hirax.net::Keywords::「高校」のブログ



2006-03-17[n年前へ]

新聞の未来と新聞配達屋さん 

 Tech総研ブログ 平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女新聞の未来と新聞配達屋さん〜ガッツで配る配信システム〜を書きました。

「デジタル化が進み、紙媒体新聞(の配達)がなくなる」のではなくて、「紙媒体新聞の配達がなくなってしまうから、紙媒体新聞がなくなる」んだ、というその時に聴いた内容を思い出します。そしてまた、高校の頃にした新聞配達のバイトをしていた頃、雨の朝がとてもイヤだったなぁ…と何だかしみじみ思い出すのです。
平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女/Tech総研:新聞の未来と新聞配達屋さんあけてくれ - おれカネゴンの「算数できんのやっぱり気にしすぎとや」日記junhara's blog: 新聞がオールデジタルになる?平林 純@「hirax.net」の科学と技術と男と女/Tech総研

2006-04-06[n年前へ]

MMR「キバヤシ隊長のモデル」と「都立高校の学生」 

 あけてくれ-おれカネゴンの「算数できんのやっぱり気にしすぎとや」日記経由で、「都立校の統計学」を読む。

逃亡学生の追跡に明け暮れる教授生活を○年間重ねるうちに、私はひとつの統計学的事実に到達した。すなわち、逃げるヤツはほとんどすべて都立校出身の学生だということだ。
偉愚庵亭憮録: 都立校の統計学 出身高校を訊かれるとき、「都立武蔵です」と答えたものだ。「へぇ〜」と驚かれることが多かったが、もちろんその「へぇ〜」はお門違いなのである。そこで、いつも私(たち)は「いえ"私立"武蔵ではなくて"都立"武蔵なんです。優秀な私立武蔵高校じゃない方の、同名だけれど無名な方の都立武蔵高校なんです…」
 一回りしたエリート意識。あるいは夢を喪失した人間の韜晦だろうか?たかだか90分の授業時間を我慢して座っていられない生来の懶惰。そのくせ、出席だけは確保しておこうとする小ずるさ。敵前逃亡を卑怯と考えず、痛快事であるかのごとくに装う腹黒さ。
東京都立武蔵高等学校 - Wikipedia まさにこんな感じだったような気がする。色々大人のように主張するくせに、朝礼で並ぶのに20分はかかる小学生以下だ。授業はできる限り抜け出し、外を散歩したりする。けれど、最低限の卒業単位数だけは確保する。お酒はいつも飲む、けれど、教師の顔が利く警察の管轄だけを通ろうとする…。

OOエンジニアの輪! 〜 第 21 回 川合史朗 さんの巻 〜 先日、そんな都立武蔵高校が中高一貫になる、と同窓の川合史朗さんから聞いた。すでに、校舎も私のいたころのものではない。生徒はもちろん全員学校を出て行き、教員もすでに変わってしまっていることだろう。あの雰囲気は少し弱く変わっているのだろうか、それとももっと強くなっているのだろうか。

 Wikipediaの都立武蔵高校の項を眺めると、著名な卒業生たちが載っている。MMRの主人公「キバヤシ隊長」のモデルとなった漫画原作者・小説家の亜樹 直も卒業生の一人だ。あぁ、確かにそういう感じの雰囲気だ。
  結局、いつも都立出身の、惰弱な人々が集まる内弁慶なテーブルに身を寄せてきたわけです。 なぜでしょうね。 この謎は、簡単には解けそうもないな。
Title キバヤシ隊長ならその謎を解いてくれるだろうか。私のほんの少し先輩だったキバヤシなら、「なんてことだ!」「そうか!」「そういうことだったのか!」「そうだんだー!」とその謎を解いてくれるのだろうか。それとも、人生の謎として、せっかくのミステリは自分自身で考えてみる方が面白いのだろうか。

2006-07-12[n年前へ]

「インサイダー取引ってなぜ悪いんですか?」 

リクナビNEXT/リクルートの転職サイト 『大学への数学』『高校への数学』『中学への算数』などでの連載でも有名な小島寛之・帝京大学経済学部助教授に、村上ファンドやライブドアの事件報道中で見聞きした「インサイダー株取引」「企業の価値」「会社は一体だれのものか?」といった話を聞いてみました。
 今回の小島寛之 助教授へのインタビューは、話の内容を全文公開したいと切実に思っているほど面白かったのです。そこで、せめて2回に分けた記事にすることで、少しでも記事に入れられる内容を増やしてみました。というわけで、小島寛之 助教授へのインタビューの第一回目です。

単なる一従業員である経営者が、会社の持ち主面をして株式市場に"物言い"をつけるのは何かヘンじゃない?
目には映りにくい「働く人の間のつながりといった社会的な価値あるもの」も、高い株価というカタチできちんとその価値が目に見えるモノにされているんだ
 …ところで、編集者に送る寸前に、実は原稿のまとめ部分の最後を変えたのです。変える前は実はこんなでした。
いつの間にか”お金大好き”カネゴンになってしまわないか心配になってくるくらいです【鏡を見ればおれカネゴン】。

2006-07-27[n年前へ]

