2008-12-07[n年前へ]
■「フルデジタルスピーカー記事」を整理する
少し前に、「フルデジタル・スピーカー」「フルデジタル・スピーカーを利用した音声出力の指向性制御」といった記事があった。少し内容がわかりにくく感じたので、「フルデジタルスピーカー記事」で書かれていた内容を、(参考文献1,2と技術説明員に質問して内容をもとに、「どういった点についてわかりにくい」と感じたのかを、技術内容を理解するために(自分なりに)整理してみることにした。
このフルデジタル・スピーカー・システムを単純化すると、「"均等な重み付けの"複数ビットを出力するΣΔ変調器(複数レベル出力であるために、1bit ΔΣ変調(ΣΔ変調)よりは低い周波数で駆動しても同等の表現力を持つ)」→「(後段の複数スピーカーや複数ボイスコイル間の出力差がある場合のために)各ビットを複数スピーカーに(時間的に)均等にばらまくように(時間的にシャッフルするように)繋ぐセレクタ回路」→「(高効率の)D級アンプ」→「(基本的には均等な出力を想定した)複数スピーカー/もしくは複数ボイスコイルの1つのスピーカー」という構成であるように見える。
ちなみに、ΔΣ変調器の後に入れたくなるだろうローパス・フィルター(LPF)は省略したシステムになっている。
また、ΔΣ変調の「複数bit出力」はその複数bit間に「重みの差」はないので(そうでないと後段のシャッフリング回路を動作させることができない)、たとえば4bitだからといって、16段階の出力レベルを持つというわけではなく、これは単に5段階を意味することになる。
わかりにくく感じる理由をまず先に書いていくと、記事中の「フルデジタル・スピーカー」というものが実際には「複数の構成(設定)」を持つのに対し、それをあたかも1つのシステム(構成・設定)のことを書いた記事であるかのように読んでしまったことである。「(こういうシステムでは)こういうメリットがある」「(その一方、また少し使用設定が異なるシステムでは)このようなメリットもある」ということが書いてあるはずの説明記事を、あたかも一つのシステムが実現する機能・特性であるかのように読んでしまったからであるように思う。
たとえば、最終段のスピーカーシステムには、
- 複数スピーカーによるスピーカー・アレイを使う場合
- 複数ボイス・コイルを組み込んだ1個のスピーカーを使う場合
また
- スピーカー(もしくはボイスコイル)の数
- 必要となるΔΣ変調器の駆動周波数
- 複数ピット・最終出力間のシャッフリングを行うか否か
こういった、各部分の条件を整理しないで記事を読んでいたために、記事内容を理解することができなかったように感じた。
ということは、こういった各種条件を表か何かに描き整理し、「ΔΣ変調器」「LPF」「D級アンプ」「スピーカー」を組み合わせたような従来システムと比較してみれば、このフルデジタル・スピーカー・システム「ズ」が一体どのようなものであるかを納得することができそうだ。
■複数OSをシームレスに使うことができるVMware「ユニティ機能」がWindows上でも動く
Windows上で動かしている VMware にアップデートをかけると、「ユニティ(Unity)機能」を使うことができるようになっていた。Unity機能とは、仮想PC上で動かしているシステムのウィンドーをホスト側の画面にシームレスに表示する機能である。これまでも、OS X上で動くVMware Fusionや、(やはりOS X上で動く仮想PCソフトウェアである)Parallelsではこういった機能がサポートされていたが、Windowsでも「ホストPCと仮想PCのウィンドーをシームレスに使うことができる環境」ができた。
たとえば、下の画像は一見よくあるWindows画面だが、実際には(ホストOSである)Windows Vista上で動いているウィンドーとVMware上で動かしているWindows 2000が表示しているウィンドーが混在している。
わかりやすいように(下の画像のように)色分けしてみると、水色部分がWindows Vistaのウィンドーで、オレンジ色部分がWindows 2000 のウィンドーである。もちろん、下のタスクバーの中でもWindows VistaとWindows 2000が共存していることがわかる。
現状ではMicrosoft WindowsとLinux系のウィンドーシステムで動くようなので、Windows上でVMwareを使って作業するような人であれば、重宝する状況が多いに違いない。
しかし、今のところ、私の環境では(ユニティ機能を使うと)仮想PC側のWindowでは「Ctrl+"hoge"」キーを使うことができなくなる。CtrlとCapsLKを入れ替えていることが原因なのかもしれないが、これでは使いたいけれども使えない・・・というのが残念なところだ。