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2000-06-16[n年前へ]

ヘルメットの色空間分布 

学生運動の色空間とグラフ配置

 さて、私は「迷信の押し付け」は大嫌いである。もちろん、その人の中で信じている分には結構で、それも文化の一つだとは思う。しかし、それを私にまで押し付けられるととたんにムッとしてしまう。そんな私ではあるが、「占い」はそう嫌いでもなかったりするのが面白いところだ。いや、むろん「占い」を信じているわけでは毛頭無くて、「遊び」として好きなのである。

 何しろ、占いというのは「根拠無し」に「決めつける」ことが出来る素晴らしいものである。何の前振りもなしに

「君はお菓子の食べすぎでデブになる。」
と言うと、普通であれば張り倒されることだろう。しかし、それを
君の前世は象だった。だから、君は太る運命だ。」
と言えば、どうなるだろうか。悪いのは「前世」や「運命」であって、「口の悪い私」ではないのである。それどころか、
えぇ〜なになにその占い〜。教えて、教えて〜」
という好意的な反応すら予想される(あくまで予想だけ)のである。これを便利と言わずして、何と言おう。

 しかも、占いの特徴の一つは後付けの結論・理由付けが可能、というところにある。その結果、「占い」というものは現実にとても近くなり、さらに「本当らしさ」がアップする。そういうわけで、私は大好きなのである。

 例えば、私の職場の私の机の端には、名前、生年月日、アンケート式etc.といったありとあらゆるタイプの占いを職場の人がやった結果がファイルされている。そして、恐ろしいことにそれらの紙には、それを読んだ人の書き込みがあるのである。例えば、私の性格占いの結果をプリントアウトした紙を見てみると、「もう少しイイ子になる必要があります。」という文章の下に赤線が引っ張ってある。この赤線を書き込んだのは誰だか知らないが、実に失礼な輩である。また、「思ったことをすぐ口に出す傾向があります。」という部分は二重線が引っ張られており、これなども世の中には訳のわからないことをする人間がいる良い一例である。そのくせ、「とても心優しいひとです。」という部分は赤線で消されたりしているのが、私としては理解に苦しむ部分でもある。きっと、この書き込みをした輩は「心優しい」という意味を知らないのであろう。

 そういうわけで、こういった人々による書き込み・添削のされた占いの結果、すなわち、後付けの結論・理由付けのされた占いの結果と言うのは実に恐るべき迫真性を持つのである。そして、同時に笑うことができる(本人は別にして)、という素晴らしいものなのである。

 ところで、私は「色」が大好きである。もう、何回も「色」に関する話題をしているのだから、そんなことは言うまでもないかもしれない。そこで、「色」と「占い」との関連で言うと、一時期「色占い」というものが流行っていた。「XX色で連想する人は誰?」という質問をして、この色で連想された人はあなたにとって恋人、とか、この色は友達、とか占うのである。

 私もこの「色占い」が流行ったときにやった記憶があるのだが、これが全く役に立たなかった。役に立たなかった理由の一つに

  1. 私の周りの人は服なんて着替えない。
  2. だから、いつも同じ服を着ている。
  3. その服のイメージ = その人のイメージになる。
という哀しい現実があったことが挙げられる。そして、もう一つの何より大きな理由として、その当時は「色」からもっと強力なものが連想されたのである。「この色」=あの人、「こっちの色」=この人、という連想がイヤでもされる状況があったのである。わかる人にはわかるであろう。しかし、わからない人も多いかもしれないので、簡単な説明をしておく。

 そのために、当時の学生の典型的?な姿を下に示してみる。いや、正確に言えば典型的ではなくて、単に目立っていた学生と言うほうが正しいかもしれないが、その姿を示してみたい。
 

これが典型的?なヘルメット姿

 この絵を見るとわかるように、頭の部分を覆うヘルメットというのは何より目立つのである。この人達が身に付けている服装というものは、そんなにカラフルなものではない。いや、ハッキリ言えば、特徴のない色ばかりである。そりゃそうだ、個性的で目立つ色の服なんか着ていたら、個人的に目をつけられてしまう。
 しかし、それに対してヘルメットの部分は実にカラフルである。セクトごとに個性ある色分けがされている。人目見ればわかるような色使いがされている。それは、チームスポーツのユニフォームと同じである。敵か味方か一目で見分けがつかないと、困ってしまうわけである。

