1998-12-23[n年前へ]
■流れている電子メールを解読してみる
目的のためには手段は正当化されるか?
今月のC MagazineのNetWatch Cool&Hotはセキュリティ特集だった。その中でEthernetに流れているパケットの中からMailに関するデータを表示するソフトの紹介があった。もちろん、自分宛てのものだけでなく、他人宛ての物も全て表示するソフトである。
こういったソフトの正しい使われ方というものがあるとは思えないのだが、技術的には興味がある。ネットワークに関する勉強もしてみたかったので、同じようなことをしてみたい。
言うまでもないが、今回の実験は家庭内のLAN内ですべて行っている。ただし、メールサーバーは外部のものを使用してはいる。
自分宛てでないパケットを見る(sniffing)にはイーサーネットのインターフェースをプロミスカス・モードで動かしてやれば良いという。UNIXであればtcpdumpを始めとしていくつもフリーのソフトがある。Windows上で動かすことを考えても、いくつかのフリーソフトがあった。また、OpenDesighnNo.10にプログラミングの例があった。OpenDesighnはソース配布がディスクでしか行っていないのが残念だ。
今回はWindows上でプロミスカス・モードでパケットをダンプしてくれるソフトを用いた。普通に探せば、すぐに見つかると思う。
それでは、流れているパケットを見てみる。パケットのダンプ画面には部分的に伏せ字を入れた。また、ユーザー名やパスワードはオリジナルとは違う文字に入れ替えてある。
LANに繋がっているLibretto50でメールサーバーに対してメールチェックを行った際に流れたパケットを同じネットワークに繋がっているPortege320で読み取ったものの一部が下のものである。
Packet No.: XX00000005Time: 0361530480 msec Length: XX
Ethernet Dest: XX.00.F4.5F.2D.F8 Src: XX.00.24.30.08.ACType: 0x0800
000000: XX XX XX 5F 2D F8 XX XX : 24 30 08 AC 08 XX XX XX..._-...$0....E.
000010: XX 34 58 05 40 XX XX 06 : B3 C2 AC 12 XX 02 D2 E6.4X.@. ..... ...
000020: B0 01 04 XX XX 6E XX 2C : 14 F7 XX AE 43 03 XX 18...f.n.,....C.P.
000030: 22 0B 98 18 XX XX XX XX : XX XX XX XX XX XX XX XX".....USER john
000040: XX XX:................
Packet No.: XX00000006Time: 0361530540 msec Length: 88
Ethernet Dest: XX.00.24.30.08.AC Src: XX.00.F4.5F.2D.F8Type: 0x0800
000000: XX XX 24 30 08 AC XX XX : XX 5F 2D F8 08 XX XX XX..$0....._-...E.
000010: XX 4A E0 27 40 XX EE 06 : 5D 89 D2 E6 B0 01 AC 12.J.'@...].......
000020: XX 02 XX 6E 04 XX XX AE : 43 03 XX 2C 15 03 XX 18..n.f..C..,..P.
000030: 22 XX 24 26 XX XX 2B 4F : 4B XX XX XX XX XX XX XX"8$&..+OK Passwo
000040: XX XX XX XX XX XX XX XX : XX XX XX XX XX XX XX XXrd required for
000050: XX XX XX XX XX XX XX XX :john...........
Packet No.: XX00000007Time: 0361530550 msec Length: XX
Ethernet Dest: XX.00.F4.5F.2D.F8 Src: XX.00.24.30.08.ACType: 0x0800
000000: XX XX XX 5F 2D F8 XX XX : 24 30 08 AC 08 XX XX XX..._-...$0....E.
000010: XX 37 59 05 40 XX XX 06 : B2 BF AC 12 XX 02 D2 E6.7Y.@. ..... ...
000020: B0 01 04 XX XX 6E XX 2C : 15 03 XX AE 43 25 XX 18...f.n.,....C%P.
000030: XX XX XX XX XX XX XX XX : XX XX XX XX XX XX XX XX!./...PASS 12345
000040: XX XX XX XX XX:678.............
