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2001-07-25[n年前へ]

遠い空のはて? 

地平線の向こうに手を伸ばせ

 先日、富士山の五合目へ行った。と一言で言っても、富士山の五合目にも色々ある。何しろ上り口が、第一人気の「吉田口・河口湖口」、下りの「砂走り」で有名な「御殿場口」「須走口」、そして測候所の白ドームを目指し最短距離一直線の「富士宮口」と四種類もあるのだ。その色々ある五合目の中で、先日私が行ったのは富士宮口の五合目というところだ。富士山の太平洋側から富士山頂に向かう登山口の標高2400m地点ということになる。もしかしたら、表富士五合目と言う言い方のほうが有名なのかもしれない。

 その表富士五合目から下を眺めると、ずいぶんと遠くまで見えることに本当に心からビックリした。雲が下のほうに広がっていて、そしてその向こうに海や山や地平線が見える。そして、気のせいか地平線がとても丸いような気がする。その五合目までは車で簡単に来ることができたのだけれど、さすが標高2400mは伊達ではなかった…。やっぱり富士山は日本一の山かもしれない…。そして、そんな景色を眺めているうちに、私は色々考えてしまった。
 

 あぁ、下を眺めると遠くまで景色が本当にきれいだ。そういえば、眺めると言えば…

 これまで、私は急な階段の下から上を眺めたらスカートの内側の下着なんかを覗けるかどうかをジックリ考えてみたりしてきたなぁ。それに、SONYの誇る可愛いらしいAIBOの気持ちになって、やっぱり同じく低いAIBOの視点から上を見上げたらやっぱりスカートの内側が覗けるかどうかを考えてみたりしたなぁ。見上げてばっかりだなぁ、しかも、どれもスカートの内側かぁ…。
 そういえば、透け透け水着もマズかったなぁ…。あれ、本当に仕事の話から始まったんだけどなぁ…。誰も信じてくれないし…。

 あぁ、だけど、やはりそんなことを考えていてはいけなかったんだ…。そんなことをしてたから、画像処理追求サイトを目指したハズだったのに、何時の間にか有害サイト認定されてしまったりしたに違いないんだ…。ついには、「こどもに見せられないページ」保証までされたりするしなぁ…

 私は一体何処で間違えてしまったのだろう…? あぁ、それにしても地平線がきれいだ…。地平線が丸い…。 あぁ、地球はやっぱり丸いんだなぁ…。


 と、まるで「生きる」で「ブランコに乗りながら人生を振り返る」志村喬のように、我が身を振り返っている内に、ふと「そういえば、地平線って一体どのくらい向こうにあるんだっけ?」と考えはじめてしまった。そもそも、地球が丸いからどうしてもある距離以上は見通すことができなくて、それが地平線なわけだけど、それは一体どのくらい先なのだったのだろうか?

 おぼろげな記憶を辿ると、意外に地平線は自分の近くにあって、確かほんの数km先程度だった気がするのだけれど…。さて?あれ? はて… 果て…?

 というわけで、地平線までの距離を計算してみた。まずは、そのために下図のように視点の高さYと地球の半径Rをとってやる。
 

地平線までの距離を計算するために…

 「視点位置」と「地球中心」と「地平線」を結んだ三角形(グレーで塗りつぶした部分)がもう簡単なくらいに直角三角形なことに注目して解いてみると、「地平線までの距離」は「視点の高さY」の関数として

というような形になる(計算が合ってれば…)。これに、地球の半径R = 6400kmを代入してやれば、視点の高さYに応じた地平線までの距離が求められるわけだ。

 そこで、まずは視点の高さが0〜3m位までの場合をグラフにしてみたのが次の図である。歩き始めて広い世界で暴れだすだろう頃の一才児の身長を緑、そして、かつてはデカイの代名詞といえばコイツという存在だったアンドレ・ザ・ジャイアントの身長223cmを青で記入してみた。
 

視点の高さが0〜3m位までの場合の地平線までの距離( km )
みどり:歩き始める位の一才児の身長 = 70cm
青:アンドレ・ザ・ジャイアントの身長 = 223cm

 このグラフを見ると、一才児の地平線はおよそ3km先にあって、アンドレ・ザ・ジャイアントの地平線は5〜6km先にあることがわかる。もちろん、その間の身長の人達の地平線はその中間、そう4km先くらいにあるわけだ。私たちの地平線はほんの4km先、なんと走ればほんの20分位のところ、歩いても一時間かからない程度の近くに地平線はあるのだった。地平線なんていうと、遥か遠くにあるように思えるけれど、手の届くほんのすぐ先にいるのである。

 そして、歩き始めた子供の地平線と巨人アンドレ・ザ・ジャイアントの地平線がたいして変わらない、というところも面白いものだ。あれだけ背が高ければ、さぞかし広い世界を眺めているのだろう、と思ったりするがそういうわけでもないのである。

