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1999-11-09[n年前へ]

埋蔵金を探せ 

電子ブロックで金属探知機を作りたい その1

 Yahoo!のオークションでこんなものを買った。オークションで落札したのは一つ(EX-60)なのであるが、あとから別口でもう一個(EX-100)手に入った。

電子ブロック (EX-60 & EX-100)

 手に入ったのはいいのだが、お金が飛んでいってしまった。困ったものである。さて、EX-60の拡大したところも示してみる。

EX-60でとある回路を作成中の図

 これを見て懐かしく感じる人も多いはずだ。少なくとも、私の職場ではかなりの比率(80%位か)の人がこれで遊んでいたようで、

「オレはマイキットだった。」とか、
「もっとずっと前のスケルトンになる前のを持ってた。」
「おもちゃ屋の店頭で欲しくて眺めてた。」
などと、声があがった。しかし、新入社員位になると、
「何ですか、これ?」
「欲しかったのに、買えなかったのですか?」
などと言う。ジェネレーションギャップである。いや、もちろん私と年がそんなに離れているわけではないのだが...

 さて、

などを見ると、色々と電子ブロックの情報が載っている。こういうWEB情報がすぐに眺められるなんて、素晴らしくて涙が出そうだ。

 私自身が持っていたものはSTシリーズというものだった。これは、EXシリーズよりも一世代前のもので、デザインなどはずいぶん違う。スケルトンと白・青を基調としたデザインで、今売り出しても人気が出るのではないかと思える。シンプルながらレトロ調なところがいい。しかも、「組み立ててその上面をそのままコピーすれば、回路図も出来あがる」という素晴らしいものである。素晴らしい開発環境である。

 自分で遊んでいた機種でないせいもあって、今回手に入れたEX-60,100を眺めていても、それほど懐かしいわけではない。私自身が遊んでいた機種は、手に入れたいとは実は思わない。昔見た夢は、リアルに蘇らない方がいい、と思うのである。昔埋めた玩具はそのままにしておく方が幸せなのである。

 ところで、「昔埋めたもの」と言えば埋蔵物である。ならば、「昔埋めた夢」は埋蔵金だろう。別に、「夢= 金」という切なくなるような等式を持ち出すつもりはない。別に、お金が飛んでいってしまったせいで、お金に目が眩んでいるわけでもない、と思う。しかし、埋蔵金は男のロマンである。埋蔵金のために人生を棒に振る人がいるというのも、当然である。何しろ、男のロマンなのだ。どこぞのTV局が発掘をしまくるのも、当たり前である。

 ちなみに私は埋蔵物発掘のアルバイトもしたことがあるが、それは正に「男の仕事」であった。知らない人が見たならば、それは土方にしか思えなかったろう。そのバイトの名前を知っている私にも、土方にしか思えなかった。埋蔵物探しとはそういうものなのである。

 埋蔵金が実際に発掘されることはほとんどない。それにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほど存在する。金は腐ることはないにも関わらず、埋蔵金伝説は腐るほどあるのだ。
 大体、どこの地方にも「朝日さす夕日輝く...」という言い伝えがあるはずだ。母と言えば垂乳根であるが、埋蔵金と言えば「朝日...」なのである。ただ、これにも多少のバリエーションがある。もしかしたら、そのバリエーションを探れば、蝸牛考ばりの考察ができるかもしれない。いや、本当にしてみようかな... それは、いつかやてみることにしよう。

 さて、埋蔵金情報を探してみる。すると、

  • TREASUREJAPAN ( http://www.bekkoame.ne.jp/~m1911a1/treasure/treasure.htm)
によれば、私の近所にも埋蔵金伝説は腐るほどあるようだ。自宅の窓から見えるあたりに、二つもある。具体的に挙げてみると、こんな感じだ。
  • 香貫の埋蔵金 N市上香貫、下香貫 -> かつて香貫一帯には九十九塚の古墳群があり、埋蔵金の伝承も残されている。「朝日さす夕日かがやく柿木の下に黄金千盃二千盃」。
  • 釈迦堂の埋蔵金 N市西野字霞釈迦堂 -> 愛鷹山の中腹にある釈迦堂に残る長者の黄金伝説。「朝日さす夕日かがやくこの所、黄金千盃朱千盃」。こちらも古墳群が存在した。
 写真も示してみる。なんて、埋蔵金が身近にあるのだろう。
香貫の埋蔵金(左の山近辺)と釈迦堂(右の山近辺)の埋蔵金の埋まる場所