 そして、そのヘルメットの色の印象が強いがために、

その人達の印象 = その色
というような状況すら生まれるのである。だから、先の「色占い」のような質問はそのような場においては、何の意味も持たないのである。それは単なるセクト分け問題と化してしまうのである。とたんに、生臭い問題になってしまうのだ。

 ところで、さまざまな場所に位置する各セクトが、どのような「色」の住み分けをしているかは、非常に気になるところである。「色」に常日頃こだわってきた「できるかな?」であるから、各セクトのヘルメットの色空間における空間分布を見てみることにしたい、と思う。

 そこで、マルチメディア共産趣味者連合 中央委員会の

を参考に、各セクトの色空間における住み分けをマッピングしてみた。ここではヘルメットの地の色の上に文字色で各セクト(セクトでないものもあるけど)を書き込んである。「ヘルメット」で見るセクトに加えて私の知ってるものを二つほど加えてみた。
 
ヘルメットの色空間分布

 こうしてみると、ヘルメットによる色表現を考えてみると結構広い「色空間分布」になっているようである。カラー画像をヘルメット画像に色分解する、ヘルメットディザなんていうのも実現できるかもしれない。

 しかし、これだけではつまらないので、

を参考にして、いつものように各セクトをグラフ配置アプレットの中に入れてみた。ここで、各セクト間の力は「お互いの間の階層数」を用いている。各セクトの互いの配置がどうなるか適当にいじってみてもらいたい。
alt="Sekuto Java"Your browser is completely ignoring the <APPLET> tag!



 そして、グラフ配置の結果の一例を色空間に重ねてみたものを次に示す。
 

グラフ配置の結果の一例を色空間に重ねてみたもの

 この画像と先程の「ヘルメットの色空間分布」を比較してもらうと、結構似ているのが面白いところだと思う。もちろん、似たような配置になったものを使用したわけではあるが、それにしても面白いと思うのだが、どうだろうか?

 私が大学に入学した当時は、セクト間の陣地争いが盛んだった。といっても、私のいた学校がガラパゴス諸島のように(その手の部分では)化石的な学校だったからで、決して古い昔の話ではない。授業をやっている横の廊下で、内ゲバで殺される人がいたり、朝のキャンパスで血みどろの戦いが行われていたりした。実際のところ、それは私にとって結構衝撃的な出来事だった。少なくとも、そのせいで、あの手の陣地争いを大嫌いになったことは確かだ。とりあえず、現実空間ではともかくこの色空間においては、そんな陣地争いがないのが良いところだ。

 さて、今回はタイトルをゲバ字(トロ字)っぽくしてみた。ゲバ字(トロ字)というのは、チラシや立て看などでよく使われた(る?)文字のことである。だから、別に「こういう形」というものがあるわけではない。とりあえず、それっぽくしてみたわけであるが、どうも本WEBにはこういうフォントは似合わないようである。うーむ、失敗である。

2000-12-17[n年前へ]

9人の女神はピンク映画の夢を見るか? 

WEBの画像の色分布を調べよう

 
 

 「お笑いパソコン日誌」の「2000/12/4 今日のネタ・パッチワーク」で、「エクスプローラーが作るブックマークのサムネイル」の話が書かれていた。「うんうん、そうなのだ。」と思ったネタだったのでちょっと引用してみると、
 

2000/12/4 今日のネタ・パッチワーク
 1日の Dekirukana?? Diary に、favicon.ico のパッチワークという話が書かれていた。実は私も、似たようなネタをだいぶ前から抱えている。ただしこちらはアイコンではなく、左図のような、エクスプローラーが作るブックマークのサムネイルを使うつもりだった。

    (中略)