 じゃあ、もう少し高い場所に行くとどうか、ということで1000mまで視点の高さを上げてみたのが次のグラフである。東京タワーの特別展望台の250mを緑で、あくまで計画中の秋葉原タワーの特別展望台の500mを青で示してある。 ここまで上がると、250m地点で地平線は60km先になり、500m地点では80km程度先まで見通せることになる。東京駅の位置からの距離で言うと、60kmでは箱根くらい、80kmで三島くらいだろう。
 

視点の高さが0〜1000m位までの場合の地平線までの距離( km )
みどり:東京タワーの特別展望台
青:計画中の秋葉原タワーの特別展望台

 調子に乗って、さらに視点を高くしてみよう。先の表富士の五合目2400m地点では200km近く見渡せ、東京駅からの距離で言うと地平線は遠く浜名湖辺りまで離れていく。そして、さらにさらに視点を上昇させ、ジャンボジェット機の巡航高度地上10kmからであれば、なんと350kmほども見渡せるのである。350kmだと東京駅から京都くらいだろうか。東京-京都と言えば、そうちょうど東海道五十三次だ。江戸時代の人達が一月近くもかけて歩いたくらいの彼方まで地平線は後ろへ下がっていくわけだ。地平線は時が流れるにしたがって、遠くに広がっていくのだ。
 

視点の高さが0〜10km位までの場合の地平線までの距離( km )
みどり:表富士の五合目
青:ジャンボジェット機の巡航高度

 そのジャンボジェット機から見える地平線は、かつては一月近くもかけて歩いたくらいの遠く、400kmも遠くなのだから、そこまで行くと地平線が「遥か遠く」に思える。一瞬そう思える、のだけれど実はそんなことはない。ジャンボジェット機の速度からすれば、そんな遥か彼方の地平線だって、やっぱり30分ちょい位のすぐ近くだ。私たちが普通に立っているときの地平線が4〜5kmくらいのすぐ近くにあって、歩いてみればやっぱり30分ちょいで行ける、というのとほとんど同じなのだ。
 



ジャンボジェット機から眺めた地平線(水平線)



 五歳くらいの子供の地平線と、空を飛び回るジャンボジェット機の地平線を時間を距離の単位として比較してみれば実はほとんど同じ遠さだ、というのは何だかとても面白い。大地の果てと天とが接っする地平線はとっても近くにあって、そこまで行くのにかかる時間は小さな子供でも巨大なジャンボジェット機でも同じなのである。

 「地平線」なんて言うと、まるで「手が届かないもの」の代名詞みたいに使われたり、あるいは「その先には何があるのかわからないもの」の代名詞に使われたりするけれど、ちょっと行こうとして見れば、片道30分ちょっとでその「地平線」まで辿りつくことができるわけだ。案外、遠くにあると思い込んでいるものも、手を伸ばしてみれば、もしかしたら手が届くものなのかもしれない。しかも、それは地平線まで辿り着く時間が小さな子供でも巨大なジャンボジェット機でも同じだったように、誰でもできたりするものなのかもしれない。

 もちろん、かつての「地平線」だった場所まで辿り着いたとしても、新しい「地平線」は視界の向こうに下がって行くわけなのだけれど、そこまでだってやっぱり歩けばほんの30分だ。遠い空の果て、地平線の向こうは、すぐそこだ。

2003-02-23[n年前へ]

ブラジャー・カップ解体新書 

オッパイ星人のJIS規格

 ワタシは人知れずオッパイ星人と長い戦いを続けている。それはとても孤独な戦いではあるのだけれど、時にはワタシの正義の意志を理解し、ワタシと同じく地球を守ろうとする同士から貴重な助言をもらうこともある(たまに)。例えばそれは、「オッパイ星人達の母星はどうやら二重星らしい」という異星人に関する情報であったり、はてなダイアリとあるポータルサイト」がオッパイ星人により作り出された疑いがあるという情報であったり、Bカップ好きは「好みとしては中途半端、そんなの微妙過ぎー」であるらしいという教訓や、動画解析の参考になるのではないでしょうか?という20MB弱のエロムービービデオ資料や、とにかく色々と参考になる助言を(たまに)頂く。

 そんな助言の中でも特に興味深かった情報が、エージェントたまごさんが調査した「たまごのじっけん。(おブラ解体新書?)」というブラジャーのサイズに関する調査資料だ。たまごさんからの

一度、たった一度でいいので、(ブラジャーを)着用してみてください。そうすると、
「あー女のヒトって、たいへんなのね~」
「ココはもうちょっと…」
など、新たなコトに気づくはずです。

