2003-10-21[n年前へ]
■あなたは自分自身を記述できますか…?
そして、もう一つ。「あなた自身がどんな人間か」なんてあなたは本当にわかりますか?人間がもっとも一番よく見えないのが自分自身ではないでしょうか。自分の眉毛が見えないのと同じく、自分自身がどんな人間かということは本人が一番判らないものです。
だから、自分自身を記述しようとすると、それはたいていの場合間違った記述になります。「『クレタ人はみな嘘つきだ』と言ったクレタ人」のパラドクスの例をひくまでもなく、自分自身を参照しようとする「自己参照」はえてして色んな矛盾を引き起こすだけのものだったりします。
だから、「あなた自身がどんな人間か」を自分で決めた後に、引き寄せられてくる「おとなり人間」には私はずいぶんと怖いものに感じてしまうのです。
■Web日記とWeblog
というわけで、「自分のサイトはWeb日記, or Weblog…」なんて自己参照はまず例外なく言動の落とし穴にはまってしまっている、と思うわけです。あるいは、「表出」や「表現」という言葉を使っても、それを自己に向かって言及しようとすると、それは単に色んな矛盾や勘違いを引き起こすだけのものだったりすると思うのです。
他人のことはちゃんと見えても、自分のことはどうしても見えないものだと思うわけですね。 …というようなことが、ARTIFACTを読んで頭に浮かんできたのでした。
■あなたは「おとなり人間」に会いたいですか…?
はてなダイアリの「おとなりページ」の波が一段落した今日この頃、introというページを知る。これは、あなたの「おとなり人間」を見つけ出すことのできるツール。「あなた自身がどんな人間か」をメニューで選べば、あとはあなたに似た「おとなり人間」を見つけ出してくれるツール。
だけど…、と私は思う。あなたはあなたに似た「おとなり人間」に本当に会いたいですか?自分に似た人に本当に会いたいですか? …少なくとも、私は会いたくありません。私が会いたいのは、自分とはあまり似ていない人。自分にはないものを持っている人だと思うのです。
もちろん、そんな風には思わない人も多いでしょうけれどね。 from COULD