自分が目指す価値基準 

http://www.shiro.dreamhost.com/scheme/wiliki/wiliki.cgi?Shiro&l=jp#1a0020639bdef467b9f5bbd712a2145c 下に引用した部分より、むしろ『自分(達)のやっていることが学校の中だけの価値基準で判断されることに強く反発していたのは覚えている。「しょせん高校の部活動、 3年間楽しんで、卒業したら懐かしい想い出」、そういうのがすごく嫌だった。未熟ではあっても、それが「大人」が本気でやるような「本物の仕事」に連続的に接続しているものであって欲しかった』という部分を眺めた『「ハッカーと画家」を訳していて、唯一ピンと来なかった章が "Why nerds are unpopular" だった

それこそがNerdの特質なのではないか。特定集団内の相対的人気度ではなく、外にある問題を自分がどれだけ解けるかという絶対的な尺度にこそ価値を見出す、っていう

2006-10-09[n年前へ]

「オッパイ星人」だって、ハッカーになりたい……!? 

■  「ハッカー」でない私ですが…

 高校時代の同級生だった川合史朗さんからバトンが回ってきましたが、私は「ハッカー」ではありません。コンピュータを使い出したのは'80年くらい*1でしたから、コンピュータ歴だけは長いことになります。けれど、プログラミングをしていたと言えるのは、地震予知のための計測システム開発*2のためにCで岩盤変形のシミュレーション・プログラム*3を組んでいた大学院時代だけで、「ハッカー」の「ハ」の字も知らないうちに現在に至ってしまいました。たまに、遊びで小さなプログラムを作ることもありますが、アイデア一発型のネタばかり*4で作った後はいつも放置してしまう…という情けない状態です…。
 そんな私ですが、スイカに塩を振りかければより甘くなる、という例もあります。ハッカー猛者の方々に「ハッカーになれなかった人」が混じってみるのもちょっと面白いかもしれない*5と期待し、ハッカーの気持ちを適当に想像(妄想)しながら*6、思いついたことを書いてみます。

*1 あまり表だっては言いづらいのですが、秋葉原でapple][ コンパチの部品を買って組み立て使っていた世代です…。

*2 この研究を数年後に引き継いでいたのが「スーパー・ハッカー」近藤淳也 はてな社長です。私とはまさに天と地ほどの差がある方です…。

*3 そのときに使った参考書が「C言語による有限要素法入門」著者は(今ではベストセラー推理小説を量産する作家として有名になってしまった)森博嗣氏です。

*4 日本語変換のATOKにPerl・Ruby・Cなどで各種拡張機能をさせるプログラムとか、ノートPC内蔵の加速度センサを利用して立体ディスプレイモドキを実現するソフトとか…。

*5 なにしろ、川合さんが私にバトンを放り投げた理由も「見慣れた面子ばかりだと面白くないので、趣向を変えて(ハッカーというわけではないが)平林さんを」なのですから… _|‾|○

*6 2006年3月号で高林 哲氏がハッカーの習性として書かれていたハッカー精神「深追い、佳境、バッドノウハウ」と共通することもあるかもしれません→「オッパイ星人とバッドノウハウ」を参考に。

■ 「自分のための勉強」を楽しくやろう

 就職して数年した頃、「自分の知識・技術を向上させる機会」や「考えたことを残しておく場所」がほとんどないことに気づきました。そこで、自分が知りたいことを定期的に学び・考えてみることにしたわけです。そして、その「学び・考えた」結果を残しておく場として作ったのが、"hirax.net"です。ですから、サイト"hirax.net"というのは私にとって「自分のための勉強ノート」です。

 当初、この「自分のための勉強ノート」は勤務先のイントラ内サイトとして作りました。しかし、企業内インフラの利用制限が厳しくなってきたこともあり、'98年頃に勤務先のイントラ内部から外のインターネットの世界に引っ越して、現在の"hirax.net"になりました。また、それと同時に「自分のための勉強ノート」の内容を「役に立たない(ように見える)こと」に変えました。それは、「書く内容を業務から離れたものにする」ためです。企業内で研究開発という仕事をしていると、やはり業務内容に近いことを考えていることが多いわけですが、そういう内容を外で公開するわけにはいきません。そこで、(勤める会社のためでなく)自分自身のために「高度な技術」を勉強するけれど、その技術を適用して考えてみる対象・内容は「実利的には何の役にも立たないこと」にしよう、と決めたわけです。

 その結果、流体力学のナヴィエ・ストークスの方程式の解法プログラムの勉強をするけれど、その計算対象は「スクール水着の周りの水の動き」であったり…、有限要素法のプログラムを勉強はするけれど、その解析対象は「女性のバスト」であったり「男性のアレ」だったり、ということになってしまいました…。つまりは、それが、"hirax.net"の「高度な技術を無駄に使う」というスタイルです。そういうスタイルにしたことで、「自分の勉強」を楽しくやることができました。何しろ、難解な流体力学の教科書も(女性のバストと同じような感覚を空気抵抗で再現することができると想像すると)ワクワクする気持ちで読むことができますし、行列計算プログラムを作る作業も(女性のバストの変形を計算できると思えば)素晴らしく楽しい作業に変わるのですから*7