世の中の男の人が、必ず一度ずつ着用すれば、
もっと色々な下着が生まれると思うんですけどね~

というアドバイスと共に紹介して頂いた「ブラジャーのカップのサイズはどのようになっているか」ということを調査した貴重な資料なのである。これが非常にワタシの戦いの参考になったのである。

 なにしろ、オッパイ星人と戦ってはいるのだけれど、実際のところオッパイを自らの胸に装備しているわけでもないワタシが「オッパイ星人の力学 -胸のヤング率編 - 」の戦いを始めた頃は、『胸のバスト直下の部分の胸囲= 「アンダーバスト」と、バスト部分の胸囲 = 「トップバスト」の差からブラジャーのカップサイズが決まる』ということすら知らなかったのである。そしてまた、ブラジャーのカップのサイズを知るために、ブラジャーのサイズを規定しているというJIS規格JISL4006 「ファンデーションのサイズ」を取り寄せて調べてみたりもしたのであるが、そこには単に『「アンダーバスト」と「トップバスト」の差からブラジャーのカップサイズが決まる』という程度の情報しか記載していなく、具体的なブラジャーのカップ形状について役に立つ情報がほとんど得られなかったのである。
 

JIS L4006 「ファンデーションのサイズ」

 仕方がないので、「胸のヤング率編」ではバスト形状として適当に「半球モデル」なんていうものを導入してみたわけであるが、それが果たして正しいのか否かですらこれまでワタシは皆目検討がつかなかったのである。ブラジャーのカップがそんな単純な形状だったりするかどうかは非常に疑わしいものだとすら思っていたのである。そしてまた、後の戦いである「オッパイ星人の力学第四回 - バスト曲線方程式 編 -」では 「水風船モデル」なんていうものを提唱してみたが、この「水風船バストモデル」から計算されるすごくハリのあるヤングなロケットバストなんて想像上の産物に過ぎないとすら思っていたのである。こんな突き出た楕円体みたいなバストなんか果たして存在するものだろうか?と自分でも疑問に思っていたのである。
 

これまで作ってみたバストモデルの例
「半球モデル」
「水風船バストモデル」

赤:すごくハリのあるヤングな皮膚の場合 
マゼンダ:普通のハリを持つ皮膚の場合 
藍色:ちょっとハリの少ない皮膚の場合 

 しかし、「おブラ解体新書」の中にあるまどか(たまご)さんやリエンさんらによる

  1. 同一カップサイズ(A70, A75, A80, ...)では、アンダーバストが5cm増す毎に、カップ内側の直径が5mm増す。
  2. 同一アンダーバストサイズでは(A80, B80, C80, ...)では、カップサイズが1つ大きくなる毎にカップ内側の直径が5mm増す。
  3. つまり、アンダーバストが5cm小さくなり、カップサイズが1つ大きくなった場合には(ex.A80→B75)、カップ内側の直径は同じになる。 
というカップのサイズに関する調査結果を読むと、例えばA90のカップはE65よりデカイとか、実は、C70のカップはB75と同じ直径だ、とか色々なことが判るのである。例えば、そんな単純な「半円カップ」で
  • 80cmAカップ
  • 80cmEカップ
  • 80cmIカップ
  • 95cmAカップ,
  • 115cmAカップ
を描いてみると、80cmEカップ=95cmAカップ, 80cmIカップ=115cmAカップになっている様子が判るだろう。そしてまた、95cmのアンダーバストの場合にはAカップでも十分過ぎる(?)ほど大きく、もう少し小さいカップが欲しくなる女性がいてもおかしくはないことも判る。115cmAカップに至っては、Aカップにも関わらずどう見ても「巨乳」としか言いようがないのである。
 
単純な「半円カップ」 (各軸の単位はcm)
80cmEカップ=95cmAカップ, 80cmIカップ=115cmAカップになっている
 
80A
80E
80I
80A
95A
115A

 そして、「おブラ解体新書」の中の重要な情報はそれだけでなく

  1. A70など、アンダーバストが小さくカップも小さい場合は、カップ深さがカップ半径に比較して小さい=扁平な楕円体バスト。
  2. A80とC70というような辺りでは、カップ深さとカップ半径が同じ=カップ内が半球
  3. D or Eカップ(アンダーバストサイズによりけり)以上の場合は、カップ深さがカップ半径に比較して大きい=ロケットバスト(突き出た楕円体バスト)
というようなカップの形状に関する調査結果が記されているのである。つまり、実はとても単純に思える半球モデルを採用しているブラジャーもあったのだということや、大きいカップではロケットバスト(突き出た楕円体バスト)形状にすることができるのだとか、つまりはこれまでのワタシの戦いが間違っていなかったことが判ったのである。孤独な正義の戦いが間違っていなかったことが判るのであった。

