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2012-01-19[n年前へ]
■「門」の中にいる「だけ」の専門家
さすが(無料で購読できるにも関わらず、最高のグラフである)「GRAPHICATION」だ。「特集 3・11以後の知を考える 2012 No.179」を読み、あれから一年近く経って、ようやく「こういうものを読みたかった」という 本物に出会えたような心地になる。
まずは、冒頭の「対談・知の交差点 いま、科学と専門家に何が求めれているか (赤木昭夫・中村桂子)」から。
門とは、要するに囲われた特殊なもののことで、その一つのことを専(もっぱ)らするのが専門家になるわけです。…実は「自分はたった一つのことしかやっていません」ということなんです。
要するに専門という門の中に入ると、門の中には掟があるんです。それを守らなくては門の中にいられない。そこで門の中で掟を守っているうちに、その掟がすべてを尽くしている。…そのために、専門家というのは、非常に気をつけていないと、専門家になればなるほどどんどん狭くなっていく悪循環に陥ってしまう。
いや、考えてみれば、「ようやく」じゃない。インスタントラーメンじゃあるまいし、丁寧な料理が「すぐに出てくる」わけもない。「ようやく」と感じてしまう近視眼的な視点を、直すメガネをかけることにしよう。