2001-04-04[n年前へ]
■漱石という名前の由来
漱石は26才の時に、分家し北海道岩内村浅岡方へ「送籍」し、徴兵免除のために北海道市民になった。また、「吾輩は猫である」中には「送籍」という名の作家のことを自虐的に書いている。
丸谷才一は「徴兵忌避者としての夏目漱石」に「日清戦争下にあたって、漱石がその送籍に対する自責の念から、精神的に不安定になってそれを執筆活動で癒そうとした」と書いた。確かに、前線に行く兵士がいる中で自分が「送籍」によって残っているということは耐え難いことに違いない。
この話が真実であるかは誰にもわからないだろう。しかし、少なくともそれが部分的にでも真実でない、ということもやはり誰にもできないだろう。