 そして、こんな「おブラ解体新書」からの情報と

  • ブラジャーのカップの容積や
  • 75Gのブラのカップの深さが約10cm、90Dの深さが約8cmで、カップ底面の直径が75G、90D共に同じ15.5cm
といった情報や調査資料がこれまた詳細に記録されている「巨乳な日々スペシャルの研究報告」からの資料をもとに、そこに挙げられている条件を全て満たすような境界条件の下で「現実のブラジャーに近いカップ」モデルを逆算してみた。そして、いくつかの例を描いてみたのが下のものになる。80cmEカップは95cmAカップよりも大きく、80cmIカップに至っては115cmAカップとは大きく異なっておりまさにロケットバストになっているようすが判ると思う。
 
今回得られた「現実のブラジャーに近いカップ」モデル  (各軸の単位はcm)
80cmEカップは95cmAカップよりも大きく、
80cmIカップに至っては115cmAカップとは大きく異なりロケットバストになっている
80A
80E
80I
80A
95A
115A

 

 今回挙げたのはワタシの戦いの毎日の一例に過ぎないが、ワタシのオッパイ星人との長い戦いを理解しワタシの戦いを助けてくれる同士からの情報を元に、ワタシはオッパイ星人と戦うための研究を日々続けているのである。それも全て、そんなワタシの正義の意志を理解してくれる人が(数少ないながらも)いるからなのである。
 
 

 ところで、まどか(たまご)さんの「おブラ解体新書」のリンクページの「hiraxさん、かなりのおっぱい星人です」という一文はなんでしょね?ワタシは地球人でオッパイ星人じゃないっていうのに…?いや、ワタシの目の錯覚かな…?あと、

オッパイ星人なひらばやしさん、
眺めたり、撫でたり、はずしたり、かぶったりするだけでなく!
ぜひいちど、(ブラジャーを)着用してみてください
ってなんでしょね…。あのですね…、本当にワタシの正義の戦いを判ってくれてます…(涙)?オッパイ星人はワタシじゃないっっていうのに…。

2003-06-17[n年前へ]

アルキメデスのパンチラの式 

「スカート円錐」の明るさを探れ

「スカート円錐」の明るさを探れ

 以前、「ミニスカートの幾何学」として、女子高生の間などで流行っていたミニスカートの丈の短さの限界について考えてみたことがある。階段を上ろうとしているミニスカートを履いた女性(別に男性でも構わないが…)の下着が見えてしまうかあるいは見えないのかを、女性達が履くミニスカートの丈の長さから考察をしてみたのであった。

 その「ミニスカートの幾何学」の考察をした結果、ミニスカートの丈がちょうど32cmの時に、ミニスカートで下着が隠されはじめる境界線がちょうど階段と平行になる、ということが判ったのである。そして「下着が隠されはじめる境界線がちょうど階段と平行になる」結果、ミニスカートの丈が32cmより短いと下着が階段下を上る人達から見えてしまうようになり、逆にミニスカートが32cm以上の丈であればスカートの中の下着はなんと幸か不幸か見えることはないのだ、ということが判ったのである。ミニスカートをはいた女子高生が急な駅の階段なんかを上るときでも、ミニスカートの丈が32cm以上であれば、パンチラの恐怖に怯える必要はないということが判ったのであった。


 ところで、ミニスカートの中が見えてしまいそうになる場所というのは、必ずしも急な階段だけではないらしい。最近の東京の有名スポットなどでは、「吹き抜け構造の建物内で階下から階上を見上げられる場所」や「建物内外の渡り廊下を見上げられる場所」なんかがたくさんあったりするというのである。そして、そんな場所では、真上にいる「スカートを履いた女性」を急角度で仰ぎ見ることができて、スカートの中の下着がチラリと見えてしまうことがあるというのである。

 しかし、である。角度的にスカートの中の下着が見えるからといって、果たして本当に下着が見えるものなのだろうか?角度的には見えるはずでも、実際には人間の目には見えないことだってあるのではないだろうか。なぜなら、スカートが「私たちの視線から下着が見えるのを遮っている」のと同じように、スカートは「照明の光が下着にあたるのをも遮っている」のである。スカートの中というのはスカートに光が遮られて(たぶん)かなり暗いハズなのである。いや、実際に覗いてみた経験があるわけでは決してないので自信を持って「ハズ」と断言することはできないのだけれど、スカートの中が明るいわけはないと思うのである。もし、スカートの中が明るくなければ、仮にその中身を覗くことはできても結局暗くて何も見えないわけで、「スカートの中が(見えるくらいに)十分に明るいかどうか」が肝心だと思うのである。そこで、今回は「下着が角度的に見通せる条件」ではなくて、「スカートの中の下着が十分明るく見える条件」を考えてみたい。


 まずは、スカートをはいた女性を下の図のように簡単に示してみよう。スカートを下向きに開いた円錐として考えてみる。もちろん、スカートの中の下着はこの円錐の頂点に位置するわけだ。そして、スカートが広がる角度をΘとでもしてみることにしよう。その時、円錐の頂点にはどれだけの光が当たるものだろうか?

