hirax.net::inside out::2010年11月28日

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2010-11-28[n年前へ]

「おまえの目は節穴か!」はホメ言葉…かもしれない。 

 100円ショップで「ピンホールアイマスク 」を手に取り、買おうかどうか…と、ひとしきり悩みました。それを使えば、ピンホールを介して世界を覗くことになり、つまりは、被写界深度が浅くなることで、どこにでもピントがそこそこ合って、目の筋肉への負担が軽くなるかもしれない(つまりは、眼精疲労の老眼気味というわけです)、と考えたからです。

 ピンホールアイマスクを手にしつつ、ふと考えたことは、こんなことでした。ピンホールカメラは「どこにでもピントが合う」とも言えますが「どこもそこそこしかピントが合わない」とも言えます。障子に開いた穴と同じようなものです。障子の穴から部屋に差し込む光は、障子と反対側の壁に外の世界を奇麗に映し出しますが、それは、あくまでそこそこのボケ具合とピントの合い具合で、です。所詮それは、障子の節穴が映し出すピンホールカメラのボケた世界です。

 しかし、さらに考えてみれば、そんな「節穴」に私は頼ろうとしているわけです。つまり、私の目は節穴以下なのです。私の顔には、「節穴」にも劣るドングリ眼(まなこ)だったのか、と100円ショップで気づかされたのです。

 「おまえの目は節穴か!」という台詞があります。しかし、近眼・老眼・乱視のその他モロモロのメガネっこが溢れる今日この頃、ピンホールカメラを作り出す「節穴の目」をバカにしてはいけないと、ピンホールアイマスクを手に取りつつ考えたのでした。「節穴の目」は意外に世界を忠実に映し出すものなのです。意外に、「おまえの目は節穴か!」という言葉は、ホメ言葉なのかもしれません。