hirax.net::inside out::2010年12月20日

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2010-12-20[n年前へ]

私たちの頭上では「太陽と雲」が逆に動いてる。 

 北極や南極にいるわけでない私たちが太陽を見上げる時、太陽はいつも東から西へと動いています。そしてまた、日本列島にいる私たちが空を見上げれば、頭上の雲は偏西風の影響で、ほとんど多くの場合、西から東へと移動して行きます。私たちを上から眺める太陽と雲は、逆方向に動いて行くのです。太陽は東から西へ進み、雲は西から東へ走る、私たちを包む時間はそんな風に動いているのです。

 日本の空は偏西風に支配されています。西の空から東の空におよそ時速40km程度の風が吹き、雲もそして天気も、空に浮かぶものたちは、その速度で移ろって行くのです。

「虹のトンネル」を時速40kmで追いかける。

 そんなこと、太陽と雲が逆に動くことを確かめたくて、iPhoneを空に向け2時間ばかり微速度動画を撮影してみました(参考:「iPhoneで微速度動画を撮影するアプリケーションを作ってみた」)。それが、下に張り付けた動画です。私たちの頭上にある空の中を、太陽と雲が逆方向にそれぞれ動いて行くようすがわかるかと思います。太陽はゆっくりとゆっくりと東から西へと動いていき、そして、雲は西から東へと素早く走り去っていくのです。


 明日の夕暮れには、雲が晴れていれば皆既月食を見ることができる、と聞きます。もしも、明日、晴れない天気になったとしても、その時は頭上の雲をただ眺めてみるのも良いかもしれません。地球の陰に隠されて翳る月、雲の彼方にある月は、その雲とは逆の方向へ、東から西へとゆっくりと動いているのです。そんな月の姿を、西から東へと動く雲の向こうに想像してみる、のも良いかもしれません。

ガンバレ、みんなガンバレ、月は流れて東へ西へ。
ガンバレ、みんなガンバレ、夢の電車は東へ西へ。

井上陽水「東へ西へ」