Diagram

 もちろん、円錐状のスカートが上からの光は遮っているわけだから、スカートの中の下着を照らす光というのは、下の床からの反射光だけである。つまりは、上の図で、「色を付けた部分の床」からの反射光のみが下着にまでたどり着き、それ以外の床からの反射光はスカートに遮られて、スカートの中を照らすことはない。ということは、「スカートの中はどれくらい明るいか?」という疑問を考えることは、それは「色を付けた部分の床からスカートの中の下着にまでたどり着く光がどれだけあるか?」ということを考えることと同じなのである。

 そしてまた、床上での光の反射に方向性が無く、光が完全に等方的に周囲に拡散するとするならば、円錐の中心(つまりはスカートの中の下着部分だ)にあたる光の量は、下の左図の色を付けた部分球の面積に比例する。つまり、「スカートの中の明るさ」は「スカートの広がり角」で決められる「部分球」の面積に比例するのである。


Diagram2

 つまり、角度Θで広がるスカートの中が「どれくらい明るいか?」という疑問は、「下図で色を付けた部分球の面積はどのくらいか?」という問題に変わるわけである。「半球全体の面積に対して、スカートの広がりで決められる部分球の面積はどのくらいの割合か?」ということの答えが、それすなわち「スカートの中の明るさ」を決めているのである。

 ところで、アルキメデスが発見したように、球(もしくはその一部)の面積はその球に外接する円筒の面積に等しい。つまり、上の図の左で色を付けた部分の面積というのは、右に示したような(色を付けた)円筒の面積に等しいわけだ。ということは、右の円筒部分の面積は
円筒の面積 = 2 π (1-cosΘ)
であって、左の半球の面積が(直径=1とすると)2πだから、円錐状のスカートの中の明るさは、スカートの広がる角度をΘとするならば、「スカートの中の明るさ」は
Equation
という実に簡単な式で表されることになる。アルキメデスも、まさか自分の球と円筒の表面積に関する発見が「スカートの中の明るさを示す式(ここでは仮に『パンチラの式』とでも呼ぶことにする)」を導くために使われるとは想像だにしなかっただろうと思うが、とにかくアルキメデスのおかげで私たちはスカートの中の明るさを知ることができるのである。

 試しに、このくアルキメデスの『パンチラの式』を使って、スカートの広がり角度Θに対して、スカートの中の明るさがどのように変化するかを計算してみると、その結果は下のグラフのようになる。このグラフは、横軸が「スカートの広がる角度」で、縦軸が「スカートの中の明るさ」を示している。周囲の「照明に照らされている床」の明るさを1とした時の「スカートの中の明るさ」を示しているのである。

Grap0

 基本的にはスカートが広がるにつれて「スカートの中の明るさ」は明るくなるわけであるが、このグラフを眺めてみると、スカートの広がる角度が20°を超えるあたりから次第にスカートの中が明るくなることが判るだろう。例えば、スカートの広がる角度が30°の時には、スカートの中は「床の明るさの10%程度の明るさ」しかないが、スカートの広がる角度が60°にまで広がれば、スカートの中は「床の明るさの半分程度の明るさ」になる、ということが判るわけだ。


 ところで、人間の目というものは「見るものの明るさ」に合わせて順応する。例えば、暗いものを見るときには目の感度は自動的に上がる。だから、スカートの中がほのかでも明るかったならば(例えば床の明るさの5%程度にでも明るければ)、自動的にその明るさに目が順応してスカートの中が見えてしまうかと思いきやそうはいかない(ハズだ)。なぜなら、人間の目は明るいものを見る時には、目の感度が逆に自動的に低下してしまうからである。スカートの中以外の明るい場所(例えば照明や、照明に照らされた明るい壁)だって、自動的に視界の中に入ってくるわけで、目の感度はそういう明るい部分に自動的に合ってしまうハズなのである。

 例えば、下の画像は周りの明るさに対して、
  1. 5%の明るさ
  2. 10%の明るさ
  3. 20%の明るさ
を持つ三種類のロゴである。この三つの画像を眺めてみれば、明るさが5%のものはなかなか判別しにくいが、20%以上の明るさのものであれば比較的容易に判別できることが判るだろう。明るいものが視野に入っている限りは、人間の目は「一番明るいものの10%以下程度の明るさのモノ」はなかなか識別することはできないのである。

