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2011-02-13[n年前へ]

「社会をよくできる論理」の魅力と危険性 

 「社会をよくできる論理」の魅力と危険性〜小島寛之、から。

 僕がマクロ経済学に飛びついたとき、現実の世界は不況で不安定になっていたわけです。そんなとき、「公共事業をやったり、お札をいっぱい印刷したりすれば安定な世界に戻るんだ」というケインズ理論はとても魅力的で、僕の”こうあってほしい世界観”に近くて、あこがれとか高揚感に近い楽しさを感じたんですね。
 そこで思ったのは、自分がほしがっている”あまりに魅力的な結論”を与えてくれる適度な理屈・ロジックに飛びついちゃったんじゃないか。胃の痛くなるような検証をするとか、自分に最も不都合なケースを想定するとか、科学的検証の基本中の基本を無意識に避ける性癖が、あの人たちの中にあったんじゃいかな、って思ったのです。そして、それは僕の中にあるかもしれない、という恐怖感が起きました。