 そんなわけで、この企画は投げ出したままになっているのだけど、もともとの意図はパッチワークを作ることにはなかった。私がやりたかったことは、ポルノサイト、ニューズサイト、アニメサイト、女性タレントサイトといった具合に、それぞれ代表的な10個ぐらいをサンプリングし、サムネイルの中で使われている色の分布を調べることだった。当然、グラフ化してサイト別の特徴を調べるのが目的である。おお、なんかまるで「できるかな?」みたいなネタやんけ、と思われただろう。まったくその通りである。ただ、大きな違いは、私の場合、ざっとサムネイルを見ただけで、おおむね予想された結果に近いとわかった時点で終わってしまうことであった。わははは(嘆息)。
 

という内容である。そうそう、私もやはり同じようなことをずっとやりたかったのだった。WEBページを小さな画像にして、それを何らかの色空間の中で再配置してみたかったのである。そして、その色空間の中でのWEBページ達の配置を参考にして、大きな画像をパッチワークで作ってみたかったのだ。

 結局のところ、私はやはり最終的に一つの画像をパッチワークで作ってみたかったのだ。それはパッチワークという言葉を使うより、モザイクという言葉を使った方がずっと良いだろう。きっと、その方が私の作りたい画像のイメージが伝わりやすいに違いない。そう、私はMosaic等から始まったWEB空間を、「小さなWEBサイト達で点描写することで一つの大きなモザイク画像として描いてみたかった」のである。

 ここまで読んで、「それってMosaicとモザイクをかけただけの、ただのダジャレ?」などと言ってはイケナイ。ホントのところは全然知らないのだが、Mosaicを作ったMarkAndreessen達とそもそもMosaicの語源であるミューズ達もきっとそんなモザイク画像を心に思い浮かべていたに違いないのである。全然根拠はないのだけれどそう思うのである。チョットだけそう考えてみれば、誰にだってそんあモザイク画- 一つ一つの点を眺めているとそれらは小さなWEBページだけど、遠く離れてみると何やらぼやけて大きな一つの画になるモザイク画- が見えてくるに違いない、と私は思うわけだ。
 

 さて、お笑いパソコン日誌のおかげでIEのThumbnailsViewを使うという面白い方法が見えてきたわけではあるが、いきなり「WEBページのモザイク画像」に挑戦するのもキツイものがある(いや、私にはね)。そこで、今回はWEBページで使われている画像の色分布を調べてみることにしようと思う。WEBページ内には写真が多く使われているわけで、それらの写真がモザイク画像を作ることができるほど色々な色合いを持っているかどうかを調べてみるのである。
 

 今回行う手順はこんな感じだ。

  1. WEBサイトから画像をゴッソリと収集する
  2. 低機能解析ソフトでそれらの画像の色分布を解析する
  3. とりあえずそれを眺めてみよう
この手順の中で「WEBサイトから画像を根こそぎゲット(収集)する」というソフトは色々あるのでそれを使うとして、まずは解析ソフトがないと話にならない。というわけで、作ってみたのがこのソフト(あくまで低機能)である。名前はそのものズバリMosaic(ニセモノ)である。
 
Mosaic(ニセモノ)の動作画面

 まずはローカルディスクの適当なフォルダに画像ファイルを保存しておく。そして、このMosaic(ニセモノ)でそのフォルダ内の画像を全部読み込んで、それらの各画像の色を調べるのである。本来は、それぞれの画像の特徴色(っていっても意味不明であるが)を抽出したりする方が良いのかもしれないが、今回は簡単のために各画像内で色味をテキトーに平均した結果を用いた。

 このソフトの目的はあくまでモザイク作成(しかし未実装)なので、何の役にも立たないボタン(というより動くボタンがLoadFolderボタン一つだけ…)や領域があるが、それはそれいつものことなので気にしないで欲しい。というわけで、これ

である。いつものように、色々な画像フォーマットの画像を読み込むためにはSusieプラグインが必要である。

 これを使って、例えばカラフルフリースで絶好調のWEBサイトwww.uniqlo.comで使われている画像をゴッソリとゲットして、それらの画像をMosaic(ニセモノ)で解析してRGB色空間で眺めてみた結果はこうなる。赤い点がいっぱいあるが、その一点一点が一枚の画像の平均の色味なのである。
 

