hirax.net::Keywords::「回路」のブログ



1999-11-09[n年前へ]

埋蔵金を探せ 

電子ブロックで金属探知機を作りたい その1

 Yahoo!のオークションでこんなものを買った。オークションで落札したのは一つ(EX-60)なのであるが、あとから別口でもう一個(EX-100)手に入った。

電子ブロック (EX-60 & EX-100)

 手に入ったのはいいのだが、お金が飛んでいってしまった。困ったものである。さて、EX-60の拡大したところも示してみる。

EX-60でとある回路を作成中の図

 これを見て懐かしく感じる人も多いはずだ。少なくとも、私の職場ではかなりの比率(80%位か)の人がこれで遊んでいたようで、

「オレはマイキットだった。」とか、
「もっとずっと前のスケルトンになる前のを持ってた。」
「おもちゃ屋の店頭で欲しくて眺めてた。」
などと、声があがった。しかし、新入社員位になると、
「何ですか、これ?」
「欲しかったのに、買えなかったのですか?」
などと言う。ジェネレーションギャップである。いや、もちろん私と年がそんなに離れているわけではないのだが...

 さて、

などを見ると、色々と電子ブロックの情報が載っている。こういうWEB情報がすぐに眺められるなんて、素晴らしくて涙が出そうだ。

 私自身が持っていたものはSTシリーズというものだった。これは、EXシリーズよりも一世代前のもので、デザインなどはずいぶん違う。スケルトンと白・青を基調としたデザインで、今売り出しても人気が出るのではないかと思える。シンプルながらレトロ調なところがいい。しかも、「組み立ててその上面をそのままコピーすれば、回路図も出来あがる」という素晴らしいものである。素晴らしい開発環境である。

 自分で遊んでいた機種でないせいもあって、今回手に入れたEX-60,100を眺めていても、それほど懐かしいわけではない。私自身が遊んでいた機種は、手に入れたいとは実は思わない。昔見た夢は、リアルに蘇らない方がいい、と思うのである。昔埋めた玩具はそのままにしておく方が幸せなのである。

 ところで、「昔埋めたもの」と言えば埋蔵物である。ならば、「昔埋めた夢」は埋蔵金だろう。別に、「夢= 金」という切なくなるような等式を持ち出すつもりはない。別に、お金が飛んでいってしまったせいで、お金に目が眩んでいるわけでもない、と思う。しかし、埋蔵金は男のロマンである。埋蔵金のために人生を棒に振る人がいるというのも、当然である。何しろ、男のロマンなのだ。どこぞのTV局が発掘をしまくるのも、当たり前である。

 ちなみに私は埋蔵物発掘のアルバイトもしたことがあるが、それは正に「男の仕事」であった。知らない人が見たならば、それは土方にしか思えなかったろう。そのバイトの名前を知っている私にも、土方にしか思えなかった。埋蔵物探しとはそういうものなのである。

 埋蔵金が実際に発掘されることはほとんどない。それにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほど存在する。金は腐ることはないにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほどあるのだ。
 大体、どこの地方にも「朝日さす夕日輝く...」という言い伝えがあるはずだ。母と言えば垂乳根であるが、埋蔵金と言えば「朝日...」なのである。ただ、これにも多少のバリエーションがある。もしかしたら、そのバリエーションを探れば、蝸牛考ばりの考察ができるかもしれない。いや、本当にしてみようかな... それは、いつかやてみることにしよう。

 さて、埋蔵金情報を探してみる。すると、

  • TREASUREJAPAN ( http://www.bekkoame.ne.jp/~m1911a1/treasure/treasure.htm)
によれば、私の近所にも埋蔵金伝説は腐るほどあるようだ。自宅の窓から見えるあたりに、二つもある。具体的に挙げてみると、こんな感じだ。
  • 香貫の埋蔵金 N市上香貫、下香貫 -> かつて香貫一帯には九十九塚の古墳群があり、埋蔵金の伝承も残されている。「朝日さす夕日かがやく柿木の下に黄金千盃二千盃」。
  • 釈迦堂の埋蔵金 N市西野字霞釈迦堂 -> 愛鷹山の中腹にある釈迦堂に残る長者の黄金伝説。「朝日さす夕日かがやくこの所、黄金千盃朱千盃」。こちらも古墳群が存在した。
 写真も示してみる。なんて、埋蔵金が身近にあるのだろう。
香貫の埋蔵金(左の山近辺)と釈迦堂(右の山近辺)の埋蔵金の埋まる場所

 そう、めちゃくちゃ近い所に埋蔵金は埋まっているのである。そこで、散歩がてら埋蔵金を探してみることにした。しかし、そうそう簡単に埋蔵金が手に入るわけはない。どこに金塊が埋まっているのか、調べる道具が必要である。
 そこで、埋蔵金探しには必需品の「金属探知器」を作るにした。しかも、せっかく「電子ブロック」が手に入ったのだから、これを使って作ってみたい。

 そこで、まずは金属探知器の仕組みを調べてみた。すると、いろいろやり方はあるがLC発振回路を用いたものが一番簡単そうである。今回の道具はなにしろ電子ブロックである。単純第一でなければやってられない。
 
 このLC発振回路を用いたものはコイルをセンサーとして用いるものである。コイルに金属が近づくことによるインピーダンスの変化を検出するものだ。二つの発振回路を用いて、ヘテロダイン方式で発振周波数の変化を検知するのが一般的なようだ。

 最初の計画では、EX-60,100それぞれでLC発振回路を組んで、その差をアンプに通してスピーカーから鳴らそうと考えた。やってやれないことはないだろう、と考えた。そして、電子ブロックと格闘し始める。そして、2時間後...

