2000-06-19[n年前へ]
■プリュアン散乱法とリプロン光散乱法
熱ゆらぎ計測法 from InterLab
2000-07-15[n年前へ]
■外の世界を眺めてみれば
ビデオ入力を活用しよう
先日、トランジスタ技術の2000/07号を読み直していた。読み直していたのは「色センサー」の記事である。有限会社レンテックが視覚障害者用の製品として発売しているものである。PICをよく使う人だったら、この記事を読んでいなかったとしても、多分よく知っている話だと思う。何しろ昨年の「第三回PICmicroデザイン・コンテスト」で優勝した作品だからである。PICと音声ICの数多い制限と、測定上の制限の中で、「(使用用途を考えた上での)安定した色名決定」を行うルーチンがとても苦労していて、読んでいてとても面白い。
個人的には、この「第三回PICmicroデザイン・コンテスト」で入賞している「マルチ・チャンネル分光器」と
みたいなものを組み合わせて、「5000円でできるパーソナル・マルチ・チャンネル分光器」なんてものを作ってみたいと思っているのだけれど、こちらはなかなか作業が進んでいない。それはさておき、この「色センサー」のように、持ち歩いて色々なところですぐに調べることのできる測定器というのはとても便利なものだ。そして何より、それを作っている側からしても面白いものである。そこで、私も試しに作ってみることにした。といっても、計測器を作り出すと仕事と区別がつかなくなってしまうので、ハード的に作業をするのは気分が全然のらない。そこで、PCに接続されているビデオカメラを用いて、ソフト的に作ってみることにした。やってみたことは、以前作成した「色覚モドキソフト」を、ビデオカメラからのリアルタイム入力用に作ってみただけである。
以前
ではインターネット上にある画像ファイルに対して、画像処理をかける「色覚モドキソフト」を作ってみた。コンピュータにネットワーク上のものが見える「色覚」を持たせて、ネットワーク上の画像について考えてみたわけだ。そして、ではそれを自分のPCの中にある画像ファイルをいじるようにしてみた。つまり、コンピュータに自分の中のものが見える「色覚」を持たせて、自分の中を覗いてみたのである。そして、今回はPCに接続されているビデオカメラを用いて、コンピュータに現実社会を眺める「色覚」を持たせてみることにしたのである。そんな現実社会を眺めることができて個性を持つコンピュータを通して、現実社会を眺めてみたいと思うわけだ。
最近の持ち歩き用の小型ノートPCにはビデオカメラが取り付けられているものが多い。例えば、こんな感じだ。
私もCasioのPalm-sizePCは使っているし、ノートPCにもUSB接続のビデオキャプチャーを取り付けている。こういう持ち歩けるPCに取り付けてあるビデオカメラを活用しないのは勿体ない、というわけで、以前作った
を改造し、で作ったtruecolorを合体させて、ちょこちょこっと作ってみたのがこれだ。- truecolor5.exe ( truecolor5.lzh 746kB)
例えば、次の画面はTVで放映している「ターミネーター」を見ているところである。一番左の画面がコンピュータのビデオカメラに写っているそのままの画面だ。そして、真ん中がリアルタイムに色調変換をかけている画面である。つまりは、「色覚に個性を持つ」コンピュータが眺めている「ターミネーター」である。また、一番右はシャッターを押したときに取り込まれた静止画像である。
くれぐれも勘違いしないで欲しいのだが、上の一番左の画面で「赤い」部分が、真ん中の色調変換をかけた後では緑っぽく見えているからといって、このコンピュータがそこを「緑」と認識しているわけではない。あなたが、この真ん中の画面を見て何かを解釈しようとした瞬間に、それはコンピュータの感覚に加えてあなたの感覚が混入してしまうのである。もし、それでもそう考えたくなる人がいれば、そもそも「赤」とか「緑」という言葉はどういう意味なのかを考えてみると良い、と思う。
また、今回のL,M,S(これは具体的な何かを指すわけではないので、この意味についてはあえてここでは説明しない)の各スライダーの感度パーセンテージを以前のような0〜100%ではなくて、0〜200%の範囲で動かせるようにしてみた。もし、あなたのPCのモニタがこのLに対応するところが弱くなりがちならば、このLのスライダーをいじってやって、Lに関する情報を増幅してやることができる、と考える人もいるだろう。といっても、いじってみるとわかると思うが、そもそもモニタの出力可能な限界と画像フォーマット上の限界があるわけで、なかなかそういうわけにはいかない。ただ、色々と実験してみるのには面白いかもしれない。
ちなみに、次の画面は「週間アスキー」の広告を眺めている画面だ。おやおや、この広告はこのコンピュータには今ひとつアピールしないようだ。
さて、先ほど
そもそも「赤」とか「緑」という言葉はどういう意味なのかを考えてみると良い、と思う。とあっさり書いたが、「言葉」とか、「現実」とか、あるいは「感覚」といったものはすこしづつ重なり合ってはいるけれど、それは一致し得ないものだと私は思っている。まして、それらは一人の人の中で完結できるものでもないし、同時に万人にとって同じでもない。以前書いた「クジラは哺乳類か魚か?」とかと同じで、心底考えてみることに意味があるんじゃないか、と思ってたりするのだ。
2000-08-07[n年前へ]
■高いか、安いか、この価格
愛はお金で買えるのでしょうか?