このダンプ画面を眺めると、次のような
Libretto:私はjohnですがメールチェックをさせて下さいな。過程がよくわかる。パスワードの認証を「通常のテキストそのまま」で行っているため、パスワードが丸見えである。
サーバー:じゃぁ、johnさんのパスワードを言って下さい。
Libretto:12345678です。
もう少し、各パケットの内部がどうなっているかを考えてみる。
ネットワーク・プロトコルとは何か(TCP/IP を例として) (http://www.kobe-u.ac.jp/~ipc/mage/mage24/terashima/terashima.html)
IPパケットの構造について(http://www.dtinet.or.jp/~torao/program/)
Hey!Java Programming! (http://www.dtinet.or.jp/~torao/program/protocol/pop3.html)
を参考に考えてみた。 例えば、先のイーサーネットに流れているメールに関するパケットの中からメールの内容を見るにはどうしたら良いだろうか。
ひとまず、先頭54Byteと末尾2Byteを捨ててやればTCPの部分だけを取り出せて、良いように思える。また、TCPのポート番号のみでフィルターをかけてやれば、任意のプロトコルのみを取り出すことが出来るだろう。多分。ここでは、47,48Byte目か?
そのようなフィルターを作成し、取得したパケットにかけてみたのが以下である。
. RETR 1 +OK 771 octets Received: from xxxx (xxxx.xxxx.ne.jp[xxxx.xxxx.251.14])見事にメールの内容が見えてしまう。
by xxxx.xxxx.ne.jp (xxxx.xxxx.1/3.7W) with SMTP id xxxx
for <xxxx@xxxx.ne.jp>; Wed, 23 Dec 1998 11:20:54 +0900(JST)
Message-ID: <xxxx@xxxxxxxx>
From: "xxxx" <xxxx@xxxx.xxxx.xxxx.xxxx>
To: <xxxx@xxxx.ne.jp>
Subject: test 試験
Date: Wed, 23 Dec 1998 11:43:38 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 4.72.2106.4
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V4.72.2106.4
Content-Type: text/plain;
charset="iso-2022-jp"
X-UIDL: 57c82a0ae2ea513ae1221c507123f459This is a test.
これは日本語です。
さて、読めるでしょうか。. DELE 1 +OK Message 1 has been deleted. QUIT +OK +OK Popserver at xxxx signing off. +OK
今回はWindows上で全て行った。難しい所はあまりなかった。ネットワークのことなんかほとんど知らない私でも1から始めて半日で出来たのだから、きっと誰でも出来てしまうだろう。それにUNIX上であればツールは全て揃っているようだ。
他人のメールの内容を見るのは私的利用であれ、公的利用であれ、許されるとは思えない。また、例えネットワーク管理者が行うにしても、「メールを盗み見する」という予告・了解なしに行って良いとは思えない。先のメールの内容を盗み見するソフトにどんな正当な使い方があるのだろうか?
1999-02-03[n年前へ]
■iMはドラえもんの夢を見るか?
さようなら、ドラえもん
Appleが出したiMacは「ドラえもん」を意識している、と私は思う。iMacの顔は白く頭は明るいブルーである。手、すなわち、マウスは真ん丸であり、体型も丸い。iMacのお腹にはCD-ROMが内蔵され、ドラえもんのお腹には4次元ポケットがある。顔の真ん中には丸い鼻(林檎マーク)がある。そして、色違いの妹がいる。ドラえもん(iMac)は色々なことを簡単にしてくれる(できる)し、部屋に一台いるという感じである。
というわけでiMacは「ドラえもん」を意識していると思うのだ。iMacのデザイナーが「ドラえもん」を意識したか、あるいは藤子不二雄の未来を感じる力が優れていたのだろう。
ところで、私の通っていた高校はずいぶんと自由な学風だった。もちろん、私服であった。授業の科目に至っては「近代アメリカ文学」などというものまであった。変わった先生も多かった。
その変わった先生の中で、サミー本田(一部仮名)先生は黒沢明の話になると(必ずその話になるのだが)、止まらなかった。
サミー本田の「七人の侍」と「ドラえもん」の共通点から日本人の特性を語る話などは、今でも覚えている。他人に頼るばかりで、自分で戦おうとしない。日本人を駄目にしたのは「ドラえもん」というマンガだと言っていた。サミー本田には、他にも「素晴らしい芸術は完全な自由の中では生まれない」という持論もあった。
