2001-11-24[n年前へ]
■hirax.netの美術館
PLAY BACK
2002-10-26[n年前へ]
■世界を映す玉手箱
掌の上の不思議な世界
先日、人工衛星から撮影された夜の地球を眺めてみた。そんな夜の地球で輝いている「街の灯」を眺めていると、そんな宝石のような地球を自分の掌の上に載せて眺めてみたくなる。夜の「街の灯」できらめいていたり、人が住んでいるのに真っ暗だったりする、そんな小さな地球を作ってぼんやりと眺めてみたくなる。
そういえば、一年近く前に「小さな掌に未来の地球儀をのせて」でメルカトル図法の地図画像から正二十面体展開図を作成して、小さな正二十面体の地球儀を出力するソフトウェア"Icosahedron"を作ったことがあった。このソフトとプリンターがあれば、色んな地図から掌に載る小さな地球を作ることができる。そして、自分の掌の上で小さな「夜の地球」を眺めてみることができる。
そういうわけで、夜の地球の画像を"Icosahedron"で読み込んで「小さな正二十面体の地球」を作ってみたのだけれど、その作業の途中で"Icosahedron"をいじって、
- うっかりミスのバグ修正(メルカトル→正二十面体展開図変換が間違っていた)
- のりしろ部分をきちんと描くようにした
- ソフトから直接印刷もできるようにした
- Susieプラグインに対応
- Icosahedron (2002.1026) Windows版 429kB(Linux版公開時のお知らせは"いろいろ"の方で…)
ところで、地球を中心にして地球を全周囲から眺めた様子を二次元に投影したものが地図だけれど、その全く逆のことをしたものがある。それはパノラマ写真である。何故なら、パノラマ写真は「世界の何処か一点を中心として、その点から全周囲を眺めた様子を二次元に投影したもの」であるからだ。つまり、「何処かを周囲から写したものが地図」で「何処かから周囲を写したものがパノラマ写真」であるという違いだけで、その二つはほとんど同じものだ。だから、パノラマ写真を元にして、Icosahedronで正二十面体を作ってみても、ちゃんとした世界ができあがる。
例えば、パノラマ写真を元にして、"Icosahedron"で「とても巨大な正二十面体の展開図」を作って、景色が印刷された面を内側にして「人が入れるほどの巨大な正二十面体」を作ってみれば、それは即席のパノラマ上映館となる。そしてまた、逆に景色が印刷された面を内側にして「小さな正二十面体の展開図」を作って組み立ててみれば、それは周囲を全ての景色をまるで鏡のように映し出す不思議な水晶玉のようなものができあがることになる。外に向かって「何処かから見た外側の景色」を映し出す不思議な水晶玉ができあがることになる。
結局のところ、数学的に言えば「巨大なパノラマ館」と「小さな水晶玉」の違いは曲率の符号が反対、というだけである。「巨大なパノラマ館」の場合は曲率がプラスで「世界が閉じて」いて、「小さな水晶玉」の場合は曲率がマイナスで「世界が開いて」いて、そして「正二十面体の展開図」の場合は曲率が0で「世界が平坦」だというだけの違いにすぎない。だから、「巨大なパノラマ館」はその中に向かって「何処かから見た外側の景色」を上映しているけれど、「小さな水晶玉」の場合はその外側に向かって「何処かから見た外側の景色」を上映している、ということになる。「巨大なパノラマ館」を"insideout"にひっくり返してみれば、世界が開かれた「小さな水晶玉」に変身するというだけだ。
以前、「箱根の湖尻から眺めた早朝の世界」をパノラマ写真にしたことがあったが、試しにこのパノラマの景色を映し出す小さな水晶玉を作ってみよう。
上の「箱根の湖尻から眺めた早朝の世界」を閉じこめた「小さな正二十面体」が下の展開図だ。これを組み立てさえすれば、小さな正二十面体の中に「ある場所から眺めた世界」が映し出されることになる。ちょうど、透き通った水晶玉を通して色々な場所からみた景色を眺めるように、この小さな正二十面体を覗けば「箱根の湖尻から眺めた早朝の世界」を眺めることができる。
そしてまた、小さな正二十面体に閉じこめることができる世界はパノラマ写真に限らない。例えば、「自分の周囲を描いた絵画」であっても構わないだろうし、あるいは「自分が描いた何か」であっても良いと思う。そんなものを小さな水晶玉に閉じこめてみれば、その水晶玉は「自分の描いた世界」を外側に向かって映し出し始めるのである。