「あ"〜〜〜〜。やってられるかぁ! こんな作業〜〜〜〜」

 電子ブロックEX-60&EX-100は、部品数が少ない。トランジスターは1つしかないし、抵抗・コンデンサーの数も3個位しかない。しかも、回路構成がまるでパズルである。平面構造と言えば聞こえは良いが、回路を自分で考え出すのがこんなに大変だとは思わなかった。
 始める前は「ブレッドボードの祖先だから、作業は結構楽かもね」、なんて思った。しかし、それは大きな間違いであった。

 電子ブロックを作った人達は天才である。

実はこれは作業を投げ出した後

 電子ブロックも埋蔵金も共にロマンである。そして、共にかつて埋めた夢だ。昔埋めたおもちゃは蘇らない方が良い。しかし、埋蔵金は私の手元に出現してくれるとうれしい。そのために私は、何としても電子ブロックで「金属探知器」を作り上げなければならない。そして、それを片手に、埋蔵金を探し出すつもりだ。

 こうして、金に目がくらんだインスタント埋蔵金ハンターは、電子ブロックを相手に格闘を続けるのである。というわけで、今回は「背景説明編」である。近いうちに、必ずやこの続編と共に、ゲイツくんもビックリの金塊を手中にする所存である。

そして、私が見つけた素晴らしい埋蔵物の話も書きたいところであるが、それはまた次回ということにしておこう。

1999-12-30[n年前へ]

6502と並列計算とムーアの法則 

人間のクロック&スケールアップ


 「物理の散歩道」を読み直していると、とある文章に興味を覚えた。

  • 第五物理の散歩道 ロゲルギスト著 岩波新書
の中の「通信を考える」である。この本は、何度読み返しても新鮮である。

 「通信を考える」の中の興味を惹かれた部分は「信号の伝わる速度と距離と処理速度の関係」を論じている部分だ。例えば、計算機は処理速度を高めるためには回路の大きさを小さくしなければならないとか、人間の頭脳の働きの速さから集団生活の広がりの限界について論じているのだ。例えば、

  • 計算機の演算速度の時間スケール -> ナノ秒 = 10^-9s (クロックで考えると、1GHz)
  • 人間の演算速度の時間スケール -> サブ秒 = 10^-1s (クロックで考えると、10Hz)
ということから、計算機の大きさが0.12=1.2x10^-1m角として、地球の直径が12000km=1.2x10^7とすると、その空間スケールが先の時間スケールと同じ比すなわち10^8であると言及しているのだ。

 つまり、通信の速度が光速度であるとして、演算の単位クロックの間に通信が行われなければならないとするならば、計算機の時間・空間スケールと人間の時間・空間スケールは等しいだろう、という推論だ。
 
そして、さらにロゲルギストの想像は広がり、並列計算についても論じている。

 計算機が東京と大阪に離れて置かれていて、通信をしながら作業をするとしたら、人間の場合にはそれと同じ条件というのはどんなものだろうか、と彼らは考える。それは、光の速度で55時間、ちょうど冥王星の軌道直径の5倍程度の空間スケールになる、と論じている。それ以上、離れた場合には演算の過程を共に行うのは無理ではないかというのである。

 こういう文章を読んでいると、この文章が作られたのが30年以上前であることを忘れてしまいそうである。この人達の思索の自由さに憧れを感じてしまう。この人達は、頭の中にタイムマシンにでも持っているのだろうか、と感じてしまうのだ。

 ところで、私がコンピューターをいじるようになった頃は、Apple][の時代だった。といっても、私はお金があふれていたわけではないので、XXX電子でAplle][のコンパチ基盤を買って組み立てて使っていた。その基盤上の6502は1MHzで動いていた筈だ(あぁ、I/Oの6809派vs6502派の論争が懐かしい!)。

 それから20年程たち、CPUのクロックスピードは1GHzを越えようとしている。20年で1000倍である。そして、その集積度は、ムーア(GordonMoore)の法則の「半導体の性能と集積は、18ヶ月ごとに2倍になる」に従っている。

 それでは、人間はどうだろうか?人間の脳味噌のクロックがどの程度であるか測定されているかどうか、素人の私にはよくわからない。しかし、WEB上のデータとしては、例えば

