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2009-07-19[n年前へ]
■「欠点」と「美点」
寺田寅彦の「柿の種 (岩波文庫) 」から。
自分の欠点を相当よく知っている人はあるが、自分のほんとうの美点を知っている人はめったにないようである。欠点は自覚することによって改善されるが、美点は自覚することによってそこなわれ亡(うしな)われるせいではないかと思われる。もし、「この一文について論ぜよ」というレポート課題を与えられたら、一体どのようなことを考え・書くだろう。
「欠点」は自覚すると、改善はされても消えることがなく、「美点」は自覚すると、姿なく消えるのだろうか。欠点と美点は、1枚のコインの裏表のような関係にあることが多い、とも思う。寺田寅彦を洞察をこの一文に重ねてみると、そこから一体どんな推論ができるのだろうか。