあるように、最終兵器「巨乳ビジョン」の簡易バージョンが「巨乳ビジョンLight」なのである。双眼の異様な姿では決してなく、単なる普通のデジカメを使うことができる画像処理システム、それが「巨乳ビジョンLight」なのだ。
そもそも、初代「巨乳ビジョン」は左右の両眼視差を利用してバストの立体計測を行うメカニズムになっていた。「人間は両目で見ている画像の差を利用して、奥行き情報を知るわけであるが…」と前回の巨乳ビジョンの開発記で書いたように、角度を変えて配置した二つのカメラで撮影した二つの画像から、ステレオマッチング法を用いて奥行き情報(つまりはオッパイの高さ)を再構成していたのである。そのために「巨乳ビジョン」は双眼の異様な姿になってしまっていたのである。
しかし、考えてみれば人間が立体感を得る手がかりは両眼視差だけではないのである。立体感を得るためには、他にもいくつもの手がかりがある。そのいくつもある手がかりの一つが「陰影」である。女性の化粧が(男性の化粧においても)多くの場合鼻を高く見せたりするために、鼻周りの「陰影」を強調したりするように、「陰影」は立体情報を得るための大きな手段なのである。例えば、下の二つの図形、「陰影」がある場合と「陰影」がない場合を比べてみれば、どちらがハッキリと立体感を得られるかは明らかだろう。そう、左側の「陰影」がある場合は見事なまでの半円状のたわわな巨乳形状を感じとることができるのに対し、右側の「陰影」が無い場合ではそんな官能的な形状を感じ取ることはできず、むしろ真っ平らに見えるに違いないのである。実は全く同じ形状であるにもかかわらず、陰影の有り無しの違いだけで「巨乳」と「クレーター」の差になってしまうのである。
こんな風に、「陰影」がある場合のたわわな巨乳形状を見れば一目瞭然なように、「陰影」による立体感が「オッパイの形状認識」に及ぼす影響はとても大きいのである。その代表的な例が「胸の陰影が描き出す胸の谷間」である。試しに「胸の谷間」でGoogle検索(おこちゃまは禁止)をして入手した典型的な「胸の谷間」画像を眺めてみれば、そんな「陰影」によるオッパイ形状認識に及ぼす影響の偉大さを感じ取ることができるハズだ。
実は、今回の主役「巨乳ビジョンLight」はこの「陰影」を手がかりにオッパイの形状認識を行うのである。「光」が描き出す胸の谷間の陰影、その「光=Light」による微妙な陰影を手がかりに「巨乳ビジョンLight」は見るバスト全ての形、特に胸の谷間の立体形状を明らかにするのである。そう、「巨乳ビジョンLight」はLightの力を利用するが故に、「巨乳ビジョンLight」であって、単なる廉価版「巨乳ビジョン」ではないのである。「巨乳ビジョンLight」の名は体を表してるのである。光があるところに陰がある。山があるところに、谷がある。もしそこに巨山があるならばやはり巨大な谷ができ、巨大な陰ができる。それすなわち「胸の谷間」なのである。だから、その陰影を「巨乳ビジョンLight」で解析してやるならば、山谷の立体形状を知ることができるのだ。
というわけで、実際のところ「巨乳ビジョンLight」は基本的に普通のデジカメで撮影された画像に対して立体解析を行う単なる画像処理システムである。ワタシはそのシステムのために、まずはPhotoshopとExcelのような表計算ソフトを連携させるプラグインCSVf(制作日記)を作成した。
これは画像の値を表計算方式のセルで表示させ、その表示されたデータをExcelでグラフにしたりすることができる。つまりは、画像データを解析して、色々な表示方式で立体化することが素晴らしくも簡単にできるようになるのだ。もちろん、フリーのソフトウェアでもScionImagePCやImage Toolなどで似たようなことはできるが、表計算方式のセルで表示という点において、このCSVfは使い勝手の点で勝っているハズである。
そして、先ほど入手した「胸の谷間」画像に対して、試しに画像解析を行ってみることにしよう。何はともあれ、単に「胸の谷間」画像を立体化してみた場合の結果を眺めてみることにしよう。まずは、単純に画像の明るさを「バストの高さ」に直して、等高面グラフにしてみるのである。ちなみに、右肩上方から胸の谷間を覗くような方向に視線を設定して、三次元グラフに表示してみることにする。三次元グラフは色々な方向から眺めることができるが、やはり「胸の谷間」を覗く視線ベクトルは「右肩上方から斜め下60度」であるべきなのだ。