というようなデータがある。ここでは、1演算/秒である。ロゲルギストの用いたものが10演算/秒である。これらは、かなり近い値と言える。もちろん、Mayoさんの演算速度はロゲルギストよりも一桁下であるわけだが、ロゲルギスト達と比べては可哀想というものだ。それに、おそらくMayoさんは謙遜しているのだと思われる。実はもう少し速いのだろう。それに比べて、私などは、二桁の演算(しかも足し算でも)になると1演算/秒もこなせるかどうか判らないくらいである。

 ロゲルギストの時代、すなわち30年以上前、から現在のMayo's Profileの値がほとんど変わっていないように、人間の演算スピードは変わるようなものではない。それは、そうだろう。ヒトのクロックスピードや集積度といったものは、変えるわけにはいかない。当然である。CPUと違ってプロセスルールを変化させるというような訳にはいかないのだ。

 それでは、演算性能を上げようとしたらどうするだろうか?そうなると、並列計算を行うのが自然だろう。単独のCPUの性能を上げるわけに行かなくても、共同作業を行えば、演算性能を上げることができる。

 現代はほとんどの作業が共同作業で行われる。また、その共同作業も大人数が関わるようになってきている。それは、どんな業種でも同じだ。一人では、なかなかできないことが多くなっている。
 それら共同作業、すなわち並列計算、を行う人達(例えれば並列計算機における各ノード)を増やし、それらの間の情報転送をすばやく行うことが多くの作業(計算)を行うための手順だろう。

 そこで、

で用いた
  • 人口増加( http://www.t3.rim.or.jp/~kabutoya/KABHTML/Yoi/2-1.html )
のデータをもう一度眺めてみることにしよう。

最近500年間の人口の変化

 なるほど、人間界の並列計算機におけるノード数は増加している。そして、各ノード間の通信速度を調べるために、まずは、

などの情報から、適当な通信の歴史を調べてみる。
西暦 内容
-4000 のろし
-2400 伝書鳩
-2300 馬による伝令制度
1837 モールス電信機
1876 ベグラハム=ベル電話機
1909 グリエルモ=マルコーン無線電話機
1973 Ethernet XeroxPARCで生まれる。(ちなみにEther=エーテル)
1979 DIX規格=10Mbps
1992 FastEthernet=100Mbps
 これを全部転送速度に直してみる。といっても、よくわからない部分も多いので、私が適当に決めてみる。それでは、その変化を示してみよう。とりあえず、ここ200年位の間のものを考える。
西暦 内容
1837 モールス電信機 = 2bps
1909 グリエルモ=マルコーン無線電話機=10kbps
1979 DIX規格=10Mbps
1992 FastEthernet=100Mbps
 という感じだ。グラフにすると、
最近200年間の情報伝送速度の変化

こんな感じである。対数グラフにおいて直線的に情報伝送速度が速くなっている。この関係は結構きれいである。
 別に意図してこういう数字にした訳ではないのだが、不思議なことである。
 このようにして、人間(ノード)間の転送レートが高くなることにより、先のような人口増加に伴うトラフィック増加をしのぐことができていると考えることもできるかもしれない。そして、人間達の共同作業、すなわち並列計算、を行うだけのバススピードを確保しているのである。

 最近、会社組織などで分社化とか事業分割とかの話題をよく耳にする。こういった時に、分割における時間と空間のスケールはよく考える必要があるだろう。分割が有効なのは、ほとんど独立なものを分割する場合のみである。並列計算における領域分割などと同じだ。

 共同作業がほとんどなく、結果のみをやりとりすれば良いような場合には分割による効果はあるだろう。その一方で、同じ事業・作業を行っているところが、離れていては作業の効率は上がらない。もし、技術系の会社でそのようなことを行うのであれば、事業や部署を並列化した際の真面目なシミュレーション位は行うべきだろう。いや、別に深い意図はないけど。

 こういったことは「新・闘わないプログラマ No.109 時代錯誤」に書かれていることとも少し似ているような気がする。

 さて、1999/12/30-2000/1/1は野沢温泉で温泉&スキーである。2000年問題で会社に泊まり込む人も多いが、私はスキー場で泊まり込みである。同時期に野沢温泉に行く人がいるならば、ぜひ一緒に「スキー場の特殊相対性理論」について討論したいと思う(スキー場で)。

2000-01-17[n年前へ]

夜のバットマン 

超音波を可視化しよう

  どんなものに対しても、「超」という文字をつけるという安易な手段はよく使われる。「超人ハルク」、「超常現象」、「超能力少年」、「超解像」等々である。「超Ultra」+「人 Man」ならば「超人 Ultra-Man」、すなわち、ウルトラマンだ。こういう風に並べてみると、何かアヤシげなものが多いような気がするが、それは私の気のせいだろう。

