2011-11-09[n年前へ]
■「洪水対策」の「理想と現実」
川へと続く道から(川から溢れだした)水が流れ出してきたりする街を歩いているとき、あるいは、もしかしたら水が流れてくる可能性があるかもしれないと感じられる場所を歩いているとき、ふと「自分ならどうするだろう?」「こういうことができるだろうか?」と考えさせられました。
右の写真は、「セブンイレブン」の店頭を写した写真です。いたって普通の景色ですが、「ひとつだけ」違和感を受けるかもしれないものが映っています。それは、店の前を覆う「コンクリート壁」です。水が店の中に入らないようにと、店を囲うように1mほどの壁が作られていています。セブンイレブンの店の中に入る人たちは、ヒョイヒョイと土嚢で作られた”階段モドキ”を上り、小高いコンクリ壁をまたいでいくのです。こんな「防水城壁」が店の前・家の前に作られていることも多いので、まるで「街中にある色んな道」の周りに「堤防」が作られたような状態になっています。
水が川から溢れ出てくるかもしれない、道をつたって水が家に近づいてくるかもしれないというとき、「自分ならどうするだろう?」と考えます。「街中にある道ごとに堤防を築くのは無理がありそうだから、川の周りを強固な堤防で囲うべきだ」と考えるだろうか、それとも「そんな強固な堤防は今現在無いし、これからすぐに作ることなんてできないから、まずは自分の”店”や”家”を守ろう」と考え・コンクリ壁を作るということができるだろうか?と考えます。
あなたがもしもこういう状況にいたとしたら、どうするでしょうか。まずは「自分の店や家」の前に「急造のコンクリ壁」を作るでしょうか、それとも、違うことを考えるでしょうか。
ところで、3月11日以降から今現在に至る日本について考えてみれば、「あなたがもしもこういう状況にいたとしたら」という仮定文はもしかしたら不要だったかもしれません。洪水から避難をしている人と同じように、洪水ではない「違うものからの避難」をしている人も日本にはいます。また、川から流れ出す水ならぬ、どこかから流れ出した「何か」への守りを築こうとしている人もいるようです。
あなたがもしもこういう状況にいたとしたら、どうするでしょう。セブンイレブンのコンクリ壁をまたぎ登りつつ、「自分ならどうするだろう?」と考えます。