確かに後者については私もそう思うのだが、前者については違う。藤子不二雄の画いた正式な3回目の最終回でものび太は一人でジャイアンと戦って、そしてドラえもんは未来へ帰って行った。また、fakeではあるがドラえもんの最終回(仮)(http://gamella.elcom.nitech.ac.jp/~satoh/doc/ware/dora.html)でものび太は自分の力で道を開くのである。fakeを例に出すのも、それが「ドラえもん」の生んだ文化であるという観点からすれば、構わないだろう。
「ドラえもんとの共通点」という観点から、iMacというコンピュータには私は非常に感じる所があるのだ。夢のような話だが、何のために技術者になったのか、何を作りたいのかなどと色々考えてしまうのだ。
1999-05-03[n年前へ]
■「私と好みが似てる人」 その2
ログ解析の6ヶ月点検
本サイトが公に公開されるようになってから6ヶ月経った。新車でも購入してから半年経てば、6ヶ月点検があるのだから、本サイトについても6ヶ月点検を行ってみたい。
まずは、週別のアクセス量変動を挙げてみる。
Overall Accesses |
アクセス数は割に順調に伸びているようである。1999/02下旬辺りにネットワーク不調とログ解析失敗などによるデータ欠損が見られるが、それ以外ではほぼ線形に増加している。1999/4上旬に増加の傾きが変化しているのはinfoseekにページを登録したことによるものと考えられる。
次に、時間別アクセス量である。以下に示すのは、1999/4/18-24の時間別アクセス量である。
これを見ると、深夜3時位にアクセス数がぐんと減ることがわかる。深夜3時位に眠りにつく人が多いのだろうか。
そして、早朝5時過ぎからアクセス数が増えていくことがわかる。5時過ぎくらいから活動を始める人も多いようだ。そして、昼の12時辺りにひとつピークがある。これは、企業の昼休み時間にアクセスしている人達によるものだろう。次に15時位に大きなピークがある。これは、何だろうか?まさか、おやつの時間ではあるまい。企業ユーザーが一服しているのだろうか?小さい18時辺りのピークも、企業ユーザーの就業時間の終わりを示すものと思われる。
そもそも、こういった昼間の時間別アクセス数から見えてくるユーザーというものは、時間に縛られる企業ユーザーになってしまうのだろう。
さて、次はアクセス数のサイトランキングである。ただし、ここでのサイト=IPアドレスであり、ドメイン解析は行っていない。したがって、同じドメインからアクセスがあっても、IPアドレスが異なれば違うサイトとして計算している。そのため、proxyを使っているような所が、ランクインしやすいということになる。もちろん、proxyを使っていれば、実際よりアクセス数は少なくなるわけだが、今回の比較においては、明らかに同じサイトと判断される分有利なのである。
それでは、最近4週間分のトップ10を示してみる。
Rank | 4/18-24 | 4/11-17 | 4/4-10 | 3/28-4/3 |
---|---|---|---|---|
1 | KyotoPneT | MeshNet厚木 | 阪大レーザー核融合研 | KyotoPneT |
2 | 東大情報システム工学研 | キヤノン裾野 | Hewlett Packerd | キヤノン裾野 |
3 | セイコーインスツルメンツ | オーイーシー | キヤノン裾野 | 千葉大情報数理 |
4 | Fermi-lab | 岡山理科大 電子工学 | ホンダエンジニアリング | PSINet |
5 | OCN | 北大 電子科学研究所 | ベッコアメ福岡 | シチズン |
6 | アスキー | NTT PC-Com 諏訪 | 鹿児島大 情報工学 | 東北大加齢医学研 |
7 | 明治大学総合情報ネットワーク | ワコー | デジタルアーツ | 生協インターネット大阪 |
8 | RICOH | IIJ4U | 藤沢インターネット | 九州大学医 耳鼻咽喉科 |
9 | WEB静岡 | 龍谷大情報NetworkSystem | 通商産業省 | InfoPepper府中 |
10 | KansaiMultimediaService | OCN千葉館山 | アレスネット | DTI熊本 |
トップ1に4回中2回も位置しているのはKyotoPneTである。このサイトは京都周りのネットワーク総合体のようだ。色々集まっている分、アクセス数が多いのだろう。
それでは、週別にコメントをつけてみたい。
3/28-4/3 医学関係が2つランクインしている。おや、九州大学医学部耳鼻咽喉科と言えば、私の一番大好きな「今日の必ずトクする一言」で有名な「バーチャル耳鼻咽喉科」と同じサブドメインである。
4/4-10 通商産業省は公益機関のランクインが少ない中でなかなか健闘している。阪大レーザー核融合研究所はこの2週後のFermi研究所と関係あるのだろうか?