ユニクロのサイトで使われている写真の色分布
RGB色空間

 といっても、三次元のRGTB色空間を平面のグラフでこんな感じで眺めてみてもワケわからん状態なので、Red-Green平面、Red-Blue平面で眺めてみたのが次の二つの図である。
 

ユニクロのサイトで使われている写真の色分布
Red-Green平面
Red-Blue平面

 こんな風にしてみてもやはり同じワケわからん状態かもしれないが、もうひとつGreen-Blue平面を眺めてみると何やら面白い様子が見えてくる。
 

ユニクロのサイトで使われている写真の色分布
Green-Blue平面

 そう、実は「緑と青」はあまり独立ではないのである。結構相関があるのだ。青が強けりゃ緑も強い、というわけで一緒に動いているのである。ということは、「青も緑も多い青緑」や「青も緑も少ない赤」は多いがそれ以外の色は少ないということである。ユニクロのWEBで使われている写真は実は青緑・赤指向が強いのである。ところで、ユニクロのWEBで使われている写真はユニクロのフリースなどの製品の写真がほとんどである。ということは、ユニクロのフリースは青緑・赤指向が強く、青純色とか緑純色の色は実は少ないということになる。

 それが端的にわかるのがa*b*平面で表示させてみた場合である。a*方向すなわち赤色方向は多いのに対して、b*の小さい方向つまり緑方向などには妙に点がないことがわかるだろう。今のユニクロは緑を何故か避けているのである。緑の純色のフリースは人気がないのだろうか?う〜ん、不思議なところだ…
 

ユニクロのサイトで使われている写真の色分布
a*b*平面

青○は色味のないa*=0,b*=0の点
参考:La*b*色空間

 いや、そんなことはどうでもいい。別に私はユニクロのフリースを買う予定があるわけでもないし、ライバル社の社員でもないのである。色と言えばもっと他の種類のサイトを調べてみなければならないだろう。
 

 そう、それはもちろんエロサイトである。カラフルなユニクロももちろん興味深いところではあるのだけれど、色と言えば、何はともあれ色気タップリのお色気サイトを調べなければならないだろう。

 そこで、国内某エロサイトからエロエロ画像を根こそぎゲット(収集)してそれを解析してみたのが次の結果である。ハイ、ゲットしまくった結果です。
 

国内某エロサイトで使われている写真の色分布
a*b*平面

青○は色味のないa*=0,b*=0の点
参考:La*b*色空間

 とりあえず結果を眺めてみると、この国内某エロサイトにある画像では青・緑方向の色はほとんどないのである。ほとんど赤から黄色にかけての色なのである。Lすなわち明度は高いものが多かったので、結局のところは明るい赤から黄色にかけての色が多い、ということになる。

 明るい赤と言えば、それはもちろんピンク色というわけで、私は「なるほど!だからピンク映画なのか!」「エロはやっぱりピンクなのか!」とチョット思ったりしたわけである。しかし考えてみれば、英語ではスケベ映画のことをbluefilmて言うわけでこの説には全然説得力がないのだった。

 しかししかし、である。もしも、英語圏のエロサイト内のエロ画像では青方向に色味が強いのだったら、英語でスケベ映画のことをbluefilmと呼ぶ理由が説明できるのではないか、と私は考えてみた。もう少し細かく書いてみると、エロと言えばやはりヌードなわけで、それすなわちスケベ色= 肌色である。日本人の場合それが

肌色 = ピンク色
で、肌の色が白くて静脈が透けまくりの白人であれば、
肌色 = 青色
であるというのもそれほど不自然ではないし、だとしたらピンク映画 = blue filmであっても良いだろう、というわけだ。

 もし、白人の場合「肌色 = 青色」だったりするとしたら、英語圏のエロサイト内のエロ画像では「肌色= 青色」を含みまくりというわけで、青方向に色味が強いということがあっても不思議ではない。
 というわけで、さらに英語圏某エロサイトからエロエロ画像をまたもや根こそぎゲット(収集)してみた結果が次の結果である。別に私はエロエロ画像をゲットすることが目的ではないので、やましいところはないと思うのだが、やってることは「何だかな〜」状態である。
 

