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2010-02-08[n年前へ]
■「デーモン」(魔人)という、人間を創造的活動に駆り立てる根源的な焦燥
小山慶太「科学者はなぜ一番のりをめざすか―情熱、栄誉、失意の人間ドラマ (ブルーバックス) 」から。
ドイツの作家シュテファン・ツヴァイクは、人間を創造的活動に駆り立てる根源的な焦燥(しょうそう)を「デーモン」(魔人)と呼んだが、その言葉を借りれば、彼らはまさにデーモンにとりつかれた人間ということになるのかもしれない。そして、片時も立ち止まることなく、まるで立ち止まることが恐怖であるかのように論文を発表し続ける衝動もまた、先取権獲得にかける執念の強いあらわれなのであろう。