 そう、めちゃくちゃ近い所に埋蔵金は埋まっているのである。そこで、散歩がてら埋蔵金を探してみることにした。しかし、そうそう簡単に埋蔵金が手に入るわけはない。どこに金塊が埋まっているのか、調べる道具が必要である。
 そこで、埋蔵金探しには必需品の「金属探知器」を作るにした。しかも、せっかく「電子ブロック」が手に入ったのだから、これを使って作ってみたい。

 そこで、まずは金属探知器の仕組みを調べてみた。すると、いろいろやり方はあるがLC発振回路を用いたものが一番簡単そうである。今回の道具はなにしろ電子ブロックである。単純第一でなければやってられない。
 
 このLC発振回路を用いたものはコイルをセンサーとして用いるものである。コイルに金属が近づくことによるインピーダンスの変化を検出するものだ。二つの発振回路を用いて、ヘテロダイン方式で発振周波数の変化を検知するのが一般的なようだ。

 最初の計画では、EX-60,100それぞれでLC発振回路を組んで、その差をアンプに通してスピーカーから鳴らそうと考えた。やってやれないことはないだろう、と考えた。そして、電子ブロックと格闘し始める。そして、2時間後...

「あ"〜〜〜〜。やってられるかぁ! こんな作業〜〜〜〜」

 電子ブロックEX-60&EX-100は、部品数が少ない。トランジスターは1つしかないし、抵抗・コンデンサーの数も3個位しかない。しかも、回路構成がまるでパズルである。平面構造と言えば聞こえは良いが、回路を自分で考え出すのがこんなに大変だとは思わなかった。
 始める前は「ブレッドボードの祖先だから、作業は結構楽かもね」、なんて思った。しかし、それは大きな間違いであった。

 電子ブロックを作った人達は天才である。

実はこれは作業を投げ出した後

 電子ブロックも埋蔵金も共にロマンである。そして、共にかつて埋めた夢だ。昔埋めたおもちゃは蘇らない方が良い。しかし、埋蔵金は私の手元に出現してくれるとうれしい。そのために私は、何としても電子ブロックで「金属探知器」を作り上げなければならない。そして、それを片手に、埋蔵金を探し出すつもりだ。

 こうして、金に目がくらんだインスタント埋蔵金ハンターは、電子ブロックを相手に格闘を続けるのである。というわけで、今回は「背景説明編」である。近いうちに、必ずやこの続編と共に、ゲイツくんもビックリの金塊を手中にする所存である。

そして、私が見つけた素晴らしい埋蔵物の話も書きたいところであるが、それはまた次回ということにしておこう。

1999-11-28[n年前へ]

奇説・シェイクスピア=北斗神拳説 

ケンシロウ進数とベーコンの関係



 「ケンシロウ進数」というものがある。「北斗の拳」で有名な「ケンシロウ」の「あたっ、あたたたたっ」という叫びが実は「2進数」と考えることができるのではないか、と提唱しているものである。「イチ、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロッ」という長い言葉が、「あたたたたっ」ですんでいるのだ(1=あ、0=た)、という「ケンシロウ進数=情報圧縮説」である。
 なるほど、暴力が支配する世界では一瞬の勝負が生死を分ける。瞬時に情報を伝えることは、必要不可欠といって良いだろう。目からウロコである。

 この考えをさらに進めて、「ケンシロウ」のような武闘派の人々は実は互いに「認証」を行っている、と考える「ケンシロウ進数=認証方式」説も提唱されるに至っている。

 確かに、戦いの場において認証を行うというのは実に素直な考え方である。敵か味方かを瞬時に見極めなければならない戦場において、認証は命の支えと言っても良いだろう。力が支配する世界では、「敵か味方か」という命題は非常に重要となるのだ。

 ところが、未だ「ケンシロウ進数」により一体何が表現されているのか、に関しては誰も言及していない。 「ケンシロウ」は果たして数字を早く表現するためだけに、「ケンシロウ進数」を生み出したのであろうか? 戦場で、数字を何故早く伝える必要があるのだ? 別に暗算選手権をしているわけではないのだ。TVチャンピオンとは違うのである。
  あるいは、「あたた」が認証だとしても、その認証においてどのような内容が込められているのだろうか? 無意味な言葉では認証は実現できない。 必ず、何らかの意味が込められているはずである。
 一体、「ケンシロウ進数」には、何が表現されているのだろうか? まったくわからない。これでは、「ケンシロウ進数」とは暗号のようである。何なのだ? 北斗神拳とは一体何を伝えようとしているのだ?

