2008-11-25[n年前へ]
■「範囲(スコープ)」が決まると「構図(レイアウト)」が決まる
目の前にある景色を絵に描こうとすると、「構図(レイアウト)」を決めることがとても難しいことに気づかされます。少し見る方向を変えるだけで、その瞬間に姿を変えてしまう景色を、つまりはありとあらゆる方向に広がっている世界を長方形の平面に描くという作業はとても難しい、と思うのです。
特に一番難しいと感じることは、ありとあらゆる方向に広がる目に見える世界を適当な「範囲」に切り取る、という作業です。もしも、写真機を手に持っていたならば(あるいはデッサンスケールといった道具を使うならば)ファインダーを覗くだけで「世界を切り取る範囲」を確認することができます。けれど、そういった道具がない場合、目の前の景色は本当にありとあらゆる方向に広がっていて、その限りない世界をどのように切り取るか・どんな範囲で描くかを、自分で決めるしかないわけです。
その切り取り方を決めるということ、言い換えると、「範囲(スコープ)」を決めるということをとても難しく感じてしまいます。「範囲(スコープ)」を一度決めてさえすれば、「構図(レイアウト)」はきっと自動的に決まると思うのですが、最初の「切り取る範囲・描く範囲」を決めるということが本当に難しくて、できなくて困ってしまうのです。
もしかしたら、画を描くということだけでなくて、技術的な題材も「範囲(スコープ)を決めれば構図(レイアウト)は自然と決まる」ことが多いのだろうか、とふと考えました。描く(作る)ものの範囲が決まれば、その時に使うことができる技法で描かれるものの配置・繋ぎ方・作り方が自然に決まるのかもしれない、とふと連想しました。さて、実際は一体どういうものなのでしょうか。