4/11-17 MeshNetの厚木からアクセスされている方が一位である。個人のアクセスというのは非常に嬉しい。この週は個人の方が多い。喜ばしいことだ。
4/18-24 常連だったキヤノン裾野が消え、RICOHがランクインしている。このあと、WEBページは会社の顔色- WEBページのカラーを考える 2 - (1999.04.26) でRICOHのWEBのデザインに苦言を呈しただけに、反応が気にかかるところである。おやおや、ASCIIもランクインしている。
それでは、3ヶ月前に「私と好みが似てる人」 - analog Windows版用のサブドメイン解析ソフトを作る- (1999.01.24) の時に調べたドメインランキングとの比較をしてみる(こちらは、ドメインランキングであって、今回のサイトランキングとは異なる。今回の場合、同じ人がアクセスしても、IPアドレスが異なれば、違う人としてカウントしていることになる)。
1: canon.co.jp (キヤノン)
2: sony.co.jp (SONY)
3: atr.co.jp (株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
4: infocom.co.jp (日商岩井)
5: waco.co.jp (ワコービジネス)
6: odn.ad.jp (オープンデータネットワーク)
7: nttpc.ne.jp (ISP事業者向けネットワーク提供サービス)
8: att.ne.jp (日本AT&T株式会社)
9: saitama-u.ac.jp (埼玉大学)
10: kokushikan.ac.jp (国士舘大学)
今回と共通してトップ10入りしているのはキヤノンとワコーである。前回も今回も技術系のサイトばかりである。私が技術マニアであるからしょうがないか。それこそ、「私と好みが似てる人」達なのだろう。
次は「できるかな」内の人気ランキングである。こうしてみると、
- 本人が便利なものは、他人も便利(ex./dekirukana/server/)
- 本人はいまいちだが、読まれている(ex./dekirukana/java/)。
- 本人は気に入っているのに、人気がない(ex./dekirukana/harddisk/)。
#reqs: %bytes: last date: file-----: ------: --------------: ---- 4185: 18.07%: 99/05/15 07:49: / 13: 0.04%: 99/05/12 13:51: /? 1855: 2.18%: 99/05/15 02:33: /dekirukana/java/ 1093: 1.24%: 99/05/15 07:38: /dekirukana/server/ 839: 1.74%: 99/05/15 07:08: /dekirukana/snif/ 789: 0.68%: 99/05/15 04:01: /dekirukana/dorae/ 762: 0.58%: 99/05/15 02:36: /dekirukana/screensave/ 633: 0.83%: 99/05/15 05:32: /dekirukana/photoshop/ 623: 1.20%: 99/05/15 07:20: /dekirukana/whois/ 577: 0.99%: 99/05/15 04:20: /dekirukana/1999/ 543: 0.64%: 99/05/14 22:53: /dekirukana/tire/ 501: 0.80%: 99/05/15 01:55: /dekirukana/digicame/ 435: 0.52%: 99/05/15 00:51: /dekirukana/e55/ 435: 1.22%: 99/05/15 02:23: /dekirukana/ufo/ 427: 0.37%: 99/05/15 04:15: /dekirukana/ocilo/ 392: 0.43%: 99/05/15 06:53: /dekirukana/screensave2/ 373: 0.50%: 99/05/15 05:23: /dekirukana/fem2/ 321: 0.63%: 99/05/15 02:49: /dekirukana/wavelet/ 320: 0.56%: 99/05/15 05:28: /dekirukana/ekisyo2/ 279: 0.32%: 99/05/14 22:30: /dekirukana/hamaphoto/ 267: 0.37%: 99/05/14 23:25: /dekirukana/real97/ 264: 0.36%: 99/05/15 02:28: /dekirukana/karaoke/ 263: 0.16%: 99/05/15 02:25: /dekirukana/ocilo2/ 260: 0.41%: 99/05/15 01:15: /dekirukana/moire3/ 