5 %
5 percent
10 %
10 percent
20 %
20 percent

 ということは、先のグラフで「スカートの中の明るさ」が10%を超えていないと、つまりは周囲にある明るい床(や照明や壁)などの明るさの10%を超えているくらいでないと、スカートの中が仮に幾何学配置的に見える条件であったとしても、実際には目の感度的にその中のようすを判別することができないに違いないのである。その場合、おそらく明るい床や壁の明るさに目の感度が合ってしまい、ほの暗いはずのスカートの中は真っ暗にしか見えず、幸か不幸かスカートの中身は識別することができないハズなのだ。

 というわけで、先ほどのグラフに「識別できる明るさか否か」を書き入れてみると、次のグラフのようになる。

Graph

 つまり、スカートの広がる角度が25-30°を超えていないと、スカートの中身は周囲の床や壁の明るさに比べて相対的に暗すぎて人間の目ではおそらく見ることができないのだ。


 例えば、スカートの広がる角度が30°以下に制限されるようなタイトスカートを穿いて、明るい壁や照明などが視界にどうしても入ってしまうような場所にたたずんでいる限りは、もし仮にスカートの中を覗かれたとしてもスカートの中は(人間の目からすると)真っ暗で何も見えないわけで、スカートの中身を見られたりするような被害にあうことはまずないだろう、ということが先のアルキメデスの『パンチラの式』から判るわけなのである。「吹き抜け構造の建物内で階下から階上を見上げられる場所」や「建物内外の渡り廊下を見上げられる場所」なんかであったとしても、背後に明るく輝くものがある限りには、見る人の目を眩ませることができて、スカートの中身は安全なわけである。

 ところが逆に、床が白かったりして明るいクセ(つまり下からの照明が強いクセ)に、周りに明るい壁や照明が何故かあまりないような場所がもしあったとして、もしそんな場所で(下から)スカートの中を覗かれたりしてしまうと、(下から覗く人の視界に入る)周囲の明るさに比べてスカートの中が十分明るく見えるせいで、しっかりとパンツの模様をチェックされてしまうということになるだろう、ということも予想することができてしまうのである。だから、そんな場所をもしも短いスカートをはいて歩かなければならないような場合には、例えば何かの「ピッカピッカ輝く光りモノ」でも身につけて、その光りモノの明るさを「スカートの中身をのぞこうとするスナイパー」の視界に入れて、彼らの目を眩ませてしまえば良いだろう、というアルキメデスの知恵さえ授けてくれるのだ。

 
 ところで、今回は「スカートの中の明るさを示す=パンチラの式」を考えてみたわけであるが、この式は考えるまでもなく実にアブナイ式である。パンチラの被害防止に役に立ちそうな気もするし(全然役に立たないような気もするが)、逆に単なる「パンチラの科学」になってしまっているような気もしてしまう。「スカートの中身をのぞこうとするスナイパー」の魔の手から逃げるためのバイブルになるような気もするし、「スナイパー」のための手引き書になってしまいそうな気もする。ギリシャ神話で、あらゆる災厄が入っていたという箱がパンドラの箱だったけれど、このパンチラの式だって案外そんなパンドラの箱のような、色んな災厄の元になってしまうものかもしれないのである。しかも、パンドラの箱の場合には最後に箱の中に『希望』が残っていたわけでまだ良い(?)のである。しかし、アルキメデスの『パンチラの式』の場合には「スカートの中にだっては『希望』が入っているのだぁ」などと口に出したりしたら単に変態扱いされてしまうだけなわけで、そこはパンドラの箱よりもずっとたちが悪いのである。つまりは、科学もアルキメデスの『パンチラの式』も使う人次第なのである。

2004-02-02[n年前へ]

Google Adsenceでコンテンツ診断 

 実は、ふと思い立って、少し前にGoogle AdSenseの申請をしてみたのです。そして、それだけではなくて、気の早い私はGoogle AdSenseシミュレーターを使って、もしGoogle AdSenseを使った場合にどんな広告がhirax.netに貼られるかどうかも調べてみたのです。

hirax.net
 まずは、hirax.netのトップページに広告を貼ってみることにしましょう。なるほど、「写真ライブラリシステム」やら「フォトアルバムを作ろう」やら「ソフト製作・開発致します」やら画像や写真に関わるソフトやシステムの広告が貼られるようです。ヘッポコ・プログラムしかおいていないhirax.netですが、それでも個人の趣味から勝手に言わせてもらうと、そんなに的を外していない広告のように思えます。なかなか、良い感じですねぇ、Google Adsence。

 それでは、次に「ミニスカートの幾何学」に広告を貼ってみることにしましょうか。おやおや、「女の子の下着もブリーフ」なんていう広告が貼られています。チラっと見えたミニスカートの内側にあるのがブリーフだったら…、普通の男であれば暴れたくなるかもしれません。ブリーフはやはり「男の子の下着」であるべきで、決して「女の子の下着」であってはいけない、と思うのです。あっ、もちろん「男の下着」はトランクスであるべきです。ブリーフをはくのは「男の子」だけ、なわけです。男はやっぱりトランクス、ですから。白いブリーフだなんて、最悪ですから。ハイ。ブリーフをはくのはやっぱり「男の子」ですよね。

