hirax.net::inside out::2013年01月17日

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2013-01-17[n年前へ]

ハイスピード撮影した降雪動画で考える「吹雪中の視界距離の公式」 

 『 続 「吹雪中の視界距離の公式」で知る「雪を舞わせる風の怖さ」』で、”風速(雪を動かす風)が2倍増すと、目の前を舞う雪の量が2倍増えたのと同じ程度の影響がある”という「吹雪中の視界を示す式」は、起きている現象が線形だとすると成り立たないだろう、つまり、この「吹雪中の視界を示す式」を作り出しているのは何らかの非線形性ではないか…といったことを考えました。

 今週の月曜日、久しぶりに吹雪を感じさせる雪が降りました。そこで、雪が降るさまをハイスピード撮影してみました。そんなハイスピード撮影した降雪のようすが、下に貼り付けた動画です。

 この動画を見てわかることのひとつは、雪が写っている部分は「真っ白」に飽和している、ということです。つまり、空気中を降り・動く雪が写っている部分は決して「うっすらと雪が半透明に写っている」わけではなく、雪が移動している部分が「(サチって=飽和して非線形極まりない状態になっていて)すべて真っ白」に見えているということです(右下の画像は、輝度が飽和していることがわかりやすいように輝度を色相で表現したものです)。

 ということは、風速(雪を動かす風)が増して雪が早く動けば、動く雪で真っ白に塗りつぶされる領域が増え、目の前の視界がどんどん遮られていきます。そして、”風速(雪を動かす風)が2倍増すと、目の前を舞う雪の量が2倍増えたのと同じ程度の影響がある”という「吹雪中の視界を示す式」が成立する…ということになります。

 というわけで、「吹雪中の視界を示す式」は景色を眺める側(視覚や撮影系)に非線形性があれば「確かに当然至極成り立つ式になりそう」と、ハイスピード撮影した降雪動画を見つつ納得する今日この頃です。

ハイスピード撮影した降雪動画で考える「吹雪中の視界距離の公式」