英語圏某エロサイトで使われている写真の色分布
a*b*平面

青○は色味のないa*=0,b*=0の点
参考:La*b*色空間

 さてさて、英語圏某エロサイトからエロエロ画像をゲットして解析してみた結果は「英語圏のエロサイト内のエロ画像では青方向に色味が強い」なんてことは全然無くて、むしろ青みは少ないのだった。というよりやたらに黄色が強いのである。とりあえず、エロエロ画像には青色や緑色はほとんど無いといっても良いようである。

 
 ところで忘れている人も多いかもしれないが、今回の目的は「WEBページ内の写真がモザイク画像を作ることができるほど色々な色合いを持っているかどうかを調べてみる」ことだったのである。別にエロエロ画像を根こそぎゲット(収集)したり、それをただひたすらに眺めることではないのである。

 というわけで、その観点から見てみると

  • ユニクロサイトの画像には緑がなかったり、
  • エロサイトのエロエロ画像には青や緑がなかったり、
して、WEBサイトの写真なんかを使ってきれいなモザイク画像を作るのは一筋縄ではいきそうにないが、次回には必ずモザイク画像作成ソフト-Mosaic(ニセモノ)-を完成させたい、と思うのである。
 
 

 ところで先に少しだけ書いたが、モザイクすなわちMoisacの語源はギリシャ神話の中の学問・芸術をつかさどる9人の女神Museである。ネットワークを学問・芸術をつかさどるMuse達が動かしているわけだ。Muse達が色々な思いにふけったり、楽しんだりしながら動かすネットワークの中をMosillla= Mosaic Gozilla達が動き回っているなんて考えると、とてもワクワクしたりはしないだろうか?ギリシャ神話は遠い昔の話なのではなくて、今私たちの周りに満ちているような気がしたりするのである。
 

2000-12-24[n年前へ]

A型vB型・大戦争 

血液型分布を眺めてみよう

 今年も私の職場には新入社員が入ってきた。その新入社員の中の一人は「血液型+ 動物占い」の信者だった。何しろ、ことあるごとに「血液型 + 動物占いの結果が同じ人はとってもよく似ているんですよ!もうビックリするくらい当てはまるんですよ!もちろん、たま〜に例外の人もありますけど。」といつも私たちに言うのである。もちろん、私も含めてその周囲の人は「その自信と根拠は一体どこからくるんだぁ!」とツッコミを入れるわけであるが、少なくとも本人は気持ち良いくらい自信満々なのである。とはいえ、私も占いというものは「根拠無しにテキト〜に何かを決めつけることができるという素晴らしいもの」だとも思うので、まぁそれはそれで楽しいわけだ。

 そんな血液型大好きな新入社員なら可愛いものであるが、それがもう少しエラ〜イ人になるとちょっとばかり大変である。私のとなりの部署の部長なども実はそんな血液型信仰者なのであるが、その部の配属には血液型が参考にされるというオソロしくも確かな真実がある(ホントにホント)。そこの某部長曰く「B型は実験が杜撰だから嫌い。」という実に誠実な理由に基づき、その部はA型人間大集合なのである。というよりも、その部からB型は外されているのだ。恐るべき純血追求型人事手法である。ヒットラーもビックリである。

 そんなA型人間大集合の部がある一方で、私が所属している部屋(課)は何故かB型が多い。10人強の中で半数程がB型なのである。どこで読んだのか忘れたが、日本人の血液型はA型35%,B型 25%,AB型 10%,O型 30%位であるらしいから、私の課のB型比率はかなり高い。しかし、もちろんそれは単なる偶然だろう。隣の部がB型を排除しているから私の部屋がB型で溢れているのじゃないか、という恐ろしい想像ができないこともないが、そういうわけでもないだろうと私は信じたい。