私がよく使う日本国内向け情報検索サイトはinfoseekである。何かを探すときには、居酒屋の生ビールではないが、何はともあれinfoseekである。何故かは上手く説明できないが、他の検索サイトに比べて私にとって感覚的に「合う」のである。
ところで、こういった検索サイトはバナー広告などの広告収入で運営されている。しかし、私は「そんなバナー広告って、高いお金を出すほど効果があるのかなぁ?」とかねがね疑問に思っている。といっても、広告シロートの感覚なのできっとそれは間違っているのだろう。
そんな広告シロートの私でも、「あぁ、これは便利だなぁ。これはきっと効果があるよなぁ。」と思うバナー広告がある。それは、「検索のキーワードに応じて表示されるバナー広告」である。
例えばinfoseekで「センサ」というキーワードで検索をかけるとこんな結果表示の画面になる。
色々な「センサ」に関する情報を知りたいと思って、「センサ」に関するサイトをinfoseekで調べると、
センシング・計測技術の総合サイト = キーエンスというバナーがデッカク表示されるのである。なんとも、これは便利である。普通のバナー広告は邪魔なだぁと思うことも多いが、こんなバナー広告は全然邪魔だとは思わない。むしろ、便利だなぁと私は素直に思うのである。
私の気持ちに関わらず勝手に無条件で表示されるバナー広告は、私にとって単なるノイズにすぎない。「このバナー広告がなければ、もっと素早く情報が表示されるのになぁ」などと思い出すと、腹が立ってくるほどである。しかし、私の探している情報に関するバナー広告を表示してくれるとなると、それが180度変わるのである。それは単なるノイズではなくて価値あるシグナルに変わってしまうのだ。邪魔な存在から、とってもありがたい存在に変わるのである。
これは他の色々なキーワードでもそうで、例えばプリンターやコピー機の「トナー」に関する情報を探してみると、こんなバナー広告が表示される。「トナー」を探している人には
ウチでは安いトナーを売ってますよ!という広告を教えてくれるのである。なんともありがたいことである。これは決して邪魔ではない。むしろ、適切なアドバイスである(いや、もちろんここのトナーが本当に安いのかどうかは私は知らない)。
この「センサ」、「トナー」といった例はinfoseekの場合だが、これは別にinfoseekに限るものではない。他の検索サイトでもこんなバナー広告は同様に表示される。例えば、
- excite ( http://www.excite.co.jp/)
- LYCOS ( http://www.lycos.co.jp/ )
- infoseek ( http://www.infoseek.co.jp/)
- goo ( http://www.goo.ne.jp )
どこの検索サイトでも「デジカメに関する情報を探している人」には「デジカメの広告」を表示してくれるのである。いやはや便利な時代になったものである(ちょっと年寄り風)。
ところで、こんな検索をかけている内に、こうした広告を出すのに「いくら位お金がかかるのか」と疑問に思い
を見てみると、これが実は結構安い。- Search Word/サーチワード 検索する言葉に合わせて出現する、待ち伏せ広告 (サイズ:60×468)
- 4週間2,500PV以上のワード 4週間で¥12×PV
- 上記外のワード 4週間で¥30,000 (固定)
- Top Page Banner/トップページバナー
私にとっては「邪魔な存在なだけのバナー広告」が一週間で¥2,000,000であるのに、「ありがたい存在のバナー広告」が4週間で¥30,000なのである。もう、こんなに安くて良いのかしら、という位である。こんなに安いと個人で広告を出してみても良いと思うくらいである。私も小遣いがもう少しあれば、試しに広告を出してみるところだ。「できる?」で検索をかけると、自動的に「HIRAX.NET」のバナー広告を表示したい程である。それは四週間で3万円なら安いモノだ。
それどころか、このバナー広告を使ったシュールなプロポーズなんてのもオツなものだと思う。例えば、こんな感じだ。
ホラ、キミinfoseekでキミの「運命の人」を検索してごらん。なんて具合である。しかし、そんなことはもう実はされているかもしれない。
アラ、アナタのバナー広告が出てるわ! 何てこと!