256: 0.81%: 99/05/14 21:07: /dekirukana/onkai2/ 256: 0.44%: 99/05/15 01:48: /dekirukana/sacchan/ 252: 0.29%: 99/05/15 05:52: /dekirukana/toolplus/ 247: 0.24%: 99/05/15 03:02: /dekirukana/server2/ 243: 0.63%: 99/05/15 00:17: /dekirukana/bunsukai/ 216: 0.42%: 99/05/15 06:52: /dekirukana/haidi/ 195: 0.06%: 99/05/15 00:24: /dekirukana/1999_2/ 194: 0.41%: 99/05/15 04:05: /dekirukana/kamogawa/ 186: 0.38%: 99/05/15 01:02: /dekirukana/bunpu/ 185: 0.39%: 99/05/15 04:21: /dekirukana/ufo2/ 185: 0.28%: 99/05/15 05:30: /dekirukana/ekisyo/ 180: 0.38%: 99/05/15 07:42: /dekirukana/moire2/ 171: 0.33%: 99/05/15 02:48: /dekirukana/wavelet2/ 169: 0.17%: 99/05/14 20:48: /dekirukana/rocket/ 164: 0.16%: 99/05/15 04:04: /dekirukana/dorae2/ 160: 0.31%: 99/05/14 15:03: /dekirukana/probe/ 155: 0.14%: 99/05/15 07:08: /dekirukana/tamago/ 144: 0.20%: 99/05/14 21:53: /dekirukana/onkai/ 141: 0.23%: 99/05/13 20:15: /dekirukana/ 126: 0.26%: 99/05/15 01:34: /dekirukana/harddisk/ 124: 0.18%: 99/05/15 02:03: /dekirukana/watari/ 122: 0.29%: 99/05/14 20:49: /dekirukana/webcolor2/ 121: 0.59%: 99/05/15 01:29: /dekirukana/moire/ 118: 0.10%: 99/05/14 14:08: /dekirukana/hori/ 118: 0.18%: 99/05/14 09:21: /dekirukana/bunsukai2/ 116: 0.10%: 99/05/14 21:05: /daily/9904.html 105: 0.19%: 99/05/15 07:34: /dekirukana/favicon/ 105: 0.24%: 99/05/15 06:29: /dekirukana/log9905/ 99: 0.20%: 99/05/14 20:49: /dekirukana/webcolor/ 98: 0.05%: 99/05/15 07:08: /dekirukana/photoshop2/ 79: 0.38%: 99/05/14 09:58: /index_e.html 61: 0.01%: 99/05/13 18:27: /dekirukana/fem2/math/ 46: 0.01%: 99/05/12 19:50: /dekirukana/fem2/math/indexlnk1.html 42: 0.07%: 99/05/12 19:53: /dekirukana/fem2/math/indexlnk4.html 37: 0.03%: 99/05/12 19:51: /dekirukana/fem2/math/indexlnk2.html 33: 0.08%: 99/05/13 18:28: /dekirukana/fem2/math/indexlnk3.html 32: 0.02%: 99/05/14 14:22: /dekirukana/toolplus/readme/readme.html 31: 0.05%: 99/05/12 19:54: /dekirukana/fem2/math/indexlnk5.html 25: 0.06%: 99/05/15 00:22: /dekirukana/harddisk/math/ 21: 0.03%: 99/05/12 19:49: /dekirukana/onkai/math/ 4070: 55.84%: 99/05/15 05:52: [not listed: 34 files]こうしてみると、興味が発散している作者であることがよくわかる。
次にログ解析をするのは、おそらく半年先だろう。 その時、健やかに育っているのだろうか?