例えば、エッシャーの「夜と昼」を正二十面体の世界に閉じこめてみたのが、下の展開図だ。これを組み立てれば、エッシャーの描いた世界が、エッシャーの描いた「昼と夜」が小さな正二十面体の中から映し出されることになる。これを組み立てた正二十面体を覗いてみれば、不思議なエッシャーの世界を色んな方向から眺めることができるのである。
こんな風に、色んな画像から色んな「世界を映す玉手箱」を作ってみて、例えば「何処か旅先で撮った写真」や、例えば「誰かと撮った集合写真」や、例えば「自分の描いた落書き」や、色んな何かで小さな正二十面体を作ってみれば、きっと何か世界を写す小さな玉手箱ができあがると思う。その人だけの「その人の世界」を外に向かって映し出す小さな水晶玉ができあがるに違いない。正二十面体に閉じこめられた、だけど外に向かって開かれた、そんな世界を眺めてみるのはきっととても面白いことだろう。
もしも、あなたがそんな小さな正二十面体を作ってみたなら、ぜひぜひその「世界を映した玉手箱」を写した写真を私にも送ってもらえるとうれしいです。そんな小さな世界の展覧会も開いてみたい、ですしね。
2002-10-31[n年前へ]
■電子ペン InkLink編
タブレットPCが発売される今日この頃、SIIの超音波式電子ボールペンを買ってみた。これは、紙に電子ボールペンで書いた文章や絵をPCやPDAに転送できるシロモノなのである。紙に何かをささっと書くと同時に、それがPCの画面にベクター図形として表示されていくのである。デザインも悪くはないし、位置精度もとりあえず悪くない。
言葉にならないような曖昧なアイデアが浮かんだときにそれを書き留めようとするときには、紙に落書きすることくらいしかできなかったりする。だけど、私は紙のノートを最近は使わないので、これまではそんな落書きはただ机の上を散らかすだけで、最後には忘れられたアイデアと共にそれらの紙はゴミ箱行きになるだけの運命だったのである。
だから、アイデアを無駄使いしないためにも、私はこんな電子ペン・デバイスを心待ちにしていたのである。これからは、落書きをどんどんして、どんどんPCにそんなスケッチを取り込むことにするのだ。
というわけで、ワタシのような人には強く強くお勧めする一品。一押しの「買い」です。
InkLinkレビュー
2002-12-02[n年前へ]
■プラスαの付加価値
WEBページで使われている画像を見ると、ちょっと最近考えてしまう。何かの話題を説明するような画像を用意することは困難なわけで、単に他から自分のところにコピーして使ってあるものも見かける。それではあまりに「他人の褌じゃなかろか」と思ったりする。せめて、自分なりの落書きの一言でも画像中に入れるとか、何かのプラスアルファ(その価値を他人も認めるかどうかはともかく)を自分なりに付けるべきじゃなかろうか。それができないなら直リンクするとか。「直リンクお断り」と宣言しているようなサイトで有れば(そうでなくとも多くの場合は)、そもそも画像をどっかにコピーされるなんて問題外だろうし。(ちなみに、hirax.netに関してはもちろん直リンクOK、で、もし画像をローカルコピーして公開するなら「何らかの付加価値をその画像に付け加えるべし」です。それができないなら、直リンクということで。)
もちろん、私もこういうことをしないわけじゃないけれど、綺麗さを彩る「○×△」を眺めていると、うむむーとちょっと考えてしまうのである。毎日毎日、何かの話題に適切な画像(大抵の場合文章よりも時間がかかる)を作るなんて大変だから、とはいえねぇ。
2003-02-05[n年前へ]
■UPSIDE DOWN
はてな?ダイアリの「じゅんの日記」はとりあえず名前を変更、ちょっと恥ずかしいからね。最初はな〜んにもこっちのサイトとは関係なく書いてみたかった気もするけれど、とりあえず何も考えずに書いていくことにしようっと。そんなことが私にできるなら。そして、できれば色んな他へのリンクを貼ってみよう。だから、無署名の落書きでもしてくれると、うれしい。
で、もう何年も何年も研究室に行っていなかったけれど、京都に行ったときには顔を出してみれば良かったな。はてな?の近藤さんが同じ研究室だったなんてね、ホントにビックリ。雑誌会とかどんな感じだったんだろうな?「時間を戻して学生の頃に出会いたかった刺激を受けたかった」という人はいっぱいいるね。うぅん、研究室の時も先輩にも先生にもとても恵まれていたし、実際のところそんな人ばっかりだ。がんばらなくっちゃね。