2008-05-18[n年前へ]
■ブラジャーが透けない「モカ茶のヌードライナー」と「シャツの色」
「ブラジャーはシャツの色と同系色でないと透けて見えてしまう」と聞いたことがある。「ブラジャーを着けている部分(A)と着けていない部分(B)に色の差があると、シャツの上からブラジャーが識別できる」ということを「透けて見える」というのだろうか。だとすれば、確かに、ブラジャーとシャツが同系色であればAとBの色差が小さいために、ブラジャーが識別できない=透けて見えることはない、ということになる。
青山まりの「ブラの本。」を読み直していると、こんなことが書いてあった。
どんなにカラフルな色のブラジャーを着けても、その上にモカ茶のヌードライナーを着れば、表に透けません。なぜ、「モカ茶」のヌードライナー(スリップ)の下のブラジャーは見えづらいのだろう? それは一体なぜだろうか。
青山まり 「ブラの本。」 p.121
モカ茶はこんな色(Spectrum Color Conversion)である。RGBで表現して見ると、RGB = (1.0,0.3,0.3) * 255という感じだろうか。モカ茶色のヌードライナーの下に、たとえば赤い色RGB = (1.0,0,0) * 255のブラジャーを着けた場合の色を、大雑把に単純に近似すると( a*(1.0,0.3,0.3) +(1-a)^2 * (1.0,0.3,0.3) × (1.0,0,0) ) *255 という具合になりそうだ。ここで、aやbはヌードライナー(スリップ)が(その内側を隠す割合を示す)隠蔽率・着色度を示す係数である。端的に言えば、aはヌードライナー中での光散乱を示す係数だ。
この式を眺めて見ると、まず、モカ茶色のヌードライナーの下の赤い色や黄色い色のブラジャーは識別できそうにないことがわかる。それは、モカ茶色に緑色や青色の成分がそのそも少ないために、ブラジャー中の赤色光の量が小さくない限り(上記式による)外から見た色は大差なくなってしまうからである。
では、青色のブラや緑色のブラならどうだろうか。適当な値を入れて見ると、たとえばこんな感じになる。
色の違いは微妙で「ブラが透けて見えない」とも言えそうでもあるし、「微妙にブラが透けて見える」とも見える。結局のところ、よくわからない、としか言いようがない。定量的なデータが入手できた時にでも、「モカ茶のヌードライナー」と「シャツの色」と「ブラの色」の「見え方」について、真面目にシミュレーションでもしてみることにしようか。