1999-08-01[n年前へ]
■合掌
キレイはキタナイ、キタナイはキレイ
Bangkokの街の中を歩いている時に撮影したものである。ここでは、祈りを捧げている人をいたる所で見かける。
元来、ワイ(合掌)は、神聖な右手と不浄の左手を合わせることにより、人間の真の姿を表現する試みであったという。それはどんなものにも複数の側面が存在しているということだ。どんな人も不浄でもあれば神聖でもある。そして、どんなことでもそれは同じだ。
全てのものは、色々な側面が存在する。神聖と不浄であってもいいし、他の言い方でも良い。例えば、文化と経済、西洋と東洋、販売と生産であってもいいし、伝統と革新、研究と開発、喜劇と悲劇、本人と他人であっても良いだろう。そして、論理と感情もそうだ。
物事は色々な側面が存在しているのだから、一つの立場を振りかざす論理というものはたやすく崩壊する。感情で動く人に論理を振りかざしても、喝破されるのがオチだろう。「みんなはこう思う」というような言葉は「私はそう思わない」と言う人の前ではなんの意味も持たない。
物事を続けていく中で、「複数の側面があるからこそ続けられる」と思うことも多い。どんなことであっても、一つの立場からだけ続けていくのとても苦しい。しかし、複数の側面があれば何とかやっていくことができる。鴻上尚史の「ドン・キホーテのピアス」の言葉を借りれば-全体は一つではなく、二つの側面があるからなんとか生きていける -ということだ。
色々な側面があるからこそ、動機が生まれ、原動力となり、継続することができるのだと思う。ワイ(合掌)する人を見ると、ふとそう思うのである。
1999-12-21[n年前へ]
■恋の力学
恋の無限摂動
クリスマスが近くなると、街のイルミネーションが綺麗に輝き始める。いかにも、ラブストーリーが似合う季節である。そこで、今回は、"Powerof love"、すなわち、「恋の力」について考えてみたいと思う。「恋の力」により、人がどのような力を受け、人がどう束縛されるのか、などについて考えみたいのである。また、恋に落ちたカップルがどのような行動をするのかについて解析を行ってみたい。
「できるかな?」では以前、
において、カップルが他のカップルを意識する力について考えたことがある。カップル同士の間に働く斥力を考えることにより、鴨川カップルの行動を考えてみた。それと同様に、今回はひとつのカップルのみを考え、その中に働く力を考えてみるのである。ひとつのカップルの「男」と「女」の間にどのような力が働くかを考えるのである。そういうわけで、今回の登場人物は「男」と「女」である。その二人は「恋に落ちた二人」である。二人の間には「恋の力」が働いているのだ。その二人の間に働く「恋の力」について考察することにより、恋に落ちたカップルの行動について考察を行ってみることにする。
といっても、「恋の力」を精密に測定した報告例は未だ存在しないので、ここでは適当な値を用いていくことにする。「恋は距離に負けない」とか「遠くて近きは男女の仲」などとははよく言われる。そこで、距離によらないと近似した。また、「遠くて近きは男女の仲」の意味を考えれば、恋の力は無限遠まで働く力である、と考えるのが自然である。
そこで、今回の「恋の力」は距離に関わらず一定であると仮定した。距離=rとした時に-r/Abs[r]の大きさで「相手に惹かれる」ものとした。仮に第一種「恋の力」(仮称)とでもしておく。
今回は「恋の力」は距離によらないものとした。しかし実際は、(通所の距離においては)「男」と「女」は距離が近いほど惹かれ合うし、離れてしまうと惹かれ合う力は弱くなるというのが自然であると思われる。そこで今回の第一種「恋の力」(仮称)は、あくまで大雑把な近似ということにしておく。
恋する二人の間に働く力をもう少し正確に記述しておくと、
- 「恋の力」 = - 「相手の魅力」 * 「二人の間の距離ベクトル」 / 「二人の間の距離スカラー」
- 「恋の力」=優柔不断度 * 「恋の加速度」
であることだ。心がトキメいてもなかなか行動を起こすことが出来ない人がいるだろう。そういう人は「優柔不断度」が高いというわけである。恋の行動における慣性を示すパラメータである。
また、今回は空間を1次元であると簡略化してみた。1次元の空間の中で「男」と「女」が動き回るのである。その時間的変化を調べてみるのだ。従って、シミュレーション結果は空間軸が一次元+時間軸一次元で、合わせて2次元となる。
さて、この「恋の運動方程式」を解くことにより、恋する二人の行動は予測することが可能となるわけだ。試しに、その計算サンプルを示してみる。なお、今回は時間方向で数値的に逐次解を求めている。
初期状態は