ところで、このinfoseekの広告についての情報を読んでいると、infoseekにアクセスするユーザーに関する
なんて面白い情報がある。 これを見ると、infoseekにアクセスするユーザーは男性がほぼ70%で、女性がほぼ32%であるから、これを標準の割合と考えて、チャンネル別男女構成比で「男の方が割合が高いジャンルと、女の方が割合が高いジャンル」を示すと次の図のようになる。
「カルチャー&ホビー」が男女半々のジャンルで、それを境にして「男の興味ある世界」と「女の興味ある世界」が分かれているのが判ると思う。「学び」に関しては女性の方が興味を持っていることが判るし、「インターネット」に関しては男性の方が興味を持っていることも判る。比較的、男性が「コンピュータ・ビジネス・経営・政治・法律・社会・マネー...」なんて無機的なものに興味を持っているのに対して、女性は「グルメ&クッキング・ショッピング・キャリア・トラベル・くらしの情報...」なんて血の通ったものに興味を持っている。うーん、面白い。男性の比率が一番多い(いや、女性の比率が少ないと言うべきか)のは「クルマ」で、女性は「ヘルス&ビューティー」だというのも何かとても面白く、笑ってしまう。
これを見ると、「住まい」なんかもうほとんど女性の支配する世界であることなども判るだろう。なるほど、「男の隠れ家」なんて雑誌が売れるわけだ。ここまで「住まい」が女性の世界であれば、それも当然だろう。
さて、話を検索キーワードに関するバナー広告に話を戻そう。試しにinfoseekで「結婚」で検索をかけるとこんな結婚情報サイトの広告が表示される。ありがたくて、涙が出そうになるくらいである。
そこで、調子にのって私はexciteで「愛」で検索をかけてみた。
もちろん、これは単なる偶然だろう。「愛」を探しているのに、消費者金融のバナー広告が表示されるわけはない。「愛」を探しているのに、「お金」の広告が出るわけがない。「愛がお金で買える」わけがない。単なる偶然とはわかっているけど、何ともイヤな偶然である。もちろん、単なる偶然の筈だ。
神様、愛はお金で買えるのでしょうか?
2000-09-17[n年前へ]
■円周率は約3で良いか
「円周率を約3にするのなら、授業の名前も約算数とか約数学にすべきである。言葉の厳密な意味にかかずらう文化系としてはっきりとそう訴えておく。」from 朝日新聞の朝刊「eメール時評」いとうせいこう。この意見は、「そんなこと、最初からそうだ」ってことが判っていない「典型的な勘違い」だと思う。シミュレーションや計測をすると、そういうことが理解できていない人達に限って、盲目的に信じてしまう傾向があるが、それとどこか似ている。文化系とか理科系とかそんなこと関係なくて、単にいとうせいこうが「何かを絶対視したがってる」だけ。ゲーデルの爪の垢を煎じて飲んでみるのも良いのではないだろうか?だけど、いとうせいこうの「ノーライフキング」は古田足日の「盗まれた町」を受け継ぐ児童文学の名作だと思う。いや、古田足日の「盗まれた町」があまりにも早すぎた作品だったと言うべきか。
2000-09-26[n年前へ]
■高鳴る鼓動は何のせい!? 心電図編
力尽きた時はその時で、笑い飛ばしてよ。
「人間は生まれた時は自由である。しかし、いたるところで鉄鎖に繋がれている。」といったのはルソーである。確かに、その通りだ。生まれたばかりの赤ちゃんの全裸ヌードは、朝からテレビで放送されているのに、大人の全裸ヌードには必ずと言って良いほどモザイクなどが掛けられてしまうのである。どちらも同じ全裸ヌードにも関わらず、生まれたばかりの時と大きくなってからでずいぶんと扱いが違うのである。「人間は生まれた時には自由なのに、大人になると規制がかかってしまう」のである。ルソーの言った通り、映倫やビデ倫が大人になった人間には規制をかけてくれるのだ。
ところで、少なくとも昔の私はこんな規制が全く不必要であった。といっても、聖人君子のような悟りを開いていたわけではもちろんなくて、それには深い事情があったのである。