とはいえ、この「胸の谷間(点線で囲った矩形領域)」を単純にCSVfで立体グラフに直しても、下のグラフのようなわけの判らないグラフになってしまう。それはもちろん当たり前である。単純に「画像の明るさ」=「バストの高さ」になるわけがないのである。ほんの少しだけ、実写真の「胸の谷間」の高さ分布と似たような形状になってはいるが、これでは全くの別物であることは間違いない。よほどの想像力豊かな人であれば別だと思うが、少なくともワタシはこのグラフからでは「胸の谷間」を想像することはできないのである。
実は、「胸の谷間」画像の陰影からその立体形状を再構成するためには、この「胸の谷間」画像中の各ピクセルの「明るさ=輝度」を積分してやらなければならないのだ。詳しくは、次回以降のオッパイ星人の力学 「胸の谷間」の法線ベクトル編でそのベクトル解析理論と解法アルゴリズムを述べることとして、今回はまずはそんな作業を実際にしてみた例を次に示してみることにしたい。
下のグラフが、「胸の谷間」画像の輝度をXY方向に積分し、胸の谷間を再構成してみた結果である。つまりは、先ほどの「胸の谷間」画像から新兵器「巨乳ビジョンLight」を使うことで得られる胸の谷間の立体形状なのである。先ほどの実写真と比べてみれば、驚くほどにその立体形状・胸の谷間の形状を再現・解析することができていることが判るだろう。しかもExcel上ではこのグラフをぐりぐりぐりぐり・ぐるぐるぐると色んな方向から眺めることだってできるのである。これが、「巨乳ビジョンLight」システムの恐るべき能力なのだ。
このグラフを色々な角度から眺めれば眺めるほど、素晴らしく官能的な「胸の谷間」の立体形状を認識できていることがわかると思う。寄せて上げて胸の谷間がプレートテクトニクスのように作り出されているようす手に取るように実感できるハズだ。これが科学の力なのである。正義の武器廉価版「巨乳ビジョンLight」なのである。Pyramidパワー、ダウンジングGPS捜査、「思い込み」エネルギー、など他にも超科学の力で日夜戦いを続けている数多くの正義の味方達がいるが、ワタシもこの「巨乳ビジョンLight」を武器にオッパイ星人達との戦いを優位に進めたい、と思ったりするのである。
とはいえ、初代「巨乳ビジョン」が「バスト全ての形を明らかにしてしまう」というその恐るべき能力と、その異様な(ヘンな)姿を理由にワタシが人知れず封印してしまったように、実際のところこの「巨乳ビジョンLight」だって、見てくれは「単なるデジカメ+解析ソフトウェア」であるにしても、やってることは「スケベな盗撮野郎」と違うとは言い切れないのだ。いや、初代「巨乳ビジョン」の方はまだ少しは計測っぽい感じが残っていたけれど、単なるデジカメ画像で十分使用することができる今回の「巨乳ビジョンLight」ではもう全く持って盗撮野郎と同じなのである。いくら何でも、普通のデジカメで街行く女性のバストを(人知れず)撮影し、そのバストの形全てを(勝手に)明らかにしてしまうなんてことは、いかにワタシがオッパイ星人と戦う正義の味方といえども決して許されるわけはないのである。
というわけで、結局のところ「巨乳ビジョンLight」は実際に街中で使用できるわけもなく、オッパイ星人と日夜戦うhirax.netオッパイ戦隊の兵器庫にまたひとつ封印された禁断の武器が増えてしまったのである。今回のオッパイ星人対戦記はこんなふうにほろ哀しく終えるわけであるが、これに懲りずにこれからもワタシは強力兵器の開発を続けていくのである。それが、孤独な正義の戦いというものなのである。
2004-01-22[n年前へ]
■"MILK"
最近、通勤途中に槇原敬之のMILKを聴いている。この歌は二丁目界隈では人気が結構あると聞く。そういえば、最近はオッパイ星人だと「勘違いされる」ことも多い私だけれど、誰からだったかゲイだと思われていたこともあった。オッパイ星人とゲイは両立するのだろうか、と考えだすと首をひねりたくなるような気もする。けれど、「オッパイ星人」なんかを書くずっと前のことだからそう不思議でもないのだろうか。いや、本人からすればヤッパリ不思議だとしか言いようがない。
そういえば、ラブホテルでバイトした時に「女性同士のカップルは休憩・宿泊ノープロブレムだったのだけれど、男性同士のカップルの入室は遠慮してもらう」ということになっていた。それは、男性二人連れは盗撮目的かもしれないから、というトンデモナイ理由だった。とんでもなく失礼な話だ。ずっと昔のことだから、そういう偏見があったのだろうか。あるいは、今もそういう偏見があるのだろうか。いや、現在であれば男男でも女女でも男女あるいは女男でも、つまりはどんなカップリングでも盗撮用のカメラ設置をするヤカラはいるだろうから、少なくとも「盗撮防止のため」という理由は淘汰されているに違いない。きっと、今なら何でもアリなのだろう。
最近はどうなっているんだろう?女男でも男男でも…何でもOKになっているのだろうか。