- 「男」位置=5, 速度=0,魅力=100,優柔不断度=10
- 「女」位置=0, 速度=0,魅力=100,優柔不断度=10
位置や時間の単位は任意単位である。「0」と「5」は東京と大阪であっても良いし、ロンドンとニューヨークであっても良い。あるいは、実空間でなく精神的な空間と考えてもらっても構わない。すなわち、心の動きを示しているものとするのである。
また、二人の「魅力」や「優柔不断度」は対等である場合だ。その結果を下に示す。このグラフは縦軸が空間位置であり、横軸が時間である。黒線が「男」であり、赤線が「女」である。
「男」と「女」が同じように相手の方向へ向かっているのがわかると思う。これが「恋の無限摂動」である。こういった「恋の無限摂動」の代表的なものには「君の名は」の主人公達の動きなどがある。恋に落ちた二人が、延々とすれ違いを続ける物語である。これは、この「男」と「女」の行動そのものである。
この計算結果では「男」と「女」が糸を紡いでいるようにうまく絡みあっているのがわかる。「恋の無限摂動」の幸せなパターン例である。これは、「男」と「女」が対等であったことがその一因である。
その証拠に、「男」と「女」が対等でない場合の計算結果を示してみる。次に示すのは、
- 「男」位置=5, 速度=0,魅力=10,優柔不断度=10
- 「女」位置=0, 速度=0,魅力=100,優柔不断度=10
「男」が右往左往するのに対して、「女」はほとんど動いていないのがわかると思う。おそらく、この場合には「男」と「女」の「心」もこれと同様のパターンを示しているものと思われる。すなわち、「男」の「心」は揺れ動いているのに対し、「女」の「心」はほとんど動いていないのである。
先の例と異なり、これは実に不幸な計算例である。不幸ではあるが実際によくある例であると思う。以降、これを「男はつらいよ」パターンと呼ぶことにする。「女」に「男」が振り回されているパターンだ。もし、奇跡的に結婚などしても、将来どうなるかは火を見るより明らかである。
それでは、「男」と「女」の「魅力」が同等で、かつ、とてもスゴイ場合を示してみる。すなわち、ドラマの主人公達のようにとてつもなく魅力的な二人が恋に落ちた場合である。一般人とは違う二人が恋に落ちたら、果たしてどのような行動を示すのであろうか?この場合のパラメータは以下に示す、
- 「男」位置=5, 速度=0,魅力=1000,優柔不断度=10
- 「女」位置=0, 速度=0,魅力=1000,優柔不断度=10
「魅力ある二人が恋に落ちた場合には、あまり近づかない方が良い」という教訓をここから得ることができる。
最後に、「男」と「女」の二人ともにあまり魅力がない場合である。パラメータとしては、
- 「男」位置=5, 速度=0,魅力=2,優柔不断度=10
- 「女」位置=0, 速度=0,魅力=2,優柔不断度=10
これなど「恋」と言えるのかどうかもわからない位である。ほとんど、「ただすれ違っただけの相手」である。これがさらに進むと、魅力がお互いに0同士のパターン、
- 「男」位置=5, 速度=0,魅力=0,優柔不断度=10
- 「女」位置=0, 速度=0,魅力=0,優柔不断度=10
これっぽっちも「男」と「女」は「恋」に落ちていないのである。これではカップルの「男」と「女」ではなく、単なる他人である。
さて、今回は行わなかったが、カップルに「恋のエネルギー損失」を導入することにより、「恋の無限摂動」を減衰させることができる。それにより、現実のカップルの行動にさらに近づくことができるのではないかと、私は考える。何らかの抵抗が生じることにより、「恋の無限摂動」が減衰するのだ。そして、二人は接近した状態で停止するわけだ。
さて、今回の登場人物は「男」と「女」だけであった。しかし、現実でも、ドラマの中でも、通常は多くの登場人物が登場する。登場人物が「男」と「女」だけというような理想的な条件のみではない。
人の恋路を邪魔する(主人公からすれば)ヤツも必ず登場する。また、特定の登場人物の間では斥力が働くだろう。そのような場合、一体どのような現象が生じるのだろうか。
そもそも、今回の恋する二人の行動パターンは予測可能であったが、現実そのようなことがあるだろうか?果たして、未来の行動パターンは予測可能なのだろうか?色々な登場人物が現れる場合にも、今回の結論は成立するのだろうか?
それらは次回の課題にしておく。題して、「恋の力学 三角関係編- 恋の三体問題- (仮称)」である。「恋の力」を一般化し、多体問題として解いてみたいのである。恋する人達とその周りの人達がどのような行動をするか、恋の三角関係においてどのような力が働いているのか、について解析を行ってみたい。今回は、そのための前準備というわけである。