ミニスカートの幾何学
 いや、話がズレました。とにかく、女性のミニスカートの内側は「セクシーランジェリーなら」 …いいですねぇ。ブリーフではとんだガッカリ…ですけれど、「セクシーランジェリーなら」少しは良いかもしれません。セクシーランジェリーよりは清楚な下着の方が個人的には好きですけれど、ブリーフよりはマシかもしれません。とりあえず、なかなかちゃんとコンテンツに合った広告が貼られるわけですね。良い感じですねぇ、Google Adsence。

 おやぁ?、と思ったら「成功者の脳内チューニング」とか「認知療法をEラーニングで」なんていう広告も「ミニスカートの幾何学」には貼られています。一体、ミニスカートの幾何学、ミニスカートの内側を覗く話からいったいどんな「脳内チューニング」や「認知療法」をしようというのでしょうか?そんな「チューニング」や「認知療法」は想像するだけで恐ろしいです。そんな訓練をした人達が決して「成功者」になるとは思えません。どんな世界の「成功者」なんでしょうか。恐るべしGoogle adsenceです。

 それに加えて、「潜在能力を発揮」とか「ストレス解消」なんていうフレイズも書いてありますけれど、一体どんな潜在能力を発揮して、どんな風にストレスを解消しようっていうんでしょうか?ミニスカートの内側で。ミニスカートの幾何学で…どんなストレス、潜在能力、脳内チューニング…。どんな…?知りたいような、知りたくないような…。いや、やっぱり知りたい。教えて下さい > Google Adsenceさま。

 さてさて、次は…と思ったらちょっとあまりに長くなりそうなので、全然技術ネタではないですけれど、「できるかな?」にでも書いてみることにしましょうか。それとも、あまりに技術ネタではないですから、この日記スペースで書き続けてみることにしましょうか。というわけで、とりあえず明日へ続く…、です。

2004-03-15[n年前へ]

巨乳ビジョン・シンドローム 

「人の視覚は7メガピクセル」編

 デジタルカメラの高画素化が急速に進んでいる。定価が数十万円ほどにもなるデジタルカメラであると、使われているイメージセンサの画素数は10メガピクセル(=一千万画素)近くになるし、定価が数万円の普及価格帯のデジタルカメラでも数メガピクセル(=数百万画素)であるのが普通である。そして、最近だと携帯電話に付属しているカメラでさえ2メガピクセル以上のイメージセンサを使っているものすらある。35mmの銀塩フィルムが40メガピクセル弱だから、ハイエンド・デジタルカメラの解像度はその数分の一にまで達しようとしている、ということになる。
 

 そんなふうに、デジタルカメラの高画素化は進んでいるわけだけれど、そもそも私たち自身の「目」というのは一体どの程度の画素数があるものだろうか?最近のデジタルカメラと比べると、私たちの目には一体どの位の画素があるのだろう?デジタルカメラと同じ、「メガピクセル」を単位にするならば、人間の「目」というのは何メガピクセルに相当するのだろうか?
 

 実は、人間の場合、デジタルカメラのイメージセンサの画素に相当するのが、目の中の網膜上の錐体(色を感じ、網膜の中心部に多くある)である。その数はおよそ700万個弱ほどもある。つまり、デジタルカメラと同じように言えば、人間の目は7メガピクセル相当ということになる。ということは、最近の数十万円のデジタル一眼レフカメラでさえ、やっと人間の目と同じ程度の画素数に達した程度なのである。普段生活をしている中では、人間の「目」の画素数なんて気にすることはそうそうないだろうけれど、人間の「目」はやっぱりスゴイのである。そして、そんな人間の「目」と同じレベルになりつつあるデジタルカメラもスゴイものなのだ。
 

 ところで、『普段の生活の中では、人間の「目」の画素数なんて気にすることはそうそうない』と書いた。確かに、人間の「目」の画素数や配置、つまり、人間の「目」の画素、網膜上の錐体の数や配置などを気にすることはまずないかもしれない。けれど、それを意識しなくても実は目にしている機会は多いのである。

 それは、例えばこんな縞模様を目にするときだ。片目をつぶって、もう片方の目だけでこの下の縞模様を眺めてみよう。すると、色の付いていないハズの白黒の縞模様の上に、うっすらと色の付いた縞模様が重なって見えてくるハズである。もしも、最初のうち判りにくいようであれば、片目をつぶったまま見る距離を変えてみれば判りやすいかもしれない。縞模様がウネウネと動く様子が見えると思う。