  「超」をつければ、「モノスゴイ」という印象を受けるかというと、必ずしもそういうわけでもない。最近、「お笑いパソコン日誌」でよく取り上げられているBTRON仕様OS「超漢字」などは、その最たるものである。個人的には好きなネーミングなのだが、その名前を聞くと昔の「超兄貴」というゲームを思い出してしまうのだ。筋肉ムキムキなマッスルな兄貴達が動き回るゲームが思い出されるのだ。そして、そんなマッスルなデスクトップのイメージが連想されてしまうのである。困ったものである。

  「超」の発音は同じ日本人でも一定というわけではない。あまりものを考えないタイプの人の場合、「超」でなくて「チョー」という発音するらしい。その使用例が、「チョー、ムカツクー」などである。これらの人を「チョー人」と呼ぶべきである(既に誰かが言っていそうな気がするが...)。

  何故、こんな話になるのだ。話がずれた。

  本題である。今回遊んでみるのは「超 Ultra」+「音波 Sonic」=「超音波UltraSonic」である。色々な応用はあると思うが、まずは基礎から始めたい。そういった場合、色々やり方はあるのだろうが、まずは実感するのが「できるかな?」のやり方である。そこで、まずは超音波を実際に聞いてみることにした。

  普通は聞こえない周波数の音波を超音波というわけであるから、超音波を聞くというのは何ともスリリングである。参考までに、色々な動物の可聴域を以下に示す。
 人間は大抵20kHz前後が上限であり、コオロギと同じくらいである。超音波と言えば、コウモリであり、コウモリは200kHz弱位が上限のようである。

色々な動物のの可聴域
(立体視の不思議を探る 井上弘著 オプトロニクス社より)

   まずは、超音波を聴くための情報を探してみた。すると、何とも素晴らしいサイトがあった。

である。超音波を可聴域に変換する回路の話が掲載されている。超音波を聞こえるようにする機械は、一般的にバットディテクターと呼ばれるらしい。しかもこのサイトの中のバットディテクターを作る話の所には「メーターの変化、デジタル数値やオシロスコープの波形ではなくて実感したい。」と書かれている。本当に、その通りである。

  また、コウモリ探知器である。バットディテクターに関しては、

などにも詳しい情報がある。

  迷わず、先の「がーさんとたぬさんのホームページ」の「釜利谷東ミックスシーズ」から、バットディテクターを購入することにした。こういう楽しいオモチャはすぐに手に入れるに限る。これが、購入したバットディテクターである。

釜利谷東ミックスシーズ バットディテクター

  このバットディテクターは超音波マイクからの入力を40kHz程度の周波数の信号と合成するものである。そして、その結果得られるビート音、うなり音を耳で聞くものである。

  わからない人はほとんどいないと思うが、一応書いておく。例えば、10Hz周波数の音があるとしよう。

10Hzの音の10秒間の波形

  この波形は細かすぎて、この画面では目に見えないだろう。しかし、この波形と11kHzの周波数の音を合成してみる。

10Hzの音と11kHzの音の合成音の10秒間の波形

  すると、10kHzと11kHzの周波数の差である1Hzのうなりが発生する。この1Hzのビート音の波形は目に見えるだろう。こういう原理である。
 しかし、これでは実は説明が不十分であると思うのだが、今回はこれだけの説明で終わらせておくことにする。

  さて、どんな超音波を聴くかであるが、「できるかな?」の実験を行うときには、大抵ビールを飲んでいるのである。今日もビールとお好み焼きがそばにある。そこで、お好み焼きを焼く音を

  • 可聴域
  • 超音波領域
で可視化してみることにした。

  もちろん、私自身は自分の耳で実感しているわけである。しかし、WEBページ上であれば、可視化した方が良いだろう。waveファイルはサイズが大きいし...

お好み焼きを焼く音を可聴域で可視化したもの

  途中のスパイク部はお好み焼きをひっくり返した時の音である。レベルを合わせているわけではないし、実験は実に大雑把なものであるが、そんなに真剣に行う実験でもないのでこれで良いことにしておく。

お好み焼きを焼く音を超音波領域で可視化したもの(実際はビート音)

  硬いものと何かを擦ると超音波が実に多く発生するが、絨毯みたいな柔らかいもの相手ではあまり超音波が発生しなかったりして実に面白い。衣擦れの音などは実にリアルである。何か色っぽい音ですらあるように感じる。(それは私だけかもしれないが...)

  超音波に関してはまだまだ色々とやってみたい実験がある。実は以前秋月で買った超音波マイク・スピーカセットが家に転がっていたりする。これを使って、次回は超音波オモチャを作成してみたいと思う。

  さて、今日はTVで「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」を放映するようだ。バットマンの映画は何故か夜の街が舞台である。
 バットマンと言えば、Bat(コウモリ)+Man(男) = コウモリ男だ。このTVを見たあとの私はきっとバットマンになりきっているだろう。バットディティターを耳に差せば、私だって堂々たるバットマンだ。
 
 というわけで、バットディテクターを耳に差し若葉マークをつけたバットマンは、夜の街へ出撃するのであった。夜のバットマンは眠らないのである(下品なギャグ禁止)。

2000-07-27[n年前へ]

あなたと好みが似てるトコ 

私と好みが似てる人 その5

 
 