 そう、「ケンシロウ進数」は暗号なのである。実は、そこに謎を解く鍵がある。「ケンシロウ進数」が暗号である、という仮定に基づくと、面白い想像ができるのである。まずは、「ケンシロウ進数」が二進数に基づくという事実から、二進数に基づいた暗号系を探してみるのだ。そこに、北斗神拳の謎は隠されているハズである。

 暗号の歴史を振り返ると、その条件に大いに当てはまるものがある。それは、フランシス・ベーコン(FrancisBacon 1561-1626 英国の哲学・法学・文学者)が「学問の進歩」において提唱した2記号(バイリテラル)暗号である。

 ベーコンは著作「学問の進歩」の中では、「二値のデータが五個あれば、暗号を作成できる」と喝破している。現代風に言い換えれば、「5bitあれば、32個までの文字列を表現できる。すなわち、30文字弱の英文字は表現できる」と言っているのである。ベーコンが持つ先見性には素晴らしいものがある。

 そして、これをさらに言い換えれば、

の二音が組合わされば、多くの文字を表現できる、ということだ。英文字であれば、「あたたたた」の五音で十分なのだ。そう、ケンシロウ進数の謎の鍵が見えてきた。ケンシロウ進数は二値記号暗号なのである。そう、北斗神拳が二値記号暗号を用いているならば、二値記号暗号の祖たるフランシス・ベーコンは北斗神拳の祖と考えるのが自然である。そう、北斗神拳はフランシス・ベーコンが開いたのである。

 それを念頭においてみると、

「知は力」
「自然は服従されることによってでなくては支配されない」
というベーコンの言葉は、北斗神拳のケンシロウの哲学と非常に近い何かを感じるのではないだろうか?そうなのだ、ケンシロウが継ぐ北斗神拳はフランシス・ベーコンが築き上げたものなのだ。

 そうであるならば、北斗神拳は二値記号暗号を用いて何を表現しようとしているのだ? ケンシロウに何を伝えさせようとしているのだ?フランシス・ベーコンは何を暗号化しようとしたのだ?

 その解明のためには二値記号暗号を考えたフランシス・ベーコンについて調べるのが妥当であろう。
 ならば、北斗神拳が伝えようとしていることは、フランシス・ベーコンを調べることにより解明できるのではないだろうか?

 エリザベス・ギャラップの「フランシス・ベーコンの二値記号暗号」では、シェークスピアの「第一・二折本」の二種のイタリック体を二値記号と解釈することで、「ウィリアム・シェークスピア=フランシス・ベーコン説」を提唱している。これだけでなく、イグナチウス・ドネリーの「偉大なる暗号・いわゆるシェイクスピア劇に秘めたフランシス・ベーコンの暗号」など、古来から「ウィリアム・シェークスピア=フランシス・ベーコン説」というのは広く伝えられている。

フランシス・ベーコンとウィリアム・シェークスピア
フランシス・ベーコン
ウィリアム・シェークスピア
(第一・二折本表紙)

 私はこれらの説を統合し、「シェークスピア=北斗神拳説」を提唱したいのだ。現代まで演劇のバイブルでもあるシェークスピア作品はフランシス・ベーコンが書いたものであり、ベーコンは実は北斗神拳の祖でもある、という考えである。北斗神拳が伝える「あたたた」が伝えようとしているもの、それは未公表のシェークスピア作品に違いない。

 振り返ると、本hirax.netにもシェークスピアは登場している。例えば、Scraps

合掌 - キレイはキタナイ、キタナイはキレイ- (1999.08.01)
の「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」である。これはシェークスピアの「マクベス」の冒頭の三人の魔女の台詞である。「良いは悪い。悪いは良い。」「正しいことは、間違っている。間違っていることは、正しい。」という奴だ。

 私は気づかないうちに、
フランシス・ベーコン -> ウィリアム・シェークスピア -> 北斗神拳 -> ケンシロウ
という流れを受け継いでいたのかもしれないのだ。一子相伝の北斗神拳はフランシス・ベーコンに始まり、ケンシロウなどを通して、私にまで至っていたのかもしれない。