 これは、「Brewsterの色」と呼ばれる色模様で、網膜上にある「赤、青、緑」の各色を感じる錐体の配置と「白黒の縞模様」が干渉してモアレが発生することで知覚される偽色なのである。
 
 

Brewsterの色

 こんな模様というものは実は結構街中に溢れている。例えば、エスカレーターの階段部分やフェンスの金網、あるいは、マンガの効果線など、こういった規則的な模様を普段の生活の中で目にすることは実はとても多い。そんな時、私たちの目はカラフルな「Brewsterの色」を見ていることになる。見てはいるのだけれど、ただそれを意識しないことが多い、というだけである。逆にこんなモアレを意識してしまうようになると、私たちの7メガピクセルのイメージセンサが景色の中の縞模様と干渉して発生してしまうカラフルなモアレは本当に街中に満ちあふれていることに気づくのである。

 例えば、規則正しい模様の服というようなものはとても多い。そして、そんな服の上でさえワタシのまなこ(心の眼かもしれないが)はBrewsterのモアレを見いだしてしまうのである。そして、規則正しい模様の服の上にさえBrewsterのモアレを見いだしてしまうようになってしまうと、これが何とも恐ろしい副作用がもれなくオマケで付いてくるのだ。それは、「巨乳ビジョン・シンドローム」という恐ろしいオマケなのである。
 

 その「巨乳ビジョン・シンドローム」の症状は、下の二枚の写真を見てみると判りやすいのではないか、と思う。まず、左は「規則正しい模様のある生地でできた服」を着ている女性である。そして、右の写真はそんな「規則正しい模様のある服」を眺めたときに、意図せずしてモアレが発生してしまった様子を示している。ほとんど同じ二枚の写真ではあるが、よ~く眺めてみれば服の部分にモアレが発生してしまっている様子がわかるハズだ。しかも、ある特定の一部分であることも判るだろう。
 

モアレが作り出すバストの等高線
「規則正しく糸が織りなした下着」
を着ている女性
左の女性を眺めたときに
モアレが発生すると…

 …そう、規則正しい模様の服を着ている人を眺めた場合には、凹凸の激しい部分で特に顕著にモアレが発生してしまうのだ。そして、そのモアレはその凹凸具合の等高線(と同じようなもの)を示してしまうのである。もっとハッキリ言ってしまうならば、規則正しい模様の服を着ている女性なんかを眺めた場合、胸の部分の凹凸具合の等高線が意図せずして見えてしまうのである*。日夜地図を作り続けている国土地理院もビックリのバスト地図(凸凹等高線入り)が幸か不幸か見えてしまうのだ。しかも、これは凹凸の激しい部分でのみ顕著に認識されたりするがために、巨乳の等高線は容易に見ることができるけれど、微乳の等高線はなかなか見ることができない、というまさに「巨乳ビジョン・シンドローム」なのである。
 

 残念ながら、私はオッパイ星人ではないので詳しいことは判らないけれど、真性のオッパイ星人達は生まれながらにしてこんな巨乳ビジョンのまなこ(眼)を身につけているに違いない。だからこそ、微乳の小胸さんではなくて、巨乳さんに引き寄せられていくのかもしれない。つまりは、オッパイ星人をオッパイ星人たらしめていたのは、こんな巨乳ビジョン・シンドロームだったのかもしれないのである。

 そして、おそらく彼らの視力は私たちヒトに比べて遙かに高いハズだ。だから、単に規則正しい絵柄の服だけではなくて、例えば規則正しく糸で織りなされた服、すなわち、それが布製であればどんな服の上からでもこんな等高線モアレを見いだしてしまうに違いないのである。そして、その服を着ているものの胸の凹凸の等高線(もちろんその部分だけではないが)を眺めることができるに違いないのだ。
 

 というわけで、最後に「オッパイ星人の視覚をシミュレートした画像」をでっち上げてみたのが下の動画である。これは、女性が着ている「服の持つ規則性=周期」を自動的に認識し、網膜の周期をその「服の持つ周期]近辺になるように変化させて、意図的にモアレを発生させてみたものだ。どんな模様であってもそれが「規則正しい模様を」である限りは、胸の凹凸の等高線がはっきりと見えてしまうことが実感できることだろう。
 

オッパイ星人の視覚をシミュレートした画像
 胸の凹凸等高線がハッキリと…

 というわけで、規則正しい模様の服を着ている女性は周りの視線(オッパイ星人や幸か不幸か「巨乳ビジョン・シンドローム」にかかってしまった人間)に要注意、というのが今日の結論なのだ。そして、邪悪な心を持つ技術者が、「巨乳ビジョン・シンドローム」と同じようなアルゴリズムで動く「巨乳ビジョン・カメラ」を開発しないことを、今はただただ祈るばかりなのである。



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