2004-03-01[n年前へ]
■つまらん!おまえの話はつまらん!
最近、何故か名言にはまっている。何しろ、今日なんか会社帰りに四方田犬彦の「指が月をさすとき、愚者は指を見る」を買ってしまったくらいだ。最近のこのページで、やたら名言の引用が多いのはそんな風にアフォリズムにはまっているせいである。
で、数限りなくあるアフォリズムの中で、ここ数ヶ月のマイベストは【水性キンチョール】つまらん編の中で大滝秀治の放つこの一言、「つまらん!おまえの話はつまらん!」だ。
私の口と頭がもって回った当たり前の正論を腹話術の人形のように喋っているとき、あるいは、他の人が言い始めたことを(私が)理不尽にもそんな風に感じてしまうとき、はたまた、単に相手の話に(これまた私が)興味を感じないとき、私の頭の中の大滝秀治がいきなり叫ぶのである。私の理性とは関係なく勝手に。
つまらん!おまえの話はつまらん!
大滝秀治
■広い世界は狭い世界
昨日の川上弘美のインタビューの続き。
インターネットは時々、知り合いに見せてもらっています。(中略)こんな調子ですから、私は、すごく狭い世界というか、従来どおりの普通の世界で生活しています。これはやはりインターネットが広い世界、というニュアンスだろうか。「(特にインターネットを指すわけではなく)広くて色んな人がいる場へ行ってみたつもりが、ふと気づくと周りはなんだか似たような人達。広い世界を探しに出たハズがいつの間にか、自分と似た人ばかりの少し狭い世界に入り込んでしまっているような…」ということはよくあるように思う。
広い世界はえてして狭い世界を作る。似たようなものを集めようとする力がある限りは、母集団が多い場の方が純粋に似たものが数多く集まってしまう。とはいえ、もちろん狭い世界はやっぱり狭い世界なんである。ただ、さらに狭くなるのが難しい、というだけで。