 もう暑い夏が始まったようだ。東京にいた頃は、夏ともなれば就職活動中の学生を数多く見かけたものであるが、引っ越してしまってからはそんな風物詩も見かけなくなってしまった。田舎に住んでいる私には判らないが、今でもリクルートスーツに身をくるんだ学生が街の中を歩いていることだろう。

 HIRAX.NETにも様々な学校からのアクセスがある。その中には今年就職活動をしている学生や、数年後に就職を控えた学生もきっといるのではないだろうか?そこで、今回は就職を控えた学生のためにHIRAX.NETへのアクセス数が多い会社を調べて、「あなたと好みが似ている会社」を調べてみたい、と思う。また、いつもと同じく*.ac.jpからのアクセス順位も調べてみることで、大学入試を控えた学生・その他の人のために「あなたと好みが似ている学校」も調べてみることにしたいと思う。

 そう、今回は題して「あなたと好みが似てるトコ」である。さて、前回HIRAX.NETへのアクセス元を解析してみた

の時は、*.co.jpドメインのトップ11は
%PAGE %Bytes
1205: 1.51%: SONY.CO.JP (ソニー株式会社)
 794: 1.99%: NEC.CO.JP (日本電気株式会社)
 607: 0.12%: SQUARE.CO.JP (株式会社スクウェア)
 600: 1.09%: ADVANTEST.CO.JP (株式会社アドバンテスト)
 548: 0.75%: HITACHI.CO.JP (株式会社日立製作所)
 410: 0.66%: CANON.CO.JP (キヤノン株式会社)
 395: 0.42%: FUJITSU.CO.JP (富士通株式会社)
 313: 0.68%: FUJIXEROX.CO.JP (富士ゼロックス株式会社)
 279: 0.54%: TOSHIBA.CO.JP (株式会社東芝)
 267: 0.34%: SHARP.CO.JP (シャープ株式会社)
 234: 0.30%: RICOH.CO.JP (株式会社リコー)
となっていたし、*.ac.jpドメインは
%PAGE %Bytes
 761: 1.16%: U-TOKYO.AC.JP (東京大学)
 672: 1.92%: KYUSHU-U.AC.JP (九州大学)
 425: 1.09%: CHITOSE.AC.JP(千歳科学技術大学)
 330: 0.45%: KYOTO-U.AC.JP (京都大学)
 329: 0.32%: WASEDA.AC.JP (早稲田大学)
 265: 0.39%: OSAKA-U.AC.JP (大阪大学)
 230: 0.30%: HOKUDAI.AC.JP (北海道大学)
 205: 0.39%: CHIBA-U.AC.JP (千葉大学)
 168: 0.23%: HIROSHIMA-U.AC.JP (広島大学)
 164: 0.80%: TSUKUBA.AC.JP (筑波大学)
 163: 0.53%: TITECH.AC.JP (東京工業大学)
となっていた。つまり、1999年度の「あなたと好みが似てるトコ」ベスト1はソニー株式会社であったし、「あなたと好みが似てる学校」は東京大学であった。それでは、最近はどうなっているのだろうか?

 先月の2000/06の一ヶ月の間にHIRAX.NETへは計174,914ページのページ・アクセスがあった。そして、アクセス数が多いアクセス元はこんな感じになる。電気OA機器メーカーからのアクセスが多いのが本サイトの特徴でもある。といっても、技術系サイトであればそれはどこも同じなのだろう。なお、おそらく有限会社回路設計サービスに関してはロボットだと想像している。

 こうしてみるとアクセス数の多いところは、前回とそれほど変わっていないことがわかる。ただし、前回のダントツ一位(そして技術系学生には人気No.1)のSONYが少し落ちてきているのが残念である。

 #reqs: %bytes: domain
------: ------: ------
162873: 87.13%: .jp (Japan)
 89828: 41.35%:   ne.jp (日本のネットワークサービス)
 31709: 20.72%:   co.jp (日本の企業(または営利法人))
  1577:  1.72%:     nec.co.jp (日本電気)
  1520:  3.02%:     cds.co.jp (有限会社回路設計サービス)
   764:  0.57%:     hitachi.co.jp(株式会社日立製作所)
   726:  1.65%:     canon.co.jp(キヤノン)
   670:  0.33%:     toshiba.co.jp(東芝)
   588:  0.33%:     sony.co.jp(SONY)
   539:  0.31%:     fujitsu.co.jp(富士通)
   385:  0.04%:     square.co.jp(square.co.jp)
   370:  0.20%:     fujixerox.co.jp(富士ゼロックス株式会社)
   369:  0.18%:     mei.co.jp(松下電器産業株式会社)
   304:  0.22%:     sharp.co.jp(シャープ 株式会社)
   244:  0.13%:     ricoh.co.jp(リコー)
   218:  0.16%:     ibm.co.jp(IBM Japan)
   211:  0.27%:     ntt.co.jp(NTT)
   152:  0.09%:     epson.co.jp(Epson)
 ......