 しかし、「信じたい」という気持ちだけで物事を決めつけるのは危険この上ない。それは「セーラー服の女子高生はみんな可愛くて純真だと信じたい」という危険さと同じくらいデンジャラスである。何事も、先入観で判断してはイケナイのである。確認することが重要なのだ。そこで、今回は「10人強の中で半数程がB型なんていうのはよくある偶然」だということを血液型分布・配置シミュレーション(超手抜き)でも行って確認してみたいと思うのである。そして、私が所属している部屋(課)にB型が多いのがただの偶然であること、つまりある特定の血液型の人間が集まることが不自然ではないことを確認してみたいのである。
 

 さて、今回の血液型分布・配置シミュレーションのやり方は次の通りだ。

  1. まずは256人の人間を用意する。
  2. その256人に対して、A型 35%,B型 25%,AB型 10%,O型 30%位になるようにAB型の抗原(AA,AO,BB,BO,AB,OO型)を配置する。
  3. その後、遺伝子を移動して血液型を再配置する。
  4. 近所の人間と子供を作る(遠距離恋愛は考えない)。
  5. 血液型分布・配置を調べる。


 この説明の中で、一言で「遺伝子を移動して、近所の人間と子供を作る」と書いたが、もちろんその現象の中には

  • 人が引っ越したり・移動したりしていったり、
  • 愛が芽生えて子供がデキたり、愛が芽生えないけどデキちゃったりして子供が出来たり、
という人生の喜怒哀楽が詰まっているのである。ドラマが詰まっているのだ。しかも、それだけではない。この血液型分布・配置シミュレーション(超手抜き)の超手抜きたる所以は総人数を一定にするために、子供が一人出現すると親が一人消えてしまうのである。常に村人達は256人なのだ。スティーブン・キングも真っ青のオソロシイほどの手抜きである。

 まぁ、しかしカマキリのようにエッチのあとにメスがオスを食べちゃう動物もいたりするのだし(実際のところは知らないけど)、この恐怖の「子供が一人出現すると親が一人消えてしまう」システムもそんなに不自然ではないのである、ということにしておこう。というわけで、いつもながらの強引な展開だ。

 そんなわけで、行ってみた血液型分布・配置シミュレーションの結果が下の動画である。一マス一マスが一人の人間である。時間毎にどんどん血液型分布・配置が変化していく様子が判ると思う。ちなみに、
赤 = A型、緑 = B型、水色 = AB型、紫 = O型である。
 

血液型分布・配置シミュレーションの結果の一例

ファイルサイズがデカイのは直すつもり…
A型
B型
AB型
O型

 この結果はカラフルにただチカチカするだけの計算結果ではないのである。このチカチカこそが人生の喜怒哀楽なのだ。そこを是非とも心して眺めてもらいたい、と切望する次第である。
 

 じゃぁ、時間を追ってA型、緑 = B型、青色 = O型、紫 = AB型(色が一部さっきと逆転していることに注意)がどう変化していったかというと下の図のような感じだ。それほど一定ではないことがわかるだろう。それぞれの血液型の比率が逆転したりする下克上な瞬間だってままあるのである。
 

血液型分布の変化

A型、緑 = B型、青色 = O型、紫 = AB型

 もちろん、これは256人という少ない人数だからこんなに大きく比率が変動するわけである。しかし、今回は「つまりある特定の血液型の人間が集まる」かどうかを調べたいのである。つまり、ある少人数の人間達を考えたときに特定の血液型の比率が多くなることがあるかを調べたいのだから、考える人数は少人数で構わないわけだ。

 256人という比較的多い人数を考えた場合ですら、人生のドラマが続く中でそれぞれの血液型比率は結構変化して、それぞれの血液型の比率が逆転したりすることもあるわけだが、じゃぁもっと狭い領域に注目したらどうなるだろうか?例えば、下の瞬間の血液型分布・配置を眺めてみよう。
 

ある瞬間の血液型分布・配置

A型
B型
AB型
O型

 おやおや、結構

  • A型 = 赤が連続していたり
  • B型 = 緑が集まっていたり
  • O型 = 紫が多いくせに固まっていたり
  • AB型 = 水色が少ないながらも集まっていたり
するではないか。何故か同じ血液型が大集合している人達がイッパイいるではないか。そう、実は血液型の分布というのは「偏って集まっているようにみえる」のが自然なのである。以前、でも考えたが、ムラなく血液型分布が配置されているほうが実は不自然なのである。こういう分布は比較的少ない人数をとりだすと、どうしたってムラがあるのが自然なのだ。そして、そのムラは結構大きなものなのである。これが意外なほどムラはあるものなのだ。

