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2009-12-31[n年前へ]
■天馬空を行く
北村薫のデビュー作「空飛ぶ馬 」の最終段から。
人は誰も、それぞれの人生という馬を駆る。
蛇足、という言葉を体現・具現化してしまうのなら、さらに、もうひとつ文を書き写してみるのなら、短編集である「空飛ぶ馬」の最後を飾る「空飛ぶ馬」の冒頭近くから、この一節をも書いてみることにしよう。せっかくの、年を越す大晦日の夜なのだから。
天馬空を行く。自由闊達(かったつ)の譬(たと)えだが、そのイメージには暗い物語の最後に救いをもたらす大きさがあるような気がした。