 私はその事実解明をさらに進める予定である。まずは、そのために、「マンガ喫茶」に明日一日こもる予定である。「北斗の拳」全27巻を読み通すのだ。そして、文体解析、文脈解析、ありとあらゆる手段を用いて「シェークスピア=北斗神拳説」の証拠をデッチアゲル、いや、もとい探し出すつもりだ。あの数多い言葉、「あたたた」「ひでぶ」「あべし」などの言葉の中に潜む、シェークスピアの意図を見つけだしたいと思う。実は、私はすでに「あべし=abc」という鍵も握っているのである。必ずや...
 

2000-01-13[n年前へ]

WEBサイトの絆 

WEBの世界を可視化しよう




 目に見えないものを実感できるものにしようと思うことは多い。「直接感じることが出来ないものを感じられる形にする」という作業とその結果には非常にわくわくさせられる。それは、きっと私だけではないと思う。

 目に見えないものは色々ある。可視化して見てみたいものは多々あるのだが、以前、

の時に扱った、WEBのトポロジーなどもその最たるものである。WEBページはもちろん目に見えるわけではあるが、それらがどう繋がっているか、すなわち、WEB[= クモの巣(状の物);織物 ]そのものは目には見えない。

 ネットワークという目に見えない世界でWEBサイト同士がどう繋がっているか、それは企業のWEBサイト同士であれば企業間の繋がりを示すかもしれないし、公的機関のWEBであれば公的機関内部の繋がりが見えてくるかもしれない。そして、個人WEBであれば、個人どうしの繋がりが見えてくるだろう。そして、さらに考えを進めるならば、それが「WEBの繋がりだ」と端的に言い切ってしまっても良いと思う。

 そういう色々なWEBサイト同士が互いに結びつき合う、つまりWEBそのものを今回は可視化してみたい。その結果はきっと「WEBサイトの絆」を私に見せてくれるはずだ。

 例えば、ファイルシステムを可視化するものであれば、

  • xcruise( http://tanaka-www.cs.titech.ac.jp/~euske/index-j.html )
といったファイルシステムを宇宙空間に見たてて、表示するようなものがある。また、そこまで派手でなくても通常のファイラーやエクスプローラのツリー表示などもファイルシステムの構造を可視化しているといっても良いだろう。(そういえば、かつて富士XeroxがWindowsのファイルシステム中のドキュメントを色々面白い3次元表示で表示、検索してくれるソフトを扱っていた。なかなか面白いソフトだったと思うのだが、今ではどうなっているのか?)

 そして、今回の本題のWEBサイトのHyperlink構造を可視化するソフトウェアも、少し探しただけでも結構ある。例えば、

といったところだ。確かappleもこういったツールの開発を行っていたように思うが、どこに情報があるのか忘れてしまった。
 しかし、よく調べていないので間違っているかもしれないが、この辺りのソフト(appleを除く)はWEBサイト内のリンクのみに限られるようである。それでは、今回の目的とは違う。何しろ、今回知りたいのはWEBサイト同士のリンクの度合いである。WEBのトポロジーなのである。

 そこで、もう少し探してみる。すると、今回の目的にかなり近い情報が

に見つかった。perlでWeb Robotを作成し、"*.go.jp"のサイトに放ち、ハイパーリンクのデータベースを作成し、それを解析・可視化したものである。その結果のハイパーリンクの具合を可視化した図が、リンク切れで見ることができないのが実に残念だが、非常に役に立つ情報が満載である。ほとんど、私のしてみたいことそのものである。しかし悔しいことに、その結果の図を見ることが出来ない。そこで、同じようなことを自分でやってみることにした。

 やり方はどうしたら良いだろうか?宮久地氏と同じようにWeb Robotを作成して、データを集めるのが理想的だろう。しかし、「perl入門」を昨日やっと買ったばかりの私にはとても難しそうである。いや、もしそんなことをしたらとんでもないことになるに違いない。

 そこで、perlのlwp-rgetを用いて各WEBの内容をローカルのPC内にダウンロードした上で、勉強がてらperlで解析を行うことにした。と、思ったのだが、lwp-rgetが上手く動いてくれない。まだドキュメントをちゃんと読んでいないせいだろうか?何故か、ダウンロードの途中で終了してしまう。仕方がないので、急遽作戦を変更し、ダウンロード作業はlwp-rgetではなくてwgetを用いることにした。