 試しに、先程のシミュレーションである16人(つまり私の部屋(課)の人数位だ)を抽出して調べたときに、A型が一番多かった場合と、一番少なかった場合で、A型の割合だどんなだったかを調べてみたのが次に示すグラフである。ここで、

  • 赤 = その瞬間にA型が一番多かったグループにおけるA型の比率
  • 青 = その瞬間にA型が一番少なかったグループにおけるA型の比率
である。つまり、16人を抽出して調べたときに、A型の比率がどの程度偏っているのかを見てみるのだ。
 
16人を抽出して調べたときに、A型の比率がどの程度偏っているか?

赤 = A型が一番多かったグループにおけるA型の比率
青 = A型が一番少なかったグループにおけるA型の比率

 なるほど、A型が一番多かったグループではA型の比率が60%を越える時もある。逆にA型が少ないグループでは16人のなかにA型がいない、という状況すらあるのだ。

 ということは、私の部屋のB型がほぼ半数という状態だって別に不自然ではなく、それはごく自然なわけだ。もちろん、A型とB型の比率が違うことを考慮しても、全然不自然ではないだろう。ということは、血液型信仰者の某部長による隣の部のB型キライの恐るべき純血追求型人事手法の余波をうけて、私たちの部屋がB型だらけということはなくて、それは単なる偶然だろう、ということがわかるわけだ。

 ところで、ここまで書いて「血液型信仰者の某部長」が「ヘンな人」というイメージを持たれてしまうと非常に困る。何故なら、もっと変でなおかつエライ人がイッパイいるのである。(ここでいう「エライ」は関東弁&関西弁のニュアンスだ。つまり、「偉いけど大変な」というニュアンスだ。)血液型信仰者なんてカワイイもんじゃないの、と思えるくらいのスゴサである。だって、ダウジングが超大好きで、奇跡の水が超〜大好きな人だっているのだ。もしかしたら、ダウンジングなんて言葉を知らない人がいるかもしれない。しかし、知らなくて当たり前である。ダウンジングとは下の絵のような棒を持って水脈などの場所捜しをする迷信の中の迷信である。キング・オブ・迷信と言っても良いくらいのアイテムである。
 

参考資料: これがダウンジングだぁ… 笑える。

 しかも、なんとダウジング&奇跡の水大好き人間が実は某新規材料開発部署の責任者だったりするので、そこらへんは考えると実はかなりコワイものがあるのだが、それはそれ、結構笑える事実(ホントにホント)ので良しということにしておきたい。
 

2001-11-24[n年前へ]

hirax.netの美術館 

PLAY BACK

 
 
 もうすぐ師走、年賀状を作る季節になりました。ヘンなポストカードを作って、色んな人に贈ってみたいという人もきっと多いはずです。そんなあなたのために、「できるかな?」でこれまで使ったヘンな画像達のいくつかを展覧会のように並べてみました。

 これを眺めていると、ポストカードを作る何かのアイデアが湧くかもしれません。あるいは、何か他のアイデアが湧くかもしれません。

 何はともあれ、hirax.netの美術館にようこそ。夕方の閉館時間までお楽しみ下さい。


 
 
 
 
「Igot a (N)Icon Camera.」
jun hirabayashi1999

 Profile代わりに置いているもの。「謎かけのようだ」、「こんなもので何がわかる」と実に不評であるらしい。
 縦軸はデザイン上の都合で(x10)されています。ケアレスミスとの噂も…。
 
 
 
 
 
 

 「A HappyNew Year!.」
jun hirabayashi 2001

 サンディエゴをFinePix700で。そういえば、この後すぎにFinPixが壊れたのだった…。
 これは、喪中だったが、hirax.net用に作ってみたもの。
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「淡くて儚い昔のアルバム」(部分)
junhirabayashi 2001

