2010-09-19[n年前へ]
■長時間の「砂時計」は「砂だから」できる
理科実験用具店に1分間の時を刻む砂時計から、2分、3分、30分、60分・・・とさまざまな時を刻む砂時計が飾ってありました。60分砂時計といっても、特に巨大ということもなく、3分砂時計と比較すると体積にして20倍、それはつまり長さにすると5倍弱程度の大きさです。見た印象からは、それは「少し大きな砂時計」という程度です。
このように、ほぼ体積に比例した「時計」になる、というのは「砂」時計だから、です。もしも、砂時計の中に水を入れるのであれば、こんな風にはいきません。なぜかと言えば、「時計のくびれ部分」での圧力は、砂のような粒子は入っている粒子の量によらず、「時計のくびれ部分」を単位時間に通過する粒子の数も入っている粒子の数にほとんど依存しないのに対して、水のような液体では、「時計のくびれ部分」での圧力は液体が入っている量(高さ)に比例し、その圧力に応じて「時計のくびれ部分」を通過する液体の量が決まるからです。
つまり、液体をたくさん入てみても、(最初に)ドバーッとたくさん液体が落ちてしまうので、なかなか長い時間を刻む時計にはならない、というわけです。長時間砂時計を作るのは比較的簡単なのに対して、長時間「液体」時計を作るのは、難しいのです。
ところで・・・、このショーウィンドウには一体どのくらい昔からこの砂時計が飾ってあるのでしょうか?二十数年前にも変わらずあったショーウィンドウを眺めつつ、この砂時計はいつから時を刻んでいるのだろうか?と考えたのです。