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2008-11-02[n年前へ]

生きるとは、自分の物語をつくること 

 例えば布の修理をする時に、後から新しい布を足す場合、その新しい布が古い布より強いと却って傷つけることになる。修繕するものとされるものの力関係に差があるといけないとおっしゃっているんです。
 それは非常に大事なことで、たいたい人を助けに行く人はね、強い人が多いんです。そうするとね、助けられる方はたまったもんじゃないんです。 (P.14)

 いくら自然科学が発達して、人間の死について論理的な説明ができるようになったとしても、私の死、私の親しい人の死、については何の解決にもならない。「なぜ死んだのか」と訪われ、「出血多量です」と答えても無意味なのである。その恐怖や悲しみを受け入れるために、物語が必要になってくる。(P.127)
河合隼雄 小川洋子 「生きるとは、自分の物語をつくること

女の子の「私ってだれ?」地図 

 男の子というのは…振り返って「あれとこれにはどんな関係があったのか?」などとは、あまり考えません。でも、女の子は少し違います。関係ないと思われるふたつのできごとでも、なんとか自分なりに関係や意味を見つけ出して「だから、こうなったのか」と納得したいのです。…おそらく、そうやってひとつひとつのできごとや記憶の間の関係を考えていくことは、「私ってだれ?」という問題を考えることと結びついているのでしょう。
香山リカ 「I miss me.―新しい自分を見つける42章