 13997:  8.46%:   ac.jp (日本の教育および学術機関)
  2740:  0.70%:     KYOTO-U.AC.JP(京都大学)
   941:  0.68%:     U-TOKYO.AC.JP(東京大学)
   592:  1.13%:     BUNKYO.AC.JP(文教大学)
   536:  0.14%:     HOKUDAI.AC.JP(北海道大学)
   395:  0.16%:     NAGAOKAUT.AC.JP(長岡技術科学大学)
   358:  0.29%:     KYUSHU-U.AC.JP(九州大学)
   352:  0.12%:     JAIST.AC.JP(北陸先端科学技術大学院大学)
   318:  0.20%:     OSAKA-U.AC.JP(大阪大学)
   295:  0.32%:     TITECH.AC.JP(東京工業大学)
   256:  0.24%:     TOHOKU.AC.JP(東北大学)
 .......

 13811:  8.23%:   or.jp (日本の団体)
 11156:  7.23%:   ad.jp (日本のJPNIC会員ネットワーク)
   761:  0.48%:   go.jp (日本国政府機関)
  480:  0.10%:   gr.jp (日本の法人格を有しない団体)
 10662:  6.80%: [unresolved numerical addresses]
  4294:  2.19%: .net (Network)
  3855:  2.25%: .com (Commercial)
  3685:  0.11%: .org (Non-Profit Making Organisations)
  2321:  0.72%: [domain not given]
   192:  0.19%: .edu (USA Educational)
    82:  0.17%: .gov (USA Government)
    61:  0.04%: .be (Belgium)
    45:  0.03%: .fr (France)
    44:  0.04%: .de (Germany)
    38:  0.02%: .to (Tonga)
    34:  0.03%: .my (Malaysia)
    22:  0.03%: .arpa (Old style Arpanet)
    22:  0.02%: .uk (United Kingdom)
    20:  0.02%: .ca (Canada)
    20:  0.02%: .br (Brazil)
  .......

 ただ、こうしてしまうとどうしても人数の多いトコロはアクセス数が増えてしまう。もちろん、人数が多いところはProxyのキャッシュなども結構あるので、見かけ上のアクセス数はかなり減るだろう。ただ、それにしても人数の多いトコロはどうしてもアクセス数が増えざるをえない。

 そこで、アクセス数上位の企業の従業員数を調べて、「従業員一人あたりのアクセスページ数の順位」を調べてみた。それが次の表である。
 

従業員一人あたりのアクセスページ数の順位を調べてみると...
ページアクセス数順位会社名ページアクセス数従業員数従業員一人あたりのアクセスページ数従業員一人あたりのアクセスページ数の順位
1NEC1577370780.042532
2回路設計サービス1520???
3日立製作所764596920.012807
4キヤノン726210230.034533
5東芝670567460.0118110
6SONY588191870.030654
7富士通539436270.012359
8SQUARE3856860.561221
9富士ゼロックス370152580.024255
10松下電器3692759620.0013413
11シャープ304238000.012778
12リコー244673000.0036312
13IBM Japan218214010.0101911
14NTT211???
15Epson152110000.013826

 ただし、

  • 有限会社回路設計サービス
  • NTT (こちらは私が調べるのを面倒くさがっただけ)
に関しては人数がよくわからなかったので、「従業員一人あたりのアクセスページ数の順位」からは外している。ただ、技術系の人にとっては、有限会社回路設計サービスといったサイトを通して、知らない人はいないことと思う。おそらく、「回路設計サービス」からのアクセス数の殆どがロボットだとしても、そんなことはどうでもいいのである。

 さて、結局「従業員一人あたりのアクセスページ数の順位」で一位となったのは、SQUAREでなんと従業員一人あたり、0.56ページ/月を見ていることになる。おやおや、これはおかしい。かなり、多すぎる。こりゃ、SQUAREも更新チェック用のロボットかな。それ以外の企業の場合だと「従業員一人あたりのアクセスページ数」は大体0.0*ページ/月である。平均すると、100人いたらその内の数人が一回見に来たことがある、という感じか。まぁ、実際にはもっと少ないだろうが。

 前回、アクセス数一位だったSONYはアクセス数では6位にランクを落とし、「従業員一人あたりのアクセスページ数の順位」ではそれでも4位と健闘しているが、それでも苦戦していると言えるだろう。いやいや、これはもしかしたら先月の「できるかな?」のコンテンツ

  • オッパイ星人の力学 - 胸のヤング率編 - (2000.06.29)
  • カラープリンターの選手宣誓 - ICCファイルを眺めてみよう その2 - (2000.06.28)
  • 「色っぽい声」の秘密 - キャバクラ嬢は英語が上手い!? - (2000.06.24)
  • プリクラの中の物語 - プリクラもどきソフトを作ろう 第一回 - (2000.06.19)
  • ヘルメットの色空間分布 - 学生運動の色空間とグラフ配置 - (2000.06.16)
  • [Scraps]コンクリートの隙間に - 足元にあるカメラオブスクラ - (2000.06.13)
  • 毛髪力のガウスの法則 - ハゲの物理学 「第五の力」編 - (2000.06.07)
  • WEBページの迷路の中で - 未来の地図を手に持って - (2000.06.04)
の傾向に技術のSONY魂がそっぽを向いてしまったのかもしれない。これはマズイ。確かに、ここ最近ちょっとマズイ。二年ほど前の「できるかな?」が始まった頃の初々しい内容から少し、いやかなりズレてしまっている。いや、本当にマズイ。