 行った手順は以下のようになる。

  1. 5つのWEBサイトを広いWEB内から適当に選択する
  2. 選んだ各WEBサイト内のファイルについて、相互のハイパーリンクを抽出し、その数を解析する
  3. その結果を可視化する
 今回選択したWEBサイトはA,B,C,D,Eという5つのサイトである。A〜Dについては、サイト内の全てのページについて解析を行った。Eに関しては、サイト内の特定の1ページについてのみ解析を行った。A〜Dのサイトに関しては、名前は伏せておく。サイトEに関してのみ名前を明らかにしよう。Eは日記猿人というサイトの中の「今月の得票数」を示すページである。そう、今回選択したWEBは全て「日記猿人」という一風変わったコミュニティー内のサイト群から抽出したのである。

以下に、解析を行った結果、すなわちサイトA,B,C,D,Eの相互に対するリンク数を示す。

A,B,C,D,Eの相互に対するリンク数
↓から→へのリンク数
A
B
C
D
E
A
-
0
2
0
27
B
1
-
0
13
273
C
20
2
-
0
43
D
0
11
0
-
285
E
1
1
1
1
-
合計
22
14
3
14
/

 サイトE「日記猿人」へのリンクがムチャクチャ多いのは投票ボタンという形で、他のサイトからリンクがなされているからである。

 さて、上の表からではWEBの絆を実感できないので、「WEBの絆」を3次元空間に可視化するJavaアプレットを以下に張り付けておく。WEBサイトが5つあるので、それぞれのサイトをピラミッド構造(四角柱状)に配置した。
 各WEBサイトの表示色は、

  • A = 赤
  • B = 緑
  • C = 青
  • D = 黄
  • E = 灰
という五色を用いた。そういつぞやと同じ五色である。imacも五色(6?)だが、今回のターゲットサイトも五色なのである。

 それぞれのサイトから伸びる直線の長さは、そのサイトから他のサイトへ向かうリンク数に比例したものにしている。また、直線の太さもリンク数に比例させている。また、それぞれのWEBサイトを示す立方体の大きさは自分へ向かうリンク数に比例させている。ただし、サイトEの大きさはあまりにも巨大なため、リンク数に比例したものにはなっていない。また、サイトE、すなわち「日記猿人」、へのリンクは省略し、全てサイトEからの直線リンクを表示するだけにした。

 さぁ、WEBサイトの構造を自分の目でみて、そしてグリグリ動かして見てもらいたい。このグラフの操作方法は

  • 操作 = 作用
  • マウス左ボタンドラッグ = 回転
  • シフトキー + 垂直ドラッグ = ズームイン・アウト
  • シフトキー + 水平ドラッグ = 垂直軸についての回転
  • コントロールキー + 垂直ドラッグ = 焦点距離の変更
  • マウス右ボタン垂直ドラッグ = 部品除去
  • "s"キー = ステレオ画像作成
である。表示をステレオ画像にして、WEBの世界へダイビングしてみよう。

 Java表示が上手く動かない人のために、静止画も一応張り込んでおく。

WEB構造を可視化したもの

 どうだろう?この5つのWEB間のWEB構造から何が見えるだろうか?こういう解析を数多くのサイトに行うと非常に面白い結果が得られそうである。特に「日記猿人」のようなコミュニティーに対して行うと興味深い結果が得られるはずだ。
 私のような「日記猿人」の日記はほとんど読まない(サイトAに関しては大ファンであるが)人間にとっても興味深いのであるから、関係者にとってはきっと...の筈だ。

 さて、今回はテストのためにごく少数(5つ)のWEBの解析を行ってみた。いつか、こういった解析を広い範囲で行い、そして、時系列的な変化をも調べようと思う。銀河のvoid構造が観測され、可視化されたものを見たときもとてもわくわくしたものだが、WEBの構造・変化ならばどうだろうか?

