hirax.net::inside out::2009年03月16日

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2009-03-16[n年前へ]

「ささやかだけれど、役に立つこと」 

 他の人たちが作ったプレゼンテーション資料を少なくとも1000ファイルくらい、眺め・読んで・そして、修正点を書き入れたりするとわかることがあります。不思議なくらい、「わかりやすい資料」「わかりにくい資料」の2つに分かれてしまうことに気付かされるのです。「わかりやすい資料」を作る人たち、「わかりにくい資料」を作る人たち、それは不思議なくらい明らかに見分けがついてしまうのです。

 「わかりやすい資料」はどれも同じような方法でわかりやすさが生み出されていて、「わかりにくい資料」はどれも同じパターンにより「わかりにくさ」が醸し出されている、のです。少し不思議に感じてしまうくらい、「わかりやすい資料を作る人」「わかりにくい資料を作る人」の間には大きな差があって、けれど、それは、「わかりやすさを作り出すパターン」「わかりにくさを醸し出すパターン」に沿っているか、そんなことを考えているか・実践しているか、だけの差なのです。

 「論理的にプレゼンする技術 」を書いた75%の理由は(残りの25%は、以前書いたように直すべき点を直したかったということです)、そんな風に体感・実感しメモした事柄を伝えておきたかった、というところにあります。一例だけ挙げれば、半分以上の人が、「行頭記号のある箇条書きをセンタリングする」のです。これは、とても「わかりにくさ」を作る原因のひとつです。けれど、実に90%近くの方々がそういった資料を(特に時間がないときに)作るのです。そういった資料のわかりにくさは、実際に眺めるか、本書を手にとってイラストで眺めてみれば、わかるだろうと思います。

 「ささやかだけれど、役に立つこと」を本書が提供できれば、何より幸いに思います。