高校時代の体育の授業で体操をしていた時のことだ。確か前宙か何かに失敗して私は頭からマットの上に真っ逆さまに落ちた。ちょうど、横溝正史の描く「湖面の上に足だけを付き出した死体」のように私はマットに突っ込んだのである。いや、その時は冗談で無しに一瞬自分が死んだかと思ったくらいだった。「どうせ死ぬならもっと格好良い死に方をさせてくれぇ」と思うくらいのヒドイぶつかり方だった。その時は、ズキ・ズキ・ズキ…と死ぬかと思うほどのヒドイ頭痛に襲われたが、それも結局30分位でなんとか治まったのである。少なくとも、その時には「治まった」と思ったのである。
ところが、その後遺症はすぐに(?)私の目の前に現れたのである。何とも、その後遺症はイヤな再登場をしたのであった。
深夜TV、いや11PMか何かだったか、とにかく何かのテレビを私が眺めていると、大胆な水着の女性が登場した。私の「血圧も心拍数も心持ちアップ(従来比)」した、と思った瞬間、ズキ・ズキ・ズキ…とあの死ぬかと思ったヒドイ頭痛が再登場したのである。別にアンコールをしたわけでもないのに、勝手に頭痛が再登場したのである。全然大胆な水着の女性を眺める暇なんかもなくて、私はただ頭を抱えて転げ回るだけだった。
この頭痛はこの一回ポッキリでなくて、私が少しでもエロを感じるたびに再登場した。もうエロビデオ何か見ようなどととしたらもう大変である。映倫のモザイクが登場するより早く、私の頭の中の倫理協会の拒否権が発動されるのである。映像美に私の心臓が「ドキ・ドキ・ドキ…」とときめいたりするとモウ大変、悪さをした孫悟空が三蔵法師に緊箍(きんこ)を小さくされて苦しむように、私も同じく七転八倒しなければならないのである。映倫やビデ倫のモザイクはただ見えないだけであるが、私の心の中の倫理協会は肉体的な制裁まで加えてくれるのであった。真夏のただでさえ暑くて心臓がドキドキしている時なんかに、エロビデオを見ようなんて思ったらもう大変、百発百中病院行きだったのである。
その後、私は頭痛に苦しめられるたびに病院へ行った。医者はその度「どうしました?」と聞くわけであるが、そう言われても私も困ってしまうのである。まさか、「テレビのエロシーンに興奮したら、ひどい頭痛に襲われました。」などと答えるわけにはいかない。いや、もっとはっきり言ってしまえば「宇宙企画のビデオに興奮して、頭痛に襲われました。」などと言うわけにはいかないのである。
そんなことを言ったら最後、「宇宙企画のビデオに興奮って、アンタそれでは変態ロリ野郎ですよ。」等と医者に言われかねない。それどころか、「頭痛ってアンタそりゃ、天罰ですよ。ヘッヘッヘ…」などと医者に言われかねないのである。しょうがないので、私は「いや、なんか急にちょっと頭痛がして…」などと体中にダラダラと汗をかきながらウソをつくしかなかった。当然だとは思うが、間違っても
エロビデオに興奮 -> 心臓ドキドキ -> 頭痛ズキズキという、うれし・恥ずかしフローチャートを告白するわけにはいかなかったのである。
結局、何回か脳波検査等を受けたりはしたのであるが、結局よく判らないままだった。どんなときに頭痛が起きるかを正直に言わず、ウソばかり喋る患者だったのだからしょうがないかもしれない。それでも、数年の内にいつの間にか直ってしまった。ともあれ、一時は心臓がドキドキと打つ心拍音を気にしながら、11PMを見たりしていたのであるが、いつの間にか堂々心拍数を気にせず見ることができるようになったのである。
そんな過去を思い出したのは夜の仕事場でだった。その時、私はとあるセンサ用の回路をせっせと組み立てていた。その時にBURR-BROWNのINA118という石を使ったのであるが、このデータシートには何とこんな使用回路例が載っていたりするのである。もともと、微小電位増幅用の石だからとても自然な応用回路例ではあるのだが、やはり回路図の中に人間が登場すると何故か笑ってしまう。疲れてハイになっていた私は大笑いすると共に、心電図や脳波検査を受けた昔を思い出したのであった。
http://www.burr-brown.com/WebObjects/BurrBrown/download/ DataSheets/INA118.pdf |
この回路は人間の体の微小電位を増幅して計測してやる回路であるから、この回路を使えば人間の体の電気的な活動を見てやることができる。この手のことが詳しくやりたかったら、やはり「今日の必ずトクする一言」とか「魅惑の似非科学」といったところを眺めると良いと思う。