 うーん、この場を借りて言っておきたいのだが、先月の6月後半から今月に至るまでのコンテンツについては、ある事情により「私の趣味」とはかなり異なるものが多い。それを強くここに断っておきたい。いや、本当に本当なのです。

 ちなみに*.ac.jpドメインに関しては、新顔「文教大学」が登場している以外は定番どころが集まっている。ちょっと不思議なのが、慶応大学・早稲田大学のような人数も多いマンモス校が11位、14位とトップ10に入っていないことである。何故だろう?

 とりあえず、今回の結論は「あなたと好みが似てるトコ」ベスト1は学校で言えば京都大学で、企業で言うとSQUARE(とりあえず)ということになる。また、大学に関しては人数比率からすれば文教大学もお薦めかもしれない。なお、念のために書いておくが、本サイトはその真偽については保証しないの。念のため。
 

2000-08-13[n年前へ]

WEBの時間、サイトの寿命 

ゆっくり長く続けましょうか?

 以前、

でロゲルギストが
  • 第五物理の散歩道 ロゲルギスト著 岩波新書  「通信を考える」
の中で「信号の伝わる速度と距離と処理速度の関係」を論じていることについて触れた。例えば、計算機は処理速度を高めるためには回路の大きさを小さくしなければならないとか、人間の頭脳の働きの速さから集団生活の広がりの限界があるんじゃないか、という話について論じている部分である。短く言ってしまうと、「通信を考える」の中で、ロゲルギスト達は「ある系」について
  • その系の情報処理の単位時間
  • その系の信号の伝わる速度
  • その系の空間スケール
には
  • 空間スケール < 情報処理の単位時間 × 信号の伝わる速度
という関係が成り立つだろう、と論じていたのである。速いコンピュータを作るためには、コンピュータのサイズを小さくしなければならない(信号の伝わる速度= 光速度は一定で情報処理の単位時間を短くすると、空間スケールは小さくならざるをえない)、なんてのはこの一例である。また、このロゲルギストの推論からは、人と人の間の情報伝達の速度が同じなら、
  • 大人数から構成される企業のスピードは、少人数から構成される企業のそれには遙かに及ばない
などのごく当たり前の事実が導かれるわけだ。
 
 

 ところで、ロゲルギスト達はある系の「単位時間・信号伝達速度・大きさ」の間の関係について、

  • 「単位時間・信号伝達速度」を入力値として、「大きさ」を考える
  • 「大きさ・信号伝達速度」を入力値として、「単位時間」を考える
ということをしていた。ところが、この話の30年以上前に実は似たようなことを考え、この話をさらに展開していた人がいる。それはもちろん寺田寅彦である。この手の話題を考えるときには、どうしても夏目漱石-> 寺田寅彦 -> ロゲルギストという流れを意識せざるをえない、と私は思う。

 さて、寺田寅彦が「単位時間・信号伝達速度・大きさ」について、さらにどのようなことを展開していたかというと、それはある系の「大きさ・寿命」についての関係である。寺田寅彦は

  • 空想日録 三 身長と寿命 (寺田寅彦随筆集 第四巻 岩波文庫 小宮豊隆編)
の中で
  • 人体感覚について振動感覚の限界を調べた実験データ、 - 人は自らの体の固有振動周波数の振動に対してもっとも過敏である- 、というものをきっかけとして、
  • 生物の時間の長さの単位は相対的なものである
  • ある系の「時間の長さの感覚 = 相対的な単位」はその系の固有周期と密接な関係がある(振り子時計なんてわかりやすいだろう)
  • ある系の「寿命」を測る単位は、その系の「時間の相対的な単位」、すなわち、その系の固有周期だと想像してみよう。
  • その場合、ある系の固有周期はその系の大きさに比例するから、大きい動物ほどその系の「時間の相対的な単位」は長いものとなり、見かけ上の「寿命」はその動物の「大きさ」に比例するだろう。
という想像を展開している。

 なるほど、サイズが小さい動物(すなわち固有振動の波長の短い動物)にとっては、ほんの小さな変化も大きな変化である。ということは、その動物の感じる「時間単位」は短くなければ、生き残れないだろう。逆に、サイズの大きな動物は俊敏な動きはできないわけで、その動物の「時間単位」は長くならざるをえないだろう。
 ゾウのような大きい動物は「時間単位」が長く、一見「寿命」が長いように見え、ノミのような小さな動物は「時間単位」が短く、一見「寿命」が短く見えるというわけだ。実は、ゾウもノミもその動物自身の「時間単位」を基準にすると、同じ寿命を生き抜いているということになる。

