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2011-06-05[n年前へ]
■適切な判断力と合理的な意思決定の力
広瀬弘忠「人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 」
本当に恐いのは、パニックそのものよりも、パニックに対する過度の恐れである。パニックはまれにしか起こらないが、パニック恐怖症は私たちの心の中に常駐していて、災害リスクに対処する際に、適切な判断力と合理的な意思決定の力を損なうからである。
災害にパニックがつきものだという類のステレオタイプは、災害時の人間行動を理解する上からも正しくない。
「人は感情的に動く(だから論理的に考えるように気をつけなければいけない)」と「考える」人の中にも、そこに至るまでに獲得してした感情やバイアスが(当然のごとく)あるでしょうし、感情的に動くかのように見える人の中には、実は自然で滑らかなロジックがあったりします。
その人が語る言葉をきちんと聞こうとするならば、その人の「価値観」を捉えること・その価値観を支えるバイアスを見落とさず眺めることが大切かと思います。