ともあれ、かつて私は
エロビデオに興奮 -> 心臓ドキドキ -> 頭痛ズキズキという「うれし・恥ずかしフローチャート」に苦しめられていたわけであるが、逆にこの石を使って「心臓ドキドキ」を計測して、逆に「私の興奮度合い」を眺めてやろう、私は決意したのである。そして、私の興奮度合いだけでなくて他の人の興奮度合いも覗きまくろう、と考えた。
そこで、早速この回路図を元に組み立ててみたのがこの「Heartbeat1000」だ。安定性なんか無視しまくりのブレッドボード使用でそのくせGainは1000倍に変更という、無意味なエアロパーツを付けたヤンキー車のような仕様である。製作時間は本体が15分、さらに電極部分が30分というお手軽装置だ。
一応、電極部はこんなベルト固定式にしてあるので「誰でも簡単に使える」ようになっている。しかし、このベルトで体に電極を張り付けた状態というのはかなりサイバー(よく言えば)であり、他のもっと正直な言い方で言うとかなりアブナイ状態である。これを付けていると、それだけで受けが取れるのではないかと思えるほどだ。
それでは、早速この電極を胸に張り付けた状態でWEBサーフィンでもしてみることにしよう。自分の興奮度合いが丸見え状態での「うれし・恥ずかしWEBサーフィン」である。
まずは、自分のWEB「hirax.net」を眺めてみた。その時の「Heartbeat1000」の出力がこんな感じである。これが私の心電図というわけだ。左上の時間・電位レンジを見ると、
横軸が一マス一秒で、心拍が大体一秒間に一回で、その時に「Heartbeat1000」の出力にして5V程度のパルス(ゲインが結構高い)が出ていることが判る。この画面中では、13回心臓がドキドキしている。この画面は十秒間の記録画面であるから、一分当たりに直すと心拍数は78回ということになる。
縦軸が一マス5V
当たり前と言えば当たり前だが、自分のWEBを眺めてもそうそうドキドキはしない。とんでもないミスを見つけたりすると、ものすごくドキドキすることもあるが今回は軽く眺めただけなのでそんなドキドキは幸運ながらなかった。せっかくだから、自分のWEBを眺めて楽しくてドキドキしてみたいものではあるが、不幸なことにそんなことも全くなかった。実に残念なことだ。
そこで、次にZAKZAK(http://www.zakzak.co.jp/)でスポーツニュースを眺めてみた時の心電図が次の結果である。
こちらは、画面中の心拍数が14回であるから、一分に直すと84回である。さっきよりは幾分興奮しているようである。あくまで、ZAKZAKのスポーツニュースであって「ギャル満載」のコーナーでないということは、データの正確さの為にここに宣言しておきたい。
そして、最後に興奮しそうなスケベサイトということで、かつて一世を風靡し、インターネットの牽引役ともなった(言い過ぎか?)TokyoTopless(http://www.tokyotopless.co.jp/)を眺めてみた
こちらも、10秒間の心拍数が14回で一分当たりでも同じく84回だ。つまり、私はエロサイトを見ても「心頭滅却し火もまた涼し」状態で、何の興奮もしていないのである。少なくとも、私はZAKZAKのスポーツニュースと同じ程度にしか興奮しないようだ。私は正に聖人君子なのである。さすが、
エロビデオに興奮 -> 心臓ドキドキ -> 頭痛ズキズキという「うれし・恥ずかし聖人君子養成ギブス」で何年も鍛えただけある。もう、清廉潔白を絵に描いたような状態である。えっ、何やら「Heartbeat1000」の出力が何か不安定になっているって?どうみても興奮しているって?本当はこのあと興奮しすぎたせいで、データ取得ができなくなったんだろうって? いいじゃないの、そんなことは…
ところで、こんな風にオシロスコープの画面で自分の心臓が動くようす、自分の生きているようすを自分の目で見ているととても不思議な気持ちになる。私が興奮すれば、オシロスコープに描かれていく画面は高鳴る鼓動を見せてくれるし、何かに苦しめばやはり同じようにその変化を見せてくれるだろう。ただ規則正しくパルスを描くオシロスコープの画面を見ながら、色々なことを考えてしまうのだ。もし、このオシロスコープの軌跡が停止したら、どうなるだろうか?その時何を思うだろうか?