 本川達雄の中公新書「ゾウの時間 ネズミの時間」では- 体重の4分の1乗に比例して「その動物の時間単位=生理的時間」が長くなる-と述べられているが、昭和八年に既に寺田寅彦は体重は身長の3乗に比例する、逆に言えば体重は身長の3分の1乗に比例するから、「体重の3分の1乗に比例して時間が長くなるだろう」と想像を巡らせているのである。素晴らしい、想像力である。
 

 さて、寺田寅彦はロゲルギストと違って、「単位時間・大きさ」については言及しているが「信号伝達速度」については触れていない(その替わり、さらに「寿命」にまで触れているわけであるが)。もっとも、私があえて書き加えてみるならば、ある系の固有振動にはその系の中での弾性が密接に関係するし、弾性はその中での弾性波の速度も密接に関係する。つまり、ある系の固有振動の周期というものには「その系中での波の伝達速度」が暗に隠されていて、寺田寅彦は単にそれを一定とおいていたわけで、寺田寅彦が述べた内容は実はロゲルギスト達の述べた内容を包括している、と私は思うのである。
 

 このような「単位時間・大きさ・信号伝達速度・寿命」に関する話は動物に限るものではない。

  • ロゲルギストが「信号伝達速度=光速度」として、「処理速度を確保する」ための人類の行動範囲について論じたり、
  • 私(いきなり自分を例に出すのも何だが)が「信号伝達速度の変化」と「大きさ(人口)の変化」から人類の処理速度の変化について論じたり
したように、集合体に対してもその適用が可能であると思う。ここらへんは、ロゲルギスト達が寺田寅彦の想像しえた範囲を越えている部分でもあり、時の流れを感じさせる部分でもある。
 

 さて、前振りが長くなった。前回、

では、単に「信号伝達速度の変化」と「大きさ(人口)の変化」を並べて「処理速度」の変化について考えてみただけだった。今回は寺田寅彦が考えたのと同じく、「信号伝達速度」と「大きさ(人口)」から「寿命」が決まると考えることにより、「人類」の「寿命」の変化について考えてみることにしたいと思う

 まずは、前回使った「人類の大きさ=人口」の変化が次のグラフである。ただし、この人口は全然正確ではないし、むしろかなり不正確なものであることは先に断っておく。ここでは、細かな値を使うのが目的ではないので別に構わないだろう。
 

「人類の大きさ=人口」の変化

 そして、「人類」の中での「情報伝達速度」の変化を示したものが次のグラフである。この速度が「人類」という集合体の中での波の進行速度を決めるのである。
 

「情報伝達速度」の変化

 それでは、「人類」という集合体の固有振動はどうやって扱うかというと、この

  • 「人類の大きさ=人口」
  • 「情報伝達速度」
から求めることができる。「人類の大きさ=人口」をその内部での波の速度「情報伝達速度」で割った
  • 人口 / 情報伝達の速度
というものが、「人類の固有時間」の目安となるのである。この「人類の固有時間」が短くなれば、人類の時間の流れは速くなり、それに応じて見かけの「寿命」は短くなる。これが逆に、「人類の固有時間」が長くなれば、人類の時間の流れは遅くなり、それに応じて見かけの「寿命」は長くなるのである。

 その、人口 / 情報伝達の速度 = 「人類の固有時間」を計算してみたものを次に示してみよう。
 

固有「時間単位」の変化

 こうしてみると、人類というヒトの集合体においては、どんどん時間の流れは速くなり、それに応じて見かけの「寿命」は短くなっている、ということがわかる。人類はまさに生き急いでいるのである。もし、この流れを止めようと思ったら、どうしたら良いだろうか?それには、今回の計算から言えば情報転送速度を遅くするか、人類の大きさを大きくするしかない。情報転送速度を遅くするのはなんとも後ろ向き(byわきめも)だし、人口を減らすというのもなんとも後ろ向きだ。だとしたら、宇宙へでも人類が進出して、人類の空間的なスケールを大きくしていくしかないのだろうか?これもまた難しい話である。
 

 さて、最近、大好きなWEBサイトが閉鎖してしまったり、更新速度が遅くなっていたりしていて少しさみしい。だけど、もしかしたら各WEBサイトにも、「更新速度が速いと、WEBサイトの寿命が短い」なんて法則が実はあるのかもしれない。更新速度が速いということは、そのWEBサイトの固有時間が速く流れているということで、限られた寿命をどんどん使い果たしているのかもしれない。

 だとしたら、更新速度が遅いということはそのWEBサイトの寿命が長くなるということだから、それはそれで良いのかなぁ、などと思ってみたりする。「太くて短い寿命」も「細くて長い寿命」も実は本人からすればどちらも同じ長さなのかもしれないけれど、外から見ている私は「細くても良いから長く続いて欲しいなぁ」なんて思ってもみたりするのである。
 



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