*7 男とはそういうものです(女性読者の方々へ)。なお、女性のためには、科学の粋を凝らした「豊胸ブラジャー」「美人化ソフト」も用意しています。

■ 「やりたいこと」はやってみないとわからない

 「自分のための勉強ノート」ですから、いつでも私は「自分がやりたい」勉強をしていました、と言いたいところですが、そういうわけではありませんでした。なぜかと言うと、「自分のやりたいこと(勉強したいこと)」はこれだ、と自分でハッキリわかっていなかったからです。「(自分がやりたい)何か一つのこと」がよくわからないまま、「ずっと、その場その場で気になったことを勉強して(遊んで)きた」感じでした。その瞬間その瞬間の好奇心の赴くままに、目の前の謎・パズルを(その秘密を解くことができそうな科学技術を勉強しつつ)、楽しみながら考え続けるということを長く続けているうちに、自分のやりたいこと、「楽しくなる科学技術」という方向性*8がようやく見えてきたというのが本当のところです*9

 「やりたいこと」をいきなり思いつき、一晩ノリノリ体力バリバリにプログラミングをして、それを作り出すことができるスーパー「ハッカー」も世の中にはいるだろうと思いますが、私のように、「自分のしたいこと」を自分自身でもよくわからないという方も多いと思います*10。そんな人(時)は、とりあえず何でもいいから続けてみるのもコツだったりするのかもしれません。そうすれば、「将来長い時間をかけて自分がやりたいこと」も浮かび上がってくるだろうし、そういった「将来・現在やりたいこと」が「これまでにやったこと」と繋がってくること*11も多いと思うのです。

*8 Tech総研の編集者いわく「平林さんのやりたいことは、科学技術と男と女ですね、」だそうですから。

*9 「数字がバラバラに書いてあって、その数字を順番になぞっていくと最後に絵が浮かび上がるパズル」みたいなものですね。

*10 川合史朗さんが訳されたPaul Grahamの「知っておきたかったこと」には、若い人がやりたいことを見つけるにはどうしたら良いかが書かれています。

*11 自分用のプログラム・ライブラリを作っていくと、作業が楽になるようなものです。

■ 「長く続ける」コツ

 「とりあえず何でもいいから続けてみる」と書きましたが、「続けるということ」は実は難しいことだろう、と思います。(飽きっぽさでは天下一品の)私が比較的長く続けることができた理由の一つは、「その瞬間その瞬間の好奇心の赴くまま」=「いつでも、その瞬間に好きなことを楽しんでいた」からだったと思います。だから、飽きることなく(内容は実は変わっているわけですから)続けることができたわけです。

 「自分の好きなことをする」と長く続けることができると思うのですが、そのためには「自分の好きなことを見失わないようにする」ことが必要です。そして、「自分の好きなことを見失わないようにする」ためには、「他人の感想を(あんまり)気にしない」ということが一番です。一回、自分のイメージをどん底まで突き落としてみるのも良いかもしれません*12

 自分が「これは凄い!」と思うことが、他の人にとっては「これ、何だか全然面白くないなぁ…」と感じられることはよくある話です。人それぞれ、好みも背景も色々なことが違うのですから、それは当然です。「ただ一つの正解があるようなこと」を追求したいなら別だと思うのですが、そうでない「自分の好みを追求」しようとするならば「他人を参考にして学ぶのは良いけれど、あんまり他人の感想は気にしない」ということが結構良いような気がします。他人の感想を気にしすぎると否定的な感想に凹んでしまうこともありますし、他人の期待に沿ってやることを変えていってしまうと、いつの間にか「自分の好きでないあたり」まで流れていってしまうことも多いと思います。

*12 私の場合、「オッパイ大好きな変態じゃないの?」というような感想を言われまくりで、自分のプライドなんかどっか遠くに消えていってしまいました。その結果、他の人の感想(的確な指摘とも言う)を気にしないというワザが使えるようになったのです…。

■ やっぱり他の人に伝えたいから「わかりやすく」

 他人は自分とは違うものですから、他の人をあまり気にしないようにしたいと思ってはいます。それでも、やっぱり「自分が楽しいと思うことを他の人に伝えたい」とも思っています。自分が面白いと思うことを見つけた時、それに共感してくれる人がいたらうれしいものです。他の人を過剰に気にしないようにした方がいいとは思う一方で、「自分の考えたこと・感じたことを他の人に伝え」「自分の作ったものを公開する」上で「他の人にもわかりやすく・他の人が眺めやすい」ようにしようという試行錯誤は続けていこうと思っています*13

*13 そんな「他の人に伝える」ための試行錯誤の結果、面白く人にわかりやすくプレゼンテーションをするにはどうしたら良いか?という書籍「理系のためのプレゼンのアイデア」を技術評論社から11月に刊行予定です

■ 「バトン」が次に飛ぶ先は…?

 さて、次回へのバトンは増井俊之さんに渡そうと思います。「わかりやすさ」「スーパー・ハック」を華麗に両立させている増井さんの秘密を伺ってみたいと思います。



■Powered by yagm.net