 「集合写真を集めた集合写真」。これを遠目に見ると、右の写真のようになる。あなたが眺めた一年を集めて、一枚の写真を作るのは如何でしょうか。
 

「笑顔で作った一枚の写真」
junhirabayashi 2001

 笑顔を集めて一枚の写真を作ったもの。笑顔がつまった年賀状なら、きっと次の一年は素晴らしい一年になるかもしれません。
 


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「ゼロックス写真とセンチメンタルな写真」
jun hirabayashi1999

 荒木経惟の「センチメンタルな写真、人生 - Sentimental Photography,Sentimenatal Life - 」を見に行って、自分でもやってみたもの。左は普通の写真で、右はゼロックス写真風にしてみたもの。
 「カラーコピーの色っていうのは、妙になまめかしい」と荒木経惟は言いますが、そんな「なまめかしい色」の年賀状は如何ですか?
 

「A3用紙の広さの世界」
jun hirabayashi2001

 September 11からの一連のことから、考えて、作ってみた写真。左上に重なっている絵は「野火」という画像です。

 こんな写真ではおめでたくはないですね…。

 


 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

「小さな掌に未来の地球儀をのせて」
junhirabayashi 2001

 「送られたカードを組み立てると、小さな地球ができあがる」というカードはいかが?もちろん、掌にのる小さな地球はあなただけの地球です。
 

 「モノポリー」HIRAX.NET Edition
junhirabayashi 2000

 「WEBサイトでMONOPLOY」から。それぞれの場所はそれぞれのサイト。個性溢れた小さなMONOPLYカードを送るのは如何でしょう。


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
「記憶の中の風景」
junhirabayashi 2001

 「できるかな?」特製の色鉛筆風のメキシコのティファナの風景。「昔見た風景」をリアルに描くことは、リアルな写真とは違う。水彩画でカラフルに描かれた世界の方が「記憶の中の風景」に近いこともあります。
 
 
 
 
 

 「Everythinglooks better in black and white.」
jun hirabayashi2000

   Paul SimonのKodachromeの歌詞は、元はEverything looks worsein black and white.だったが、
何時の間にか、Everything looks better in black and whiteに変わったといいます。
 何時の間にか、白黒の世界の方がきれいに見えてきてしまうこともあるのでしょう。


 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
「ミウラ折りのラブレター」
jun hirabayashi2001

 「ミウラ折りの落書き紙」で作った「ミウラ折り」のカード。このカードに、思ったことを書き留めて贈ってみるのは如何でしょう?
 

 

日傘をさす女hirax.net Edittion 
jun hirabayashi2001

 「日傘をさす女」から。モネの「日傘をさす女」を立体化したもの。過去の世界が生き生きと動き出すさまを眺めてみると、実に不思議に感じる。

 そんなノスタルジックな立体写真カードは如何でしょう?


 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
「言葉にされたモナリサ」 (部分)
junhirabayashi 2000

 「モナリザの自己相似形」で作成したもの。
 私がモナリザを見たのはこのASCIIアートのモナリザが初めてだった。何故か住宅の天井裏にASCIIアートをモチーフにしたカレンダーが貼られていた。天井裏に貼られたモナリザはとても趣があった、と思う。そういうわけで、初めて見たモナリザは、カラーではなくて白黒の、しかもASCIIアートのモナリザだった。

 「言葉でつづる一枚の絵」を贈るのも、趣があるのではないでしょうか?
 

 「愛で描いた仲間由紀恵」
junhirabayashi 2001

 「純愛で世界を描ききれ」で作った「純愛スクリーン」で描かれた仲間由紀恵。

 愛を込めて作った一枚の写真をあなたの大好きな人に贈るのは如何でしょう?なかなか相手には届かないかもしれませんが…。
 

 


 
 
 
 

 
 

2001-12-22[n年前へ]

カラフルな傘 

 伊豆長岡の通りの向こうで見かけた。晴れた日にいつも来るせいなのか、伊豆長岡に来るととても色鮮やかに感じる。(リンク



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