 不思議なことに、そういうことを考えていると、「新宿都庁」と「思い出横町」が頭の中に浮かんできてしまうのは何故だろうか?押井守の影響だろうか。謎である。

 そして、こうも思う。WEBネットワークの中でWEBサイトは何を感じているのだろうか?これらのWEBサイトはもしかしたら孤独を感じているのだろうか、それとも繋がりを感じているのだろうか?あの時のページの中の一フレーズがその答えの一つなのかもしれない。

2000-03-09[n年前へ]

飲み屋の音と1/fノイズ 

くつろぎの音響解析編

 私は典型的なプロレタリアート(死語)である。そのせいか、高級(行ったことがないからわからないのだが)そうなバーは苦手である。しかし、安〜い居酒屋は大好きだ。むしろ、「愛している」と言っても良いくらいである。新宿西口の思い出横町なんかその最たるものだ。

 ところで、飲み屋の喧噪の音を聞いていると、何故か心安らぐような気さえしてしまう。「飲み屋の喧噪の音」というのはノイズとしか言いようのない音であるが、そのノイズが何故か心安らぐのである。しかし、高級そうなバーでは心安らぐどころではないのである。

 一体、この違いはどこにあるのだろうか?いや、もちろん私がビンボーであるせいと言ってしまえば、話は簡単である。しかし、それはあまりにも哀しすぎる(私にとって)。きっと、何か他の理由があるに違いない、と思うのである。そこで、「科学の力」で何か他の理由を探してみることにした。私がバーが苦手で、居酒屋が大好きな理由を探してみることにしたのである。

 居酒屋の環境ノイズを聞いていると、私は何故か心が安らぐわけであるが、「心安らぐノイズ」と言えば、「/fノイズ」というものがある。1/fノイズは心地良さ・気持ちよさを感じる、とよく言われる。今回はこれに着目してみたい。私が居酒屋の音を聴くと心が安らぎ、バーの音を聴くと何故か緊張する理由が「お金」ではなくて、環境音の特性にあると考えてみるのである。私のプライドのためにもそうであって欲しいわけだ。

 そこで、今回は典型的な飲み屋の環境音を音響解析をしてみたいと思う。そして、それが果たして1/fノイズになっているかどうか調べてみたいと思うのである。特に、同じ飲み屋でも居酒屋とバーの間に違いがあるかどうか調べてみるのである。

 それでは、飲み屋の代表的なものとして

  • 居酒屋
  • バー
  • キャバレー
を選んでみる。それらの環境音を実際に録音するのも面倒なので、
  • 効果音大全集 45 屋内ノイズII キングレコード
に収録されている効果音を使用させて頂いた。なかなかこれが雰囲気のある音なので、これで良いのである。参考までに一部を紹介する。 それではそれらのパワースペクトラムを示してみよう。今回は道具として、を使った。ただし、表示色は見やすさのために色変換を行っている。
 
飲み屋の環境音のパワースペクトラム
居酒屋の環境音のパワースペクトラム
キャバレーの環境音のパワースペクトラム
バーの環境音のパワースペクトラム

 これを見てみると、居酒屋とキャバレーはほぼ同じであり、300Hzより高い音に関しては周波数=fが高くなるに従い環境音のパワー密度が低下していることがわかる。しかもその低下の仕方は滑らかである。ここで、表示軸は共に対数軸であるので、居酒屋とキャバレーの環境音は1/fノイズに近いといっても良いだろう。
 私が居酒屋の環境音を聞くと落ち着くのはこれが理由だったのである。安いから落ち着くのではなくて、環境音が1/fノイズであるから落ち着くのである。私がビンボーなせいではなくて、ちゃんとした科学的な理由があったのである。

 それに対して、一番下のバーの環境音では少し様子が異なる。パワースペクトラムは滑らかでもないし、傾きも異なる。すでに、環境音は1/fノイズではなくなっている。これである。このせいで、私はバーでは落ち着かなかったのだ。そう、私がバーで落ち着かないのは私がビンボーなせいではなくて、バーの環境音が1/fノイズでないせいだったのである。

 この三つの環境音の間の違いが判り易いように、この三つを重ねて表示してみる。表示色は

  • 緑:居酒屋
  • 青:キャバレー
  • 紫:バー
という具合になっている。
 
飲み屋の環境音のパワースペクトラム
( 緑:居酒屋 青:キャバレー 紫:バー )

 緑の居酒屋と青のキャバレーがほぼ同じパワースペクトラムであるのがわかると思う。それに対して、バーでは様子が異なり、明らかに環境音が1/fノイズではなくなっている。ずいぶんと不自然なパワースペクトラムであることが判ると思う。

 この不自然さが故に私はバーの環境音を聴いていると、落ち着かないのである。そういうわけで、今回の結論は、

  1. 私は居酒屋の音を聞いていると心が安らぐが、バーの音を聴いていると緊張する
  2. その理由は私がビンボーなせいではなく、居酒屋とバーの環境音の違いによるものである
  3. その違いは居酒屋の環境音が1/fノイズであるのに対して、バーの環境音は1/fノイズではない
ということだ。いい結論である。

 あれっ、そう言えば、キャバレーの環境音も1/fノイズってことは、私はキャバレーの環境音を聞いても心が安らぐのだろうか?うーん、行ったことがないからわからないや。
 

2000-03-19[n年前へ]

一家に一台、分光器 

ハサミとテープで「できるかな?」



 いきなりであるが、分光器を作りたい。光を波長別に分ける機器である「分光器」である。とある実験をするために、分光器が必要なのである。その「とある実験」の影には、大きな野望があるのだが、まだ明らかにする訳にはいかない。とりあえず、色の話題を考えるときに分光器があると便利だから、という理由にしておきたい。

 どうやって分光器を作るか考えてみる。普通であれば、グレーティング(回折格子)やプリズムといったものを使うことになるだろう。家の中を探してみれば、プリズムなどもあるはずなのだが、WEBで情報を探してみると面白い情報があった。

である。CDは1.0umの幅をおいて0.5um幅のピットが配置されている。1mm中のピット数に直すと、600本強である。そして、その構造は反射型のグレーティングそのものである。いらないCDならば家には腐るほどあるし、「CDを使って、マイ(オレの)分光器を作ろうか?」と考えていたのだが、いきなり手元に透過型のグレーティング(回折格子)があったことに気づいた。そこで、このグレーティングを使って分光器を作ってみた。

 次に示すのが、HIRAX一型分光器である。ハンディ・超軽量の優れものだ。テープとハサミと去年のカレンダーを駆使し、フリーハンドで作成した、製作時間20分の大作である。どうも私の仕事はテープとハサミを駆使することが多い。それは、ハードでもソフトでも、どちらでも同じことである。出来の悪いノッポさんである。
 

HIRAX一型分光器の外観図

 左下がスリット部になっている。中央上の折れ曲がっている部分にグレーティングが配置している。次の写真を見るとグレーティングがあるのが判ると思う。HIRAX一型分光器の内部は散乱光を防止するために、黒く塗ってある。しかし、下の写真を見れば判るように、グレーティングの周りの片側は塗り忘れてしまった。まるで、「耳なし保一」である。
 

HIRAX一型分光器の中央にあるグレーティング

 こちらの開口部から目で覗くなり、デジカメで撮影するなりするのだ。そうすれば、スペクトルが確認できる、というわけである。

 例を示してみたい。グレーティングが曲がっているせいで、スペクトルが歪んでいるし、スリットが結構太いし、サイズのせいもあってスペクトルの分解能はそれほど高くない。しかし、結構きれいな映像を得ることができる。まずは、太陽光のスペクトルを見てみる。
 

太陽光のスペクトル

 これはデジカメで撮影したものである。スリットが太いので確認しづらいのだが、太陽光のフラウンホーファー線(FraunhoferLine)の一つHβ吸収線が486nm(ここでは水色の中央部)辺りに見えるような気がしないだろうか? いずれ、スリット幅を小さくして、もう少し精度の高い実験をしてみる予定である。

 さて、次の例は「自宅の蛍光灯のスペクトル」である。
 

自宅の蛍光灯のスペクトル
 水銀の
  • 黄色、橙色  579、577nm
  • 黄緑色     546 nm
  • 水色      436 nm
  • 紫色      408、405 nm
のスペクトル(多分?)が確認できる。また、ノートPCの液晶の白い部分を分光器にかけてみると、次のようになる。光量が弱くいが、RGBの輝線が確認できる。
 
液晶(RGB)のスペクトル
の時の液晶の拡大画面と見比べてみると、面白い。

 目で覗いたり、デジカメで撮影したりするのも面倒なので、可視・赤外領域に感度を持つCCDボードを秋月で買ってきた。次回、このCCDボードを取り付けて見る予定だ。そして、定量化をしてみたいのである。そして、ある野望のためにせっせと実験を続けていく予定である。
 



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